ミモザというキャラクターは自分が考えたオリジナルキャラです。
ネット小説というものを初めて書いてみました。読みづらい所が多いですが、読んでいただけたら嬉しいです。
一応以下の内容をご了承の上、お読みください。
原作では持っていないポケモンを使っていることがある
所持ポケモンが進化する
一体のポケモンが複数の特性を持つことがある
一部時間軸が推測
これはR団に忠誠を誓う三人の中隊長と一人の少女の物語である。
シント遺跡でのサカキのR団再興宣言ののち、ホウエン地方を中心に起こった隕石騒動も解決した数日後、R団の中隊長のケン、リョウ、ハリーの三人はサカキに呼び出されカントー地方ナナシマ諸島にあるR団所有の無人島に来ていた。
「指定された時間よりも一時間も早くついてしまったな」
丸い鼻に耳の下まである黒いもみあげが特徴のケンがどこか落ち着きがない様子で二人に話しかけた。
「サカキ様直々の呼び出しだから遅れるわけにはいかないからな」
体をのばしながら答えたのは銀色の短髪にケンと同じ長さのモミアゲの先が爆発してるリョウだ。そして一人ずっと考え事をしていたもう一人、長い金髪を後ろで縛っているのが特徴のハリーがものすごく不安そうに二人に問いかけた。
「なぁ、俺たちなんで呼ばれたんだろう?」
「「えっ?」」
ケンとリョウが同時にハリーの方を向いた。
「そういえばそうだな」
「ウーン…やはりシント遺跡での俺たちの活躍を誉めてくださるんじゃないか?」
「俺もそう思う」
ケンとリョウはかなり楽観的に考えているようだったが、ハリーは違うようだった。
「確かにあの時サカキ様にセレビィの作った薬を届けられたのはかなりの成果だとは思うが、それまでのことを思い出してみろよ」
そういわれて、ケンとリョウはサカキが行方不明になってから今までのことを思い出す。そして三人とも押し黙ってしまう。
「…確かに失敗が多かったらような?」
「失敗の記憶がほとんどだな…」
「だろ!?たった一つの成功で帳消しになると思うか?」
三人が不安に頭をかかえていると、
「遅くなってしまったようだな」
背後からばっちり聞き覚えのある声が聞こえて、反射的に振り返り敬礼した。
「お待ちしておりました!サカキ様!」
ケン、リョウ、ハリーの三人の目の前にはR団のボスサカキが威厳ある佇まいで立っていた。サカキは三人を一瞥し、一つ頷いて話始めた。
「さて、お前たちを呼び出したのはシント遺跡の件について改めて礼を言うためだ。任務ご苦労だった」
「サカキ様…」
三人の顔が不安から一気に喜びに満ちた。三人ともが涙を流しサカキの言葉を噛みしめている。しかしサカキは気にせずに話を進めた。
「お前たち三人は中隊長として実に長い間R団に忠誠を尽くしてくれた」
「当然です!」
「サカキ様のお造りになられた軍なのですから!」
「我ら三人は永遠にR団にサカキ様に忠誠を誓います!」
食いぎみに忠誠心をアピールしてくる三人に表情には出さないものの、サカキは内心まんざらでもなさそうだった。
「お前たちの忠誠心は俺も疑っていない。だからこそお前たちを新たな幹部にと考えている」
「えっ?」
ケンたち三人はフリーズした。三人で顔を見合せまたサカキを見る。
「かん…ぶ、ですか?」
ハリーがやっと言葉を絞り出す。それを聞いたサカキは頷いた。三人はパニックになった。
「幹部?俺たちがR団の幹部!!」
「はっ!夢では、夢ではないのか!?」
騒ぎだした三人を見てサカキはため息をついた。
「…パルシェン」
サカキのモンスターボールのひとつが開き、パルシェンが現れ“しろいきり”を放つ。冷気をまとった霧は三人を包み込み、その頭を冷やした。
「落ち着いたか?」
「…申し訳ございません」
すっかり落ち着いた三人はその場に正座し小さくなった。サカキは少し額を抑えあきれたように息をはくと、話を続けた。
「まだ、考えている段階だ。幹部にするには今のお前たちでは力不足だ」
「うう…その通りですぅ…」
三人はさらに小さくなった。サカキはそんな三人を気にせずにさらに話を続けた。
