イサム「多くの方の閲覧誠にありがとうございますとイサムです」
Mk-Ⅳ「初投稿から早二ヶ月、これも読者の皆様のおかげです!」
イサム「これからも頑張っていきますので応援よろしくお願いします!」
Mk-Ⅳ「それでは本編をどうぞ!」
テスラ・ライヒ研究所 格納庫
暗闇を照らす月が見えない程の豪雨の中、誰も居ない薄暗闇で一台のトラックに何かを積み込んでいる少年が一人。
ドイツで生まれた母から受け継いだ赤い瞳に、銀髪をショートヘアにしている。
「……」
コンソールを見つめる赤い瞳は何の感情も宿さず、ただひたすら作業を行っていた。
積み込みが完了すると、シャッターを開けトラックに乗り込もうとする少年。
「ケン!!」
少年を呼ぶ声に振り向くと、ここまで全力で走ったために、息を荒げたイサム・トウゴウがいた。
「何でだよ…何でだケン!!」
訴えるように叫ぶイサムの目には涙が溜まっていた。
「……」
「答えろ!!」
今だ無言を貫く少年ケン・トウゴウに耐えかねるように叫ぶイサム。
「…俺はここを出て行く」
「出て行くって、何でだよ!?」
やっと口を開いたケンの告げる内容を信じることが出来ないイサム。
「俺は外に出て生きたいように生きる」
「生きたいように?」
「そうだ。こんな檻の中では死んでいるようなものだからな」
「檻?檻って何だよ!?」
ケンの言っていることが理解出来ずに困惑するイサム。
「せっかくの力を振るうことを嫌う奴に、これ以上学ぶことは無い」
「お前!!」
「俺があのジジイの教えを受けていたのは、技と”コイツ”を手に入れるためだ」
そういうとケンはトラックに積み込まれいる布をまくり上げる。
「それはシシオウブレード!?」
「これからの時代はこいつが役に立ちそうなんでな。いただいて行く」
「よせ!自分のためだけに力を振るうな!!」
「だったら、止めてみせろ活人剣とやらでな!!」
無表情から一転獰猛な笑みを浮かべて、腰の左右に下げている鞘から日本刀を抜き二刀流の構えをとるケン。
「やめろ!俺はお前とは…」
「戦えない、か?だから甘いのだお前は!!」
刀を抜くことを躊躇うイサムに容赦なく切り掛かるケン。
咄嗟に抜刀し防ぐイサム。
「ハァァ!!」
「っく!」
両手に持った日本刀”鷲爪(しゅうそう)”を縦横無尽に振るい、切り掛かるケンに反撃できずに防戦一方のイサム。
「どうした!反撃してこい!」
「嫌だ俺は…!ぐぁ!」
腹部に蹴りを受けて吹き飛ばされるイサム。
「ハッ!!」
「!?」
仰向けに倒れたイサムに、一瞬で間合いを詰めたケンが、刀を逆手に持ち突き刺そうとする。
「う、ぅぁぁぁァァァァァアアア!!!」
突き刺さろうとしている鷲爪を、咆哮と共に獅子丸で弾くイサム。
余りの衝撃に吹き飛ばされるが、空中で体制を整え着地するケン。
「フンッ!やっとその気になったか」
待ち望んだ様に笑みを浮かべイサムを見据えるケン。
「ウォォォォォォォォオオオ!!!」
獣の様な咆哮と共に斬撃を放つイサム。
それに怯むこと無くケンが迎え撃ち、互いの刀がぶつかり合い火花が散る。
「ハハハ!やっぱり俺もお前も、この瞬間が一番幸せな顔をするよなイサム!!」
「違う!俺は…!」
「なら他にどんな生き方が出来るってんだ。ええ!!」
「それは…!」
「刀で、人を殺すことしか脳が無い俺達によぉ!!」
「っ!?」
ケンの言葉に動揺してしまった隙に、獅子丸を弾き飛ばされ尻もちをついてしまうイサム。
「…じゃあな、兄弟」
一瞬間を置くとイサム目掛けて刀を振り下ろすケン。
恐怖の余り目を瞑ってしまうと、何かがイサムを包み込む。
「…お、ばあ、ちゃん…?」
