「マスター、今帰ったぜ、、、って何やってんだ?」
周辺地理の確認を終え、帰って来たロビンフットが見たのは、地面に倒れこんで息をきらしている勇者だった。
「ああ、お帰りロビン。ちょっとだけ私がマスターに稽古をつけていただけだよ」
「つ、疲れたもう無理動けない。私、勇者なのになんで魔術師に稽古つけられているの!?」
「なるほどねぇ、、、状況はなんとなく理解した、んで俺が見てきた周りの様子なんだけどよ」
ロビンフットは、500m先まで森が続いていて、その先は平原が広がっている事、戻る途中でスカサハ達を見た事を伝える。
「ああ、それとスカサハとマルタなんだが、何故かゴブリン達を襲いながら森の外の方まで行っちまったぜ」
「確か、食料を探しに行くと言っていたね」
「ゴブリン食べるの!?私は嫌よ!?」
「いや、流石に違うでしょ。とりあえず森を出るならスカサハ達の方向に行こうぜ、まだ戦闘中っぽかったし」
「じゃあ決まりね、道案内よろしくね、ロビン!」
スカサハとマルタは途中から知らない人間が4人加わっていた事に気づいていたが、狙いがゴブリン達であると判明し、そのままゴブリン達の狩りを終わらせていた。そして蒼の薔薇のメンバー4人に話し掛けられる
「よお、お疲れさん。お前達もゴブリン討伐か?随分と派手にやってたじゃねぇか」
「、、、そんな所だ。それで、お前達は何者だ?」
「俺達は冒険者、蒼の薔薇のメンバーで、俺がガガーラン、こっちの2人がティアとティナ、んでこっちの仮面つけてんのがイビルアイだ」
「お前達もって事は、貴方達もゴブリン討伐ね。私はマルタ、こっちの無愛想な方はスカサハよ」
「私達はここから北にあるエ・レエブルに戻るが、お前達はどうするんだ?」
「連れを待たせているのでな、一度森に戻る」
「森に?何故だ?お前達はどこから来たんだ?」
「ふむ、なんて答えるべきか、、、」
スカサハは、仲間が転移の魔法を使用した時に、何故か森の中に居た事、そのまま周囲の探索をしていた所でゴブリン達に遭遇した事などを掻い摘んで説明した。その後も蒼の薔薇の質問攻めに困惑気味だったところに、後を追って森から出てきたエリザベート達が合流する。
「、、、竜人だと?お前達は竜王国から来たのか?」
「ゴブリンはどこかしら!!私もやるわッ!!」
蒼の薔薇のメンバーは森から出てきた3人のうち、1人が人間ではない事に気づいた。捻じ曲がった2本の角、尖った耳、そして長い尻尾、誰が見ても一目で人間ではない事に気づくだろう。そして身に纏っていた凄まじい闘気が、只者ではないという事を教えてくれた。
「この者達は、さっきゴブリン共を狩っている時に会った。どうやら獲物が同じだったらしい」
「どうしてゴブリンを狩っていたんだい?」
「その話は後でいいか?今は関係ない奴らがいる」
そう言い、スカサハは蒼の薔薇のメンバーを見る。その時、僅かに威圧感のような何かを感じた蒼の薔薇のメンバー達は少し警戒態勢をとる。
「おい、イビルアイ、こいつら、、、」
「全員強い」
「戦闘は避けるべき」
「、、、わかっている」
小声で仲間と話し合い、早急にその場から離れる事にした。
「、、、ワケ有りのようだな。私達も無理な詮索はやめておこう、だが1つだけ忠告しておく。竜人が人間の町に入ると騒ぎがおこる。変装をするか、竜王国に行くといい」
「じゃあな、俺達は行くぜ」
「美形美人は大歓迎、また会いたい」
「弟がいたら紹介してほしい」
そう言い放ち、蒼の薔薇のメンバー達はエ・レエブルに帰っていった。
「、、、どうしたのかしら?私はまだ何も話していないのだけれど?」
言葉を交わす前に立ち去ってしまった蒼の薔薇のメンバーの背中を、立ち尽くしながら見ていた
「マスター、闘気を出したままだったようだが、何故だ?」
