私は勇者に憧れていた、、、
現実では絶対になれない存在、ゲームの中で一番輝いて見えた存在
そんな勇者に私はなりたかった。
そして西暦2126年、私は人生を変えるゲームと出会う。DMMORPG<ユグドラシル>
他のゲームとは比較できない程の自由度、職業数、広大な世界、そしてなにより、仮想世界で現実にいるかの如く遊べるゲーム
衝撃的だった、夢にまで見たようなゲーム
このゲームなら私は勇者になれる!!
迷う事なくユグドラシルの世界に飛び込んだ
ユグドラシルを始めてからまず悩んだ事
それはどんな勇者(アバター)を目指すかだった
100年以上前のゲームをやるのが好きだった私は
色々な勇者を見てきたが、その中でも記憶に強く残っていたのは
FGOのキャラクター、勇者の姿をしたエリザベート・バートリーだった
赤いロングヘアーに尖った耳、デミドラゴン化したという設定であり、2本の捻じ曲がった角と
竜の尻尾が特徴的なキャラクター、これが何故か勇者という設定で冒険をするのだ。
個性も強くて性格もよく把握してるキャラだったので、どうせなら勇者エリザのRPをして遊ぶ事にした。
種族を竜人に設定し、半日掛けてキャラメイク
そしてやっと完成したアバターで
勇者エリザとしてユグドラシルの広大な世界に冒険に出る、、、
「私、勇者になるわっ!!」
レベル上げ、ドロップ品集め、武器防具の作成、勇者になるためのスキル構成を考える
凄く充実した毎日を過ごしていた、だがしかし、衝撃の事実が判明する
《勇者の職業は人間種でないと取得出来ない》
、、、やってしまった、知らなかった、まさかそんな落とし穴があったなんて、、、
でも今の竜人種の勇者エリザを気に入っていた私は今更、人間種になろうとは思わなかった。
なんとかして勇者の職業を取得出来ないか、色々な所から情報を集め、1つの答えに行き着いた
ワールドアイテムの永劫の蛇の指輪(ウロボロス)を使ってシステム変更を要請し、竜人種でも勇者の職業を取得出来るようにしてもらう事
もちろんワールドアイテムは入手するのが困難な事は知っている
しかも私はソロプレイヤーだ、フレンドもいない
だが勇者になるという事は第一目標でもある
それからパーティーを組んでこの広大な台地で旅をする、、、
そしていつか、この世界のどこかにいるであろう魔王、、、いるのかしら?
いいえ、関係ないわ、勇者RPをしている私がいるなら、魔王RPをしている人だっているはず!
「待っていなさい、魔王!私が、いつか、倒してあげるわ!」
-ナザリック地下大墳墓-
円卓の間でアインズ・ウール・ゴウンのメンバーが雑談をしていた
「最近、面白い話を聞いたんだけど、みんな知ってる?」
「急にどうしたんですか、ペロロンチーノさん?」
「いやね、わざわざ永劫の蛇の指輪を使ってまで、竜人種でも勇者のクラスを取得出来るようにした人がいたらしいんですよ」
「ええ!?わざわざワールドアイテムを使ってまでですか!?」
「そうなんですよ!凄い拘りですよね!俺も使ってみたいなぁ」
「確かに使ってみたい気持ちはわかります、でも俺は多分、勿体無くて使えませんね」
「あー、モモンガさんは貴重なアイテム使わずにとっておくタイプですもんねー」
「いつかその竜人種の勇者がナザリックに攻め込んで来たりするかも、ほら、モモンガさんって魔王っぽいし?」
「確かに魔王RPしてますから、来るかもしれませんね。返り討ちにしますけど」
「俺達も各階層守護者もいるから、モモンガさんにすら会えないでしょ」
「あー、もしかしたら私その子知ってるかも」
「え?姉ちゃんの知り合い?」
「本人かどうかわからないけど、竜人種で勇者RPしてる子で、名前はエリザベート・バートリー。私はエリちゃんって呼んでるわ」
「ぶくぶく茶釜さんのお知り合いの方でしたか、どんな人なんです?」
「んー、、、一言で言うと変わった子ね、勇者って所に凄い拘りを持ってて正義感の強い女の子、いつか魔王を倒してみせるわ!って会うたびにいわれるから、うちのギルド長のモモンガお兄ちゃんが魔王RPしてるよーって教えてあげたら、紹介して欲しいって」
「、、、俺は何も聞いてませんけど?」
「忘れてました、ごめんねモモンガお兄ちゃん☆」
「で、どうすんの姉ちゃん?モモンガさん紹介するの?」
「俺は構いませんよ、勇者っていっても異形種ですし、変わった人の相手もなれてますから」
「モモンガお兄ちゃんがいいっていうなら適当な所で落ち合いましょう」