「ババア…」
恐る恐る目を開けると、それが養祖母のシノであることに気付く。
ケンも予想外だったのか、目を見開いている。
「お婆ちゃん!お婆ちゃん!」
力無く自分に寄りかかるシノを抱えて懸命に呼び掛けるイサム。
背中を支える右手からドロッとした感覚がし良く見てみると血で真っ赤に染まっていた。
「そこまでだケン!」
そこに警備員を連れたジョナサンが現れ、ケンに呼び掛ける。
「!」
ハッとしたように、トラックへ向かって走り出すケン。
「逃がすな!撃て!」
ジョナサンの指示を受けた警備員が持っている銃をケンへ放つ。
銃撃を避けながらトラックに乗り込み逃走するケン。
「クソッ!止まれ、止まれよ!!」
ケンを追いかけようとする人々の喧騒の中、イサムは必死にシノの傷口を抑えていた。
だが、出血は止まることなく溢れ出していた。
「イサム君、シノさん!!」
ジョナサンがイサム達の下に駆け寄るよるも、その惨状に絶句する。
「所長!お婆ちゃんが!!」
「ああ!すぐに病院を手配する!」
イサムにそう告げて走り去っていくジョナサン。
「い…さむ…」
「!?お婆ちゃん!!」
声を絞り出してイサムに呼び掛けるシノ。
「話さないで!今病院に連れて行くから!!」
「いいから、聞きなさい…」
取り乱すイサムをなだめる様に話し掛けるシノ。
「あの子を…恨んでは…いけませんよ…」
「何でだよ!あいつは!!」
「あの子の…心を…支え…られなかった…私達…にも…責任は…あるのだから…」
息も絶え絶えに言葉を紡ぐシノ。
「でも…これ…だけは…やく…そく…して…」
「やく、そく?」
「あの…こ…ケンを…と…めて…あげて…あなた…に…しか…でき…ない…こと…だから…」
「うん!約束する、俺があいつを止めるよ!だから死なないでよ、お婆ちゃん…!」
決壊したダムの様に涙を流すイサムの頬をそっと撫でるシノ。
「あなた…たち…に…あえて…しあわせ…だった…わ」
その言葉と共に頬を撫でていた手が地面へと落ちた。
「お婆、ちゃん?」
イサムが呼び掛けるも返事は返ってこない。
笑顔のまま息絶えていたのだから。
「お婆ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!」
ハガネ 個室
「お婆ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!痛っい!!」
痛みと共に覚醒し、辺りを見回すとハガネの自室であった。
景色が逆さまになっているので、どうやら頭から床に落ちたようだ。
「いてててて。夢か…」
頭をさすりながら起き上がるイサム。
「(にしても、久々に見たな…)」
ここしばらく見なかった夢を見て胸騒ぎを覚えるイサムであった。
ウェーク島 司令室
「帰還命令ですか…」
「そうじゃ、直ちにアイドネウス島に戻ってくるのじゃテンペスト」
アードラー・コッホから告げられた命令に、不服の表情を浮かべるテンペスト。
「このウェーク島基地で、ハガネ迎撃任務を続行するのではないのですか?」
「いや。お前には、別の任務が与えられる。」
「しかし一隻とは言え、その戦力を侮るのは危険です。今、自分が基地を離れることは…」
「心配は無用じゃ。以降の任務はテンザン・ナカジマに引き継がせる」
「あの男に…?パイロットとしての腕前はともかく、指揮が執れるとは思えませんが」
自分の後任に疑問を隠せないテンペスト。
「それに”あの男”がそちらに向かっておる」
「…”彼”がですか?」
忌々しそうに吐き捨てるアードラーと驚いた様子のテンペスト。
