イサム「同じくイサムです」
Mk-Ⅳ「 -ジ・インスペクター- Record of ATXの新刊発売に合わせて投稿してみました」
イサム「発売から大分経ってるがな」
Mk-Ⅳ「うん、ぶっちゃけスランプ気味みたいなんよ」
イサム「まじか」
Mk-Ⅳ「うん、別に書いている作品がね、オリジナル展開にしたんだけどさ、ネタが思いつかないんだ」
イサム「遂に失踪か…。思ったより粘ったな」
Mk-Ⅳ「いやいやいや、しないからね!絶対最後までやるからね!」
イサム「ならいいがねぇ」
Mk-Ⅳ「取り敢えず本編どうぞ!」
伊豆基地の滑走路
アフリカでの作戦を終えたイサムらを乗せた輸送機が、伊豆基地の滑走路へと着陸する。
「う~ん、やっと帰って来られたねぇ。アフリカもアフリカで面白かったけど、ラクダ見れたし」
「うん、楽しかった」
輸送機から降りたイサムが、体をほぐすために柔軟運動をしながら、一緒に降りたラトゥーニとアフリカでのことで談笑していた。
「何だかんだで、日本に帰って来て落ち着くんだから、私達も日本の生活に慣れたもんよねぇ」
「そうだな第二の故郷ってやつだな」
イサムの後から輸送機を降りてきたガーネットとジャーダが、感慨深そうに呟く。
伊豆基地に配属されてそれなりになる二人は、日本を故郷と言えるくらい気に入っているのである。
「んじゃあ、報告とかは俺とガーネットでやっとくから、お前達は休んでていいぞ」
「分かりました、お願いします。」
そう言って、ジャーダやガーネットと別れるイサムとラトゥーニ。
少し歩いたところで、猛烈な勢いで人影がイサムに迫って来た。
影が飛びかかった瞬間、体を逸らして避けるイサム。
「きゃん!?」
可愛らしい悲鳴を上げて、地面に倒れこむ影ことエクセレン。
「よ、避けるなんて酷いじゃないイサム君…」
「ごめん、エクセ姉。つい反射で」
結構痛かったのか、涙目で起き上がるエクセレンに謝るイサム。正直そこまで悪いとは思っていないが。
「いきなり飛びかかるからだろう。自業自得だ」
「どうも、キョウスケさん。ブリットさんは落ち込んでますけど、どうしたんですか」
「いや、何でもないよイサム。はは…」
どんよりとしたオーラを纏いながら、いかにも無理して笑っているブルックリン。今にも泣き出しそうである。
「ほらこの子、療養している間、看護していた衛生兵の子がいたじゃない?で、その子に見事に恋に落ちたわけよ」
「ちょ、少尉!?」
「ああ、クスハさんですか」
「そ、でも悲しきかな、その子の側には既に別の男が…!」
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!」
わざとらしい演技をしながら説明するエクセレンに、崩れ落ちて両手と両膝地につけ号泣するブルックリン。その目からは赤い涙が溢れていた。
「あれ?あの二人って幼馴染だけど、別に恋人って訳じゃないですよ?」
「本当かぁ!!!」
「うひゃぁ!?」
物凄い形相で詰め寄ってくるブルックリンに怯えてしまい、ラトゥーニの後ろに隠れて子犬の様に震えているイサム。
「あ、あくまで、兄妹みたいなもので、れ、恋愛感情は持ってないと思いますよ、あの二人」
余程怖いのか声が思っいきり上擦っているイサム。今にも泣き出しそうである。
「な、なら、俺にもまだチャンスはあるのか?」
「は、はい」
「よっしゃぁ!頑張るぞ俺!ファイトだ俺!オッーーーーーー!!」
自分を鼓舞しながら一人で盛り上がるブルックリン。体から炎が燃え上がったいるようだ。
「あらあら、青春ねぇ」
「そうだな」
「う~~怖かったぁ」
「よしよし」
そんな彼を温かい目で見守っている上司二名と、ラトゥーニに頭を撫でてもらいながら慰められているイサムであった。
伊豆基地 司令室
伊豆基地に戻って来て数日後に、イサムとラトゥーニは司令室に呼び出される。
部屋には基地司令のレイカーとその腹心のサカエに、豪勢なドレスを身に纏った見慣れない少女に、その執事と見られる老齢の男性がいた。
「警護、ですか?」
「そうだ。こちらにおられるリクセント公国王女殿下、シャイン・ハウゼン氏の身辺警護を君達二人にしてもらいたい」
レイカーから紹介されたシャインが、座っていたソファーから立ち上がりイサム達に歩み寄る。
「始めまして、わたくしがシャイン・ハウゼンです。どうぞよろしくお願いいたしますわ」
両手でドレスの裾をつまみ、軽く持ち上げて頭を下げるシャイン。流れる様な動作に、高貴な身分だと言うことを感じさせられる。
「わたくしめは、シャイン王女にお仕えしておりますジョイス・ルダールと申します。どうぞお見知りおきを」