ユグドラシルの森林エリアにて、勇者と魔王は出会った
それはまるで、運命の相手に出会ったかのような衝動に駆られ(一方的に)
今、戦いの火蓋が切られる。
「やっと、、、やっと出会う事ができたわね 魔 王 モ モ ン ガ !!!!」
「フ、、、お前が勇者か?まだ私に挑むには役不足だと思うぞ?」
「ええ、私自身よぉくわかっているわ、まだ貴方に挑むには強さ(装備とスキル)が足りないって、、、そ れ で も!引けない戦いがここにはあるわ!!」
「であるならば、私は他に何も言うまい、、、勇者エリザベート・バートリー!貴様はここで倒れるがいい!」
その様子をすぐ側で見守るピンクの棒とバードマン、一緒に来たのに急に始まった勇者と魔王のRPに完全に置いてけぼりをくらったのだ
「、、、これ止めなくていいのか?」
「いいんじゃない?二人ともノリノリだし、終わってから話せば『グラスプ・ハート/心臓掌握』『ぎゃあ!?』いい、、、」
「、、、勇者即死してない?」
「え、嘘、即死耐性ないんですか!?エリザベートさん!?」
勇者のスキル《死に戻り》一定量のユグドラシル金貨を消費する事によって自分が設定した拠点にリスポーンするスキル、これにより金貨さえあればデスペナルティが一切ない、金貨があれば
「自慢じゃないけど、私、まだ勇者のスキル振り終わってないの!」
「確かに自慢じゃないですね、勇者なら耐性上げるスキルあるので、おかしいと思ったんです。どうしてですか?」
「モモンガさんに会ってから使う魔法とかスキルとか聞いてから対策を立てようと思っていたわ!」
「じゃあ急に戦闘しかけて来ないで下さいよ、いつもの癖で心臓潰しちゃいました」
「癖で心臓を潰す!?やはり貴方は私が倒さないといけないようね!」
「だからまずスキルと防具を、、、ずっとRPしてて疲れないんですか?」
「モモンガお兄ちゃん、無駄よ、私も同じ事いったけど、そもそも、そういう性格のキャラらしいわ」
「これ何かのキャラクターなんですか?ペロロンチーノさん知ってます?」
「んー、結構古いゲームのキャラだったと思いますよ、俺も詳しくは知りませんけど」
「とりあえず今はスキル振りと俺の対策ですね」
「え!?教えてくれるの!?さりげなく聞き出すつもりだったのに!?」
「、、、姉ちゃん、この人」
「だめよ弟、暖かく見守ってあげて、これでも私のフレンドなの」
「じゃあ、これも何かの縁なので、フレンドなっておきますか」
「ええ!私、魔王のフレンドなんて始めてだわ!仲良くしましょう!」
「、、、姉ちゃん、この人面白い人だな、、、」
「でしょ?なんか頭を空っぽにしてても会話が成立しそうな所が和む」
「じゃあ、貴方の弱点を教えてちょうだい!」
それから私は、モモンガさんとぶくぶく茶釜さん、ついでにペロロンチーノさんと
たまに会っては一緒に素材を集めに行ったりダンジョンに潜ったりしていた
もちろん、モモンガさん達のご好意によるものだ、誘ったら高確率で来てくれる!(待ち合わせ時間と場所だけのメール)
そして今回のダンジョンで入手したアイテム、ポケットギルド
本来ギルドはダンジョンを攻略してそのダンジョンをギルドとして使うのが一般的であり常識である
今回入手したポケットギルドは持ち運び可能なギルド、これはギルドメンバーを増やせず、ただNPCを作って一緒に冒険をするためだけのアイテムとして実装されたアイテムだ
だが決定的な弱点があり、常にNPCを連れ歩かないといけない事、常にギルド武器を持ち歩かないといけない事など、使う人は見た事がない。勇者の『死に戻り』などのスキルがあればギルド武器の方は大丈夫だが、NPCに関しては打つ手がない。
ポケットギルドを使う用になってからナザリックに入れなくなるなどの問題はあったが
モモンガさん曰く「パーティーを引き連れて、このナザリックを攻略し、魔王である私を倒して見せよ!!」とのことだ。
私はギルドポイントを稼いでLv100NPCを最低でも3人くらいは作れるように頑張っていたけど
何故かモモンガさんが手伝ってくれたのでLv100NPCを4人作れるくらいは集まった。防衛機能がない分、NPCにガン振り出来るのは大きなメリットである。
そんなある日、とあるメールが運営から届いた
《ユグドラシル、サービス終了のお知らせ》
信じられなかった、12年間毎日遊んでいたゲームが終わる
既に日課になっいてるユグドラシル、毎日、勇者として冒険していた夢のような時間が終わる
あと1週間で、勇者人生終わり?
