スーパーロボット大戦OGs~獅子の牙~   作:Mk-Ⅳ

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この作品に目を通して頂きまた、お気に入りに登録してくださった方誠にありがとうございます。

今回は戦闘がありません!(オイ
ですがATXチームのあの女性に登場して頂きますので、どうかそれでお許し下さい。

それでは本編をどうぞ!

PS.第一話の細部を修正しました。(主に主人公の機体の愛称等)


第二話

テスラ・ライヒ研究所 食堂

 

「それで、話ってなんなのお爺ちゃん?」

 

管制室を出た後食堂で食事を済ませイサムがリシュウに話しかける。

ちなみに彼の周りに重ねられた無数の皿は、彼一人によるものである。

小柄な体つき似合わぬ大食いなのである。

 

「うむ、実はお前に日本に行ってほしいのじゃ」

「日本に俺だけで?何でさ」

「スペースノア級は知っておるな」

「うん、連邦が建造している最新鋭艦だよね」

「そうじゃ、近い内に弐番艦が伊豆で就航予定でな、その為に護衛の戦力必要なのじゃ」

「ふーん、それで数少ないPTとそのパイロットの俺に行ってほしいわけね」

 

納得がいったといった感じに頷くイサム。

 

「ラングレー基地のグレッグ指令がこの前の模擬演習での結果を見て推薦してくれてのじゃ」

「ああ、あのゲシュペンスト3機をボコッたやつね」

「まあ、あれはやり過ぎていたがの」

「だって、あいつら「刀なんて古くさいんだよ」って馬鹿にしてきたんだよ、それにお爺ちゃんの事も」

 

リシュウの忠告に少し不機嫌そうに言うイサム。

 

「気持ちはありがたいが、怒りに身を任せるのはいかんぞ、トウゴウ家家訓にある…」

「健全な肉体は健全なる魂によって育まれるでしょ?耳にオクトパスが出来る位に聞かされてるよ」

「無理に英語で言わんでも良いが…」

 

首を横に振りながらボケるイサムにツッコムリシュウ。

 

「とにかく肉体だけでなく精神の鍛練を怠るでないぞ」

「わかったよ、それにしても日本かここの皆と離れるのも寂しいな…」

「じゃが、お前の才能は腐らせるには惜しい、見聞を広める良い機会じゃと思うぞ」

「う~ん、そうだね。イルムさんやロブさんにも合いたいし」

「それに伊豆基地のレイカー指令は懐の深い人物と聞いておる。ある程度の自由は保障してくれるそうじゃ」

「それは有難いね。軍にいれば”アイツ”を見つけられるかもしれない」

 

”アイツ”と言った瞬間、イサムの顔から笑みは消え怒りと後悔に彩られた。

 

「…イサムよ、あれはお前のせいでは無い。あ奴の本質を見抜ききれなかったワシにある」

「それに敵討ちなど”シノ”は望んではおらん」

「わかってる。わかってるけどあの時俺に力が有れば”アイツ”を止められたし、お婆ちゃんが俺を庇って死ぬことはなかったんだ」

「イサム…」

「”アイツ”を倒さないと俺は前に進めないんだ。」

「だから、PTのパイロットになったし、腕も磨き続けてきたんだ」

「……わかった、これ以上は何も言わん」

「じゃが、忘れるなワシが教えた剣は”悪を絶つ剣”じゃ、決して怒りや憎しみで振るってはいかんぞ」

「うん、”アイツ”せいで苦しむ人を増やさない為に戦うよ」

 

イサムにリシュウは優しくも厳しさをを持った声で語りかける。

それに対してイサムも覚悟を決めた顔で頷く。

 

「今回の件で一番重要な事じゃがな」

「何だい?」

 

突然意味深な顔をするリシュウに思わず身構えてしまう。

 

「同い年くらいの子が伊豆基地にいるそうじゃ、いい加減歳の近い友人を作れ」

「うるせー!!ほっとけコンチクショォォォォォォォォ!!」

 

一転して呆れたような表情で気にしていることを言うリシュウに、思わず叫びながらツッコムイサム

 

