病みつきなのは   作:勠b

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以前小説家になろう様とtinami様にて載せていた作品から多少手を加えております。


病みつきなのは
病みつきなのは


病みつきなのは

本文

「……どうしたんですか、なのはさん」

 

 その日少年は管理局の仕事を終え、部屋へと戻ろうとした所を彼の上官である高町なのはは声を掛けた。

 

「少し用事があるんだけど……すぐに終わるから私の部屋まで来てくれないかな?」

 

 ……またか。 

 少年はそう思うと少し困ったような笑みを浮かべる。

 なのはが仕事終わりの少年を呼び止めるのは今回が初めてではない

 3ヶ月程前からなのははほぼ毎日のように少年を自室へと誘っていた。

 

「すいません、今日はもう疲れてて……また今度じゃ駄目ですか?」

 

 少年は苦笑混じりに彼女の質問に答える。

 初めの方は呼ばれたら快く着いていったがやることといえばただの雑談であり

、先ほどまで訓練をしていた少年としては今すぐにでも部屋へと戻り体の疲れをとるためにも直ぐに寝て明日に備えたいと思っている。

 

「ごめんね、明日じゃなくて今日話したいことがあるの……とても大事な話だから」

 

 やんんりとした断りに動じす、真剣な顔つきで誘うなのはを見ていると、少年の顔つきも真剣さを帯びてくる。

 何時もなら直ぐに諦めてくれるのに……

 もしかしたら、本当に大事な話なのかもしれない

 上官であるなのはの真面目な話となると、吉報か、それとも────

 少年は真剣な話に興味を引かれつつ、なのはの誘いを受けることにする。

 

「わかりました、行きましょうなのはさん」

 

 少年がそういうとなのはは嬉しそうに笑いながら綺麗な右手で少年の左手を握る

 その笑みは、先ほどの真剣なモノとは違い、なんとも彼女らしい可愛らしい笑顔だった。

 

「じゃあ、早く行こ」

「ち、ちょっと待ってください!!」

「忘れ物でもしの?」

「い、いや、そうじゃなくて、何で手を握るをですか!?」

「手を握っちゃ駄目なの?」

 

 なのはは首を傾げつつ、少年を見る。

 少年は顔を赤くしながら見て分かるぐらいに慌てていた。

 そういう可愛いところも嫌いじゃないよ。っとなのはは思いながら見ていると、少年は冷静になろうとするためかわざとらしく咳をする。

 

「いや、駄目って訳じゃ無いですけど……でも、その、なんというか恥ずかしいですし……」

「私は恥ずかしくないよ?」

 

 少年を追撃するかのように間髪入れずに言うなのは。

 何を言っても無駄なのかな。 っと諦めながらため息をつく。

 首を傾げながら自分を見てくるなのはを見つめ返しつつ少年は手を離してもらうのを諦めた

 

 そのまま場の流れにまかせて少年はなのはの部屋まで行く

 2人仲良く歩幅を合わせながら。

 少年はただ、誰かにバレて変な噂がたたないことを祈りながら。

 自分の彼女にバレないことを祈りながら。

 

 

 

─────────

 

 

「それで、大事な話って何ですか?」

 

 なのはの部屋に着き少年は自分が呼ばれた理由を早速聞く

 

「せっかく部屋まで来たんだからそんなに急がないで、少しは休もうよ」

 

 ……本当に大事な話があるのか?

 

 なのはの話を疑いつつ、未だに自分の隣から離れようとしない彼女を見る。

 そこが自分の席かのように、当然のように立っているなのは。

 そんな彼女は扉の前で立っている少年をソファーに座らせる

 

「紅茶がいい?それともコーヒーがいい?」

「……なのはさんと同じでいいです」

「なら、紅茶でいいね」

 

 なのはは少年に飲み物の確認を取るとそのまま小型キッチンに行く

 なのはさんやフェイトさんクラスにもなると部屋にキッチンまでつくのか。

 少年は自分の部屋と比べるように周りを見る。

 部屋の大きさはもちろん、部屋の数な装飾品さえも少年の部屋よりも豪華だ。

 

 そんなことを考え、へこんでいると、ふと何かが足りていないことに気がつく。

 

