艦娘アパート   作:リバプールおじさん

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第8話 28歳、中年になる

 

 

 

増えてしまった。

 

艦娘が増えてしまった。

簡単に俺が今置かれている状況を説明しよう。

 

俺のマンションから時々何故か艦娘が現れる。

 

俺は彼女達を孤児院に送った。

 

そこがブラックだった。

 

ちょうどその時現れた瑞鳳と共に孤児院から何とかして救うことを決意。

 

探偵として潜入するが特に収穫もなく腕を撃たれる。

 

 

そして入院。13日後に退院したら事務所に雪風が現れた。

 

 

そして現在に至る。

 

 

 

「なんだ。今まで通りじゃんか」

「艦娘がくる時点で普通じゃないと思うよ。はいこれ麦茶」

 

 

瑞鳳が呆れながら麦茶を置いてくる。キンキンに冷えてるのか結露していて机を濡らす。書類が濡れた...。

 

その麦茶を飲み干して次はどの手を打つかを考える。

 

また潜入か?

 

まさか。芸がない。

 

しかしもう表立って行っては殺されかねない。今度こそ頭をバンだ。

 

 

じゃ、バレないように行きますか。そう思い押入れを漁り始めた。

 

 

 

「あの、幸治郎?それ何?あと卵焼き食べりゅ?」

「ああ、もちろん食べりゅさ。これ変装用の仮面な。あとこれから5日ほど断食するから」

「んェエ!?死んじゃうんじゃない?」

「大丈夫。水と塩とほうれん草はちゃんと摂るさ」

 

 

 

さて、俺が採用した作戦はどこまで通用するかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

___________

 

 

 

 

 

 

「久しぶりに来たぜ」

 

 

そう言って不敵に朝の風に吹かれる孤児院を睨む。俺は今中年男性のマスクを被り、その上から虹彩を変えるコンタクトを付けてサングラス。駄目押しに身長をごまかす厚底の靴だ。

 

 

 

何に今変装してるかと言うと電気業者。これから整備のフリをして孤児院長室の天井裏にハウリングへの反応を極限にまで抑えた特殊な盗聴器を入れる。

 

普通国立の施設に盗聴した場合は国家機密漏洩罪に問われるがあのロシア人のネーチャンと契約した際に結んだ書類に書かれている文書の出番だ。

 

 

『この件の調査はいかなる手段を用いようとも殺人を除き、罪には問われない』

 

こんなにも分かりやすい文書は無い。この文書があればなんでもできるのだ。

 

 

 

と言うわけで盗聴だって罪では無い。

探偵なんてそんな仕事なのだ。

彼女の父親を麻酔で昏倒させたり助手と偽って女子高校生を苛め抜く魔人などのようには行かないが無いものは無いものなりに知恵を絞り策を練り、強者に立ち向かう。

 

 

だからこそ探偵という仕事はカッコいいしそのカッコよさに俺も惹かれたのだ。

 

「誰だ。名前を言え」

「住吉株式会社の丸山と申します。電気系統の確認に伺いました」

「よし。中に入れ」

 

 

 

案外簡単に潜入できたな。まぁ個人の探偵がここまでやるとは思っていないからなのだろうが。

 

 

まずは和室の棚を使い天井裏に入り込む。そこから孤児院長室と思しき場所へと図面を確認しながら天井裏で移動する。

 

 

そしてそこの配線に盗聴器をセットしてから屋根裏の散歩を終えた。

 

 

さて、バレなければいいが...。

 

 

 

___________

 

 

 

 

 

 

「ただいま。何か留守中にあったか?」

「お帰りなさい。えーと、あのね。雪風があそこでお客さんとUNOしてる」

「客?」

 

 

 

「上がり!雪風の勝ちです!」

「なんで!?なんで全色揃ってんの!?4回連続スキップとか勝ち目ないんですけど!酷くないかこれ!さっきから見えないように札を切ってるのに!!」

 

「ひどいのはお前だ阿呆が」

 

そう言って人の家に勝手に上がり込み人の家のカードで勝手に遊ぶ七三分けの黒髪が生えた頭に鉄拳を落とした。

 

「痛ッ!?ああこんにちは浅田君今日は大変いいお天気ですねそういえばいい天気といえば僕と君がともに行った研修もこんな晴れ方をしていましたねちなみにもう博識な君はご存知だと思いますが晴れ方というのは気象庁が定めた規則によると」

「ストップ。句読点を入れろよ。読みにくすぎるだろこれ。行をめちゃくちゃ使ってるのになんで頑なに句読点をしようとしないんだよ」

 

 

「...読みにくいってなんのことですか?瑞鳳さん」

「私たちが知っちゃいけないお話だよ」

 

 

 

 

「そんな事どうでもいいじゃないかとそれよりもあの女の子たちはなんだい?生徒とか?」

「........俺が教えるのをやめたのはお前の記憶にも新しいと思うが?」

「おっとすまない。あまり聞くのも無粋だしね」

「それが賢明だ」

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