あるところに一人の少年がいました。
少年は、お父さんとお母さんの三人で暮らしていました。
これといって裕福でもなく、だからといって貧乏でもない、どこにでもいる平凡な家族として、少年は生きていました。
少年は、お父さんとお母さんが大好きでした。
代わり映えしない毎日だったけれど、お父さんとお母さんが傍に居てくれるだけで、少年は幸せでした。
少年は、幸せでした。
◆◇◆◇
その姿に、思わず見惚れてしまった。
雪のように白い肌と髪、そしてウェディングドレスにも似た礼服。
聖天子様だ。
彼女が人間離れした美貌の持ち主であることは知っていたが、実物はモニターやテレビ越しに見るより遥かに神々しく、同時にひどく儚げだった。
「聖天子様、金木研をお連れしました」
聖天子様が緩やかに顔を上げる。僕と目が合うと、彼女は噴水の縁から腰を上げ、そして微笑んだ。
たったそれだけの事なのに、僕の心臓は自分でも驚くくらい大きく跳ねた。
「ごきげんよう、カネキさん」
鈴の音のようなその声にはっとする。
「お初にお目にかかります、聖天子様」
深々とお辞儀をしてから挨拶を返すと、彼女は不思議そうに目を丸くした。
「私の記憶では、以前防衛省でモニターを介してお会いしたはずですが……」
「確かに聖天子様の仰る通りです。ですが、私が貴女に
年下の女の子に目を奪われていたという事実が無性に恥ずかしくて、それを誤魔化すために笑いながらおどけてみせる。
すると何故か、先程まで聖母のごとき微笑みを浮かべていた聖天子様がその表情を曇らせた。
「そのせつは申し訳ありません。先の『蛭子影胤テロ事件』の解決における貴方の貢献を鑑みれば、序列を昇格させ、里見さんと同様に受勲式に招かれるべきだったのですが、その、カネキさんの立場は色々と特殊ですので……」
「へ? あ、いえ、別にそういうつもりで言ったんじゃないんです! 今のは、えーと、ちょっとした冗談のつもりだったていうか、聖天子様が気にするようなことじゃありませんから!」
謝罪の言葉を口にする国家元首に、今度は違う意味で心臓が跳ね上がった。
どうやら僕の下らない軽口を皮肉と受け取ったらしい。
いやいや、国家元首に謁見して二言目から皮肉を飛ばすとか命知らずにも程があるだろ。
あ、でもこの前、受勲式でつい聖天子様に掴みかかろうとしたとか蓮太郎くんが言ってたな。……よく生きて帰ってこれたな。
というか『蛭子影胤テロ事件』の解決に貢献したとか言われたけど、僕がやった事といえば影胤さんをボコって、とどめを刺さずに放置して、そのまま戦線を離脱して……どう見ても敵前逃亡です。本当にありがとうございました。
え? じゃあ今の僕って傍から見たら、テロリスト相手に逃げ出したくせに受勲式に呼ばれなかったことを逆恨みして、そのことを東京エリアの最高権力者に謝罪させてるように映ってるんじゃ……。
ちらりと背後に佇む守衛さんを見遣れば、彼はとても素晴らしい笑顔で腰に掛けている拳銃を指でタップしていた。怖すぎる。
身の安全のためにも、一刻もはやく聖天子様の謝罪を撤回させなくては。
小刻みに震える体を無視して、しどろもどろになりながら必死に思考を回転させる。その時だった。
「ふふふ、冗談です。貴方がそのような人物でないことは、菊之丞さんから伺っていますから」
口元を手で隠し、まるで悪戯が成功した子どものようにくすくすと笑う聖天子様。それを見て、先ほどの表情は演技だったと遅れて理解する。
「どうかしたのですか?」
「……いえ、別に」
怪訝そうな顔をする聖天子様からそっと目をそらす。
意趣返し、というよりただ冗談を冗談で返しただけなのだろう。それは目の前に佇むお姫様の純粋な瞳を見れば明らかだ。だから、反射的に喉から飛び出しそうになった「笑えないよ……」という
「そう、ですか」