「じゃって、お前イルムやロブのような年の離れた者としか親しくしておらんじゃないか」

「いいじゃん!別にそれでいいじゃん!」

「学校ですぐ喧嘩腰になるから誰も近づかんのじゃろう?」

「仕方ないだろ!そうしないと舐められるんだよ!」

「まあ、おまえは見た目が女寄りじゃしな(後背が小さいし)」

「聞こえてんぞ!コラ!160は有るわい!まだまだ伸るわい!」

「いや、無理じゃろここ数年伸びてないし」

「のーびまーすー!毎日牛乳ワンパックは飲んでるし!」

「イサムよ…、時には諦めも必要じゃぞ…」

「ヤメロー!優しく諭すなー!安○先生も諦めたら負けだって言ってたんだー!」

 

一番突かれたくない所を突かれたイサムは机を強く叩きながら抗議したり、頭を抱えてポニーテールを激しく振りながら否定する。

 

「あら、どうしたのかしらん?イサム君」

 

声のした方を振り向くと軍服を纏ったエクセレン・ブロウニングを見つける。

彼女はラングレー基地に所属しており、以前、Mk-II カスタム開発のために立ち寄った際に、弟弟子の部下ということもあり親しくなり、それ以来姉のように慕っているのである。

 

「あり、エクセ姉じゃん久しぶり隣座っていいよ」

「ありがとう」

「先生もお久しぶりです」

「うむ、久しいなエクセレン」

 

イサムが自分の席のとなりを勧め、エクセレンが礼を言って座りリシュウに挨拶する。

 

「それで、今日はどうしたのさ?」

「ラドム博士が今日のイサム君のテストのデータを取ってこいって言われたのよ」

 

めんどくさそうにぼやくエクセレン。

 

「そうなんだ、親分やブリットさんは?」

「最近物騒だからボスはお留守番でブリット君は別件で居ないのよ」

「物騒って”エアロゲイター”の事?」

「そっ出現する回数が増えてきているのよ」

「へー何かの前触れなのかな?」

「そうかもしれないって事で各基地とも警戒してるってワケ」

「……」

「爺ちゃん?」

「ん、いやなんでもない気にするな」

「?」

 

リシュウの様子に疑問を感じたので尋ねるもはぐらかされてしまう。

 

「(やはり”アノ”噂に関係しているのか?)」

「それにしても俺のデータなんか役に立つのかね?」

「何でも今開発している機体ってイサム君のアイディアを基にしているそうよ?」

「まさか全部採用するとは思わなかったな…」

 

流石のイサムも呆れてしまう。

 

「博士曰く「これで歴史は変わる!」とか言ってるらしいわよ」

「フンッ、本当にあんな物が採用されると思っとるのかのう」

「爺ちゃん、斬艦刀を”出刃包丁”て言われた事まだ気にしてるの?」

「まったくあ奴は武士道と言う物をまるでわかっておらん!」

 

「近頃の若い者は…」と愚痴り出すリシュウ。

 

「どう見ても”出刃包丁”にしか見え無いんだけどね」

「爺ちゃんは置いといて、どんな機体になるんだろう?」

「まあ、ブッ飛んだ物になるのは確実ねぇ」

「俺のレオがアレですもんね」

「さてとお仕事のお話はこれくらいにして、よいしょ!」

「わぷ!」

 

突然イサムを抱きしめるエクセレン、豊満な胸に顔を埋められて呼吸難に陥るイサム。

 

「弟分を補充しないとね~♪」

「フガフガ(何だよそれ)」

「いや~イサム君をこうしてると落ち着くのよね~」

「(俺はペットか何かかつーかマジで苦しくなってきた…)」

「エクセレンよそろそろイサムが限界じゃぞ」

「あら、やだんやり過ぎちゃたかしら」

「ゲホッゲホッ死ぬかと思ったぁ~」

 

いつの間にか戻ってきていたリシュウが忠告すると、慌ててイサムを離すエクセレン。

 

「も~ソレやめてよエクセ姉ぇ」

「だってイサム君抱き心地いいんだもん♪」

 

恥ずかしそうに言うイサムに、満足そうな表情のエクセレン。

 

「まあ、しばらくはお預けになるじゃろうけどな」

「え?どゆこと?」

「俺しばらく日本に行くんですよ」

「え~!何で!?」

 