「ゴブリン狩りをしているって聞いていたから、私もやろうかと思っていたの!」
「それが原因ね、、、せっかくの現地人だったのに、どうするのよ?」
「彼女達の話を聞く限りだと変装して町に入るか、竜王国に行くか、だね」
「場所はわかるのか?町と竜王国の場所」
「エ・レエブルという町の場所なら、さっきの奴らに聞いたぞ。だが竜王国の場所は知らんな」
「じゃあまずは、町に行って情報収集ね!まさしく冒険って感じ!楽しみだわ!」
「いや、マスターは町に入れないでしょ、変装って言っても、その角と尻尾は誤魔化せないって」
「だね、町に行くなら私達の中から選んだ方がいい。私とロビンなら適任だろう」
「そ、そんな、、、勇者なのに町に入れないだなんて、、、」
「でわ、私とマスターとマルタで、森の中に適当な拠点でも作っておこう。さっき薙ぎ倒した木もある。まずは丸太集めだな、わかったかマルタ?丸太集めだ」
「あんた覚えておきなさいよ?後で容赦しないから」
「それでは、私とロビンはエ・レエブルに向かうとしよう、さっきの彼女達を見つけられれば楽なのだけどね」
「俺は俺で、適当に情報集めてきますわ」
マーリンとロビンフットはエ・レエブルに向かい、エリザベート、スカサハ、マルタは、仮拠点の作成に入った。
その頃ナザリック地下大墳墓では第六階層に守護者達を集め、忠誠の儀が行われていた
「至高の方々の最高責任者であり、私共の最高の主人であります!」
「なるほど、各員の考えは十分に理解した、今後とも忠義に励め!」
「はぁ、、、疲れた、何、あの好評価!?あいつら、、、マジだ」
モモンガは自室に戻り《メッセージ/伝言》でエリザベートに連絡を取る事にした
『聞こえますか、エリザベートさん?』
『あ、モモンガさ、、、魔王モ モ ン ガ!!何かようかしら!?』
『だから言い直さなくても、、、それより、無事にスキルは発動したんですね』
『ええ、だけど私が設定していた拠点じゃなくって、知らない場所で目が覚めたわ』
『知らない場所?でわ、今何処にいるか、わからないんですか?』
『んー、、、そうね、エ・レエブルって町の近くの森って事くらいしかわからないわ。今、マーリンとロビンが町に情報収集に向かってくれている所よ』
『エリザベートさんのNPCですね、エ・レエブル、、、聞いた事ない町ですね、やっぱりユグドラシルとは全く別の土地って考えた方がいいですね』
「マスター、ぼーっとしている暇はないぞ、そこを縄で固定してくれ」
立ち止まっているエリザベートにスカサハが声を掛ける
『あ、ごめんなさい、今森に仮拠点を作っていて、少し手が離せないの、また跡で《メッセージ/伝言》をお願いするわ!』
『なるほど、わかりました。またこちらから連絡を、、、って切れてる』
その後モモンガは、生き抜きに外出をしたり、マーレの様子を見に行ったりした後、アイテムの使用方法や効果の確認作業を行っていくことになる
「だいぶ出来てきたわね!!」
仮拠点となる木製の小屋がほぼ出来上がっている、事前に木を伐採しておいたのが良かったらしい。マルタが丸太を集め、スカサハが切り、エリザベートが縄で結ぶ。原始的だが、雨風をしのぐには十分だろう
「あとは窓とかあれば完璧ね!」
「流石にガラスはないな、今は我慢しろ」
スカサハは器用に家具も作っていた。机や椅子など、簡単な物だけだが、十分使える。
「あとはロビン達が帰って来るのを待つだけね、疲れたわ」
「うー、、、お腹すいた、そういえば食料はどうなったの?お肉とかあるかしら!?」
「ああ、そういえば言っていなかったな、喜べ、大収穫だぞ」
そう言ってスカサハは大量の干し肉を取り出した
「え?干し肉だけ?生肉は!?」
「マスター、私達の中で料理出来る奴を言ってみろ」
「、、、、、、干し肉で我慢するわ」
エリザベート達は空腹を干し肉で満たしていった