「お前の帰還命令は、総帥が直々に出されたものじゃ。エルザムやシュウ・シラカワも同様の命令を受け、こちらへ向かっておる」
「(エルザムとシラカワ博士が…)」
「よいな?早急に総司令部へ帰還しろ。総帥がお前をお待ちじゃ」
通信が切られモニターには何も映らなくなった。
「(まさか…私の心が見透かされたか?ハガネの奪取ではなく、撃沈しようと考えている私の……)」
テンペストが考え事をしていると、一人の男が司令室に入ってくる。
「さーて、今日から俺がここの戦闘指揮官だからな。ちゃんと命令を聞けよ」
「……」
「!な、何だ、少佐…まだいたのかよ」
「……」
入って早々威張り散らすテンザンを軽く睨み付けるテンペスト。
「総帥があんたを呼んでんだろ?さっさと行かなきゃマズいんじゃないの?」
「言われるまでもない」
「ま、後のことは任せてくれ。ハガネは俺が手に入れてやるからさ」
「お前では無理だろうがな」
司令室のドアが開き、そう言って少年が入って来る。
「てめぇは!?」
「やはりおまえか、ケン」
「どうもテンペスト少佐。そこの太っちょは俺が見ておこう。安心して、総司令部に戻るといい」
「何だとテメェ!年上への敬意が足りねえぞ!!」
ケンの発言に激昂し胸倉を掴むテンザン。
「お前が言うなよ。模擬戦で俺に勝てたら考えてやらんでもない」
「ぐっ!」
言い返せず言葉を詰まらせるテンザン。
彼がDCに入ってから、ことあるごとに模擬戦をしているが、一度もケンに勝てたことが無いからである。
そんなテンザンの手を払い、テンペストに向き合うケン。
「ケン、総帥がお前を向かわせたのか?」
「いえ、俺の出番はこの防衛線を抜かれたらですが、退屈なので勝手に出張らせてもらいました」
悔しそうに唸っているテンザンを無視して話を進めていく、ケンとテンペスト。
「俺を無視してんじゃねえ!」
「…うるさい騒ぐな。そう言うことなので、後は任せてもらおう少佐」
「わかった。頼むぞケン」
納得したように頷き、司令室を後にするテンペスト。
「クソッ!オイ、ガキ!指揮官は俺だってことを忘れんなよ!
「俺は総帥から
「くっ!ああ、そうかよ!!」
怒鳴り散らしながら司令室を出て行くテンザンを、冷めた目で見送るケン。
「特務大尉…」
「…総員に脱出の用意をさせておけ」
不安そうに声をかけてくる兵士にそう指示するケン。
「は?」
「死にたくなければ、な」
「りょ、了解です」
慌てて駆け出す兵士を横目に、レーダーに映るハガネも見据えるケン
「さあ、来いイサム。おの時の続きを始めよう」
どこか待ちわびている様子で、ケンは呟くのであった。
ウェーク島 海域
ウェーク島基地攻略を目指すハガネからビルトシュバイン、ビルトラプター、Mk-II カスタム、ウィングガストが発進する。
「とりあえず、砲台を潰せばいいんだよな少佐?」
「そうだ。その後ハガネと残りの戦力で一気に制圧する」
リュウセイの問い掛けに頷きながら答えるイングラム。
「にしても、静かだな…」
「ああ、とっくに射程圏内のはずだ…」
敵の迎撃が無いことに違和感を感じる、イサムとイルムガルド。
「…まだだ…まだ撃つんじゃねぇぞ…。ギリギリまで引き付けるんだ!」
「了解!」
「へへへ…さぁ来やがれ!飛んで火にいる夏の虫共!今度こそ叩き潰してやるぜ!!」
モニターに映るハガネ隊を睨み付けるテンザン。
「…何だありゃ?」
「こっちのデータには無いぞ、新型の砲台か?」
「…もしやあれは…」
見たことの無い砲台を怪しむイサム達。
「撃って来ねぇんなら好都合だ!」
先走るリュウセイが砲台の一つに狙いを定め、ハイパー・ビームライフルを放つが、砲台が飛行し回避する。