聖天子様はいまいち納得がいかない様子だったが、僕に会話を続ける意志がないことを悟ると、それ以上深く追及することはなかった。さすがは国民から絶大な支持を得ている国家元首。どこぞの
などと考えていると、中庭から聖居へと続く扉が重々しい音と共にひとりでに開いた。
「そろそろ日が沈みます。話の続きは中でしましょう」
◆◇◆◇
窓の外から差し込む橙色の光が、執務室を暖かく満たす。現在この部屋にいるのは僕と聖天子様、そして彼女の秘書である加瀬清美の3人だけだ。
執務室は大人が数十人は余裕で入りきれそうなほどに広く、天井は4メートルぐらいはあるだろうか。
「私の護衛任務、ですか」
そう言って、ソファに腰を下ろした聖天子様は契約書を机の上に置いた。
そして、一呼吸間を空けると、彼女は静かに口を開いた。
「初耳ですね」
「えぇ……」
真顔で紡がれた言葉に困惑を隠せない。
「きくの……天童閣下から何も聞かされていないんですか?」
「はい。菊之丞さんから貴方が今日
「理由を聞こうとは思わなかったんですか?」
「当然尋ねました。しかし菊之丞さんは、『詳しいことは
どうして本来依頼を受ける側の人間である僕が、依頼の説明をしなければならないのか。疑問は尽きない。
依頼内容の説明ぐらいその場ですればよかったじゃないか。
もちろん、彼が忙しいことは知ってる。今だって中国だかロシアだかにわざわざ足を運んで、東京エリアのために奔走しているらしいし。
でもさぁ、一日のほとんどを聖天子様の傍に控えて過ごしてるんだから、背後からぼそっと『私が留守の間、"あんていく"に聖天子様の護衛を依頼しておきました』って耳打ちぐらいできると思うんだけど。
……待てよ。菊之丞さんが僕に
「……本当に忙しかったんだ」
「え? なにか言いましたか?」
「何でもありません。それよりも、
聖天子様から直々に「口調は普段どおりで構わない」と言われ、それを素直に受け入れるのも逆に拒否するのもなんだか失礼な気がして、間をとって一人称だけ元に戻した僕は、とりあえず菊之丞さんからの依頼内容をざっくりと説明した。と言っても、別段難しい話じゃない。菊之丞さんが帰国するまでの間、僕が彼の代理として聖天子様の隣に立ち、その身を脅かすあらゆる危険から彼女を守る。言葉にすればそれだけだ。
もっとも、この役割は聖天子様から直々に依頼された蓮太郎くんがすでに担っているのだけど。
あれ? これってもしかしなくても普通に依頼を断ってくれるのでは?
「そう、だったのですか」
淡い期待を胸に抱きながら、聖天子様の返答を待つ。すると、彼女は何か思案するように目を閉じた。
しかしそれも数秒。考えがまとまったのか、再び目を開けた聖天子様はペンとり、そして───
「では、よろしくお願いします」
あっさりと契約書にサインした。
「…………理由を伺っても?」
契約書を受けとり、死んだ魚のような目で書類を見ながら、優雅に紅茶を飲む聖天子様に問いを投げる。
「理由と言われましても、護衛は多いに越したことはないと思うのですが。しかもその護衛の一人が、あの"黒い死神"なら尚のこと」
それに、と。聖天子様は気まずそうに、僕から視線を逸らした。
「菊之丞さんの厚意を無碍にはできませんから」
「…………」
そういえば、彼女は菊之丞さんに何の相談もせず独断で蓮太郎くんに護衛任務を依頼してたんだっけ。その事で菊之丞さんに対して後ろめたい気持ちが多少なりともあったんだろう。
しかもその彼が、実は自分のために密かに(?)護衛を手配していたと知って余計に罪悪感が募ったのかもしれない。
聖天子様の心情を慮れば、彼女が菊之丞さんの依頼を断るという可能性は最初からなかったのかもしれない。
ということはつまり、菊之丞さんが僕に電話をかけたきた時点で、僕が物語に介入することは決定してたって事か。
……これからは菊之丞さんから来た連絡はすべて留守電にしようかな。割と本気で。
「それじゃあ僕はこれで」