続いてシャインの後ろに控えていた執事の男性が、礼儀正しく頭を下げて名乗る。
「自分はイサム・トウゴウと申します。テスラ・ライヒ研究所から出向しております」
「私はラトゥーニ・スゥボータと申します。階級は少尉です」
民間人であるイサムは、両手を腰に合わせて深々と頭を下げて礼をし、軍人であるラトゥーニは敬礼をしながら自己紹介を行う。
「そのように畏まらなくても大丈夫ですわ。普段通りに振る舞って下さいな」
「王女それは…」
「よいのですジョイス。お世話になる身ですし、何より彼らとは友達…いえ、友人になりたいのですわ」
「…分かりました王女がそう望まれるなら」
執事と見られる男性と話終えると、改めてイサム達と向き合うシャイン。
そして、緊張した表情で、何か決意したように大きく深呼吸する。
「あの、実はわたくし友を言える親しい人がいなくて、皆わたくしが王女だからと遠慮してしまうんですの。だ、だから、どうかわたくしと友達になって下さいませんか!」
恥ずかしさで顔を真っ赤にしながら、たどたどしい口調で告げるシャイン。
彼女なりに精一杯勇気を出しているのだろう。
「うん、いいよ!俺からもお願いするよ。ね、ラト!」
「そ、そうだけど。いきなり馴れ馴れしすぎイサム」
普段通り過ぎるイサムの態度に、思わず注意してしまうラトゥーニ。
「ふふ、構いませんわ。これからよろしくお願いしますしますわ、イサム、ラトゥーニ!」
「こっちこそよろしく、シャイン!」
「よ、よろしくお願いしますシャイン王女」
余程嬉しいのか今にも踊りだしそうなシャインに、完全に素の態度になっているイサム。そして、生来の生真面目さに軍人であるため、馴れ馴れしい距離感に戸惑ってしまっているラトゥーニ。
「あら、シャインで構いませんわよラトゥーニ」
「いえ、流石にそれは…」
「ちょっと真面目すぎるよねラトって」
「あなたが軽すぎるだけ。普通は王女を呼び捨てにしないから。もう少し常識を身に付けてもいいと思う」
「せ、正論だけどヒデェ」
ラトゥーニの厳しいツッコミに項垂れるイサム。そんな二人のやりとりに思わず微笑むシャイン。
そんな三人を、温かく見守っている大人達であった。
伊豆付近の海岸
シャインと知り合ってさらに数日が過ぎ、イサムを始めとする一部のメンバーは海水浴に訪れていた。
天候にも恵まれ、照り出す太陽が夏特有の熱気を生み出していた。
そんな中、海岸の一帯がより激しい熱気に包まれていた―
「ぬぅおおおおおおおおおおお!!」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」
主に二人の人間によって…。
一人はイサム・トウゴウ。もう一人はイングラム・プリスケンだ(ちなみにイサムは黒のトランクス型の水着にパーカーを羽織っており、イングラムは黒のブーメランパンツ型である)
ネットを挟んで、激しく交互にボールを打ち出している。
俗に言うビーチバレーである。
正確にはイングラム側にはSRXチーム、イサム側にはラトゥーニ、エクセレン、ブリットがいるのだが、ひたすら二人がスパイクを打ちまくっているので、余り目立っていないのだ。
「にして意外だよな。イングラム少佐ってこういうの参加しないと思ってたのに」
試合を観戦していたタスクがふと、隣にいたリオに話しかける。
「ああ、イサム君が誘って連れて来たのよ」
「へ~どうやって?」
「それがね―」
伊豆基地 通路
『今度の休暇に皆で海水浴に行くんですけど、少佐もどうですか?ビーチバレーとか』
『いや、そのその翌日にマオ社とテスラ研から届く機体の搬入準備があるので、遠慮させてもらう』
『少しくらい遊ぶ時間はあるでしょう?ああ、負けるのが怖いのならしょうがないですよねぇ。部下の前で惨めな姿を晒したくないですもんねぇ』
『(ピクッ)いいだろう行こう』
「―って」
「…スッゲーな、怖いもの知らずかあいつ」
イサムの恐ろしいまでの胆力に、感心するタスクら話を聞いていた一同であった。
「さすがは少佐、やりますね…」
「ふっお前もなイサム」
激しい点の取り合いの末、遂にイングラム組がマッチポイントとなり、エクセレンのサーブから始まる。
「エクセ姉ェ!」
「まっかせなさいイサム君。我が魅惑のサーブを受けよ!」
軽い言葉とは裏腹に、コート端に突き刺さる様な鋭いサーブが放たれる。
「リュウセイ!」
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!燃えろ俺の何かぁ!!」
