スーパーロボット大戦OGs~獅子の牙~   作:Mk-Ⅳ

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第二十六話

L5宙域に突如出現したエアロゲイターの拠点『ホワイトスター』を攻略すべく、連邦政府ならび軍は作戦名『オペレーションSRW』を発動す。

指令である、ノーマン・スレイ少将が座乗したアルバトロス級グレートアークを旗艦とした艦隊が総攻撃を開始し、これを迎え撃ったバグスの大軍と激突した。

その中で、ハガネ・ヒリュウ隊は左翼前方へ突出し、敵陣の誘因・撹乱を行っていた。

 

『オラァ!』

 

レオーネの振るったシシオウブレード改が、バグスを軽々と両断していく。

群れの中心に突撃したレオーネを他のバグスが包囲しようとすると、飛来したビームは実弾に叩き落とされていく。

 

『相変わらず数だけは多いぜ!』

『でも、人型は見えないわね。様子見かしら?』

 

次から次へと押し寄せてくるバグスに、ジャーダが辟易していると。ガーネットが疑問に思ったことを口にした。

作戦が開始してから遭遇したのはバグスのみであり、ナイトはおろかソルジャーやファットマンといった人型の姿が見られないのだ。

 

『でも、敵には転移技術があるから。その気になればいつでも好きな場所に戦力を投入できる』

『何であれ、前に進み続けるしかないさ!』

 

ラトゥーニの懸念を吹き飛ばすように。イサムは機体を新たなバグスの群れに突進させ、ブレードで数体を纏めて突き刺すと、そのまま振り回し他の個体諸共なぎ倒す。

 

『うおっと!』

 

新たに現れたバグスが放ったレーザーをレオーネは回避するも、その隙に1体が組み付こうと肉薄してきた。

 

『T-LINKナッコォ!!』

 

そのバグスをR-1が念を纏った拳で破壊した。更に、それに続くようにR-2の砲撃と、R-3のミサイルが残りのバグスを撃破していく。

 

『ありがとうございます、助かりました』

『いいってことよ』

『リュウ、ライ私達はこのままハガネ前衛の敵陣を切り崩すわよ』

『了解です大尉』

『ガーネット、ラト、イサム、俺らも続くぞ!』

 

SRXチームと共にハガネ進路上の敵そ撃破していくイサムら。

北京での戦いから意識不明で療養していたアヤは本作戦から復帰しており。目が覚めた当初は、イングラムの離反を認められず錯乱してしまうも、リュウセイとライディース、他の仲間らの励ましによって立ち直り、イングラムと決着を着けるべく強い決意と共にこの戦いに挑んでいた。そして、それは他の2人も同様であり、立ちはだかるバグスの群れをものともせず蹴散らしていく。

 

『アイアン2より各機へ、これよりフェーズ2へ移行する!射線上より退避せよ!』

 

機動兵器による露払いである、フェーズ1が完了したことを告げるエイタからの通信に、各機が回避機動に入っていく。

本隊から発射される核ミサイルがホワイトスターに殺到していき、眩い閃光に包まれた。

 

『やったか!?――なッ!?』

 

閃光が収まると、幕のような輝きに包まれた無傷のホワイトスターが姿を現す。

 

『無傷だと!?』

『あんたが余計なこと言うからでしょジャーダ!?』

『俺のせいかガーネット!?』

『そんなこと言ってる場合じゃないですよ!ラト、あれって…』

『うん、ホワイトスターを覆っているのは、念動フィールドよ』

『でも、直径40㎞の念動フィールドなんて…』

 

驚嘆の声を漏らすアヤ。念動力者である彼女には、それがどれだけ途轍もないことか理解してしまえるのだろう。

 

『ッ!艦隊後方より転移反応!』

『転移戦術に移行したか!』

 

ラトゥーニに警告に、ジャーダが思わず舌打ちする。

次々と出現するソルジャーとファットマンが、背後から艦隊へと襲い掛かり。人型の攻撃により被弾した本隊所属の機体らに、バグスが取りついていく。

 

『ヒッ!た、助け…!』

 

コックピットをこじ開けたバグスが、パイロット拉致していく。

 

『くそっ!サイフラッシュで纏めて蹴散らすぞ!』

『ダメニャ!敵は味方機に取りついてニャ、サイフラッシュで虫共を攻撃したら、味方機が爆発に巻き込まれるニャ!』

 

悪化していく戦況に、誰もが焦燥感を募らせる中。ダメ出しと言わんばかりにフラワー――敵艦が現れ主力艦隊側面へと迫っていく。

 

『おい、アレってヤベーんじゃねーか!?どうするッ追うか!?』

『貴様らの役目を忘れるなドアホウ共』

 

