その虚言は誰が為に   作:ザ・バルタン星人

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それっぽい導入です。


プロローグ

ーーーー現代において、“神秘”とは科学的に実証不可能な事象をさす。

 

都市伝説、UMA、超能力者、その他諸々の怪奇現象は、大学教授やその道の専門家の活躍によってイカサマ、或いは迷信と片付けられる。

 

だが、中には解決できずにそのまま放置されている案件もある。

 

では、それらは一体何なのか。

 

答えはこの一つに尽きる。

 

ーーーー“本物である”と。

 

だが、人々は“それ”を認識せず、しようとも思わない。

 

何故なら“それ”は、人々が今まで積み上げてきた“神秘が存在しない現実”を根底から覆しかねないからである。

 

人々は理屈の通らない現象に嫌悪を抱く。

 

無論、逆に好奇心をくすぐられるような奇異な人間も存在するだろう。

 

“だからなんだ、そんな事私には関係無い”と、はなから気にしない人間もいるかもしれない。

 

だが想像してみて欲しい。

 

例えば、“死んだ人間が動いて襲ってくる”といったフィクションさながらの事が、現実に起こったとしよう。

 

テレビの向こう側で起こるのではなく、今この瞬間自分の部屋になだれ込み、腐臭を撒き散らし、肉を食いちぎらんと迫ってくる様を思い浮かべて欲しい。

 

人はそんな状況で正気を保てるだろうか。

 

勿論、全ての神秘がその様な(おぞ)ましいものであるという事はない。

 

だが、感覚としては同じものだと断言できる。

 

『正体不明』や『理解不能』といったモノは、殆どの人間に“恐怖”を与える。

 

故に人間は忌避するのだ、“神秘”の存在を。

 

だからこそ淘汰されたのだ、“その世界”では。

 

ーーーーそう、魔術世界は、“その世界”には存在しない。

 

そこは、数多の世界が共通して認識する“フィクションの世界”が存在しない、俗に言う所の“現実世界”の一つである。

 

しかし、この世界の過去には神秘が存在していた。

 

畏れられ、忌避され、唾棄された為に既に絶えてしまったが、唯一の例外があった。

 

世界から神秘は消え失せたが、人の身体にはその名残(・・)があったのだ。

 

ただ残っていただけの、機能することもない忘れ去られた遺物となる筈だったそれが、全てを狂わせた。

 

たった1人の人間の男が、それを目覚めさせた為に。

 

彼が持つ因子は異常だった。

 

人の身でありながら、既に絶えた筈の、それも、膨大なまでの神秘をその身に宿した彼は、明らかにこの世界にとって異物であった。

 

しかし、人々は彼を受け入れた。

 

何故なら、彼の持つ神秘に人々は、あろうことか()の救世主を重ねたからだ。

 

彼さえいれば、この世のあらゆる不幸が報われる。

 

彼さえいれば、あらゆる悲劇が過去になる。

 

彼さえいれば、この世で生きる人類の全てが救われる。

 

だからこそ、人々は彼に求めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーー彼自身が、救世主に成る事を。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ーーーーそれが、終わりの始まりとなる事も知らずに。




次話は主人公設定です。
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