過度な期待はしないでください。
多分、書き終えます。
少し書き直ししました。
人間には何故独占欲などという目障りなものがあるのだろう。独占欲がなければ友人が自分以外の人と楽しく話していても何も思わずに過ごせるというのに。独占欲がなければ恋人を作り楽しく過ごしていくことができるというのに。
人間には何故嫉妬心なんていう目障りなものがあるんだろう。嫉妬心がなければ友達が私以外の人と楽しくお喋りしていても何も思わずにいれるはずなのに。嫉妬心がなければ好きな人を作って楽しく過ごしていくことができるはずなのに。
「私の執事になって!」
その声は俺とその声の主しかいないこの空間に強く響き渡るのだった。
俺、「如月 晴」はいつものように自分が通う高校に自宅から歩いて向かっていた。俺は自分で言うのもなんだが高校では完全に孤立している。理由はただ単純。人間と関わりたくないから。あくまで自分から孤立している。そう自分から。俺はいつも通り自分の教室に入っていった。しかし、今日は心なしか普段より教室が騒がしい気がする。なんというか、いつも通りとは言いたくないが俺は「盗み聞き」をして原因を探る。
「今日、転校生が来るらしいぜ」
「それも有名な企業のお嬢様らしいよ」
どうやら、お嬢様の転校生が来るらしい。まぁ、来たとしても俺には関係ないことなのだが。ただできるのであれば、静かにしていてほしいものだ。俺は静かな空間が好きなのだ。
しばらくすると担任の教師が入ってきた。入ってきたと同時に生徒たちは自分の席に慌てて着席しに行く。そして、全員が着席し終わると、
「皆さん、おはようございます」
「おはようございます」
と定番のあいさつから始まり即座に読書の時間へと移行していく。ただそれは普段の話であり今日は先のとおり転校生が来るらしい。
「皆さん、知っていると思いますが、このクラスに転校生が来ることになりました。さっ、入って?」
ガラッと教室の扉が開く。俺以外の全員が教室の扉から入ってきた転校生を凝視する。そして静かに戸が閉まり転校生が教壇の横に立つ。紹介を聞かないのは失礼なのでその転校生を見て静かに紹介を聞く。見た目からお嬢様、というわけではなくこれぞまさに「大和撫子」といった感じだ。黒髪に、「和」というような髪型。制服の着方にはだらしなく感じる要素はない。中身は、今にわかるだろう。
「おはようございます。私の名前は『櫻木 高嶺』といいます。わからないことだらけでご迷惑をかけると思いますが、笑って許してくれると嬉しいです」
「席は...如月君の横が開いているのでそこに」
あぁ、アニメとかでよくあるパターンですかはいそうですか。
「よろしくね、如月君」
話しかけられたが最低限の会話だけして話を終わらそう。それが賢明、うん。
「よろしく」
よし、こんな感じなら今まで通りの生活が
「如月君の下の名前はなんていうの?」
・・・は?どうしてこうなる...無視するしかないか。
「晴君?」
「何で知ってるの!?」
(ワカッテイルクセニ...)
「さぁ、なんででしょう?」
会ったことは...ないよね?うん。まぁ、どうでもいいか。(イイハズナイノニ)
そしてその後は、いつも通り読書の時間に使われ、ホームルームは終わった。あれから櫻木さんとは話してない。まぁ、これからも、だが。転校生ということもあり生徒は櫻木さんの元へすぐにかけてくる。しばらくはこの騒々しい空間にいることが確定した。
「櫻木さんはどんなことが好きなの?」
「本を読むことかな」
「お嬢様って本当!?」
おいおい、それを会ってそうそう聞くのは失礼だろ、と思った。答えないのが当然だろうなぁ。
「そうなの、かな?一応お父さんはある企業の社長ではあるよ」
「それをお嬢様っていうんだよ」
と、生徒たちはみんなで笑っていた。なんというか、予想が外れるというのは良い気分にはならないな。
今日の授業は終わった。俺は部活に入っていないので即帰宅、というわけではない。基本、図書室で本を読みふける。なぜなら、家にいてもただただ暇だから。暇なのは静かじゃないことより嫌いだ。なら部活をすればいいと思うがそれはそれでいやだ。といっても図書室の本はすでにほとんど読んでしまったため、読み直そうか、どうしようか、日頃考えている。まぁ、考えたところでどうせ読み直すという選択以外は自分の中で否決される。
図書室に着いたらまず今日読む本を探す。今日は芥川龍之介の「トロッコ」などの短編小説を読むことにした。「トロッコ」は結構好きな小説だ。なぜかすごく落ち着けるというか無心でいられて、嫌なことすべてを忘れてしまえる。
それを読みふけっていると、図書室の扉がガラッと音を立てて開く。こんな時間にここに来るということは帰宅部の生徒かな、と予想を立てる。結果は、合っているようで合っていない生徒が入ってきた。櫻木さんが入ってきた。彼女は転校してきたばかりなのだから帰宅部といっていいのか少々疑問である。そして櫻木さんは、笑顔で、ゆっくりと、俺のいる場所に歩いてきた。
「如月君、今大丈夫?」
「本を読んでいるんだから暇というわけではないでしょ」
と皮肉を混ぜて返答した。正直、邪魔と感じている。
「そう。大丈夫なんだね。よかったよかった」
「俺の話聞いてた?」
「聞いてないなぁ?」
と小悪魔のような笑顔で言ってきた。早く話を終わらそう。そう決意した。
これ以上邪魔されたくない。
(自分ノモノニシタイ)
「はぁ、で、何か用事があるの?」
「私の執事になって!」
その声は俺とこの少女しかいないこの空間に強く響き渡るのだった。