ちらりと窓に目を向ければ、そこに夕焼けの景色はすでになく、漆黒の闇しか広がっていなかった。
依頼の確認、もとい説明も終わったし、あとは家に帰って里津ちゃんと情報共有するだけだ。
(それが済んだらさっさと寝よう……今日はもう、精神的に疲れた)
と、コートの内側に契約書を仕舞いながら、椅子から腰を上げたその時だった。
「───お待ちください。聖天子様、彼も任務に加わるのであれば護衛官たちと顔合わせしておくべきかと」
「それもそうですね。ありがとうございます、清美さん」
秘書の加瀬さんが聖天子様に余計なアドバイスをしているのを耳にして、ぎょっとした。
「入ってきてください」
聖天子様が部屋の入口に声をかけると、計6名の聖天子付護衛官が軍靴を鳴らしながら執務室に入ってきた。全員が部屋に入室し、整列すると、彼らは一糸乱れぬ完璧なタイミングで足踏みをやめた。
「カネキさん、こちらが隊長の保脇さんです」
聖天子様がソファから立ち上がり、やたらにこにこと
「ご紹介にあずかりました、保脇卓人です。階級は三尉、護衛隊長をやらせていただいております。どうぞよろしく、カネキくん」
穏やかな口調とは裏腹に、カケラも好意的ではない視線を向けながら右手を差し出してくる保脇さん。
彼の顔と右手を何度か交互に見比べ、以前読んだ本に書かれていた『ダブルバインド』という単語を思い出しながら握手した。
そしてその瞬間、手のひらにちくりと鋭い痛みが走った。
(毒針か……)
「おや、どうかしましたかカネキくん。顔色が優れないようですが」
顔の向きや角度の都合上、聖天子様からはかろうじて表情が見えない位置にいる保脇さんは、それはもう凄まじい顔芸を披露していた。
もしも今の彼の顔を文字にするなら「ざwまwぁw」という表現がしっくりくるような、そんな顔。咄嗟に脳内で1000引く7をしていなければ、立場も弁えずに殴りかかっていたかもしれない。
それにしても毒か……さすがに種類までは分からないけれど、聖天子様の目と鼻の先で殺人を犯すとは考えられないから、目的は恥辱を受けさせることか? だとしたら、針に塗られていたのは排泄か嘔吐を促進させる類の薬ってところかな。
……ていうかこの人、一体いつまで顔芸を披露し続けるつもりなんだ? いい加減顔がうるさい。さっきは頭に血が上りかけてたけど、今はただただ鬱陶しい。どうにかしてあの顔を黙らせられないものか。
そこまで思考して、ふと彼の人物像を思い出す。
思い出す、と言っても僕が『保脇卓人』について保有している原作知識なんて、「何か知らないけど里見蓮太郎を目の敵にしてた男」「物語の終盤で主人公に手を撃ち抜かれて号泣してた人」程度のものしかないから、ほとんどが蓮太郎くんから聞いた情報だけど。
蓮太郎くん曰く、保脇卓人はプライドが高く、蛇のように狡猾な男。あと聖天子様(の体)が大好きらしい。
これらは本来なら何の役にも立たない情報だけど、今この場においてはその限りではない。
前述したように、保脇さんはプライドが非常に高い。加えて聖天子様に気がある彼は、彼女の前では決して無様な姿は晒せないだろう。だから───
僕はできるだけ爽やかさを意識しながら笑みを作り、彼と握手している手に力を込めた。
保脇さんの手が潰れない、絶妙な力加減で。
「………ッ!?」
予想外の反撃に驚愕する保脇さんだったが、彼はすぐに余裕を取り戻し、激痛に眉をしかめながら酷薄な笑みを浮かべた。
毒の効果が現れるまでの辛抱、そう思っているのだろう。でもね、保脇さん。
(
いつまで経っても体調が変化しない僕を見て、保脇さんの顔から徐々に余裕の色が消えていく。
「おや、どうかしましたか? 顔が真っ青ですよ、保脇さん」
「そ、そんなことはありませんよ。き、君の方こそ、やせ我慢してるんじゃありませんか?」
