【完結】猫娘と化した緑谷出久   作:炎の剣製

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更新します。
なんか昨日から色々と増えてるなと思ったら日間ランキング5位にいてびっくり……。


猫娘と期末試験編
NO.053 期末試験が迫る中


 

 

……時は六月最終週。

期末試験まですでに一週間を切っていた。

それでクラスのみんなはと言うと、

 

「まったく、勉強してねー!!」

「あっはっはっはー!」

 

上鳴電気……20/20位。

芦戸三奈……19/20位。

 

二人はまったく勉強の時間が取れてなかった事に非常に追い込まれている感じであった。

 

「体育祭とか職場体験とかが重なって勉強どころじゃなかったんだよー!!」

「確かに……」

 

上鳴の叫びに、

 

常闇踏陰……14/20位。

 

常闇も思わず頷きながらも汗を垂らす。

 

「中間はそれはなー……入学したてでなんとかなった感じだけどなー。行事が重なりまくったからな……」

「(コクコク……)」

 

口田甲司……11/20位。

砂藤力道……12/20位。

 

砂藤の言葉に口田が無言ながらも頷いていた。

普段なかなか大声を出さない口田と会話が成立している辺り、これはもう慣れであろう。

 

「期末は中間と違って―――……」

「演習試験が辛いところだよなー」

 

峰田実……9/20位。

 

峰田が余裕そうに頬杖を付きながら話す。

こいつ、普段はエロイ事ばかり言っている割に成績はそんなに悪くはないのだ。

中学時代にモテたい……モテて周りを見返してやりたいという感じで努力した結果が今の峰田を着実に成長させていると言ったところか。

だが、そんな事情など知る由もない上鳴と芦戸が叫ぶ。

 

「あんたは同族だと思ってたのにー!!」

「お前みたいなやつはバカで初めて愛嬌が出るってもんだろ!? どこ層にお前みたいなやつが需要があるんだよ!?」

 

なかなかに酷い罵倒である。

だが、それでも峰田は余裕を崩さずに一言、

 

「“世界”、かな……?」

 

そう言いきる。

こいつ、改めて言うが意外と油断ならないぞ!

 

「芦戸さん、上鳴くん。が、頑張ろう? みんなで林間合宿行きたいもん! ね!」

「うむ!」

「普通に授業を受けていれば赤点なんて取る事なんてないだろ……?」

 

緑谷出久……4/20位。

飯田天哉……2/20位。

轟焦凍……5/20位。

 

可愛らしくそう言う出久に飯田と轟も続く。

順位を見れば分かるだろうが、特に三人は真面目な層なので点数は悪くないのだ。

出久はつい最近までインゲニウム関連でごたごたしていたにも関わらずに、ヒーロースーツも改良した事もあり、向上心があり真面目な生徒だと教師の間ではもっぱらの話であった。さすが主席入学者である、と……。

 

だが、今の上鳴にはそんな三人の言葉はあまりにも酷であったために、

 

「言葉には気を付けろー!! お前らと同じ頭脳だったら苦労してねーんだよー!!」

 

嘆きのレベルが半端なかった。

そこに静かにある生徒が言葉を発した。

 

八百万百……1/20位。

 

「お二人とも……座学であるのでしたら、わたくしがお力添えできるかもしれません」

「ヤオモモーーー!!」

「演習の方は……その、からっきしでしょうけども……」

 

八百万……体育祭で常闇に全然歯が立たなかった事で落ち込み傾向にある。

しかし、それでも出久の事を聞いた後である意味革命的な思いを抱いた。

もし、もしかしたら出久が生命力を消化できずに自分たちが先に逝ってしまい、残されていくのだったらしっかりとしたサポートを後世にも残さないといけないと……。

それですでに親にも内密に相談していたりする。

そんな八百万の心意気に両親達は涙を流しながら「立派な考えを持って……」と、もうすでに賛成の意を示していた。

 

「上鳴と芦戸じゃないけど、ウチもちょっと二次関数で詰まってるところがあるんだけど、いいかな……?」

「俺もいいか? 古文がちょっと厳しいんだ」

「俺もお願いできるかな……」

 

耳郎響香……7/20位。

瀬呂範太……17/20位。

尾白猿夫……8/20位。

 

三人がそう言って頼ってきたので八百万も頼られている事に嬉しさを感じて、

 

「良いですとも!!」

 

と、絶賛フィーバー状態であった。

それを見ていた切島は、

 

「これが人徳の差よ……」

「俺もあるわ! てめぇ教え殺したろか!? それにデクもついてんだから文句は言うんじゃねーよ!!」

「まぁ、お前ら二人とも頭いいもんなー。頼むわ」

 

切島鋭児郎……15/20位。

爆豪勝己……3/20位。

 

爆豪は出久との仲が改善できたためにたまに図書室で一緒に勉強する仲にはなっていて、それを轟、飯田、麗日が負けじと一緒に勉強をしようと入ってくるので最近は違う意味で爆豪は焦燥を感じていた。

具体的に言えば、

 

『デクは俺と一緒で一番力が出るんだよ!! 幼馴染舐めんな!!』

 

と、言葉には出さないがそんな事を思っていた。

…………かっちゃん、いつの間にそんなスイーツ脳に……?

