「到着しましたよ」
昨日一応それらしいこと言ったけど、まだ真っ向から欲のこと言ってないなぁ。言って嫌われるなんてこと、怒らないなんて保障ないから、言いたくないが。高嶺に隠し事する方が...
「二人はここで待ってて、晴。行こう?」
せっかく二人でいるんだから言っておいた方が、いいな...
しばらく木に囲まれた小道を歩いていくと桜が見えてきた。
桜って、こんなに綺麗だったっけ。見る機会は何度もあったけど...
「ここの桜。綺麗でしょ?」
「桜ってこんなきれいだったっけ?」
「ふっふっふ~。この桜は私が育てたんだよ!
さっきの小道の木々も私が育ててる桜!
お父さんの元で働いてくれてた人たちがほとんど世話してるけど...」
「壮大だなぁ...」
「でね、今日ここに来たのはこの桜たちを見せるためでもあるんだけど...
嫌われちゃうかもしれないけど話があるの」
「奇遇だね。俺もしておきたい話があるんだ」
これで後には引けないなぁ。二日連続で腹をくくることになるとは...
「晴から話して...くれない?ちょっと緊張しちゃって...」
ハードルが高くなった。けど...
「構わないよ。自分でいうのもなんだけど、俺、人より独占欲が強いんだ、昔から
前から君が欲しくて、自分だけのものにしたくて仕方なかったんだよ...」
言ってしまえば楽なものだな。気が楽だ。桜...冬に咲く桜...
「ふふっ」
思わず笑ってしまった。
「晴、私ね。可笑しな心配してたみたい」
晴、そんな戸惑って、私も同じようなものなのに。
だって、私だって、あなたがほかの人を見てたら...
「私ね、晴がほかの人と話してたりしてた時、見ていた時、嫉妬してたんだよ?
それも狂っちゃいそうになるくらい」
「似た者同士だったんだな」
そう、似た者同士。独占、嫉妬。
「言いたいこと言えたついでにお願いがあるの」
晴が離れちゃう前に言わないと...
あはは、いやだなぁ、晴はちゃんと私だけを見るって言ってくれたのにまだ、こんな...
「私ね、立派な女性になるために大学に行くつもりなの、だから!」
欲張りだなぁ。私。
「だか、んっ、はぁ」
こんな気持ちの時に、いきなり口付けなんて、反則...
「待つよ」
それにちゃんと欲しい言葉をくれる...
「ありがと、大学卒業したら...」
気づかないうちに泣いていた。言葉が続かない...大切なことなのに...
「あぁ、結婚しよう?」
「はい!」
こんな幸せな涙...永遠に流していたい...
「でも執事はしてもらうからね?」
だってあなたには執事姿が一番似合うもの...
「かしこまりました、高嶺様?」
絶対わざとだ。そうじゃないのに...!
「た・か・ね!」
高嶺って、呼ばれたいもん。愛おしい人にくらい...
「かしこまりました。高嶺」
「うん、それでいいの」
やっぱりこうでなくちゃ!
それから私は難関大学に合格し、晴はちゃんと執事として私の隣にいてくれている。
早く...旦那様として...
「高嶺。ご卒業おめでとうございます」
大学では主席レベルの成績を残した。晴が勉強を教えてくれたのだが、勉強できるなら一緒に大学に行けばよかったのに。
でも晴曰く「学校で独占したくて仕方なくなるのはつらい」だそう。私はずっと晴と一緒にいたいけど、大学卒業したらずっと一緒だからいいと妥協した。
菜月たちにはもっと我が儘でいいと思います!と言われたけど、まぁ、私も嫉妬しちゃうし...
大学はそれなりに楽しいものだったが晴に会えないため、早く卒業したかった。晴を待たせていることだし。
そして今日は卒業式。それでも少し寂しく感じはしたがこれからもっと幸せな日々が送れる。
だから、あまり気にしてはいない。
「ありがとう、晴。さ、帰ろう?」
「よろしいので?」
こんな時に晴は...
「からかわないで!帰るの!」
「仰せのままに」
晴は苦笑する。ほんと、意地悪になったなぁ。幸せだけど。
「さ、今から忙しくなるよ!」
大学卒業するまで晴には待たせっぱなしだったから。結婚式、待ちに待った結婚式。
といっても、まずは結婚式の用意をしなければならないのだけど。
「まだ少し先だけど、実感わかないものだね?」
「そうだねぇ、ちょっと遅い感じするけどこれを」
そういって晴は立方体の箱を私に指出す。その中身を見て久しぶりに泣いてしまった。あの桜の下以来。
だって...その中に入っていたのは...
「...指輪」
「ごめんね、これくらいのものが限界だった...」
「晴からもらえただけでも十分だもん!」
十分幸せ...私だけを見てくれるだけで十分幸せ。
「晴、私だけ見て、ね?」
「もちろん、でもそれは」
その言葉の続きを口付けで遮る。晴も前してきたんだから御相子。
「私も晴だけを見るよ!私は君だけのものだもの」
永久に、いや、永遠に。
「俺も高嶺だけのものだ。最初に執事をした時から」
ちょっとからかってみよ。
「独占し合っちゃったね?」
「これで嫉妬することもないだろう?」
「からかったつもりがカウンター決められちゃった」
からかわれても幸せに感じちゃうなぁ。あはは。
「高嶺、愛してる」
「うん、私も晴のこと愛してる」
そして私たちは甘く、そして深い口づけをする。
いつまでもこの幸せが続くことを信じて。
はい、小説では初めて書き終えた作品ですね。
今まで20作品は失踪で止まっているんじゃないですかね。
次の作品も考えてますが疲れましたハイ。
この作品は最初と最後を書いてて「書きたくない」って思いましたね。
最後は私の脳では恋愛をしない限りいい感じになることはないでしょう。
自分に恋愛小説は向かないんやなって。
3日間?くらいかけてでしたが200強の閲覧、ありがとうございました。