額に青筋を立てながら、だらだらと冷や汗を流す保脇さん。頬がひどく引き攣っているものの、それでも笑顔を崩さないところは流石というべきか。
「そ、そろそろ握手を解いていただけませんか、カネキくん」
「おっと僕としたことが。すみません、つい緊張しちゃって」
ぱっと手を離せば、保脇さんはさりげなく右手を庇いながら後退する。その瞳に憎悪を宿しながら。
それに対し、僕は心の中で中指をかち上げながら勝ち誇った笑みを返す。先ほど保脇さんが浮かべていた「ざwまwぁw」という顔よりも草が一つ増えた「ざwwまwwぁww」という顔で。
……思えばコレがまずかったのかもしれない。
「顔合わせも済みましたし、今度こそ失礼しますね」
「待ってください」
保脇さんたち護衛官の横を通り過ぎ、部屋から退室しようとした僕を聖天子様が呼び止める。
彼女がなにを言おうとしているのかは僕には分からない。分からないが、何かとてつもなく嫌な予感がしたのは確かだった。
「保脇さん、カネキさんを聖居の外までお送りしてください」
「え"っ」
因果応報。
善い行いには善い結果が、悪い行いには悪い結果が伴うという言葉が、この日本には古くから存在する。
「み、道なら覚えてますからお構いなく」
「夜の聖居は迷いやすいものです。里見さんは昼でも迷っていたそうですし……ですが、聖居の構造を熟知している人間が一緒なら道に迷う心配も問題もありません。安心してください」
「いや、あの───」
「お任せください聖天子様! 私が責任を持って彼を外までお送りします! ……では行きましょうか、カ・ネ・キ・く・ん」
「ちょっ……!?」
両腕を保脇さんと護衛官たちにがっちりと固定され、部屋の外へと連れ出される僕。聖天子様に助けを求めようと何とか振り返るが、無情にも扉が閉まった後だった。
薄暗い廊下を、ニタニタと嗤う男共に囲まれた状態で歩きながら、思う。
誰でもいい……誰でもいいから、僕をこの地獄から救い出してくれ!
◆◇◆◇
2時間後。
「………………疲れた………」
自分以外誰も乗っていない電車に揺られながら、僕は聖居での出来事を振り返って溜息をこぼす。
あの後、保脇さん率いる護衛官たちに包囲されながら執務室を出た僕は、当然のことながら聖居の外には送ってもらえず、男子トイレへと連行された。
そしてそこで、眉間に銃を突きつけられながら任務を辞退するように脅された挙句、保脇卓人という男がどれほど優秀な人間であるかを本人の口から延々と聞かされた。
自身のことをあそこまで恥ずかしげもなく自画自賛できるのは素直にすごいと思った。僕には到底できそうにない。皮肉とかじゃなくて。
もっとも、彼の話のほとんどを右から左に聞き流して「なるほど」「すごいですね」「悪いのは貴方じゃない」のスリーワードで適当に相槌を打ってただけだから保脇さんが具体的にどう素晴らしい人間なのかは知らないんだけど。
「それにしても『なす悪』って本当に会話が成立するんだな。しかもいつの間にか好感度まで上がってるし」
思考放棄して壊れたレコードみたく同じ言葉を繰り返していただけのはずなのに、気がつけば護衛官全員とメルアドを交換し、近いうちに飲みに行く約束まで交わし、聖居の門前で別れる際には手を振って見送ってくれた。
おかげで終電を逃しそうになって、駆け込み乗車したら車掌さんに怒られた。
「あ"ー……帰ったら絶対里津ちゃんたちに怒られるよなぁ」
数刻後に訪れる己の未来を嘆きながら、携帯の連絡先に新たに追加されたアドレスを一つひとつ削除していく。どうせ僕から彼らに連絡を取ることはないのだから。
「そう言えば、結局『聖天子狙撃事件』の黒幕って誰なんだっけ?」
護衛官たちの連絡先をすべて削除し終えた時、ふとそんな疑問が浮かび上がった。
ああ、言い忘れていたけど僕は『聖天子狙撃事件』の内容に関してだけ詳しく覚えていない。だって自分がこの事件に関わるなんて夢にも思っていなかったからね!