、、、信じたくないけど事実だ、ならせめて
ずっと挑戦しては第三階層すら突破出来ていないナザリックを
ずっと玉座の間で待ってくれてる魔王の、、、モモンガさんの所までは行きたい
どんな手段を使ってでも行かないと行けない、攻略すると約束したから
だから残りの1週間も勇者として、勇者エリザとして、魔王に挑む。
「ユグドラシルが終わるのか、、、今も来ているのは俺だけ、、、そしてアインズ・ウール・ゴウンのメンバーではないけど、エリザベートさんが毎日ナザリックに来てくれている。正確には魔王を倒すため、約束を果たすために来てくれているんだと思う、でもナザリックを突破できないでいる。防衛機能は切ってある、守護者達もコキュートス以外は自室で待機させてある。なのに突破できない、当然だ、エリザベートさんはNPCを4人連れてきている、お世辞にも優れているとは言えないAIのNPC達をだ、そのNPC達に常に指示を出しながら戦っていて、コキュートスに勝てる訳がない。まだエリザベートさん1人だけの方が勝機はあるかもしれない。でも彼女はそれをしない、何故か、勇者だから、同じパーティメンバーの仲間と攻略したいのだろう、けして後ろで待機命令なんて出さない、、、仕方ない、最終日は迎えに行くか」
-ナザリック地下大墳墓、第五階層-
もはや日課となっているナザリック攻略戦、今回は何故かシャルティアがいなかったので初めて第五階層までこれた私であった、が!予想以上にコキュートスが強い、シャルティアよりかはマシだけど倒せない、もう6回目だ。ユグドラシル金貨は大量にあり、ギルド維持費がほぼ0だから今は《死に戻り》にしか使っていない、けどこれ1週間はキツイ。
「ああ!ダメだって!もっと動いて!違う、まだ補助魔法切れてないから、掛けなくていいから殴って!そのタイミングで範囲魔法とかいらないから!その刀は受けちゃダメ神器級+パワーで受けれないから!それと私も狙われてるからぁぁぁあ!?」
-残り5日-
何故かモモンガさんが《メッセージ/伝言》でアドバイスをくれている、NPCを回避に専念させた方がいいとか、弓のNPCは行動阻害行動だけやらせた方がいいとか、槍兵はむしろずっと投擲だけさせてればいいんじゃないかとか。
なんて、、、なんて優しい魔王なんだ!、、、でもごめんなさい
《メッセージ/伝言》で話しながら戦うのは、、、、キツイ
「腕4本とか目足りないからぁあ!!」
「気づいたら氷の柱が後ろにあるんだけどぉお!?」
「おのれ覚えていろコキュートスゥゥ、、、、」
「うむ、、、やはりダメか、全く、頼りない勇者だな(1人魔王RP中)」
-残り3日-
「エリザベートさんが攻めてこない、、、どういう事だ?」
その頃、勇者エリザは町にいた、何故か?それはポーションを買いに来たら凄い事に気づいたからだ
そう、アイテムの投売りだ、残り3日という事もあり神器級どころか世界級まで売られていた、今までの努力っていったい、、、
そんな事を思いながら買ってしまうのは仕方ない、みんながやる事がなかろうが投売りしようが、私にはまだやる事がある、そして買いあさった神器級アイテムでNPC達と自分の装備を全て神器級で統一した、世界級、、、は使わない。チート性能だし、買えた奴は戦闘用でもない。これで準備は完璧だ、きっとコキュートスにも勝てる
-残り1日-
「な ん で 勝てないの!?!?」
みんな装備は神器級だ、武器だけ神器級のコキュートスに5対1なのになんで勝てないの!?
