スーパーロボット大戦OGs~獅子の牙~   作:Mk-Ⅳ

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第四話

中国 山東区

障害物のない平原にて、連邦軍の戦車隊が迫るDCのランドリオン隊へ砲撃を行うも、持ち前の機動性でその弾幕を難なく避けながら左腕のレールガンによる反撃によって1台、また1台と爆散して数が減っていく。

 

「数はこちらが上なんだ!1機くらい撃破してみせろッ!」

 

車長であり、部隊長が通信機越しに怒声交じりで檄を飛ばすも、味方の攻撃は成果を上げることなく、被害だけが増大していく。

 

「ッ――当たらないッ。人型モドキのくせにッ」

 

砲主が懸命に照準を合わせて引き金を引くも、敵は嘲笑うかのように悠々と射線から機体を逸らし、砲弾は何もなくなった空間を空しく突っ切っていった。

 

『いいぞ!我らDCの戦いが終わっていないことを、連邦の愚か者共に教えてやれッ!』

『はッ!』

 

距離を詰めたランドリオン隊の隊長が啖呵切って先陣で突撃すると、部下も続いて切り込んでいき、戦車隊の側面に回り込んでいく。

 

「ひっ!?」

 

砲主が急いで砲塔を旋回させるも、突きつけられたレールガンが火を噴く方が当然ながら早く、これまでかッと咄嗟に目を覆う。――が、待てども何も起こることはなかった。

 

「?」

 

いったい何が?と恐る恐る目を開けモニターを見ると、敵機はレールガンを構えたまま停止しており、トラブルか?と思った瞬間、機体の上半身が傾き始めると、重力に引っ張られ鈍い音と共に地に落ち、残された下半身が力なく崩れ落ちていった。

事態を飲み込めず唖然としている、何かが陽の光が遮り影を差しており。そちらに視線を向けると、日本刀型のブレード手にした漆黒の巨人が残心を残すように佇んでいるではないか。

 

「――!あれはっ」

「オセロ小隊のPT来援、じゃないっ。これは――教導隊のレオーネ!!」

 

想定外の救援に、車長ともども驚愕していると、レオーネがこちらに振り向く。

 

『――大丈夫ですか?』

「あ、ああ。すまない助かった」

 

通信機越しに聞こえてきた幼さを感じる声に、車長は噂通り本当に子供が乗っているのかと、内心複雑な心境を覚えるも、染みついた習慣が喉から返答を押し出させる。

 

『前線はこちらで受け持ちます。態勢の立て直しを』

「了解した。救援に感謝する」

 

そう答えると、漆黒の機体は他の敵機を駆逐していた赤い機体らと共に、敵陣目掛けて吶喊していくのであった。

 

『あれって、ATXチームのアルトアイゼンとヴァイスリッターだよな?』

『ああ、あれがL5戦役の英雄らか、凄まじいな』

「貴様ら作戦はまだ終わってないんだぞ!動ける奴はさっさと隊列を組みなおさんか!」

 

見惚れている部下らを一喝する車長。大人の教示として、子供に重荷を背負わせたまま引き下がるまいと己を奮起させるのだった。

 

 

 

 

ストーク級サエーナ 格納庫

『前線部隊より入電!敵増援部隊の中に、ATXチームと見られる部隊ならびに、黒のRTX(ヒュッケバイン)タイプを確認!』

 

オペレーターからの通信に、ケンは即座に反応すると即応状態の機体を完全に稼働させる。

 

「特務隊出るぞ」

『どうぞ。できればユウキ君の隊と一緒に、側面から当たってもらえるとありがたいですが』

「そうさせてもらう」

 

ブリッジのアーチボルドとやり取りをしながら、機体のコンディションを確認する。

 

「ユウキ少尉、ATXチームは任せる。俺の邪魔をしなければ好きにやれ」

『はっ。同行させていただきます』

 

ハンガーごと自動で移動し、カタパルトに固定されると同時にハンガーが解放されると、発進体制を整えながら、オペレーターと交信をする。

 

『システムオールグリーン。ユー・ハブ・コントロール』

「アイ・ハブ・コントロール」

『アリオール、発進どうぞ』

「――ケン・トウゴウ。アリオール出る」

 

カタパルトに押し出されて射出されると、ケンは機体をコントロールして飛翔すると、戦域へ向けて加速していく。

 

『続いてディバイソン、発進シーケンスへ移ります』

 

ディバイソンがカタパルトに移されると、射出準備が進んでいく。

 

『システムオールグリーン。ユー・ハブ・コントロール』

「ノウ・ハブ・コントロール!!」

『ディバイソン、発進』

「Noooooooooooo!!」

 

慣れた手つきでオペレーターが操作すると、強制射出されるディバイソン。

パイロットのエールは悲鳴をあげながらも、ヤケクソ気味に着地すると、キェェェェ!と雄たけびをあげてケンの後を追いかけるのであった…。

 

 

 

 

『地上部隊離れろ!爆撃をかけるぞ!』

 