焦れるリュウセイの言葉を遮るように、アリオールを駆るケンがシシオウブレードでエアロゲイターの機体を斬り伏せていく。

他にも、ゼンガーのグルンガスト零式が斬艦刀でフラワーを一刀で両断し、エールのディバイソンが一斉射でバグスらを吹き飛ばす。それに続くようにクロガネを中心としたDC、統合軍残党部隊が連邦軍に加勢していく。

 

『アイアン2、ならびにドラゴン2所属の機動部隊は母艦へ帰投せよッ。本遊撃艦隊はこれよりフェイズ4を実行する!』

 

本来であればフェイズ3――艦隊機動部隊がホワイトスターに接近し、内部に核を撃ち込む予定だったが。フィールドによって阻まれ実行不可能となり、最終手段であるフェイズ4――少数精鋭による敵中枢への電撃戦へ移行したのだ。

 

『進め、貴様らに許されたのは前進のみだ』

『でも…』

 

ケンの言葉に、躊躇いを見せるイサム。こうしている間にも、友軍が拉致されておりそれを見過ごせないのだ。

 

『俺達に構わず行けッ!ハガネ、ヒリュウ!』

『こうなったら、あんたらが頼りだ!行ってくれ!』

 

躊躇うイサムらの背を押すように、正規兵らが果敢に敵部隊に立ち向かっていく。中には敵機を巻き込んで自爆していく者もいた。

 

『ッ!』

『行くぞイサム。彼らの想いを無駄にするな』

『…はいッ』

 

ライディースの言葉に意を決したように答えると、他の機体と共にハガネに帰還するイサム。

 

『でも、突撃するにしたって、どうやってフィールドを破るんだろう?』

『テスラドライブ搭載艦で並列陣形を構成して、収束されたブレイクフィールドを先頭のクロガネの艦首回転衝角で旋穿尖スパイラル・エネルギー・フィールドに変換、敵要塞のフィールドを貫通させるみたい』

『艦隊そのものをドリルにするって感じか、ん~なんか覚えがあるような…』

『オペレーション・ブレイクアウトでお前らがコロニー統合軍に使った戦法の応用だ。エルザム少佐が提案した』

 

イサムの疑問に、ラトゥーニとケンが答える。

 

『やられた側が言うのも何か因果やね、ダーリン』

『――ハッ』

『うわ、こいつ人の愛情表現を全力で鼻で嗤いやがった!』

『使えるものは使う、それだけだ』

『しかも完全に無視しやがった!ふぇえええん、ラトちんウチの彼氏が酷いよ~!』

『えっと、頑張って下さい』

『でも、そんなところが好き』

『えぇ…』

『面白い人だなぁ』

 

そんなやり取りをしていると、クロガネ船体に強い衝撃が走ったのだった。

 

 

 

 

『ふん、またあの黒いのか。2度も通用すると思ってんのかい原始人め。アウレフ!』

『了解、メタルジェノサイダー起動』

 

ヴァイクルに乗ったアタッド・シャムランの指示に、イングラムはR-GUNを変形させチャージを始める。

その砲口はホワイトスターに突撃している遊撃艦隊に向けられた。

 

『デットエンド・シュートッ』

 

チャージが終わるのと同時に放たれた高出力ビームは、艦隊を覆うブレイクフィールドごとクロガネ右舷を貫いた。

 

『いい仕事をしたねアウレフ。誉めてやるさね。さあ、後は足を止めた奴らをいたぶって――ん?』

 

失速し艦列から離脱していくクロガネを見て。目論見通りにいったとほくそ笑むアタッドの意に反し、遊撃艦隊は止まることなくハガネ、ヒリュウのみでホワイトスターを覆うフィールドへと激突した。

 

『足掻きやがって。アウレフ!』

『メタルジェノサイダーの次砲発射には時間がかかる』

 

冷却中のR-GUNを見て、アタッドは舌打ちする。

 

『使えないねぇ。それなら、ガルイン!』

『リョウカイ』

 

本隊と交戦していたゲシュペンスト・タイプSが、標的を遊撃艦隊へ変更し接近していく。

そんなタイプSへと複数のビームが飛来し機動が阻害される。

 

『カーウァイ隊長、あなたを縛る呪いは我々が断ち切る』

 

タイプSの前に、ギリアムら元教導隊の面々が立ちはだかった。

南極での交戦記録の分析と、エクセレンとクスハの事例から。タイプSに搭乗しているのは特殊戦技教導隊の隊長であるカーウァイ・ラウ大佐であることが判明したのだ。

だが、彼女らと違い拉致されて年時が経ち過ぎていること。そして何より、相手の技量からして救出することは不可能との見解で一致された。

ならばせめて、自分達の手で敬愛するかつての上官を解放すべく、彼らは戦いを挑むのであった。

 