「何!?飛んだ!?わっ!?」
予想外の事態に戸惑い背後を取られ、攻撃されるもギリギリで回避するリュウセイ。
「野郎!!」
ウィングガストがダブルオメガレーザーを放つも、軽々と避けられてしまう。
「奴は砲台なんかじゃねぇ!」
「…AMか」
「シュッツバルトみたいな砲撃戦型だな!」
他の砲撃戦型AM”バレリオン”が、次々と頭部に備えられた大砲からレールガンを放ってくる。
「ん~面倒だな。どうします少佐?」
「ここは我々で抑える。お前はこのまま司令部を落とせ」
「了解!」
進路を塞ぐバレリオンにむかって、機体を加速させるイサム。
砲撃が飛んでくるが、機体を左右に滑らせながら回避する。
「チェストォォォォオオオ!!」
並んでいたバレリオン三体を、右側から左側へと纏めてシシオウブレード改で両断する。
「よし、このまま一気にって、ん?」
レーダーにこちらへ近づいて来る機影を確認するイサム。
「あれは、南極に現れた奴か!」
突然現れたサイバスターが基地の上空で停止し、輝きだすとAMのみが撃墜されていく。
「何だ!?DCだけ攻撃したのか!?」
予想外の光景に困惑しているとハガネのエンジン部が爆発した。
「こ、これはあのアンノウンがやったのか!?」
予想外の事態に驚愕するハガネ副艦長テツヤ・オノデラ。
「あの機体の目的はわからんが、敵では無いのかもしれん」
「し、しかしそうと判断するには…」
ハガネ艦長のダイテツ・ミナセに進言するテツヤ。
「無論、警戒は怠るな。全部隊にも伝えろ」
「了解です」
リオが機動部隊と通信していると、もう一人のオペレーターのエイタ・ナダカが異変に気付く。
「っ!?本艦真下の海面より浮上して来る機影あり!!」
「何!?数は!」
「い、一機です!!」
「何だと!?」
ハガネ真下の海面より一つの影が飛び出し、エンジン部を切り裂いた。
「くっ、損害は!!」
「エンジン部損傷!テスラ・ドライブの出力が低下しています!!」
テツヤに叫ぶように損害を伝えるエイタ。
「もたせろ!!敵機は!!」
「直衛部隊に向かっています!!」
「先発隊を呼び戻せ!!」
動揺する部下を静めるように指示を飛ばすダイテツ。
「クソっこいつ!!」
ジャーダ機がハガネを強襲したアンノウンにマシンガンを放つも、その瞬間には視界から消えていた。
「な、消えやがった!?」
「ジャーダ!後ろ!!」
「うおぉう!?」
ジャーダ機の背後に回ったアンノウンは、両手に持っている日本刀を振り下ろそうとする。
ラトゥーニの警告で気付き回避しようとするも、左腕が切り落とされるジャーダ機。
他の機体が弾幕を張るが、それを嘲笑うかのごとく軽々と回避し、空中で停止するアンノウン。
「何て早さだあの人型!!」
「でも今までのとは形状が違う…」
「確かに鳥みたいだけど、新型なの?」
アンノウンはガーリオンに似ているが、背中には羽が付いており、足のつま先は鉤爪がになっている等、鳥を彷彿させるデザインをしている。
宙返りし助走をつけたアンノウンが、再び突撃して来る。
「これ以上はやらせん!」
シュッバルトがツインビームカノンを放つも、バレルロールで回避される。
アンノウンが、その勢いのままシュッバルトの懐に潜り込み、両手の日本刀を振り上げ両肩のキャノン砲を切り裂く。
「くっ!」
「ライ!」
アヤ機がマシンガンでカバーに入り、距離を取るアンノウンだが、回避先を予測してきたように飛来してきたレーザーを羽で防ぐ。
「チェェェンジ!グルンガスト!」
ウィングガストからグルンガストに変形し両拳を構える。
「ブーストナックル!!」
