艦娘アパート   作:リバプールおじさん

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今回は少し駆け足です。誤字報告、評価ありがとうございます。


第12話 因果応報

 

 

浅田「さて、こんなものか」

瑞鳳「...本当にこれで良いの?」

浅田「当たり前だ。一見しても分からないだろう?なぁ雪風」

雪風「はい!老けて見えます!」

浅田「それは語弊あるから止めような」

 

 

また変装している。今回も瑞鳳と。雪風はそのままなので変装はして居ない。

今回の作戦内容はこうだ。

 

瑞鳳、雪風には戸籍を作ってもらった。これで一応役所からの後ろ盾は貰えた。

 

そしてそこで俺と瑞鳳で変装、雪風を拾い子として潜入させる。勿論雪風の体も考えて1週間程の潜入だ。

雪風にはあの頭の飾りの中に盗聴器を仕掛けた。解除も発動も自分で出来る優れもの。

そしてそこでの訴訟。

 

 

あとは何個あるのだろうか。そう思い少し身震いがした。

 

 

 

ーーーー

 

 

 

 

職員「で、こちらへの引き渡し、と言うところで良いですね?」

浅田「ええ、養いたいのですが何しろ年金暮らしでねぇ、お金がないんですよ」

 

潜入当日、雪風を預け、瑞鳳と俺は老夫婦を演じていた。

年金暮らしというのは嘘だ。だがお金がないのは本当だ。本音に嘘は混ぜるモノ。

 

存外大した事なく終わった。雪風には自然体を貫くように言ったし瑞鳳はただニコニコ笑ってただけで何も喋らない。

 

 

さて、後は天と自分の頭と瑞鳳の努力と雪風の豪運に任せるとしよう。

 

 

 

 

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雪風を送り込んで3日目。今日も今日とてハウリング。随分と生活サイクルが分かるようになって来た。

 

朝の5時に起床して6時に朝飯。そこからはずっと部屋に入り医者の様なものに検診を受け続ける。

 

そして昼飯を抜かして夕飯。この2つの飯は量が少ないらしい。雪風がすぐ食べ終わるのだから。

 

そして問題なのは夜だ。時々鈍い音が聞こえてくる。これはまぁ、ちょっとした恐怖音声だ。

 

 

さて、思わぬうちに随分と揃い始めた。もうさっさと帰らせよう。

訴訟準備はもう整っている。検察に立つのはこの僕だ。

 

 

その3日後、俺はその孤児院とそれを設立した政党に対して訴えを起こした。

 

 

 

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2023年2月4日の記録

 

本日は晴天也。刑事裁判が起きた。訴訟内容は『政党が建てた孤児院が起こした暴力行為並びに建築した政党の任命責任への刑事訴追』

 

原告・検察 浅田 幸治郎

 

被害者 孤児院に在籍する無戸籍者複数。

 

被告 尾長啓司(孤児院長) その他複数の職員。

 

弁護士 無し

 

 

裁判記録

 

検察『被告の尾長以下の職員たちは被害者に暴行を加え、尾長は改善を図る事もせず黙認した。職員達は民間人であるので暴行罪の適用を求め、尾長は公の人物であるので日本国憲法第3章34条の適用を認める事を要求する。また、固定電話を使用せず営業したため、営業法への抵触が見られる』

 

 

判決 有罪。

 

尾長被告に懲役12年、以下職員のうち1名に殺人未遂罪が適用され一年の執行猶予の後、懲役4年。

また、建築した政党には罰金として被害者に3000万円を払わせる確約。

 

 

 

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浅田「いやー、きつかったきつかった。なんか裁判にしちゃあっという間に終わったな」

南「僕の友が起こした訴追だ。花を添えてもいいだろう?」

浅田「...........上告だけが心配だがな。俺はもうこの2ヶ月ですっからかんだよ」

南「お疲れ、でもこれから罰金が来るだろう?それに...........」

 

後ろを振り向きホレ、と指を指す。そこに居るのはずっと孤児院にいた艦娘達。

彼女達を今度から、俺のマンションで預かることにした。

そちらの方が安全で、簡単だと思ったのだ。困ったらすぐ近くにある俺の家に来ればいい。

 

南「そういやあの政党の党首が今度来るってよ。ちゃんと用意しておいてね」

浅田「...........何?めんどくさ。ちゃんと謝罪でもしてくれんのかね?」

南「さあね。それよりもホラ、こんなおじさんよりもあの若い子達とお話しした方がいいでしょ?じゃあね」

 

そう言って南は裁判所に戻っていった。その黒コートの背中がガラス扉からその姿を消すまで見守ってから艦娘達を見やる。

 

浅田「さて、みんなには申し訳ない事をしたと思っている。まぁ、その、なんだ。お詫びと言っては何だが俺のアパートで住んでも構わない。勿論別の所に行ってもいいが...行きたいやつは?」

 

手は上がらなかった。その代わり瑞鳳の方から声が上がった。

 

瑞鳳「そういえば家賃とかはどうなるの?」

 

家賃...........家賃ねぇ...........。

 

浅田「...結構な値になるよ?」

 

そう言ってニヤリ、と笑う。

彼女達に緊張が走る。

 

浅田「まぁ、ザッと見積もって...4、5ヶ月の拘束に対する罰金分くらい...かな?」

 

 

4、5ヶ月前。彼女達が俺のアパートに来た時期、つまり彼女達が孤児院に入った期間の長さだ。つまり...タダ。

 

それを彼女らが理解した時、歓声が裁判所の前で沸き起こった。





確認したら評価が黄色くなっていました。これっていい事なんですかね?
補足です。日本国憲法34条は市民へ対する束縛を禁止しています。憲法は個人間では適用されませんが公の組織と個人間では適用されるので公の人物である尾長さんには適用されてしまいました。
また、浅田を撃ったあの警備員さんは殺人未遂が適用され、ちょっと刑期が伸びました。罪は犯すものではありませんね。
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