 あれ?そういえばフェイトさんがいない……なのはさんとフェイトさんは同じ部屋のはずだしまだ仕事なのか……

 少年がなのはの部屋に行くときは大抵フェイトもいて、一緒に雑談をしていた。

 自分が見渡せれる範囲を隅々まで見渡していると、声が聞こえた。

 

「紅茶入れてきたよ」

 

 声を掛けた本人であるなのはは、ソファーの前にある小さめの机の上にピンクと青のカップを置き

その青いカップを少年の前に置く。

 

 ……ちょうどいい、聞いてみるか

 

「そういえばなのはさん、フェイトさんはどうしたんですか?」

「何で?」

 

 ピンクのカップを隣に置き、少年の隣の席を迷い無く座ったなのは。

 その音色は、普段とは違う何ともいえない冷たさを少年は感じた。

 

「いや、少し気になって……」

「何で私の前でフェイトちゃんのことを聞くの?」

 私が毎日のように部屋に誘っても余り来てくれないのに……何でやっと来てくれたと思ったらフェイトちゃんの話をしようとするのかな?」

「い、いえ、なのはさんとフェイトさんは同じ部屋だから帰って来ないのかと思いまして」

「そんなにフェイトちゃんに帰ってきて欲しいの?

 私と2人で居るのはそんなに嫌なの?」

「そ、そんなこと無いですよ……ただ、少しだけ気になっただけです、本当に少しだけ。

 気に障ったのならすいません」

「……それだけ?」

「はい、それだけです」

「そう、フェイトちゃんは今日はヴィヴィオと少し離れた部屋に入るよ、私が今日は君と大事な話があるからってお願いしたの」

 

 つまり、今日は始めから俺を部屋に呼んで大事な話をしようとしてたのか

 少年は気を逸らすために勝手に考察を始めつつ

一端落ち着くため青のカップに手を伸ばし、紅茶を飲む

 紅茶を飲んだ瞬間、少し口元が歪む。

 ……少し苦いな、まぁ紅茶何て余り飲まないし、こんなものなのか?

 青いカップに入った紅茶は心なしか赤い。

 

「美味しい?」

 

 少年がカップを置くと同時になのはが聞く。

 

「美味しいですよ、とても」

「えへへ、嬉しいな喜んでくれて、私も君に美味しいって言って貰えるように頑張ったんだよ」

 

 紅茶を入れるのに頑張る?

 まぁ、紅茶だって入れ方一つで味が変わるとか聞くし……。

 なのはの言葉一つ一つを気にしつつ彼女の方を少年は見る。

 紅茶を褒められたのが嬉しいのか、照れ臭そうに自分の頬を掻いていた。

 少年はそんななのはを見てると1つの違和感に気付く

 

「あれ?なのはさん」

「どうしたの?」

「右手の人差し指どうしたんですか?」

 

 先ほど少年の手を握った時は何も無かったのに今は右手の人差し指には包帯が巻かれていた。

 包帯の一部分には、うっすらとだが赤さが見えた。

 

「ちょっと訓練の時に怪我しちゃって……」

「でも、さっき手を握った時には何も無かったと思ったんです?」

「きっと左手で握ったんだよ!!、だってこれは訓練の時に怪我したんだもん!!」

「はぁ、そうですか」

 

 少年に気を使わせないためか、強く言い放つなのは。

 まぁ、どうでもいいか

 

。 

 なのはの思いに気がついたのか、少年は目線を青いカップ移し、怪我についての質問を止め、ここに来た理由でもある大事な話についてきく

 

「それでなのはさん、そろそろ大事な話について教えてくれませんか?」

「……そうだね、そろそろ話そうか」

「大事な話ってそもそもどういう話何ですか?」

「君の人間関係について少しね」

 

 人間関係?何か問題でもあったか?

 そう思いつつ少年は最近の人間関係を見つめ直すが、問題があるようことは覚えがなかった。

 

「最近、ティアナと仲が好いよね」

 なのはにそう言われ、少年の顔は少し強張る。

「え?、そうでしょうか前と変わらないと思いますけど」

 必死にも見えるような抵抗をする。

「前からティアナとキスしてたの?」

 

 この言葉を聞き少年の体は少し震える。

 

 何で……なのはさんがそれを……?