打ち砕かんと迫り来る両腕を、軽々と避けるアンノウン。
「そこだ!ファイナルビーム!!」
回避先にビームを放つも上昇して回避される。
太陽を背にしながら、降下を始め重力を得ながら加速し、グルンガストへと突撃するアンノウン。
「なっ!?ぐぉ!」
太陽光に視界を塞がれて反応が遅れ、胴体を切り裂かれるグルンガスト。
「その動き…。お前ケンか!!」
何かに気付いたように叫ぶイルムガルドに、反応するように動きを止めるアンノウン。
「流石ににお前には気付かれるか、イルムガルド」
「テメェ…。こんな所でなにしてんだ!!」
「何って、お前らの小手調べだが」
「小手調べだと?」
ケンの発言を訝しむイルムガルド。
「ビアンのおっさんがお前達に興味があるそうでな、代わりに俺が試してやろう」
「何よ偉そうに!」
「俺達を舐めてると痛い目みるぜ!」
ケンの言い様に怒りを顕にするガーネットとジャーダ。
「意気込みは十分か。だが、実力の方は…」
「ケェェェェェェェェェン!!!」
「ムッ」
会話の途中でMk-II カスタムがシシオウブレード改を振り落ろして来たので、機体を翻し回避するケン。
「見つけた、見つけたぞケン!!」
「来たかイサム。さあ、お前の今の力を見せてみろ!」
互いに振るったブレードがぶつかり合い火花が散る。
「御託はいいんだよ!俺はお前をぶん殴るためにここまで来たんだからなぁ!!」
「そのような間に合わせの機体でできると思うな。俺とこの”アリオール”相手にな!」
気迫を乗せてブレードを打ちつけ合う両者。
だが、アリオールの機動性に着いていけず、次第にMk-II カスタムの装甲に傷が増えていく。
「っ!」
「遅いィ!」
右手から振り上げられたシシオウブレードで、シシオウブレード改を弾かれるMk-II カスタム。
追撃で左手から振り下ろされたブレードを、交差させた両腕で防ごうとするも、両腕ごと胴体を切り裂かれる。
「ぐっう…!」
辛うじてコックピットは逸れるも、ブレードが掠れた衝撃で弾けた計器が、イサムの体に突き刺さる。
「終わりだッ!」
アリオールが追撃で突きを放とうとするが、飛来したビームに阻まれる。
「そこまでにしてもらおう」
「ビルトシュバイン、隊長機か」
ビルトシュバインの左腕に装備されたサークル・ザンバーが発光し、アリオールへと振り落ろされる、両手のシシオウブレードを交差させて防ぐアリオール。だが、その隙を突かれ蹴り飛ばされる。
「流石は元PTXチームの隊長、手強いか」
ハガネ隊の集中砲火を舞うように避けるアリオール。
「ハァ!」
「ッ!」
高速で迫るサイバスターを物ともせず、迎え撃つアリオール。
「テメェ!ビアンて言ったな!」
「それが?」
「なら、シュウの奴の居場所も知ってるのか!」
「だったら、どうした!」
シシオウブレードで、サイバスターのディスカッターを押し返すアリオール。
「大人しく吐きやがれ!」
「ならば、力を示せ。戦場では強者が全てを手に入れるのだ!」
目にも止まらぬ速さで空を舞いぶつかり合う、サイバスターとアリオール。
「サイバスターに着いて来るだと!?」
「シラカワ博士の言う通り、大した機動性だな。だが!」
サイバスターの背後に回り蹴り飛ばすアリオール。
体制を立て直せず、海面に叩きつけられるサイバスター。
「クソッ!」
「消耗したままじゃ無理にゃマサキ!」
「シロの言う通りよマサキ!」
頭に血が上っているマサキを、同じコックピットに乗っている白毛と黒毛の猫が
「だったらこのまま引き下がれってのかよ!!」
「先の
「そこまでです。ケン」
