スーパーロボット大戦OGs~獅子の牙~   作:Mk-Ⅳ

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残業やらで遅くなってしまいました。

いよいよOG1序盤も終わります。

それでは本編をどうぞ!


第七話

南極 コーツランド基地

 

「へックション!」

「う~っ、ヒーターが効かねえや」

「あなた…もしかして、ハッチを開けているの?」

 

盛大にくしゃみをしたリュウセイにアヤが呆れ気味に問いかける。

 

「ああ。あの新造戦艦を直に見てえからな」

「写真とか撮っちゃダメよ」

「わかってるよ。機密だろ?」

 

仕方ないといった感じでコックピットに戻りハッチを閉めるリュウセイ。

 

「やれやれ、コックピットの中がすっかりと冷えちまったよ」

「あなったて、ホントにああいうのが好きなのね」

「まあね」

「ロボット系専門だと思ってたわ」

「そういうわけじゃねけど。でも、なんでもいいってわけでもねえんだ」

「じゃ、他に好きなのは?」

「リアル系のロボットだろ、あと戦闘機とか戦車、ヘリコプター、戦艦、潜水艦、怪獣、怪人」

「(何でもいいんじゃないの?)」

 

範囲の広さに再び呆れるアヤ。

 

「男はそういう物に憧れを抱くんですよアヤさん」

「そうなのイサム君?」

「そういうもんですよ」

「っていうかあなたもハッチを開けてて大丈夫なの?」

「心地いいですよ。アヤさんもどうです?」

「え、遠慮しておくわ」

 

ハッチを開けて堂々としているイサムに、この手のことに慣れてきたアヤも別の意味で呆れてしまう。

 

「…ところで、ライ。イテマエ機関の新型のデータ、まだ回ってきてねえのか?」

「イー・オー・ティー・アイ機関だ。詳細なデータは来てないが…名前はわかったぞ」

「何て言うんだ?」

「”グランゾン”…だそうだ}

「ふ~ん。何か敵メカっぽい名前だね」

「パイロットがライバルキャラで、後で味方になりますよ的な感じですね」

「そうそう、実は敵の親玉に操られてましたてな」

「お前達、何をわけわからんことを…」

 

二人で盛り上がっているイサムとリュウセイに呆れながら突っ込むライディース。

 

「でもさ、どうしてこんなところで新型のお披露目をやるんだ?」

「そうね。伊豆とか、ラングレー基地でもいいのに」

「(…確かに、大尉とリュウセイの言う通りだ。それに、この緊迫した雰囲気…ただの式典とは思えん。まるで、これから戦闘が始まるかのようだ)」

「……」

 

不自然な状況に違和感を感じ始めるライディース達の中でイサムは沈黙を保っていた。

 

「む…?グランゾンが出てくるようだぞ」

 

地面のハッチが開きPTサイズのロボットがせり上がって来る。

 

「す、すげえ…。悪役っぽいのは名前だけかと思ったら、見た目もそうだぜ」

「あ、あれパーソナルトルーパーなの?」

「外見や期待構造がPTとは違います。おそらく、我々の期待とは別系統のものですね」

「(何だ?あの機体から感じる威圧感は、本当にただの新型機なのか?)」

 

グランゾンを目の当たりにし驚愕するリュウセイ達と本能的に危機感を感じているイサム。

その時スペースノア級”シロガネ”より通信が入る。

 

「プラチナ1より各機へ。間もなく式典が始まる。周辺の警戒を怠るな。ただし、命令があるまで一切の戦闘行為を禁止する」

「SRXチーム、了解(周辺の警戒…敵でも現れるっていうのかしら?それに…何だか嫌な予感がする…)」

 

シロガネ副長テツヤ・オノデラの命令に疑問を感じていると、基地上空の空間が歪み始め見たことのない艦船が現れる。

 

「な、何だ…あれ!?いきなり現れやがったぞ!」

「地球の物には見えん…!」

「!なら、エアロゲイターか!?」

「そうだとしたら、戦闘禁止命令が出るはずがないわ」

「そ、そうか…」

「……」

「(やはりお披露目会なんかじゃなかったか…。だとしたら何が始まるってんだ?」

 

驚愕するイサム達をよそに、未確認艦船より人間が降りてくる。

 

「お、おい、中から人間が出てきたぜ。やっぱ、地球の艦なのか?」

「出向えの人もいるみたい…」

「(…何かの会議をしているというのか…?)」

「なあ、これがお披露目式典だっていうのかよ?」

「……」

「ん?」

 

リュウセイ達が戸惑いを隠せないでいる中、グランゾンに向かって歩いている男を見つけるイサム。

 

「(あの男、何を?)」

 

注意深く観察していると男はグランゾンに乗り込んでしまう。

 

「…では、そろそろこの茶番劇の幕を閉じることにしましょうか…」

 

グランゾンに乗り込んだ男が呟くと、グランゾンの胸部装甲が開き高出力エネルギー弾が形成され、未確認艦船へ発射される。

 

「え!?」

「グランゾンが未確認艦船を攻撃した!?」

 

