【完結】猫娘と化した緑谷出久   作:炎の剣製

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更新します。


NO.035 合同職場体験・一日目の夜

 

 

 

 

「にゃはははー! 夜目が使えるって便利だねー! 炎も使えるから夜間の活動にはもってこいの力だよ」

「ありがとうございます」

 

出久は現在、虎を抜いたマンダレイ、ピクシーボブ、ラグドールの三人とともに山岳地帯へと向かって歩いていた。

炎を出久が出して先を照らしているから三人も楽が出来るという感じで最初の方はゆったりした感じで終始和やかに時間が流れていく。

 

「それでだけどねー、出久ちゃんってさー?」

「はい?」

「あちきね、前にオールマイトと会う機会があったんだけど、その時にサーチした事があるんだよね。その個性の情報が今、出久ちゃんの中にもあるっていうのはどういう事かなって思ってねー」

「ッ!」

 

ラグドールのその言葉に出久は緊張をする。

あまり他人には話さないようにとオールマイトに言われている為にどう言葉を濁そうかと思っていた。

だが、そこでマンダレイが出久の頭に手を置いて、

 

「ふふ……そんなに緊張をしないの。ごめんね、試すようなことをして」

「マンダレイの言う通りだよ。私達はオールマイトの事情はグラントリノを通じて知っている口でね……オールマイトを継ぐ次代の子が君だってことも」

「そ、そうだったんですか……」

 

それで安心の吐息を吐く出久。

だがそれで逆に疑問が湧いてきた。

 

「その、それで皆さんはグラントリノとはどういう風に知り合ったんですか……? 結構隠居生活をしていたって話ですけど……」

「あー……それね。まぁワン・フォー・オールの事を知っているのは極少数だから仕方がないけど。最初は私達も知らなかったんだよ? でも、虎がグラントリノのところに学生時代に職場体験に行って以来、たびたび会う機会があったらしくてその流れで、ね……」

「はぁー……やっぱり繋がりなんですね」

「にゃはは! ま、そんな感じだから無理してあちきらには隠し事はしないでもいいよ!」

「わかりました」

 

そんな世間話をしながらもいい感じに目の前に聳え立つ崖が見えてきた。

 

「それじゃ緑谷さん。まずは山岳救助では絶対って訳じゃないけど、崖登りの体験もしておいた方がいいわ。だから個性を使ってまずは崖の上まで登ってみましょうか」

「わかりました!」

「崖の上まで到着したらちょっとしたサプライズが待っているからそれもクリアして、そしたらまた崖を下ってきてここまで戻ってきたら時間も時間だから宿に戻りましょう」

「はい!」

「ちなみにクライミングの経験とかってあるかな?」

「いえ、初めてです」

「そう……それじゃいい経験だからどれくらいで崖の上まで登れるか挑戦ね」

 

そんな感じで出久はまずは増強系の三種の個性を発動して、さらには崖登りには適しているであろう爪を展開して硬質化させて、

 

「それじゃ行ってきます!」

「頑張ってねー!」

 

出久はそれで崖を足場がありそうな場所へと爪を伸ばしては岩に刺して落ちないように移動をしていく。

普通ならそういうのに適した安全な道具も必要となってくるが、個性があるのであれば別になってくる。

さらにはもう夜なのだから慎重に登らないと真っ逆さまに落下してしまう。

 

「慎重に……慎重に……」

 

そう言いながらも何度も素早い動きで登っていく出久の姿を見て、

 

「おー。最初にしては中々な登り具合じゃないか」

「やっぱり私達の目に狂いはなかった感じね」

「にゃはは。いい掘り出し物だねー、あの子」

 

三人は鍛えがいがありそうだと思いながら出久が崖の上まで登り切るのを待っていた。

しばらくして出久がなんとか崖の上まで登り終えると、

 

「みなさーん! 登り終えましたよ!」

 

下の三人にそう叫ぶ。

 