残念そうに呟くと、浮上して来ないサイバスターを追撃しようとするアリオール。
だが、上空の降りて来てたグランゾンに阻まれる。
「シラカワ博士か、何をしに来たので?」
「君が熱くなり過ぎたら止めて欲しいと、ビアン総帥に頼まれましてね」
「チッ、あのおっさんめ…」
「総帥の指令は彼らの力を見極めることであり。イサム・トウゴウ以外は無用な犠牲は避けるよう言われていた筈ですが?」
「…了解。これより帰投する」
渋々といった様子で飛び去っていくアリオール。
「シュウ!!」
「フッ」
マサキが呼び止めようとするが、そのままアリオールを追って飛び去って行くグランゾン。
「待て!ぐっ…!」
「「マサキ!?」」
追いかけようとするマサキだが、体力の消耗が激しく気絶してしまう。
「退いたか…。至急部隊を収容後現宙域を離脱するぞ」
「了解です。あのアンノウンは?」
「回収しろ、パイロットの話を聞いてみたい。それと格納庫に救護班を向かわせろ」
「了解しました」
ダイテツの指示に敬礼しながら返答するテツヤ。
ハガネ 格納庫
「担架急げ!!クスハ君バイタルチェック!」
「はい!」
救護班によってMk-II カスタムからイサムが降ろされているが、腹部から血が流れ出ており、既に意識は無い。
簡単な応急処置が施され、担架に乗せて運ばれて行く。
「イサム…」
「大丈夫、大丈夫だから」
今にも泣きそうなラトゥーニを抱きしめるガーネット。
「クソッ何なんだよ!あのケンって奴は!!」
怒りに任せて壁を殴るリュウセイ。
「奴はケン・トウゴウ。イサムが探し続けていた男だ」
「では中尉、奴がイサムの…」
「ああ、養祖母のシノさんを殺め二振りのシシオウブレード持ち去ったんだ」
ライディースの問い掛けに頷きながら答えるイルムガルド。
「トウゴウと言うことは…」
「奴は10年前に孤児だったのをイサムが見付けて、トウゴウ家の養子になったそうだ」
「それがどうして…」
「養子になる前に親を強盗に殺されてな、「自分の無力さが許せなかった」って言って、力を求めていた奴だったな…」
アヤの問い掛けに、やるせない表情をするイルムガルド。
「それがあの子を狂わせてしまったのかもしれんな」
「親父…」
「悪いが悲観に暮れている暇は無いぞ」
「でも…」
やってきたジョナサンの告げる内容に、割り切ることが出来ないリュウセイ達。
「彼の乗る機体に対抗するためには”コイツ”が必要だ、すまないが手伝ってくれないか?」
ジョナサンの視線の先には漆黒のPT”レオーネ”が佇んでいた。
「私、手伝います!」
「ラトゥーニ…」
涙を拭いながら告げるラトゥーニを、心配そうに見つめるジャーダとガーネット。
「彼は必ず戻ってくるから、だから」
「ああ、そうだな。その時に戦えないんじゃカッコつかないもんな」
「ええ」
「俺も手伝おう」
ラトゥーニに続いてレオーネへと向かって行くリュウセイ達。
「さてと、俺も弟分のために一肌脱ぎますか。…だから絶対戻って来いよイサム」
そう呟くと、作業を手伝いに向かうイルムガルドであった。
Mk-Ⅳ「ムラタは犠牲になったのだ…」
イサム「お前のエゴのな」
Mk-Ⅳ「いやね、なんかムラタだとイマイチ面白みが無いんだよね」
イサム「それで、オリキャラに変更したのか」
Mk-Ⅳ「気に入らない方もいると思いますが、どうかご容赦下さい。なんでもしますから」
イサム「ん?今なんでもするって言ったな」
Mk-Ⅳ「えっそんな、こんなところでなんて…」
イサム「じゃあ、あそこでこっちを見ているムラタの相手をしてもらおうか」
Mk-Ⅳ「ちょっおま、ってもういねえし!?い、いやアーーーーーーーーー!!」