独占と嫉妬と……   作:はるのき

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今回はちょっと短めです!


独占

 こんな感情を抱き始めていたのはいつからだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺の家は代々執事の家だった。執事としての生活は何とも思わなかったが親の言うことを聞くだけの人形にはなりたくなかった。だから俺は執事見習いとしていく家を親の希望と正反対の家にした。それが桜城家。電気に関する企業を経営しているらしい。そして、そこで執事見習いをすることになった。見習いと言っても執事と同じことをする。主にしたのは雑用だった。その雑用は簡単な物のみだったため御当主に仕事を増やしてといった。子供ながらよくそんなことがいえたなと思っている。で、その際得た仕事が、御当主のご息女、高嶺お嬢様のお世話だった。まぁ、お世話と言っても同い年だから一緒に遊ぶ、といった感じだが。

 

「あなたが一緒に遊んでくれるの?」

 

「はい、そうです、高嶺お嬢様」

 

「同い年なんでしょ?呼び捨てでいいよ」

 

「そういうわけにはまいりません。私は見習いといえど『執事』なのですから」

 

「むぅ」

 

この時のお嬢様の顔がこの感情の引き金だったのだろうか。仕事を欲さなければよかったのだろうか?それから雑用を終わらせてはお嬢様と遊んだ。遊ぶ回数が増えていく毎に執事として持ってはいけない、絶対に持ってはいけない感情が湧き上がってくるようになった。「欲しい」「この子を独占したい」「自分だけのものにしたい」と。これを「独占欲」というのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お嬢様、今日は何をして遊ぶのですか?」

 

「うぅん、かくれんぼ!」

 

「かしこまりました」

 

「晴が鬼ね!『もういいよ』っていうまで目を開けちゃ駄目だからね?」

 

「おおせのままに」

 

しばらくしてからお嬢様からの「もういいよ!」と言う声が聞こえたため俺はお嬢様を探した。探し始めて数分後、探していると泣き声が聞こえた。お嬢様かと思った。声の聞こえる場所の近くの木の上に今にも落ちそうなお嬢様を見つけた。

 

「お、お嬢様!?」

 

「うぅ、晴~助けてぇ~」

 

「今執事の人たち呼んできますから!少しの間お待ちを!」

 

「待って!行かないで!」

 

「しかし...」

 

「もう無理!だから受け止めて!」

 

「は、はい!」

 

お嬢様は手の力を抜いて落ちてきた。結果としては受け止められた。けど涙目になっているお嬢様を見ると欲しくて欲しくて、自分のものにしたくて仕方なくなった。しかしそんなことは許されない。

 

「大丈夫ですか、お嬢様」

 

「うん、ありがと、ごめんね」

 

「いえ、私の考えがいたらなかったのが悪いのです」

 

「そんな...」

 

そのあとはもちろん御当主に怒られた。首が飛ばなかったのが不思議で仕方なかった。お嬢様が何か言ってくれたのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、晴~」

 

「どうしました?高嶺お嬢様」

 

「晴は好きな人っているの~?」

 

「私にですか?いませんが」

 

「そう、なんだ。ふぅーん。じゃぁさ、晴」

 

「はい、なんでしょう?」

 

「もしさ、大人になって晴に大切な人ができなかったら...」

 

「はい」

 

「私の執事になってよ!」

 

「かしこまりました、高嶺お嬢様」

 

それから数日後、俺は見習いの期間を終えて桜城家から離れた。親は海外での仕事に移っていたらしく独り暮らしになった。まぁ、一人暮らしなのは別にかまわないが仕送りは来るんだろうなと不安になった。というか小学生に一人暮らしをさせるなと。まぁ、その後別の問題ができたからどうでもよくなったか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただただモヤモヤしていた。理由は言うまでもない。桜城高嶺と会えなくて寂しく、また桜城高嶺が欲しくて仕方なかったのだ。この感情、独占欲だけじゃないと感じた。こういう感情なんていうんだろうか。その答えは高校生になった今でもわかっていない。ただもう二度と抱いてはいけない感情だということは子供ながら思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから俺は、孤立した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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