「それじゃちょっとそこで戦闘訓練でもしてみよっかー!」

「えっ?」

 

出久は間抜けな声を出して、ふと気配を感じて背後に目を向けてみるとそこには2mはあるであろう魔獣の姿が何体もあった。

 

「魔獣!?」

 

身構える出久だが、そこで、

 

『緑谷さん』

「この声って、マンダレイのテレパス?」

『その魔獣はピクシーボブが個性で作りだした土くれの魔獣よ。雄英体育祭であなたの戦闘力は知っているけど改めて見せてちょうだい』

 

それからマンダレイのテレパスは聞こえなくなったので、

 

「よし……! 魔獣は合わせて5体! いっくぞー!!」

 

そこから出久の戦いが始まった。

 

 

 

 

 

ピクシーボブはそんな出久の戦いをレーダー内臓のアイマスクで見ていた。

 

「うんうん。いい動きをするわね。私の土くれじゃちょっと相手にはならなそうね。あ、また一撃で一体撃破した」

「うーん……それじゃ明日は虎とグラントリノに実戦形式で鍛えてもらいましょうか」

「そうだねー」

「いいと思うよ。でも、少しだけ観察していてもったいない光景があるね」

「どう言う事……?」

「うん。出久ちゃん、強いのは強いんだけど、足技を一切使用しないのよ」

「拳一辺倒って事……?」

「そう。爪の個性も拳に分類されるから仕方がないけど、もう少し足の方にも意識を向けてもらいたいね。せっかく脚力強化なんていうスキルもあるんだし」

「そうね。そこら辺は明日のカリキュラムに入れておきましょうか」

 

そんな話し合いをしていながらも出久は最後の一体を撃破して、登りよりも下りの方が辛い崖をなんとか下ってきた。

 

「どうだった? いい運動になったかしら?」

「はい。崖登りというのも初めての体験でどこの筋肉を使って登るのかとか考えさせられました」

「魔獣に関してはどうだった……?」

「はい。それなりに良い訓練が出来ました。土くれなのに意外と素早かったので倒すのに時間を掛けちゃいましたけど……」

 

たはは……と笑う出久。

だが、それでピクシーボブは少しだけ出久の実力を侮っていたようだった。

 

「うー……当然オールマイトには及ばなくてもそれなりのヴィランくらいの実力は持っていると思ったんだけどねー。君がもし男の子のまんまだったら私は放っておかなかったぞ?」

「それはどういう……?」

「ああ、気にしなくてもいいのよ? ただ、ちょっとね……」

 

まだ子供の出久の前で適齢期に関して話すのは情けないだろうという事でその話は流れていった。

 

「さ、それじゃ宿に戻ってお風呂にでも入りましょうか」

「賛成ー!」

「お風呂、いいわよね」

 

ワイプシの三人が騒ぐ中で、

 

「お、お風呂ですか……」

 

出久は顔を赤くさせて固まっていた。

そんな出久に気づいたのかマンダレイが話しかける。

 

「緑谷さん……? もしかして女性の人達と一緒にお風呂に入るのはまだ体験していなかったりする?」

「は、はい……性転換した後に女性としての生活に慣れるためにお母さんと一緒に入っていたんですけど、それ以外はからっきしで……。学校でもなんとか同じクラスのみんなと着替えをするのにはやっと最近慣れてきた感じですから」

「そう……それじゃこの際だからこの職場体験で慣らしちゃいましょうか」

「え、えぇ!?」

 

そんなこんなで出久はその後に三人と一緒に露天風呂に入って裸の付き合いをしたのであった。

その際に色々とハプニングがあったのだが、怪しい事でもないので割愛する事にする。

その後に食事も食べて、何の因果か三人と一緒に布団に入って就寝して、その際に出久は眠りにつくまでに胸のドキドキが止まらなかったという……。

 

 

 

 




まずは1日目が終わりました。
そしてシュートスタイルも先駆けて覚えさせてしまおうかと……。

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