 

 

「3日前にね、見ちゃったんだ、ティアナの部屋の前で2人がキスしてたの」

 少年は目線なのはに移す。

 何も言わなくてもなのはは続ける

「始めはね、嘘だと思ったんだよ?」

 独り言のように淡々と。

「でも、次の日も見ちゃったんだ」

 感情が籠もってない、感じ取れない言葉で。

「でも、流石に2日も続けて見ちゃったら信じるしかないでしょう?」

 

 少年の視線を返すように、なのはは見返す。

「そして昨日の休憩時間中にティアナに聞いたら2人が付き合ってるって言われちゃってねあれはティアナの勘違いなのかな?」

 その瞳の中は少年の呆然とした顔のみ移して。

「それとも君が無理やりティアナの彼氏にされちゃったのかな?」

 

 沈黙とした空間が場を支配する。

 そんな空間を壊すかのように、この場の空気を少しでも変えたいがために、青ざめた少年が口を開く。

 

「いや、そんなこと無いですよ……」

「何でティアナを庇うの?

そっか!!、正直に言っちゃったらティアナに何されるか分からないもんね。

でも大丈夫だよ、私が君を守から」

 

 何を言っても無駄のような感覚に襲われつつも少年は必死にあらがう。

 

「いや、そうじゃなくて……その、告白したのは俺から何です」

 

 顔面蒼白な少年がそう言うと、無表情ななのはは首を傾げる。

 部屋に来る前に見たような、可愛らしさを感じない、恐怖感すら感じるような態度で。

 

「言ってる意味がわからないよ?

 だって君はティアナに脅されてるんでしょ?

そうじゃ無きゃこんな事あるはず無いよ」

 

「脅されて何ていません!!俺は、ティアナの事が好きだから告白したんです」

 

 

少年は声を荒げで言うとなのははクスクスと笑いだす。

 まるで、少年をあざ笑うかのように。

 

「……?どうしたんですか」

「ねぇ、何で君はティアナが好きなの?」

「それは、何時も気が利くし、何があっても前向きだし、優しいし……」

「そう……本当に君が告白したんだ」

 

 なのははクスクスと笑うのを止めると少年の目を真っ直ぐ見る

。光のない、脅えた少年しか写さない瞳で。

 

「私は君が望めば何だってするよ

 管理局を辞めろって言われれば辞めるし君が自分のために一生働けって言えば一生働いてみせる」

「……何が言いたいんですか?」

「ティアナと別れて私と付き合って」

 

 それは、とても理不尽で、横暴な言葉。

 

「ッ!? そんなの嫌ですよ!!」

「何で?君から別れようって言いたくないならティアナに言わせるのもいいよ?」

「いや、そういう話じゃ無くて!!、そもそも別れたく無いんですよ俺は!!」

「そんなこと無いよ、私はわかってるもん君の本当の気持ちも、君以上に知ってる」

「……何でそんなこと言えるんですか?」

「私は君のことずっと見てるんだよ?だからわかるの。

 君はティアナとは別れて私と付き合いたいってことも」

 

 ……無茶苦茶だ。

 さっきから意味がわからない。

 少年は混乱する頭を整理させるかのようにカップに入った紅茶を一気に飲みきる。

 空となったなカップをテーブルの上にそっと置くと、口の中にある苦味を味わいつつ、自分の心が少しは落ち着いたことを感じる。

 今日は帰ろう。明日また何かあればはやてさんやフェイトさんに相談すればいい。

 今目の前にある問題から逃げるような考えにたどり着くと、ゆっくりとソファーから立ち上がる。

 

「言いたいことはわかりました。では、俺はこれで」

「君は私が出した紅茶を美味しいって言ってくれたよね」

 

 なのはは落ち着いた音色で、少年に語るように話す。

 

 少年はなのはから差し出された紅茶を飲み確かに美味しいと応えていた。

 

「はい、言いましたけど。それが何か?」

「私、本当はねキッチンで指を怪我しちゃったの」

「紅茶を入れるのに指を怪我したんですか?」

「うん。でも、ごめんね、少し違うかな『しちゃった』んじゃなくて『するようにした』かな」

 