 

ちなみに障子目蔵と青山優雅の二人はと言うと、

 

障子目蔵……10/20位。

青山優雅……18/20位。

 

「まぁ、なんとかなるかな……?」

「(誰かに教わりたいけど、そこは僕! 自身で乗り越えないとね☆)」

 

と、一人で頑張るつもりであった。

 

 

 

お昼時。

出久は食堂で飯田、轟、麗日、蛙吹、葉隠の五人と一緒に食事を摂っていた。

ちなみに、

 

麗日お茶子……13/20位。

蛙吹梅雨……6/20位。

葉隠透……16/20位。

 

である。

 

「普通の科目は授業の範囲内ででるから何とかなると思うんだけどね……」

「うむ。突飛な事はしないと思うが、そこは雄英。なにかしらやってきてもおかしくはないな」

「だが、それでもまぁ、なんとかなるだろ……」

 

と、出久、飯田、轟の三人はなんとかなる精神であったのだが、お茶子はそれで、

 

「普通の科目はなんとかなるんやね……やっぱり三人とも頭いいよね」

「一学期でやった事の総合的な試験だって言うけどー」

「それだけしか教えてくれないんだものね。相澤先生は……」

「戦闘訓練に救助訓練……あとはほとんどが基礎トレーニングだもんね」

 

それで頭を悩ませる一同。

 

「でも、万全に整えておけば―――……あいたっ!?」

『緑谷/緑谷君/デクちゃん/出久ちゃん!?』

 

突然頭に何かをぶつけられた出久に、他のみんなが過剰反応してその相手を睨みつける。

そこにはB組の物間が立っていた。

 

「ごめんよ、頭が大きいから当たってしまって……」

「君は、物間くん。よくも!」

「物間くーん……君は緑谷君になにをしているのかな?」

「わざとだったら成層圏の彼方までぶっ飛ばすよ……?」

「氷漬けにしてやろうか……?」

「あられもない姿を撮っちゃうよ……?」

「ケロ。溺死はお好みかしら……?」

 

出久よりも怖い顔をした(葉隠は透明のために分からないが)一同が物間に笑いながら睨みを利かせている現状で、

 

「みんな!? なんか怖いよ!?」

 

出久はそんなみんなに恐怖を感じていたり。出久は愛されてるネー。

爆豪がもし一緒にいたら、すでに物間は消し炭にまでされている事だろう……。

それでも物間は気づいていないのか鈍感なのか、

 

「君達、ヒーロー殺しに接触したらしいじゃないか。体育祭に続いて注目ばかり集まる要素ばかり増えていくじゃないか、A組は……ただ、その注目って期待値とかじゃなくってトラブルとかに関しての方が度合いが強いよね? あぁ、怖い怖い! いつか君達のトラブルに巻き込まれて被害を受けるかもしれないと思うと、おぶぁ!?」

 

物間が最後まで言いきる前に後から来たB組委員長の拳藤がチョップを食らわせながら、

 

「物騒なこと言うな、物間。飯田の件はシャレになんないぞ? ごめんね、こいつちょっと心がアレなんだ。緑谷もあんまり根に持たないでね?」

「あ、うん……」

「それよりだけど、期末の演習内容を知りたそうだったけど、入試ん時みたいに対ロボットの実戦演習らしいよ」

 

拳藤のその発言に騒然とする出久達。

話によると先輩とかに聞いたらしい。

それから物間が何か言っていたが、それでまた拳藤にチョップを食らわせられるという夫婦漫才のような感じでその場を離れていくのであった。

それを不思議そうに二人を見ながらもせっかくの情報だから、それをみんなに伝えると、

 

「なんだ! それなら楽勝とまではいかないけどやれそうじゃん!」

「そだねー!」

 

と、晴れやかな顔になっていた。

ロボット相手なのならば力の調整をしないで済むから思いっきりやれるという意気込みだ。

だがそこで爆豪が、

 

「ロボだろうが人だろうがやる事は変わらないだろ……? 調整なんて自然にできるもんだろうが!」

 

と言っていた。

普通なら反論の声を上げる上鳴とかだろうが、最近の爆豪の性格の軟化を把握している為に、

 

「そりゃそうだろうけどよ……」

 

と、あまり大声は上げないでいた。

 

「そんな事より、おいデク」

「かっちゃん? なに?」

「ちょっと後で実戦演習に備えて組み手に付き合えよ。体育祭で俺が勝ったとはいえ慢心はしないに越したことはねぇからな」

「わ、わかったよ。かっちゃん!」

 

出久も頼られて嬉しそうに返事をする。

 

「それだけだ。じゃーな」

 

爆豪はそれだけ伝えて教室を出て行った。

それを見届けた一同はと言うと、

 

「やっぱり爆豪の変化になかなか気持ちが追い付かねぇよな」

「それは言えてるー」

「だが、良い傾向ではあると思うがな」

「緑谷も最近は前より気が楽でしょ?」

「そうだね」

 

と、盛り上がっていた。

 

 

 

 

 

 

 

爆豪が教室を出て行くのを物陰で確認していた相澤は思う。

 

「ふむ……爆豪は緑谷との仲の改善は出来たとはいえ、まだ安心できないな。一回、二人を組ませてみるか……」

 

と、良い意味で二人の組み合わせが決定した瞬間であった。

 

 

 




さて、やっとここまで来れました。
次回は期末試験に入れそうですね。

かっちゃんの変化が著しいですよね。我が作品の事ながら。

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