直撃を受けた未確認艦船が墜落し、未確認機が多数出撃してくる。

 

「な、何だ、あれ!?」

「バグス…!いや、違うぞ!」

「こちらのデータにないきたいだわ!」

「エアロゲイターじゃないのか!?」

 

突然の事態に混乱している防衛部隊に、未確認機が攻撃を開始する。

 

「プラチナ1より各機へ!アンノウンを迎撃せよ!」

 

シロガネからの命令で防衛部隊が反撃を開始し、コーツランド基地は瞬く間に戦場と化す。

 

「く、くそっ!戦闘が始まっちまうなんてよ!!」

「やるしかない!行こうリュウセイさん!」

「SRXチーム行くわよ!」

「了解!」

 

アヤの号令に合わせて未確認機”ガロイカ”へと攻撃するイサム達。

 

「ターゲットインサイト!ツイン・ビームカノン発射!」

「行って!T-LINKリッパー!」

 

シュッツバルトのツイン・ビームカノンがガロイカを貫き、アヤのタイプTTのT-LINKリッパーが切り裂く。

 

「落ちろぉぉぉぉおおお!」

「はぁ!」

 

リュウセイ機のマシンガンがガロイカを撃ち落とし、残りをMk-II カスタムがシシオウブレード改で両断していく。

 

 

 

 

 

「これで終わりか?」

「みたいだな」

 

数分後、最後のガロイカを撃墜し周辺を確認しながら問いかけるリュウセイに、同意するイサム。

 

「こんなことになっちまうなんて…」

「くそっグランゾンはどこだ!」

 

荒れ果ててしまった基地を見ながら呟くリュウセイと、悪態つきながら元凶であるグランゾンを探すイサム。

その時大きな爆発音がした。

 

「「!?」」

 

その方向を見るとグランゾンが、防衛部隊のゲシュペンストを手に持っているグランワームソードで切り裂いていた。

 

「あ、あいつ味方じゃないのかよ!?」

「それに、あれだけの戦闘で無傷だと!?」

 

先ほどの戦闘でガロイカから集中砲火を受けていたグランゾンだが、まるで何事もなかったかのような程無傷であった。

 

「アヤさん!ライさん!応答してくれ!」

 

イサムがアヤ達に通信を入れるも返事が無い。

 

「まさか、奴に…」

「そんな、そんなはずねえ!!」

 

最悪の事態を思い浮かべるイサムに必死に否定するリュウセイ。

その間にグランゾンがシロガネの方を向く。

 

「な、何をする気だ貴様!」

「見せしめですよ。腰抜けどもに我々の意思を示すためのね」

 

 

オープンチャンネルで呼びかけるイサムに、若い男性の声が帰って来る。

 

「見せしめ、だと?」

「ええ、貴方がたには生贄になって頂きます」

 

そう言うとグランゾンの胸部装甲が開き、先程のようにエネルギー弾が形成されていく。

 

「まさか、やめろぉおおおおお!!」

 

グランゾンを止めようとイサムが機体を突撃させるも、エネルギー弾が発射されその衝撃で吹き飛ばされてしまう。

 

「シロガネが…」

「…やはりこれくらいの抵抗しかできませんか…。ならば利用する価値も利用される意味もありませんね」

 

攻撃を受けたシロガネが墜落していくのを見ながら、呟くグランゾンのパイロット。

 

「…くそっ…!」

 

衝撃で仰向けに倒れている機体を起こしながら、マシンガンをグランゾンに向けるリュウセイ。

だがその銃口は震えてしまっていた。

 

「……フッ」

 

リュセイ機に歩み寄ってグランワームソードを振り上げるグランゾン。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」

「!」

 

グランゾンの背後に回ったMk-II カスタムが、シシオウブレード改を振り下ろすも、見えない”何かに”阻まれてしまう。

 

「ほう、この状況でも私とグランゾンに向かって来ますか」

「うるせえよ!!」

 

シシオウブレード改を何度も振るうも、グランワームソードで軽々と防がれてしまう。

 

「ですが、君は私の相手をするには余りに未熟!」

「舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!」

 

グランワームソードを弾き、一度距離をとりシシオウブレード改を上段に構える。

 

「全身全霊と言う訳ですか。いいでしょう受けて立ちましょう」

 

楽しんでいるかのように、グランワームソードを構える男。

 

「(俺は剣、ひと振りの剣、奴を断つ剣!!)」

 

極限まで集中力を高めるイサム。

 

「イサム…」

 

場が静寂に包まれる中、見守ることしかできないリュウセイ。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」

 

ブースターを全開にして、常人には視認不可能な速度でグランゾンへ突撃するMk-II カスタム。

 

「フッ」

 

それをあざ笑うかのように、的確にグランワームソードを振り下ろすグランゾン。

 

「おらあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」

 

刃が頭部を掠りながらも、さらに加速して懐へ飛び込むMk-II カスタム。

 

「!?」

 

予想外の事態に男の余裕の表情が驚きのものへと変わる。

 

