なんか甘ったるくなった。
何故じゃ、何故リア充のようになったんじゃ……!
「ココア、おはよう」
「うぇ!? お、おはよう!」
私こと、ココアはロン君に挨拶されて驚きながらも返事した。
「……?」
ロン君が不思議に思うなか、私は考える。
最近ロン君を見てると、ボーっとすることがある。
それ以外にもロン君のことを考えたりすると、胸が苦しくなる。
中学生の頃はこんなことなかったのに……
「ココア、大丈夫か?」
私がそう考えていると、ロン君が心配してくれた。
そしてロン君は熱があるのか心配になったようで、おでこをくっ付けてきた。
ち、近い……あと少し近づいたらキスしちゃうよ!
「熱ッ!? 大丈夫かよ!」
「ほ、本当に大丈夫……だから!」
私は急いでその場から逃げようとしたけど、足が眩む。
上手くバランスがとれずに、地面に倒れそうになる。
「ココア!」
だけど、ロン君が手を出して助けてくれた。
なんだか体がダルいよ……
「熱があるんだから休めよ!」
え?私、もしかして熱が出てるのかな?
ロン君は急いで私をベッドに運んでくれた。
お、お姫様だっこ!?
あああ!これじゃあもっと熱が上がっちゃうよ!?
「安静にしてろよ」
「うん……」
俺こと、ロンは倒れたココアを看病していた。
チノもココアの事を心配していたが、学校に行かせた。
はぁ、ラビットハウスに居るのは俺たち二人だけか。
タカヒロさんは泊まりがけで遠くの街まで行って、ラビットハウスは今日休みだからリゼは居ない。
そもそもリゼとシャロは学校だな。
俺たちの学校は創立記念日とかなんちゃらで休み。
千夜を呼ぼうと考えたが、ココアと波長が合う分漫才とかやって余計に具合が悪くなる可能性がある。
ラリトはそもそも論外。絶対五月蝿くする。
「…………」
「…………」
会話が続かないなぁ。
そもそも病人だから寝てた方が良いんだろうが、ココアがずっと此方を見てきて落ち着けない。
なんだ、俺の顔になにか付いてるのか?
それとも急いで俺のベッドに寝かせたから匂いとか気にしてるのか?
汗臭い匂いなんてないよな、大丈夫だよな!?
「ん……少し水を変えてくる」
俺は部屋に居づらかったので、言い訳を付けて部屋を出ようとした。
それに本当に水を変えた方が良いだろう。
そう思い、俺は部屋を出ていこうとするがココアに袖を掴まれる。
なんだ、俺は最初に水を入れてくるときに着替えたから臭くないぞ。
中身もまだ30歳だから加齢臭とか無い……よな?
「いっちゃ、やだぁ……」
「……分かった、ずっとここにいよう」
俺はココアの頭を撫でながら、そう答えた。
体調が悪くなると、心細くなる。と、何かで聞いた覚えがある。
恐らくはその類いだろう。
それに、昔の頃を思い出したのだろうか。
木組みの街で俺とココアが会った日の事を。
「ロンくぅん……」
「……やれやれ」
早く元気にならないと
俺はココアの可愛い寝顔を見ながら、頭を撫で……俺もベッドの横で寝た。
「えっと……ここは?」
ロン君にお姫様だっこされてからの記憶が無いけど、何してたんだろ……
あれ、そうえばここって私の部屋じゃないね。
そうえば、ロン君は何処に……!?
私は辺りを見渡すと、ロン君がベッドの横で寝ていた。
それにここはロン君の部屋だと分かった。
えぇ!?もしかしてずっと看病してくれてたのかな?
「……ココアァ、元気かぁ」
私は寝ているロン君の顔を見ると、自分でも分かるほど体温が上がった。
やっぱり、この気持ちは熱なんかじゃないんだね。
ありがとうね、ロン君。
そして私はロン君の頬にキスをした。
唇にキスをするときは、ロン君は落としてからじゃないとね。