驚きのあまり身を乗り出しながらイサムに詰め寄るエクセレン。

 

「軍から要請が有ったんですよ」

「そんなの断っちゃえば良いじゃないの、私の安眠の為に」

「これを機会に見聞を広めに行くんですよ」

「だから、ぶっちゃけ諦めてください」

「ム~じゃあ私も付いていく!」

「いや、無理でしょう…」

 

無茶苦茶なことを言うエクセレンに呆れ気味に言うイサム。

 

「定期的に弟分を補充しないと夜グッスリと眠れないのよ!寝不足は美容の敵なんだからね!」

「あくまで自分の為か、流石エクセ姉そこに憧れるでも痺れない」

「じゃあ私今晩泊まっていくから一晩弟分を補充さ・せ・て♪」

「だが断る」

 

可愛らしくお願いするもバッサリと断られる。

 

「私がこんなに可愛くお願いしてるんだからちょっとくらい良いじゃないの~」

「つーか、アンタラドム博士からお使い頼まれてるんでしょうが、早く帰らないと吊るされますよ」

「そこは、ブリット君を生贄にして…」

「後輩いじりも程々にしなさいよ、流石にそれは可哀想でしょうが」

「これもブリット君の為よ」

「意味わからん、ホントに帰りなよでなきゃレオで強制送還するよ」

「あはは…、流石にそれは勘弁」

 

あの殺人的加速を味わいたくないようで、冷や汗を流すエクセレン。

 

「おお、此処にいたかエクセレン少尉」

 

そこにジョナサンが現れる。

 

「あら、所長さんどうかなさったの?」

「どうかなさったのって、頼まれたデータを纏めたんで届けに来たんだよ」

「いやん、そうでしたこれは失敬」

「ほら、早く帰りなよ」

 

いい加減にしろ的な表情で帰るように促すイサム。

 

「もう冷たいわねぇ、そんなんじゃ恋人できないわよ?」

「アンタも居ないだろうに…」

「私は居ないんじゃなくて、つくらないだけよ」

「いつか、白馬の王子様が来てくれるまでね」

「わーロマンチックだな~」

 

乙女オーラ全開で自分の世界に入ろうとするエクセレンに、棒読みで答えるイサム。

 

「フン、先に恋人つくって自慢しちゃうもんね~」

「いやさ、本当に早く帰りなよ冗談抜きで吊るされるよ」

「そうね、それじゃあ最後におまじないしてあげる」

「おまじない?」

「そっ目つぶって」

「こう?」

 

言われたとうりに目をつぶると額に柔らかいモノが触れる感触がした。

 

「えっ?」

 

慌てて目を開けると、イタズラが成功した子供のような笑みを浮かべるエクセレンがいた。

 

「なっ、なっ」

「ふふ、良く効くからこれで安全よ」

 

そう言って顔を真っ赤にしたまま固まっているイサムを置いてエクセレンは去って行った。

ちなみにジョナサンも「若いね~」とか言って去って行った。

 

「お~い、大丈夫かイサム」

「はあっ!」

 

今まで二人のやり取りをお茶を啜りながら眺めていたリシュウに声をかけられて、再起動したイサム。

 

「うまくからかわれた気分はどうじゃ?」

「う、うるさいな~」

「それで日本に向かうのは何時なの?」

 

ニヤニヤしながら聞いてくるリシュウから話題を逸らそうとするイサム。

 

「3日後じゃ、それまでに準備を怠るでないぞ」

「うん、わかった」

「じゃあ今から始めるね」

「レオの方はワシに任せておけ」

「よろしくねお爺ちゃん、じゃあね」

 

出口へ向かって行くイサムの背中を見送るリシュウ。

 

「(どうかあの子を見守ってやってくれ”シノ”)」




次回も会話だけになりそうだ(オイ

補足
”シノ”とは本作オリジナルのリシュウの妻つまりイサムの養祖母です。
公式では若い頃の容姿がクスハに似ているくらいしか公表されていないので勝手に名前など捏造しました。
本編開始時には”ある事件”でイサムを庇い他界しています。
どのような人物かは物語の中で明かしていきたいと思います。

それでは、次回もお楽しみに。
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