 しちゃったは間違えてやったって感じだがするようにしたって聞くと意図的な感覚になる。

 

「何時もは包帯なんてキッチンには置いてないんだけど今日は怪我することがわかってたから用意しといたの」

「わざと怪我したって言いたいんですか?何でまたそんなことを?」

 

 早く帰りたいという思いが強いのか、少年の言葉はなのはとは対照的に苛立ちを感じさせる。

 そんな少年に臆することなく、落ち着いた口調でゆっくりと語るなのは。

 

「君に美味しい紅茶を飲んで貰う為だよ」

 

 美味しい紅茶を飲んで貰う為に怪我をする?

 聞いて直ぐには理解できなかった。

 だが、紅茶を飲み、落ち着いた少年には少ししてある可能性に目がいった。

 口の中にある苦みを感じつつ。

 ……もしかして

 

「紅茶の中に……まさか……」

 まだ一口もつけていないピンクのカップを正確に言えばその中身を少年は見つめる。

「うん、入れたんだよ────『私の血を』」

 

 その言葉は少年を一瞬にしてパニックに陥れるには充分だった。

 ッ!?意味がわからない!!何で自分の血を入れて!!

 苦味を感じる口に手を当てて、周辺を見渡す。

 少年とは違うとはいえ、構造はだいたいは似たものだと考えた少年はそのまま飲んだ紅茶を全部吐き出そうとトイレへと急ぐ。

 

  

 

 

───────ー

 

 

 部屋が広くなってはいるが基本的な構造は少年と同じという少年の予想は当たっており、トイレは直ぐに見つかりそのままさっき飲んだものを吐き出そうとする。

 

「嬉しかったんだよ、君に美味しいって言ってもらって、紅茶と一緒に私の血の味も褒めてもらってるって考えただけで幸せだったよ」

 

 トイレにいる少年に聞こえるように扉に向かって幸せそうに笑いながら言うなのは、それを聞いてまた吐き気が少年を襲う。

 

 そんな少年の現状は、冷静とはとてもじゃないがいえない。

 ふざけるな!!!

 紅茶と一緒に自分の血を混ぜるだなんて……!!

 いや、この問題は後だ。

 今は1分1秒でも早くこの部屋から出たい!!

!!

 

 少年はさっきから何かいってるなのはを無視しながら自分の今連絡できる人たちをデバイスを使って探す。

 ティアナやスバルは寝てるだろうし仮に起きてたとしても力にならないな。

エリオとキャロは間違いなく寝てるだろう。

 ……なのはさんの事だしここはフェイトさんかはやてさんに助けてもらうか。

 

 少年の考えがまとまったと同時に目の前にモニターが出る。

 

 そのモニターには右手が映っており、人差し指には包帯が巻かれていた。

 その包帯を見るだけで、吐き気が更に強くなる。

 

「ちゃんと私の手見えるかな?」

 

 扉ごしとモニター越しになのはは声を掛ける。

 

「……何なんですか?」

 モニターを強く睨みつつ、低い声で話す。

「君がティアナと別れないんなら私このまま手首を切るよ?」

 

 はぁ!!?何言ってるんだよこの人!!?

 少年は慌てる。

 この人ならやりかねないという恐ろしさから。

 

「な、何でそんなこと!!?」

「だって君が私と一緒に居てくれないならもう私には生きてる意味が無いもん」

 子供のような話し方だが、その口調から感じ取れる狂気のような何かに少年は恐れる。

「そんなこと無いですよ!!それになのはさんが死んだら六課の皆だって悲しみますよ!!」

 

 少年が説得するなか、なのはは人差し指の包帯を取っていく

 

「ねぇ、見てよこの傷」

 

 包帯が完全に取れた人差し指にはかなり深い傷があった

 