 

 

 

『ステージの真ん中でフリーズとかッ。ホ!脳みそバグってんじゃねえのかッアハハハハハッ!』

 

ゲーザ・ハガナーが駆るヴァイクルが率いる部隊が、ガルインとは別のルートで遊撃艦隊へと迫っていた。

それを迎撃すべく、レオーネら機動部隊が出撃していく。

 

『いけェ!』

 

レオーネが投擲したブレードを80mはある巨体にも関わらず、俊敏な機動で回避するヴァイクル。

 

『ホッ!甘ぇてのォ!』

 

お返しと言わんばかりに、ヴァイクルが放ったビーム砲を回避するとブーメランの要領で戻ってきたブレードを手にし斬りかかるレオーネ。

だが、小型砲台から放たれる無数のビームに阻まれてしまう。

 

『加勢するよ弟君!』

 

そこにディバイソンが一斉射で援護に入り、迫る弾丸やビームを回避しながら小型砲台でミサイルを撃ち落としていくヴァイクル。

その隙にビルドラプターが、ハイパー・ビームライフルで背部の推進系を狙撃してダメージを与える。

 

『こんのッ雑魚共がさっさと落ちグぉ!?』

『邪魔だデカブツ』

 

被弾の衝撃で動きの鈍ったヴァイクルに、肉薄したアリオールが顎を蹴り上げると。ブースターを全開まで吹かし両手を水平に広げ独楽のように回転しながら、蛇が這いまわるように斬り刻んでいく。

更にレオーネが追撃に入り、放たれた斬撃を回避しようとするも、鳥の翼を模したブースターが片方切断された。

 

『グォォォおおおおお!?この俺が、ゲーザ・ハガナー様が猿なんかに押されるだとォ!?』

『チッ無駄に頑丈だな』

 

流石に堪えたのか、一度距離を取るヴァイクル。各部がショートし火花を散らしているも、未だ健在な姿に鬱陶しそうに舌打ちするケン。

 

『リュウ!ライ!やるわよッ。機動エリア確保!』

『おうよ、俺達の力見せてやろうぜ!』

『了解!ハイゾルランチャー、シューッ!』

 

イサムらがゲーザを抑えている間に。他の敵機を蹴散らし、Rシリーズが加速していく。

 

『パターンO・O・Cプロテクト解除ッ。T-LINKフルコンタクト!』

『トロニウム・エンジン、フルドライブ!』

『念動フィールドON!各機変形開始!』

『行くぜッ、ヴァリアブル・フーメーション!』

 

Rシリーズが変形を開始し、合体を始めていく。

 

『舐めてんのかッ。全部見えてるっての!』

 

それを見たゲーザが、被弾を無視しながら強引にRシリーズに接近し。放たれたビーム砲をフィールドで逸らし本体への被弾は防ぐが、脚部となるR-3のプラスパーツが弾き飛ばされてしまった。

 

『しまった、R-3のプラスパーツが!』

『振り切れ!宙間戦闘なら脚はなくても何とかなる!』

 

動揺するリュウセイをライディースがフォローしつつ、不完全ながら合体は継続される。

 

『潰れろよおッ!プチっとッ!!』

 

リュウセイの声に激しい頭痛に見舞われたゲーザは、錯乱気味に小型砲台と合わせビームを乱射していると。ヴァイスリッターによって砲台が次々と撃ち落とされていく。

 

『ホ!?』

『合体中は手出し無用のお約束よ、学校で習わなかった?』

『いい加減大人しくしてろこの鳥ィ!』

 

追いついてきたレオーネに蹴り飛ばされるヴァイクル。その間にR-3のプラスパーツを手にしたアルトアイゼンが駆け付ける。

 

『キョウスケ中尉!』

『初見せで半欠けでは格好がつかん。見せつけてやれSRXチーム』

 

プラスパーツが装着され、合体を完了させたSRXへ敵機の大軍が迫る。

放たれた攻撃を回避しつつフィールドで防ぎながら、全ての射撃武装を開放していくSRX。

 

『S・R・Xッフルバーストッ!!』

 

放たれたビームとミサイルが、眼前一面に広がる敵機を飲み込み吹き飛ばしていく。

 

『天下無敵のスーパーロボット!SRXここに見参!!』

 

大軍の背後に控えていたR-GAN――イングラムと対峙するSRXチーム。

 

『人類の、俺達の力を見せてやる!!』

 

ついに人類の英知の結晶たる巨人が誕生し、戦いは次なるステージへと進んでいくのであった。

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