「こんばんわ、エリザベートさん」
「モモンガさ、、、、魔王モ モ ン ガ !?」
「いや言い直さなくていいです。それより、迎えに来ました」
「迎え?冥界へと誘う的な迎え?」
「いえいえ、違いますよ。流石に今日最終日ですし、最後くらいちゃんと玉座まで来て下さい」
「え!?いいの!?いきなり魔王戦して!?」
「勿論ですよ、結局2人で戦ったのは森で出会った時だけですし、また勇者vs魔王やりましょう」
「、、、わかったわ、でもその前に誤らせて欲しいの、ナザリックを攻略するって約束、果たせなくてごめんなさい」
「いいんですよ、防衛機能切っていても、コキュートスだけでも、アインズ・ウール・ゴウンのメンバー41人で作ったこのナザリックが、攻略される事はないっていう自信はありましたから」
「ぼ、防衛機能切ってた?うそ?」
「切ってましたよ、シャルティアだって待機命令だしていたし、罠とかもなかったでしょう?、、、まさか気づいてなかったんですか?」
「、、、き、気づいてたわよ?勿論!さぁ、玉座の間行きましょう!魔王sうぎゃあぁあ!!!」
「こ、コキュートス、、、戦闘中だったの忘れてた、、、」
-23時30分-
勇者エリザと魔王モモンガは第十階層の廊下を話しながら歩いていた、勇者エリザの後ろにはLv100のNPCが4人、魔王モモンガの後ろには老執事と6人のメイド達を連れている
「コキュートスって虫系の種族よね?強すぎない?」
「蟲王(ヴァーミンロード)ですからね、守護者最強の攻撃力がありますから、そう簡単には突破出来ませんよ、でも初めてコキュートスと戦った時、しっかり対応できてましたね」
「フッフッフ、それは勿論事前に調べて、、、あれ?見てたいたの?初めっから?」
「そりゃ、攻め込まれていますからね、監視くらいしますよ」
「そんな、あんまりだわ!フレンドが無残にも敗れる所を見ていただけだなんて!!」
「ちゃんと《メッセージ/伝言》でアドバイスはしたでしょう?」
「それはありがとう、助かったわ!勝てなかったけど!せめてNPC達が自分で判断して行動してくれたら勝てるはずなのに、、、」
「LV100ですからね、槍兵のNPCとかしっかり動ければコキュートスと良い勝負するんじゃないですか?」
「一応設定ではかなり強いキャラで、頼りになる仲間よ!」
「ってことはそのキャラ達もゲームの、、、って着きましたね、ここが玉座の間です」
そう言ってモモンガは玉座の間の扉を押し開いた
そこには今までどんなゲームでも見た事のない程の豪華絢爛な玉座が広がっていた、だけど勇者がくるような国の玉座ではなく、まさしく魔王がいる玉座ですよと一目でわかるようなデザインだ
「す、すっごーい!豪華なシャンデリアに壁に宝石!?カッコイイ紋章の旗!これが、玉座なのねッ!!」
「それ宝石じゃなくてマジックアイテムなんですよ、、、みんなで作った自慢の玉座です」
「私がもし、このギルドに入っていたら私の旗もあったのかしら!?」
「勿論、作っていたでしょうね、あの時はぶくぶく茶釜さんも残念がってましたよ?」
「うう、、でも同じギルドだとFFが出来ないから敵対出来ないのよね」
「出来たら大変な事になってましたよ、、、危ない人いたんで」
モモンガさんが玉座に座り、私は玉座の前の階段の下にいた
「どうしたんですかエリザベートさん?登らないんですか?」
「そりゃ、私は勇者、そこには登れないわ、、、登る時はそう、貴方の首を貰う時よ!!」
「ああ、そうでしたね、では、、、、やりますか!」
私は階段から少し離れ、玉座の間の真ん中くらいまで下がった
「さぁ、ついにここまできたわよ!魔王モ モ ン ガ!!」
-残り30秒-
「ああ、よくぞここまで辿り着いた、褒めてやろう、だがここまでだ。勇者エリザよ、貴様では私には勝てない」
「昔の私と一緒にしないでくれる?今回はパーティーを組んで、仲間と一緒に戦っている、、、今度こそ、魔王モモンガを倒させてもらうわ!!」
-残り10秒-
「口だけ達者なのは変わらんようだな、ならば現実という物を教えてやろう!!」
-残り5秒-
「今度こそ、私、やるわッ!!」
-残り1秒-
「来い!!」
-残り0秒-
「てぃやぁ!!」
「お下がり下さいモモンガ様!!」
「させませんっ!!」