「チェストォォォォォォォォォォォォォォオオオ!!!!」

 

渾身のひと振りを打ち込むも、目に見えない何かに再び阻まれてしまう。

 

「残念ですが、それではこのグランゾンのバリアは敗れませんよ」

「まだだ!!まだ俺たちの限界はこんなもんじゃねえだろレオ!!!!」

 

イサムの呼びかけに応えるかのようにMk-II カスタムのバイザーが輝き、シシオウブレード改に設置されているスラスターがさらに火を噴き、刃がバリアーに食い込んでいく。

 

「これは…もしや」

「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!!」

 

さらに刃を押し込もうとするがアラームが鳴り響き、全身から煙を吹き出して機能を停止してしまうMk-II カスタム。

 

「な、オーバーヒート!?」

「どうやらその機体ではこれが限界のようですね」

 

突然の事態に戸惑っていると、グランゾンから通信が入る。

 

「…負けだ。殺せ…」

「潔いの結構ですが君はここで終わるには惜しい。ここまで私に迫れる者がいるとは、今回の茶番は無駄では無かったようです」

「……」

 

楽しそうに語る男に無言を貫くイサム。

 

「私はシュウ・シラカワ。是非君の名前を教えて頂きたい」

「…イサム・トウゴウだ…」

「では、イサム君また近い内に会いましょう」

「近い内に?どういうことだ?」

「何、すぐにわかりますよ。すぐにね…」

 

シュウの言葉に引っかかりを感じ問いかけると、意味深なことを言い背を向けるグランゾン。

だが、その時グランゾンのレーダーに接近する機体を捉えた。

 

「これは…」

 

シュウが呟くと一つに影がグランゾンの前に降り立つ。

 

「やっと見つけけたぜ!!シュウ!!」

「マサキ…こんな所まで私を追いかけて来るとは…ご苦労なことですね」

 

降り立った機体”サイバスター”のパイロット、マサキ・アンドーがグランゾンに言うと呆れたように返すシュウ。

 

「あの時の復讐という訳ですか?結構」

「ふざけるな!!このザマは何だ!?てめえ地上まで滅ぼす気か!?」

「まさか…まだそんなつもりはありませんよ。私を利用した人間に身の程を知らしめてあげただけです」

「ほざくなっ!!」

 

グランゾンに斬りかかるサイバスターだが、あっさりと受け止められてしまう。

 

「いつもいつも同じ事の繰り返し…よく飽きませんね」

「うるせえ!!今日こそ決着をつけてやるぜ!!

「残念ですがお断りします」

 

サイバスターを弾いてグランゾンが手をかざすと周囲の物が、押しつぶされていく。

 

「きっ、機体がっ…思うように動かねえ…!!」」

 

サイバスターもその重さに耐え切れずに膝を着いてしまう。

その間にグランゾンが飛び去って行く。

 

「まっ待ちやがれシュウ!!」

 

「あなたと遊んでいるヒマはありません。これからビアン博士の所へ行かなければなりませんのでね」

「!?…ビアン!?」

「では、ごきげんよう」

 

グランゾンはそのまま高度を上げて行き、姿が見えなくなってしまう。

 

「くそっ…!」

「シュウを追わニャいの?マサキ」

「もう反応が消えちまってる。それよりあいつが言っていたビアンってのは何者だ?」

「おいら達まだそんなに地上の情報仕入れてニャいから…」

 

一緒に乗っている二匹を猫と今後のことを考えるマサキ。

 

「調べてみる必要があるな」

「ニャにを?」

「あいつがいっていたビアンって奴のことを、だ行くぞ、シロ、クロ!」

 

上空へと飛び上がったサイバスターは、そのまま高速で飛び去って行った。

 

「…終わったのか?リュウセイさん大丈夫か?」

「あ、ああなんとかな」

 

ハッチを開けて顔を出し、安全を確認するとリュウセイに通信を入れて安全を確認するイサム。

 

「サム…君。リュウ!イサム君返事をして!」

「アヤ!」

「無事だったんですね!」

 

静けさを取り戻した大地を、眺めることしか出来ないイサムにアヤから通信が入る。

 

「ええ、ライも無事よ」

「よかった…」

 

アヤ達の無事を確認して安堵するイサム。

 

「今、救助部隊がそっちに向かっているから、そのまま待機していてちょうだい」

「了解です」

 

アヤとの通信を終えると再び外へ視線を向けると、大破したシロガネと多数の残骸が広がっていた。

 

「…くそっ、また”あの時”と一緒で何も守れなかった…」

 

自身の無力さと忌まわしき記憶を思い起こし、拳を血が滲み出るほど握り締めるイサム。

 

「くそぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおお!!!」

 

極寒の地に少年の絶叫が響いた。

その日EOTI機関は”ディバイン・クルセイダーズ”通称”DC”を名乗り、地球連邦に対して宣戦布告を行った。

人類存続を賭けた戦いの幕が上がる。




これにて序盤は終わり中盤が始まります。

そろそろ主人公設定でも載せた方がいいですかね?

それでは次回をお楽しみに!
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