地上本隊目掛けて猛進するレオーネとアルトアイゼンに向けて、DCのリオン部隊が襲い掛かろうとすると、ヴァイスリッターの狙撃で1機撃墜される。

 

『アウトレンジスナイプ!初弾から当ててきた!?』

『全機回避運動!狙い撃たれるぞッ』

 

散開して追撃を避けるリオン隊にエクセレンがあら、と関心する。

 

『いい動き。でも進行鈍ったわよブリット君!』

『はい!サークル・ザンバーセット!』

 

動きの鈍ったリオン隊に、ブルックリンの駆るM(量産)型ヒュッケバインMK-Ⅱが懐に飛び込み、左腕に展開した円形のビーム刃で両断して撃破していく。

 

『全機このまま単縦陣で敵ラインを突破する』

『アサルト2らじゃー』

『アサルト3了解』

『アサルト4ガッテンです!』

 

アルトアイゼンを先頭に、敵陣を食い破ろうとするイサムを加えたATXチームだが、敵陣の厚みに阻まれ時間経過とともに勢いが削がれ始めてしまう。

 

『キョウスケ中尉、右翼が寄せて来ます!』

『エクセレン、味方の後続は?』

『うーん…。現在第一防衛ライン上で駆け足中…』

『慎重な運びだぁ。やっぱ俺らと正規部隊じゃ嚙み合わせ悪いスッねぇ』

 

歯車の合わない感覚に思わずぼやくイサム。

少数精鋭による電光石火に馴染んだ彼らと、マニュアルに沿って動く従来の部隊との連携の不備が露わになった形といえるであろう。

 

『やむを得ん。包囲が完成する前に手薄な所を食い破るぞ』

『結局前進あるのみってことねー』

『了か…中尉!!』

 

念動力者特有の感で危険を感知したブリットのM(量産)型ヒュッケバインが、手でアルトアイゼンを制止すると。進路上の地面に飛来した弾丸が突き刺さった。

レーダーに新手の反応が検知され、ユウキ率いるカルタチュラ小隊が阻むように展開されていく。

 

『ほう、今のをかわすか。勘のいい奴だ、カーラ!』

 

ガーリオンを駆るユウキが、ロングレンジライフルを構えながら指示を飛ばす。

 

『了解!各機白いのにソニックブレイカー!』

 

副官であるリルカーラ・ボーグナインが自身と僚機のガーリオン複数機でヴァイスリッターへ死角から襲い掛かる。

 

『わお!』

 

寸前で避けると、エクセレンは左腕の3連ビームキャノンで反撃し、直撃はするもフィールドに弾かれる。

 

『今のに当ててきた!?ユウこいつら手強いよ!』

『ATXチーム…。噂だけでもないということか。全機、特務大尉のアドバイス通り真正面から当たるなよ。搦めとれ!』

 

弾幕を張り距離を保りながら、削り取るように攻撃してくる相手に、イサムらは完全に抑え込まれてしまう。

 

『ん~厄介なのが出てきちゃったわねー』

『だったら、俺がこじ開けるッ!』

 

イサムがフィールドを最大で展開して突進しようとした刹那、見計らったようにアラートが鳴り響く。

 

『!?砲撃警報ッ』

『各機、散れ!』

 

キョウスケが指示を飛ばすよりも先に、各自回避行動に移っており、飛来したビームの雨が彼らのいた地点を焼き払うと盛大な爆発を起こした。

敵艦の射程外にも関わらず、それに匹敵する火力――その光景に一同は見覚えがあった。

 

『この砲撃、ディバイソン!』

『ハッハー!ご明察ぅぅ!!』

 

イサムが叫ぶのに応えるように、砲撃した張本人が跳躍しながら姿を現し、地面を砕きながら着地する。

そして、その後方にアリオールがレオーネを見下ろすように腕を組んだ状態で滞空しているのであった。

 

『ケンッ!』

『ようやく来たかイサム。待ちわびたぞ』

 

ケンが集中すべく伏せていた目を見開くと、機体を操作し両腰に差していた鞘からシシオウブレードを抜くと戦闘態勢を取る。が、そこにブルックリンが待ったをかけた。

 

『待ってくれ!俺達はL5戦役で共にエアロゲイターと戦ったじゃないか!何故今更争わねばならないんだ!?」

『あれはビアンのおっさんの遺言に従っただけだ。それが果たされた以上、俺は俺の戦いをするだけだ』

『俺の戦い?それは何だ!?』

『イサムに勝利する。そのために俺はDCに戻った』

『そんなこと――』

『無駄だよブリットさん。こいつは口でどうにかなる奴じゃない』

 

ケンの闘志に応えるように、シシオウブレード改を構え対峙するイサム。

 

『来いよ。気の済むまで相手になってやるからよ!』

『そうだ、それでいい。この瞬間のためだけに、俺は生き恥を晒している!』

 

互いに同時に加速して肉迫すると、振るった刃がぶつかり合い、ゴングを鳴らすように火花を散らすのだった。

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