「と言っても、この事件で死人が出るわけじゃないし、黒幕が分からなくても全然問題ないんだけど」
伸びをひとつして、ぼんやりと車内の吊り革を眺めていると、それらが一斉に揺れ、電車がガタンという音を立てて突如減速した。
やがて電車が止まり、車内アナウンスが流れる。
『停止信号です、しばらくお待ちください』
「ん?」
変だな。
不思議に思った僕は首をひねり、自分の記憶を掘り起こそうとして───やめた。現実として電車は止まっているのだから、僕が気づいていなかっただけで最初から信号はあったんだろう。
そう結論づけた僕は何気なく、なんの意味もなく、ただなんとなく窓の外に視線を投げた。
そして、驚愕に目を見開いた。
視界に映るは、数えるのも馬鹿らしくなるほど建ち並ぶ夜のビル群の中でも、最も電車に近いビルの屋上。
そこから一人の少女が、ビル風に吹かれる髪を押さえながら、三日月を背に悠然とこちらを見下ろしていた。
緑を基調としたドレス、そしてプラチナブロンドの髪。
顔の部分は影になっているため断定は出来ないが、それらの特徴と合致する人物を、僕は一人しか知らない。そして、無意識にその名を口にする。
「まさか、ティナ・スプラ───」
だが、僕が脳裏に思い浮かべた人物の名前を言い終える直前。
僕の乗っていた車両が、爆炎と咆哮を噴き上げながら吹き飛んだ。
◆◇◆◇
カネキが窓から見ていた建物とは正反対に位置する、建築途中の新ビル。そこから、線路の真ん中で一台だけ切り離され、炎上している車両を観察している人影が二つ。
「どう? 死んだ?」
「ううん。車両が爆発する一瞬前に窓から脱出したみたい」
月が雲に隠れているせいで姿は見えないが、声の高さから判断しておそらく女性だろう。
「追える?」
「うーん、さっきまでは追えてたけど、急に匂いが消えちゃった。たぶん
「そっか」
雲が流れ、月光が人影たちを照らし出す。
一人は左眼のみ穴が空いている縦縞のマスクに、黒いフードという出で立ち。そしてもう片方は、右眼のみ穴が空いた横縞のマスクに白いフードを纏っていた。
仮面も服の色も真逆の二人。そんな彼女たちの唯一の共通点が、それぞれの仮面に空けられた穴から覗く朱い瞳。
『呪われた子供たち』のそれとは違う、赤よりも赫い紅。『喰種』の
「それにしても……本当だと思う?」
「なにが?」
「今回のターゲットの正体があの"黒い死神"だって話」
「……さあ? 仮にそうだったとしても、私たちのやるべきことは変わらない。でしょ?」
お金を貰えるなら、例え相手が善人だろうと悪人だろうと、国の重鎮だろうとホームレスだろうと、誰であろうと平等に殺す。それが自分たちの仕事だ。
「ほら、行くよシロ」
「あっ、置いてかないでよクロー!」
再び雲が月を覆い尽くし、彼女たちは闇に溶けるように消えていった。
謎のドレス幼女「……爆発?」
空前絶後の堅物『どうかしたのか?』
ドレス幼女「いえ、狙撃地点の下見に来ていたのですが、どうやら近くの線路で事故が発生したようです」
堅物『……放っておけ、我々には関係のないことだ』