スーパーロボット大戦OGs~獅子の牙~   作:Mk-Ⅳ

33 / 41
どうも、お久しぶりです。

原作であるゲームが、公式から何も情報が発信されないので、書きたくても我慢していましたが。八房龍之助氏の漫画版のOG2編が遂に完結が見えてきたので、とりあえずそこまでは書いてもいいかと思い、今回からOG2編を初めていきます。


OG2
プロローグ


???

 

とある一室にて、20代と見られる男が瞑想しながら立っており。その手には日本刀が握られていた。

 

「――――!」

 

その正面に離れた位置には、鉄の塊が固定されており、カッ!と目を見開くと男は八相の構え(・・・・・)を取ると、踏み込んだ一瞬の間に距離を詰めると、鉄の塊に向けて刀を振り上げた。

 

「チェストォォォオオオッ!!!」

 

(ぱく)の雄たけびと共に袈裟斬りに振るわれた刃は、鉄の塊をまるで何の抵抗もないかのように通り抜けると、僅かの間を置いて。両断された上部が滑り落ちるように地面に落ちると、鈍い音を室内に響かせるのだった。

 

「…………」

 

男が残心を残していると、背後から手をたたく音が聞こえてくる。

 

「流石だなヤイバよ」

「ヴィンデルか」

 

ヤイバと呼ばれた男が刀を鞘に納めながら振り返ると、語り掛けてきた男に応える。

 

「何か変事か?」

「いや、レモンからお前の機体の修復が終わったので、調整に付き合えだそうだ」

「それなら通信で呼べば済むであろう?お前が出向くことはあるまい」

「お前の様子を見るがてらな。その様子では傷は癒えたようだな」

 

ヤイバに斬られた鉄の塊の断面は、まるで鏡のように淀みなく反射しており、その仕上がり具合にヴィンデルは満足そうな笑みを浮かべる。

 

「うむ。あの魑魅魍魎の(けだもの)共から受けた屈辱、次こそは晴らしてみせよう」

 

静かにだが、周囲の大気を――いや、部屋そのものを震わせんばかりに闘志を漲らせるヤイバに、ヴィンデルは諭すように話す。

 

「ああ、我らは必ずあの世界(・・・・)へと戻り本懐を遂げようぞ。だが、その前にこちらの世界(・・・・・・)で力を蓄えねばならん」

「承知している。それで首尾は?」

「問題ない。間もなくDC(ディバイン・クルセイダーズ)の残党がこの地に集い、新たな戦乱が起きよう。その時にお前にも存分に働いてもらうぞ」

「任せてもらおう。我が刃に二度目の敗北はない」

 

期待しているぞ、と告げてヴィンデルが出ていくと、ヤイバは胸元からロケット状のペンダントを取り出した。

中身を開くと、ヤイバと彼に甘えるように抱き着く、似た顔立ちの少年が映った写真が収められていた。

 

イサム(・・・)、お前は私を…」

 

写真の少年に何か語り掛けようとしたが、ヤイバは栓のないことと切り捨てるようにペンダントをしまうと、部屋を後にするのだった。

 

 

 

 

新西暦187年・中国 山東地区

L5戦役にて人類は、異性からの脅威であるエアロゲイターを撃破することに成功し、平和を享受――することはなく、戦後は連邦政府へ抵抗活動を続けるDCの残党との戦火が世界各地で散発していたのだった。

中国大陸も例外でなく、山東地区へ終結を始めた残党と、それを討伐しようとする連邦軍との戦闘が勃発していた。

 

『各機へ、地上部隊の支援に向かうぞ』

 

連邦軍の識別が刻まれたAM部隊が空を駆け、隊長機のガーリオンが僚機のリオンに伝達する。

爆撃しようと降下を始めようとした矢先、それを見越したように地上から放たれた無数のビームに数機のリオンが貫かれ爆散していく。

 

『!?砲撃ッ。散開しろ!!』

 

奇襲を受けて陣形が乱れたAM隊に、索敵の死角から飛び込んできた機体が襲い掛かる。

 

『何だっ、こいつ!?動きが――!?』

 

リオンがロックオンしようとするも、補足する直前にモニターから敵機が消えしまう。

まるで幻のように消えてしまったことに、パイロットが動揺している間に、死角から肉迫した敵機が振るった日本刀(・・・)型のブレードによって、コックピットごとパイロットが両断されて爆散する。

 

『ベックがやられた!』

『駄目だ、こいつ、速すぎ――』

 

他のリオンも、敵の機動力に翻弄されれいき。まともな抵抗もできず、両手にそれぞれ保持したブレードによって次々と斬り捨てられていき、接敵して数分も経たずに、隊長機を残し部隊は壊滅してしまうのだった。

 

『――ッおのれェ!!ブレイク・フィールドオン!』

 

激昂したガーリオンのパイロットは、部下の仇を取らんとフィールドを自機の周囲に展開し、突撃を敢行する。

 

『砕けろッ!ソニック・ブレイカー――』

 

加速しようとした瞬間、既に懐に潜り込んでいた敵機は。同じようにフィールドを纏わせたブレードを突き立てていた。

その刃は、ガーリオンのフィールドの真芯を捉えると、機体の胸部ごと難なく貫いた。

 

『フィールドの発生と加速のタイミング、どちらも付け焼き刃が過ぎるな』

 

接触回線から流れてくる敵機のパイロットの声は、まだ若さこそ残るも、歴戦の兵の威厳を備えた重みが感じられるものであった。

そして、結果的に動きが止まった敵機の姿に、連邦兵の目が驚愕に見開かれる。

自機と同じ、ガーリオンの風貌を残すも、まるで羽のようなバックパックに、各部に鳥類を思わせる改修がなされた外観は、連邦兵にとっては今や恐怖の象徴となっていた。

 

『――アリオール…。『烈風』…』

 

己を討った敵の異名を呟いている間に、アリオールはブレードを引き抜きながら後退すると、ガーリオンは被弾個所からショートを起こし、内部からの爆発で藻屑となって散っていく。

 

『…サエーナ。こちらストーム1、目標を撃破』

『サエーナ了解。周囲に他の敵影見られず、状況終了。帰投されたし』

『了解した』

 

アリオールに乗るケン・トウゴウは、通信を終えると、次に僚機に通信を繋ぐ。

 

『ストーム2帰るぞ』

『ああ、可愛い娘愛でてぇ…。ラトちん、ラトちんはどこぉ?お姉ちゃん匂いを嗅がないと、ああ…ああ…』

 

禁断症状でとち狂った――物凄く切なげな声しか聞こえてこないので、躊躇いなく通信を切った。

そして、何もなかったように、ある方角に機体ごと視線を向けた。

 

『俺はここだ、ここにいるぞ。早く来いイサム』

 

誰もいなくなった空の下。まるで恋焦がれるかのように、ケンは宿敵の名を呼ぶのであった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。