「本当はもっと小さめの傷にする予定だったんだけど……君とティアナのこと考えたらこんなに深くなっちゃった」

「ッ!!? な、何でそんなこと」

「ちゃんと言ったよ?君が好きだから」

「こんなこと好きな人にやる行動じゃない!!」

「そうかも知れないね……でも、こうでもしないと君は私を見てくれないでしょ?」

「そんなこと……」

「訓練が終わったあとティアナの誘いには乗ったけど私の誘いには断ってたじゃん」

「そ、それは」

「ほら、やっぱり君が私を見てくれるにはこうするしか無いじゃん」

 

 そういうとなのはは左手に魔力刃を作る。

 その刃をモニターに見せると、傷口に合わせる。

 その顔は恐さを感じさせないただの可愛らしい笑顔。

 少年のことを考えていると、自然と浮かんでいく笑顔。

 

「どうする?君の答え次第では私は……」

 

 ッ!!? 本当に死ぬ気なのか!!?

 俺はティアナの事が好きだ……でも、それでも────

 考えが纏まると、顔面蒼白のまま慌て、叩きつけるかのように叫ぶ。

 

「止めてください!!!ティアナとは別れますから!!」

「本当?」

「はい、本当です!!ですから自殺なんて馬鹿なこと止めてください」

「わかったよ、君が言うなら」

 

 なのはは魔力刃を消して少年の前に出していたモニターも消す。

 少年はモニターが消えると同時に慌ててトイレから飛び出す。

 するとニコニコと嬉しそうな笑顔をしているなのはが目の前にいた。

 今さっき自殺しようてしていた人間には全く見えない。

 

「じゃあ、ティアナとはどうやって別れる?」

「俺が別れようって言います」

「そっか、わかったよ。

そろそろ遅いしもう帰って寝たほうがいいよ?明日も早いんだし」

「そうですね、わかりました」

 

 少年はその会話を最後になのはの部屋を出る。

 ふらついた足取りで。

 無理もないか、と1人寂しく口元に笑みを浮かべる。

 ついさっきまで、狂気であり、恐怖的な体験をしてたのだから、解放されて安堵してしまうのも仕方がない。

 そう思いつつ、ゆっくりと目を瞑り、愛しの彼女を思い出す。

 

─────ごめんね、ティアナ

 

 

「待って!!」

 部屋を出ると直ぐになのはは少年を呼び止める。

 

「……どうかしたんですか?」

「これが最後だと思うけど……一応ね」

 

 なのはは可愛らしい笑顔のまま少年に向かって顔を近付ける。

 さっきの事もってか、恐怖心からかなのはの目をまともに見ない少年。

 

 少年の顔をしっかりと、彼以外のモノしか見ないようにするかのように見つめるなのは。

 お互いの顔は対照的なまま、鼻と鼻が当たるぐらいに近くになった。

 

「もし私以外の人と君が付き合ったら、またこういう事になるかも」

「ッ!!?……覚えときます」

「うん、そうしといて」

 

 それだけいって、なのはは少年から離れる。

「おやすみ」

 そんな軽い言葉を残し、なのはは部屋へと戻っていった。

 

 

 

 

──────

 

 

後日談というか、直ぐ後の話し。

 

 次の日、俺はティアナに別れ話を出した。

 何を言われるかわからなかったが、意外にも何も言われることは無かった。

 もしかしたらなのはさんが既に何か言ってたのかもしれない。

 もっとも、それを知るすべはないんだけど。

 

 

 最近はなのはさんに誘われたらその誘いに乗ることにしている。

本当は断りたいがこの間の事もあり断るだけの勇気が無いのだ。

 だが、この間のような事は無く、なのはさんと2人、フェイトさんがいれば3人で雑談している。

 

 意外に思われるかも知れないけど、なのはさんとは付き合ってはいない。

 お互いに告白もしてないし俺は告白なんかしたくない。

 だが、彼女から告白されたら俺はおとなしくそれを了承するのだろう。

 

 俺には選択肢なんて無いんだから────

 

 今日も訓練が終わり彼女が近付いてくる。

 彼女の言うことはわかってるし、それにたいする俺の返答もわかっている。

 

 彼女がいるかぎり俺には選択肢なんて無いんだから───────

 

 




こんにちはー勠bでーす

ハーメルンで作品を投稿するのは初めてのことになります。
そのため、馬鹿なことをしでかすかもしれませんが、その時は教えて頂けたら幸いです。
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