金属と金属が擦れ合う音が響き渡る。敵のサーヴァントの猛攻をセイバーは1歩も引かずすべて剣で弾き返す。
「ランサー…で間違えないね。その敏捷とその旗の攻撃は。」
「私はたち…いえ。そうです。ランサーです。」
黒い衣装に青い宝石が散りばめられた服を身に纏い自分の背丈より大きい旗の様なものをもつその少女は、12〜13歳くらいに見えた。
「(猛攻の割には可愛い声で話すんだなこのサーヴァント。)」
加蓮は思う。
「そういうあなたはセイバーですよね。私の突きを全て見切るなんて素晴らしいですね。」
「ふふっ。褒めてくれてありがと。じゃあお返しに私も頑張らないとね。」
セイバーが話し終わる前に、セイバーが攻撃態勢に移る前に、ランサーはセイバーを薙ぎ払おうとした。セイバーはすぐに反応しそれを受け止める。火花が散る。風が起こる。あの小さな体躯からは考えられないほどの強力な一撃だが、セイバーはそれを剣でしっかりと受け止める。セイバーは旗を地面に向け払いのけ、ランサーの腹に蹴りを入れる。
「つッ!」
ランサーの身体が後ろに吹き飛ぶ。苦悶の表情を浮かべている。
「防御を捨て手数と速さで勝負する。それがあなたの戦い方みたいだね。直感が無ければ初見なら苦戦してたかも。」
セイバーは言う。
「舐めてくれたものですね。あなたの直感が働かない速さで攻撃すればいいことです!マスター。少し負担をかけますが耐えてください!」
ランサーは地面を蹴った。開いていた間合いを一瞬で詰めて攻撃を開始する。先程よりも速い、なおかつ正確な突きがセイバーを襲う。
「っ!なかなかやるね」
先程まで1歩も引かずに受け止めていたセイバーに焦りの色が見える。1歩、2歩、セイバーの足は下がっていく。
「ええ。ええ!絶対的なランサーがここにいるのです!」
突きを繰り出しながら無邪気な笑顔を浮かべるランサー。
そしてついに。 その旗先の刃はセイバーの身体を捉えた。
ザクッ!と音がし、セイバーの脇から血が溢れる。
「セイバー!!」
加蓮は思わず叫ぶ。セイバーは傷口を抑えながら後退する。
「ふふふっ!ここまでのようですねセイバー!その命貰い受けました!」
ランサーが声高に勝利宣言をした。
その時
「ランサー!すぐにその場から離れなさい!」
文香の声が響いたと思うと、轟音とともにコンクリートを突き破り、10mはゆうにこえる緑色の巨大なものが姿を現した。
「な、な、なんですかこれはぁ!?」
危機一髪ミンチになるのを逃れたランサーは驚きを隠せない。
「植物のツタ…。のように見えますが…。」
文香は言う。
たしかに。言われてみれば植物のツタのようだ。あの巨大さとまるで意思をもって動きまわっているように見えること以外は。
「不意打ち。失敗しちゃった♪」
そう言って笑いながらツタのようなものの根元から現れたのは濃黄色のショートヘア。極彩色の衣装を身につけ、茨が身体に巻きついている少女であった。単純に、巨大な生物に対しての恐怖感と、彼女の得体の知れないオーラによる恐怖。加蓮にはセイバーのように敏感に魔力を察知することはできないが、こいつと関わったらダメだということは本能的に理解した。
「サーヴァントッ!クラスはまだわからないけど、構ってたらまずいのだけはわかる!マスター!こいつとはまともにやりあっても勝てない!一旦引こう!」
声を荒げるセイバー。
「ちょ。逃げるんですかセイバ」
「ランサー。私達も引きましょう。」
ランサーの声を遮り文香は言う。その声は少し震えている。
2人のマスターとそのサーヴァントは反対方向へ逃げ出す。
茨のサーヴァントは笑顔を顔に貼り付けながらその姿を見送る。
「マスター、めんどくさいから街ごと
「おい☆それ本気でいってんのか冗談なのかわからないぞ☆」
物陰から出てきた茨のサーヴァントのマスターは言う。
「?」
茨のサーヴァントは不思議そうな顔でマスターを見る。
「おい☆黙るんじゃねー☆いや、まじでやめろよ?はぁと達の標的はあくまでサーヴァントだけ。関係ない人を巻き込むんじゃない☆いくら
「…。はーい。まあまだ始まったばかりだもんね♪特にあの小さなクールなランサー!壊しがいがあるなあ」
バーサーカーは再び貼り付けたような笑顔になる。
「いやいや怖いよ☆狂化ってこんなんなんだー キャラ崩壊ってレベルじゃねーな☆仮にも元アイドルなのに☆さて、家帰ってビール飲んで寝るか☆魔力ってのは使うの疲れるなー☆」
〜side セイバー陣営〜
加蓮達は巨大な植物なようなものが地面にかえっていくのを遠くから見ていた。
「な、なんだったのよいまの…。まともじゃない…。あれもあなた達と同じサーヴァントなの?」
加蓮は尋ねる。
「うん。確かにサーヴァントだった。あの殺意と破壊力。多分バーサーカーだと思う。アサシンやキャスターが出る場面じゃない。まだライダーって可能性はあるけど。あの異常な感じは狂化を付与されてるからだと思う。」
「バーサーカー…。」
加蓮は神妙な面持ちで先程自分達がいた方を見る。
「…。あのサーヴァントのマスターも、元アイドルなのかな…」
「…。どうであれ、私達は勝ち進めばいい。そうでしょ?マスター。」
そうだ。決意したのだ。今更後悔しても仕方がない。皆を幸せにするんだ。
「そうだね。ごめんねセイバー。弱気になっちゃって。」
「だから謝らなくていいって…。」
そう言うとセイバーは傷口を抑えながら座り込む。
「あっ。ごめんセイバー!怪我してるのすっかり忘れてた!どうしよう。家に歩いて帰れる?家につけば私が手当てできるから!」
加蓮は慌てて言うが、セイバーは笑ってかえす。
「いや、私もランサーにしてやられたの忘れてたしね。この傷はあと数分で治癒されるから大丈夫だよ。」
そう言ってセイバーは傷口を見せる。確かに、傷口はかなり小さくなってきているようだ。サーヴァントは自然治癒能力を持っているらしい。
「さっきの戦いでほかの参加者達に目をつけられてたらいけないし、はやく家に帰ろうか。マスター。」
その後何事もなく帰路につき、加蓮達の聖杯戦争は2日目を迎えるのであった…。
material
【クラス】ランサー
【マスター】鷺沢文香
【真名】クールな私です!もうわかりますよね?
【性別】女
【属性】中立・善
【ステータス】筋力C 耐久D 敏捷A 魔力C 幸運D 宝具B
【クラス別スキル】対魔力 C
【固有スキル】戦闘続行 B 能力増強(苺) A 魔力放出(闇)E
【宝具】???