吉井明久に憑依してしまったので、原作みたいな扱いにならないよう、頑張る。   作:はやえもんさん

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第七問目/プロローグend そして新たな始まり

3月上旬、いつの間にやら冬は去っていてここ、私立文月学園にも春が訪れようとしている。3月最大の行事と言えば、一般的には卒業式だろうが、僕にとってはそれ以上に大きな行事がある。

 

そう。学年度末に行われるクラスの振り分け試験だ。ここで僕の行くクラスが決まる。できれば設備の良い、Aクラスに入りたい。

 

正直僕はこの1年間、と言うよりかはある日を境に今日まで、死に物狂いで勉強した。1年の最初こそテスト前にやれば良いだろと言う安直な考えで、テストで痛い想いをした。

 

そして、頭の良いやつとの差を見せ付けられFクラスでなければいいとAクラス入りを諦めようともした。

 

 

 

でもそれは、頭の良いやつから、逃げようとしているみたいで。

 

Aクラスに入る、そんな大層な言葉を、ただの上辺だけの薄っぺらい言葉にしたみたいで。

 

 

 

どうしても諦める事は出来なかった。

 

その日からは毎日、学校でも、家でも、平日でも、土日でも、祝日でも、どんな日だろうと勉強した。自分で出来ない所でも、優子さんに聞いたりしてできる様にした。得意な科目はもっと伸ばす様に努力した。

 

今日、この振り分け試験ですべてが決まる。泣こうが笑おうが、出た結果は全部僕の実力だ。それを受け止める覚悟位、とっくに出来ている。

 

優子さんへの恩返しの為。雄二達への努力の証を見せてやる為。

 

……僕は絶対にAクラスに入る!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーー---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4月上旬/私立文月学園 始業日

 

「あ、優子さんおはよう」

 

「あら明久君じゃない。今日は速いのね」クスッ

 

「うん、今日は僕のクラスが分かるからね。そりゃ速く来たくもなるよ」

 

「明久君、ずっと頑張ってたものね」

 

「……うん」

 

 

ギュッ

 

優しく、優しく優子さんは僕の手を握ってくれた。

 

「心配しないで、明久君。あなたの努力は私が1番知ってる。その私が言うんだから間違いないわよ」

 

優子さんの手を握り返し僕は言う。

 

「ありがとう」

 

ありがとう。何の変哲も無いごくありふれた言葉だけど、僕は知っている。知識豊富に言葉を使ったお礼よりも、何度も言い続けるよりも、飾らないたった一言で言う

「ありがとう」

の言葉が1番相手に伝えられる事を。

 

「…そろそろ行こっか♪手は繋いだままで良いよね?」

 

「明久君が繋ぎたいなら…もうっ!気が済んだら、離してよね!」

 

「冗談だよ」

 

パッ

 

「あっ…」

 

「ん?どうかしたの?」

 

「な、何でも無いわよ!それより速く行きましょ!」

 

「?うん」

 

 

◆◆

 

「「西村先生、おはようございます」」

 

「おお、おはよう」

 

原作……いや、もうここは現実世界と何ら変わらないんだ。原作とか比べるのはこの世界を架空の世界と認めている様な物だ。そういう表現は控えようか。で本件だが、実は僕は西村先生からの評価は高い。それもそうですか。1年間、僕はまじめに過ごしてきたし。そういう訳で朝のあいさつもこんな感じです。

 

「じゃ2人とも、この封筒を受け取ってくれ」

 

「「ありがとうございます」」

 

…ついにきた。これで僕の努力の成果がわかる。

 

……大丈夫だ。優子さんがいる。何も恐れる事は無い。

 

「…私はAクラスみたいだわ。……もうっ、そんな辛気臭い顔しないでよ。大丈夫よ」

 

「うん、そうだね。僕は…」

 

 

 

 

 

『吉井明久

 

 

 

 

 

Aクラス』




どうも読んでくださりありがとうございます。

今回で1年は終わりです。次回からは2年ですので、またよろしくお願いします。

※前話にデートシーンを書きいれました。気になる方は読んでみてください。
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