「だが安心しろ、力がないのならつければいい」
「えっ?そらはどういう?」
「俺がお前たちを特訓をしてやろう」
「えっ?えええええええええ!?」
ケン、リョウ、ハリーの三人は再びパルシェンの“しろいきり”をうけるはめになった。
落ち着きを取り戻した三人にサカキは話を続ける。
「内容を説明する前にお前たちに会ってもらいたい者がいる」
「えっ?誰ですか?」
「おい、出てこい」
サカキが呼ぶとサカキの足元から一人の少女が出てきた。
「うわっ!?」
「気づかなかった!」
「挨拶はどうした?」
サカキに促されその少女はポツリポツリと自己紹介を始めた。
「ミモザっていうの、よろしくなの…」
名前を言うとすぐにまたサカキの後ろに引っ込む。三人は目を丸くしてしばらくサカキの後ろに隠れた少女を見た。そして、リョウが口を開く。
「…サカキ様の…娘さんですか?」
「まさか!サカキ様のお子さんはシルバー様だろ?」
「か、隠し子…?」
「養子だ」
「養子…」
三人は再び少女、ミモザを見る。髪の毛の色は赤紫で、ウェーブがかった髪が肩の上ぐらいまであり、耳を隠している顔の両側の髪にR団のマークの形をした髪止めをしていた。着ている服はその体に合わせた特注らしく、黒を基調としたワンピースに赤いカーディガンを羽織っており、胸元には髪止めと同じ形のバッチがついている。頭には支給品のものより少し小さい帽子がのっている。
まだ混乱している様子の三人にサカキは捕捉説明をする。
「スオウ島の一件のあと、おれは各地方をまわって修行をしていた。そして、カロス地方に立ち寄った時、セントラルカロスのミアレシティの路地裏にいたところを保護した。この娘には才能がある」
「才能ですか?」
「それはおいおいわかる。さて特訓だが、お前たち三人にはミモザと一緒に戦ってもらう」
「えっ?」
「どういうことなの!?」
一番驚いたのはミモザだった。
「ミモはサカキ様と一緒にいたいの!」
「ミモザ」
サカキは膝をおりミモザと目線を合わせた。
「お前は自分の意思で俺の養子になり、R団に入った。おれはお前にいくつもの選択肢を与えたが全てお前が選んだんだ、そうだな?」
ミモザは少しほおを膨らませながら頷いた。
「選んでR団に入った以上、甘えは許さん」
「でも…」
「それに俺はお前の秘めた力に期待している」
その言葉にミモザの決心は固まった。
「わかった、ミモザ頑張る」
ミモザはサカキの目を見つめ拳を握りしめた。そしてサカキに抱きつくと、ケンたちのもとに向かった。それを確認し、サカキは特訓についての説明を始めた。
「さて、特訓の説明を行う。目的はお前たちの能力向上だ。特訓の方法はお前たち四人と俺のポケモン三匹によるサバイバル戦だ」
「サバイバル?ポケモンバトルとは違うのですか?」
「我々は任務中にバトルをすることがほとんどだ、そこでは、協会の定めたルールなど存在しない。いかにその場の状況に対応できるかが重要になってくる。だからこそこの特訓の意味がある。わかったか?」
「了解です!」
「…」
ケン、リョウ、ハリーは元気よく返事し、ミモザはまだ少しふくれ面で頷いた。
「よし、時間は明日の正午までの24時間。フィールドはこの島全域だ。その間に俺のポケモン三匹を倒せ」
サカキがモンスターボールを三つ取りだし投げた。ボールの中からニドキング、ドサイドン、ダグトリオが現れた。
「この三匹を相手してもらう。今から10分後にスタートだ。その間にお前たちは好きな場所に行け、10分たったら開始だ。真っ向勝負してもいいし、作戦をたてて行動してもいい、とにかくどんな手を使ってでもこの三匹をたおしてみせろ!」
「わかりました!」
「よし、では特訓開始だ」
サカキの開始宣言とともにケン、リョウ、ハリーそしてミモザの四人はケンタロス、キリンリキを出し、その背に二人にずつまたがり走り始めた。
読んでいただきありがとうございます!
更新は不定期になりますが、また読んでいただけたら嬉しいです。