「お姉ちゃんは入ってきちゃ駄目!」
「えぇ!? ちょっと、ココアァ!」
3月13日。
今日はモカさんの誕生日。
なので、モカさんが家に居ない間に誕生日パーティーの準備をしようとしたが……
『ココア、ロン君。一緒に遊ぼう!』
『お姉ちゃん(モカさん)!?』
と言った具合に部屋に入ってきて、追い出されようとしている。
『誕生日パーティーするから外に居て』とは言えないからなぁ……
そもそも、このままモカさんが外に行ったらずっと外で体育座りすると思うな。
俺はそう思い、ココアを呼んで耳打ちで話し始めた。
「なぁ、ココア。俺がモカさんを引き付けている間に、飾りつけとか頼めるか?」
「う~ん……」
「このままだと、話が平行線のままだからさ」
「分かった! お姉ちゃんは任せたよ!」
よし、なんとか説得出来たようだ。
そうして俺はモカさんを(強制的に)外に連れていった。
「う~ココア~」
「モカさん……」
俺はモカさんと一緒に外を歩いているが、
モカさんは涙目になりながら、後ろを着いてきてる。
……あぁ!このままだと駄目だ!
俺は歩くのを止め、モカさんの方を振り向いた。
「モカさん、大丈夫ですか?」
「ロン君~」
そう言って、モカさんは俺に抱きついてきた。
あ、暑苦しい……そんなにココアのことが心配なのか。
やっぱりこの人はシスコンだな。
ココアも『お姉ちゃん』とよく言ってるが、モカさんはそれ以上だな。
とりあえずこの状況をどういかしたいな……お、丁度良いところに。
「モカさん、あの店行きましょう」
そう言って、俺が指を指したのはぬいぐるみの店だった。
「ふぇ?」
「あの店でウサギのぬいぐるみを買えば、ココア驚くんじゃないですか?」
モカさんはサプライズやドッキリが好きだ。
これはココアから聞いた話だが……
昔、魔法使いごっこをしていたら自分とウサギのぬいぐるみをすり替えてココアを騙したそう。
その時のココアは小さかったので、わんわん泣いていたそう。
そうして一週間口を聞かなかったと。
ついでにモカさんはその一週間、とても悲しかったそう。
「……! ロン君行くよ!」
そう言って、モカさんは俺の手を掴みぬいぐるみの店へ向かった。
あの、モカさん。このままだと靴が削れるので引っ張るの止めてください!
俺はそう言ったが、元気になったモカさんは聞く耳を持たなかった。
……はぁ、元気になったなら良いか。
「お帰り~」
「お姉ちゃんただいま!」
「モカ、お帰り」
日が暮れてきて夕方。
ベーカリー保登に帰ってきた。
帰って来ると、ココアとココアのお母さんがいた。
俺の場合は遊びに来たの方が会っているが。
「お姉ちゃん……」
『誕生日サプラーイズ!』
「……え?」
モカさんは急いで携帯を取り出して、確認した。
そうして『3月13日』。つまりは、自分自身の誕生日であることを確認した。
「忘れてた……」
『えぇ!?』
まさか忘れてるとは。
薄々、忘れてるかも。と思っていたが本当とは……
まぁいいか。今はモカさんを祝うか。
……え、モカさんが今何歳かって?
知らないし、秘密だ。