スーパーロボット大戦OGs~獅子の牙~   作:Mk-Ⅳ

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第九話

蚩尤塚から現れた青い龍と白き虎――青龍と白虎を模したと見られる超機人と呼ばれる機体らは、周囲を確認するように見回し、連邦、DC問わずその瞳に捉えた機体を映していくと、ブルックリン、ユウキ、カーラら念動力保持者には『念』、ラミアには『器』と表記される。

そして、異形の怪物を捉えると敵意を剝き出しにて高々と吠えるのであった。

 

 

 

 

「あれは、生物なのか?」

 

生物なのか機械なのかの判別も難しい青龍と白虎の出現に、戸惑いを隠せないキョウスケ。最大限に警戒する彼の耳に新たなアラームが鳴り響く。

霧の出現に合わせてこの一帯を囲むように、いくつかの地面がひとりでにくり抜かれて宙を浮き環状に配置されており。重力場の異常の増大に合わせるように、その数が増大していくのだった。

 

「…ストーンサークル?」

 

遺跡の一種である構造物を思わせる光景に、質の悪い夢でも見ているのかと言いたくなるが、そんな間も与えないように、新たな怪物が地面から次々と這い出てくる。

そして、怪物を認識した青龍と白虎が天を地を割かんばかりにあげた咆哮が、スピーカーを通して鳴り響く。

 

「奴ら敵対しているのか?」

 

怪物の群れも青龍と白虎を威嚇するように全身を震わせ、嫌悪感を掻き立てる金切り声のような音を発しだすと、まるでエネルギーをチャージしているかのように赤い球体の部分が発光を始める。

 

『――――!』

 

それに対抗するように青龍と白虎も口内を輝かせ始め、怪物がビームを放つと、青龍は雷撃を白虎は暴風を解き放ちぶつかり合う――もほんの一蹴のことで、青龍と白虎の攻撃が怪物の攻撃を難なくと消し飛ばすと、雷撃と暴風が群れを飲み込み跡形もなく消し飛ばしていくのだった。

 

 

 

 

ストーク級サエーナ ブリッジ

モニターに映る青龍と白虎に、艦長席に座るアーチボルトは拍手喝采を送る。

 

「ははは!間違いない!あれこそが超機人!伝承や文献は真実でしたっ。さあ、捕獲を――ッ!」

 

アーチボルトの言葉を遮るように、青龍と白虎の攻撃によって生じた衝撃波が船体を激しく揺らす。

暴風雨が吹き荒れる船外の光景に、冷静さを取り戻すと、ずれた眼鏡を指で直す。

 

「…という訳にもいきませんか、これは」

 

さて、どうしたものかと考えを巡らし、今回は存在を確認できただでも良しとするかと、瞬時結論を出す。

我が身第一、危険な橋は渡らないことが彼の身上なのである。

 

 

 

 

怪物ごとストーンサークルが砂塵となって崩壊していくと、周囲を包んでいた霧が晴れていき、先程までの怪奇な事態が幻かのように、誰もが呆然としていた。

 

『ん――あれ、俺何して…』

『…気づいたか、怪物を見てから何が起きた?』

 

目を覚ましたイサムに、ケンが問いかけるも、う~んう~んと困惑しながら唸ることしかできないようであった。

 

『覚えていないのか?』

『なんか凄く嫌な感じがして、とにかく倒さなきゃって思って…』

 

曖昧な言葉しか返ってこないも、とりあえずは問題ないと判断したケンは、遺跡の跡に存在している青龍と白虎に視線を移す。

神聖さすら放つ威厳を纏いし龍と虎の姿は、自分達が遭遇したことが、現実に起きたことなのだという実感をいやがおうにも与えていたのである。

 

『――――』

 

青龍と白虎がゆったりとした動作で動き出すと、青龍は翼を広げて飛翔し、白虎は空を蹴るようにして台座から降りると、自分達へと向かってくることを認識したケンは、レオーネを庇いながら戦闘態勢を取る。

 

「(――敵意がない?)」

 

迫る青龍と白虎から脅威を感じ取れないも、刃を向けられても、超機人の2体は気にすることなく目前まで接敵してくる。

その目はケンのことを意に介さず、イサムの乗るレオーネに対してのみ注がれているのだった。

 

『――君たちは誰?俺を知っているの?』

 

背後にいるイサムから困惑ともとれるが、まるで言い表せぬ感情に突き動かされるように、青龍と白虎に問いかける声が放たれた。

 

『――――』

 

そんな彼に2体は、どこか慈しむ(・・・・)かのように目を細める。

優しさ(・・・)の宿ったその瞳に、イサムは引き寄せられるようにコックピットのハッチを開けると、機外に出てヘルメットを取って顔を晒すのだった。

 

『――――』

 

それに応えるように、青龍と白虎が顔を近づけると、『守』と表記されるその顔を記憶に焼き付けるように見つめ、そして何かを懐かしむ(・・・・)ように静かに鳴く。

 

「(笑っている、のか?)」

 

その光景を見ていたケンは、青龍と白虎が心から喜んでいるように感じられたのだった。

まるでおとぎ話のような光景に見とれていると、色々な意味で戦いたくないと言いたそうなエールが話しかけてくる。

 

『え~と、これどうすればいいんでしょうね?あれを捕獲すんですか???』

『…ここは退く。俺達だけでどうにかできる相手ではない。それでいいなユウキ少尉』

『了解です、特務大尉』

 

連邦も混乱していることもあり、難なく離脱していくDCの面々。殿のケンが最後に、イサムと超機人へと視線向ける。

 

「(超機人――日本にいたとき、爺さんの書斎にあった伝記のとおり実在していたか。だが――お前と何か繋がりがあるというのか?)」

 

無心で青龍と白虎を見つめるイサムに、懸念を覚えつつも戦域を離脱するのであった。

 

 

 

 

『あたた、頭が…』

『無事かエクセレン?』

『んー何とか。あのお化けが消えてから不快感とかなくなったけど…。あれはどういう展開なのかしらん』

 

DCが去り、残されたのは青龍と白虎とATXチームのみとなり。見つめ合うイサムと2体に、戸惑うエクセレン。

 

『キョウスケ中尉指示を』

『…………』

 

ラミアに請われるが、うかつに動けばイサムに危険が及びかねず、何よりあの2体がイサムに害を与えるようには見えず、判断に窮すと言わざるを得なかった。

そこにブルックリンが恐れることなく、青龍と白虎へと問いを放った。

 

『お前達は一体…何者だ。答えろッ』

 

物怖じしない彼の態度に、白虎が『気に入った』と言わんばかりに口角をあげる。そして、青龍と共にイサムを一瞥すると青龍は空を舞い、白虎は地を駆けていずこかへと去っていくのであった。

 

「――どうしてだろう。初めて会ったのに、すごく懐かしく思えたのは…」

 

去りゆく2体の背を、イサムは寂しさを覚えつつも、見えなくなるまで目で追い続けるのであった。

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