あの裁判が終了して一週間後。ついに明日その政治家が来ることになった。一応出来るだけ片付けはしておいてあるが、あまり畏る必要は無いので菓子折りなんぞ要らん。弁償金持って来てからだったら考えてやる。
瑞鳳「こっち片付け終わったよ!これでいい?」
浅田「うん、ここまで来れば上出来だ。後はもう何もしなくていいや」
そう言って畳の上に転がる。色々と疲れた。依頼も無いし今日は早く寝たい。
瑞鳳もこっちに転がって来た。
瑞鳳「ねえ幸治郎」
浅田「どうした」
瑞鳳「何で幸治郎は探偵になろうとしたの?」
浅田「...........聞きたいか」
瑞鳳「うん」
浅田「できれば言いたくはなかったが...まぁ、いいさ」
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因果応報というのは、神様が勝手にやってくれる物では無い。
正義だけでは、守れないから。絶対的な悪も存在しなければ絶対的な正義も存在しない。この両者は対立する関係にあって世の中には存在しない。絶対的な物などどうやって人が判断すればいいのか。
その悪を断つために、警察も、検察も、裁判官も、弁護士も、そして探偵もいる。だが悪を断つ存在が正義とは限らない。
昔、俺の親族はこんなことを言っていた。
『悪を見るくらいなら、好きな人を見ていたいのよ』
あの人こそ、善で正義だった。この世に生きる誰よりも優先的に幸せになるべき素晴らしい人間だった。それでも彼女は報われなかった。
それが嫌だったから、因果応報をすべきだったから。なによりも、何も出来なかったから。俺はその職業についた。
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浅田「俺は正義の味方でも無い。ただの探偵だ。お前らと会ってからロクでも無いことばかりだった。...でもお前らを引き取ったことは、微塵も後悔してない。考えてみろ、俺が褒められた行いをした事があるか?」
瑞鳳「無いね...........でもありがと。あなたはいい人だよ」
浅田「そうか?」
瑞鳳「うん。あなたは...頭良いのにどっか抜けてる...優しくて親しみやすい人。あなたはそんな人」
浅田「そうかい」
白露「いっちばーん!!!」
浅田「うおっ?!?」
時雨「失礼するよ。何で瑞鳳はむくれてるんだい?」
そう言ってドタバタとけたたましく入って来たのは白露型。今の所3人いて白露、時雨、後改白露型と言うらしいが海風。今居るのは上2人だけなようだ。
浅田「おう、どうしたどうした」
時雨「これはどうやって使うんだい?」
そう言って渡して来たのはドライヤー。
浅田「これは髪を乾かす道具だな。このコードを差し込んでここを上に押すと...あ、出た出た。こうやって熱風がここから出る」
白露「すごいね、これ。お風呂とかで使うの?」
浅田「正しくは風呂上がりだな。濡らしちゃダメだぞ」
2人「はーい」
彼女たちが退出して言ったのを見届ける。
浅田「さて、じゃあもう何もすることがないから...どうする」
瑞鳳「じゃあちょっとお出かけして来れたら許してあげる」
浅田「何を許すんだよ」
艦娘アパートの住人
瑞鳳
実際は大家の浅田の家に住んでいるが空母勢の部屋と行ったり来たりしている。本人は酒は飲まないらしいがそれでも某陰陽師のような軽空母のおかげで酒臭くなって帰ってくる。