撮り損ねたら何をされるか分からないので、必死にレシーブするリュウセイ。
「少佐!」
「ハァッ!」
そして、リュウセイが上げたボールをアヤがトスすると、助走をつけてジャンプするイングラム。
「デット・エンドシュゥゥゥゥゥゥゥゥゥトォ!!!」
イングラムが打ち出したボールは弾丸の如き速度で―
「ギャン!?!?」
イサムの顔面に突き刺さった。
「む、無念…」
そう呟いて仰向けに倒れるイサム。
「ゲームセット!イングラム組の勝利!」
審判を務めていたジャーダの宣言に合わせて、観戦組から喝采があがった。
「お、終わった…」
「やれやれだな…」
無事に試合が終わったことに安堵するリュウセイとライディース。
ライディースは本来、日焼けが嫌なので参加しない予定だったのだが、イングラムに命令されて連れて来られたのである。
「では、俺は戻る。もう暫くしたらお前達も戻れよ。その後SRXチームはミーティングだ」
そう伝えて立ち去ろうとするイングラム。その表情はどこか、充実感を得られたように感じられる。
「了解です。あの、少佐…」
「何だ?」
「いえ、何でもありません。すみません、引き止めてしまって」
イングラムを引き止めるアヤ。
だが、伝えたいことを言葉にすることが出来ず、諦めてしまう。、
「アヤ」
「は、はい!」
「その水着は、悪くないと思うぞ」
「!あ、ありがとうございます!」
アヤの水着を褒めると去っていくイングラムだった。
「う、う~ん」
暗闇の中で目を覚ますイサム。
かすかに聞こえてくる波の音で、自分が海にみていたことを思い出す。
ああ、そういえばビーチバレーで、顔面にスパイクされたボールが直撃したんだったなぁと、意識を失う前のことを思い出した。
そして現在、自分は寝かされているようだ。体から砂浜の感触がある。
でも、何やら頭の後ろ側から柔らかい感触と程よい温もりが伝わってくる。昔、おばあちゃんに膝枕してもらった時の感覚に似ているなぁとぼんやりと考えるイサム。
「イサム?目が覚めた?」
不意に頭上から声がしてくる。心配してくれているラトゥーニの声だ。
「うにゃぁラトぉ?」
ゆっくりと瞼を開けると、思いがけない至近距離でラトゥーニが自分を見下ろしていた。
「うにゃぁ!?」
予想外の距離で見つめ合っていたので、思わず起き上がろうとしたら、ラトゥーニに両手で頭を掴まれて固定された。
「ちょ、ラト!?痛い、痛い!ギリギリいってるから!めちゃ痛いから!」
「いいから、じっとしてる」
「あっハイ」
いつになく強い口調で言われたので、大人しくなるイサム。
それを確認すると手に込めていた力を緩め、イサムの頬に両手を添えるラトゥーニ。
くすぐったいが心地よい感触に、自然と落ち着きを得るイサム。
「そう言えばラト」
「何?」
「その水着似合ってるよ」
「うん、ありがとう」
イサムが水着を褒めると、ラトゥーニが顔を赤くしながらも嬉しそうに微笑む(ラトゥーニが来ているのは、フリルをあしらった白色のワンピースタイプである」
そんなラトゥーニを見ていると、不意に顔が赤くなって、心臓の鼓動がうるさく感じる程早くなっていた。
そのまま、話すこともなく無言だったが、気まずさは無く寧ろずっとこうしていたいと思えた。
「平和だね」
ふと、ラトゥーニがそっと呟いた。
その視線の先には、他のメンバーが水遊びをしたり泳いだりと楽しんでいた。
「うん、そうだね」
「ずっと、このままだったらいいのにね」
本当にそうだったらいいなと考えるイサム。
しかし―
「アイドネウス島で、シラカワ博士が言っていたこと覚えてる?」
「うん、『戦いに備えなさい』って言っていた」
アイドネウス島での決戦の後、シュウ・シラカワが告げた内容を思い返す二人。
「まだ、戦いは終わってないんだ。だから―」
そう言いながら頬に添えられていたラトゥーニの手に、自身の手を重ねるイサム。
「君は俺が守るよ。何があっても」
「私もあなたを守るから」
見つめ合いながら、重ねていた手を握り合うイサムとラトゥーニであった。
今、人類の新たな試練が始まろうとしていた…。
Mk-Ⅳ「でさ、スランプ気味って言ったじゃん」
イサム「ああ」
Mk-Ⅳ「それでさ、前から書いてみたかったのがあるのよ」
イサム「新作を書くだと?そうやって新しいのばっかり書いて、完結出来ないパターンじゃねえか?」
Mk-Ⅳ「さ、三作までなら大丈夫だって(震え声)」
イサム「とにかく、読者様を失望だけはさせるなよ」
Mk-Ⅳ「ウッス!細かいことは活動報告に書きますので、よければご確認下さい」
イサム「それでは、ご愛読ありがとうがざいました!」
Mk-Ⅳ「あざっしたぁ!」