今回は大分期間が空いてしまいました。すいません(゚A゚;)
サカキのポケモンも残すところあと一匹、最終決戦の始まりです!
「ありがとう、スピアー。次が最後だ。頼むぞ」
サカキにドサイドンが入ったボールを渡すとスピアーは再び飛んでいった。
『いやー!あいつらなかなかやるなあ!』
マチスが画面の向こうでポップコーンを食べながら豪快に笑った。
『しかし、これでボスの目的は達成ですかい?』
「フフ…、“目的”か…そうだな」
サカキは足を組み直しニヤリと笑う。
「確かに目的のうち二つは達成したが、
椅子から立ち上がりR団戦闘ヘリの窓から朝の色に染まっていく外の景色を眺めた。
ミモザたち四人は草原地帯に戻ってきていた。ケンはケンタロス、リョウとミモザはキリンリキ、ハリーはアーボックに乗って草原を移動している。そして、そいつは探すまでもなく現れた。
「があああぁぁぁ!!」
昨夜襲ってきたニドキングが雄叫びと共に現れる。
「来たぞ!」
ハリーの警告に三人は即座に反応する。ニドキングを囲むように四人は陣形を作った。ミモザもサイホーンに乗り換える。
「相手は強いってわかってるんだ!はじめから全力でいくぞ!」
「おう!」
「OK!」
「わかってるの!」
四人はそれぞれポケモンをだす。ルージュラ、ゲンガー、スコルピ、ニャオニクスを繰り出した。
「ルージュラ、“サイケこうせん”!」
「にゃおにゃお、“サイコショック”!」
まずはどくタイプに有効なエスパーで攻める。
「がああぁぁ!」
ニドキングは“あばれて”、“かみなり”を撒き散らしながらエスパーの攻撃をできる限り相殺したが、消しきれなかった技があたる。
「ぐがが…」
“あばれる”の副作用とあいまって動きが鈍る。
「ゲンガー、“シャドーボール”!」
「スコルピ、“つじぎり”!」
“シャドボール”がニドキングの顔面にヒットしニドキングがグラついたところにスコルピの“つじぎり”がきゅうしょをとらえた。ニドキングが膝をついた。その姿にケン、リョウ、ハリーが活気づく。
「なんか昨日より手応えがないぞ?」
「俺たちが強くなったんじゃね?」
「よーし!どんどんいくぞ!」
四人が畳み掛けるように攻撃をしかける。攻撃があたりニドキングの体力が削られていく。全く動かないニドキングに完全に勝利を確信したリョウが攻める。
「おっしゃあ!とどめだぁ!」
「いけぇ!」
キリンリキに一緒に乗っているミモザは焦りはじめた。
「リ、リョウ!迂闊なの!危ないの!」
止めるのも聞かず攻めるリョウ。ニドキングは膝をついたまま動かない。というより
(明らかにおかしいの、昨日の夜より行動が消極的すぎるの)
ドサイドンとの戦いで確かに強くはなった。だが、昨日ニドキングから感じた覇気のようなものが今は全く感じられない。ニドキングはかなり執念深いポケモンだ。カントー地方のサファリゾーンではあるトレーナーが誤ってニドキングの目の前で意中のニドクインを捕獲してしまった。そのおかげでそのトレーナーは一晩中追いかけ回されたという話もあるくらいだ。
そしてこのニドキングはサカキから「四人を倒せ」と命じられているうえに昨日は寸前で逃げられた。かなり悔しがっているはずで、こんなに簡単に倒せるのは納得がいかない。
(“これ”をキリンリキに持たせておくの)
アイテム袋から取り出したあるアイテムをそっとキリンリキに持たせる。そしてキリンリキの攻撃範囲に入った。その時周囲の温度が以上に下がった。ミモザはそれに気づくが、テンションが上がっているリョウはそれに気づかない。
「リョウ、さがるの…!」
「“とっしん”!」
ミモザの忠告も虚しくキリンリキは完全に攻撃体勢に入った。それを待っていたかのようにニドキングが目を見開く。周りの冷気が渦をまきはじめ容赦なくキリンリキとニャオニクス、リョウとミモザを襲う。
「うわあぉ!?」
「きゃあぁぁ!」
“ふぶき”が二人と二匹を吹き飛ばした。ミモザはニャオニクスをボールに戻しリョウにしがみつく。リョウはキリンリキの首にしがみついた。キリンリキはなんとか着地したがそのタイミングをニドキングは狙っていた。
(予知が間に合わないの!)
ミモザの脳裏には相手の攻撃の寸前にそのビジョンが浮かんでいたがニドキングのスピードはその予知スピードを上回っていた。それを自覚していたからミモザはあらかじめ準備をしていた。
「ゴアアアァァァ!」
ニドキングの爪が毒々しく光る。
「“どくづき”なの!」
「よ、よけられないぃ!」
慌てるリョウ、ミモザは冷静だ。
「大丈夫、ちゃんとキリンリキに持たせておいたの」
ミモザがキリンリキのおしりを軽く叩くとキリンリキがくるりと後ろを向き尻尾をニドキングに向ける。尻尾にある頭の口にはあるアイテムがくわえられていた。
「それは…!」
ミモザはキリンリキにまたがりながら器用にニドキングに向き直る。
「《だっしゅつボタン》なの!」
《だっしゅつボタン》。ポケモンに持たせるアイテムの一つで、ダメージを受けると自動発動し戦闘中のポケモンを手元に戻す。今の場合はその場からの脱出手段となる。
ニドキングの“どくづき”がキリンリキの尻尾がくわえた《だっしゅつボタン》のボタンに触れる。
「「よし!」」
二人はガッツポーズをした。だが…
「ぐおおぉ!」
“どくづき”は確実に《だっしゅつボタン》をとらえたが、《だっしゅつボタン》は発動しない。それどころかヒビが入り壊れてしまった。
「えっ?」
「なに!?」
驚きで二人の思考が止まる。その一瞬が命取りだった。ニドキングの口元が強く光だした。その光にミモザは青ざめる。
「あっ…“はかい…こうせん”」
逃げられない。今から距離をとっても“はかいこうせん”の威力を考ると逃げ切れない。ギルガルドの“キングシールド”を使ったとしても防ぎきれないだろう。まさに絶体絶命。しかし、リョウは諦めていない。
「ゲンガー!“シャドーパンチ”!」
キリンリキの影からゲンガーが現れニドキングの顎をとらえた。ニドキングの口が上を向いた瞬間“はかいこうせん”が放たれる。余波がキリンリキもろともミモザたちを吹き飛ばした。
「アリアドス!“くものす”!」
ハリーが慌ててミモザたちを受け止める。
「ルージュラ!“れいとうビーム”!」
ケンがニドキングの注意をひこうと攻撃を行う。しかし、ニドキングは先程とは比べ物にはならない反射神経で“かえんほうしゃ”を放ち、“れいとうビーム”を相殺…どころか威力が“れいとうビーム”を凌駕し、ルージュラが逆に攻撃をうけてしまった。
「ルージュラ!」
“かえんほうしゃ”を受け、倒れるルージュラ。ケンはルージュラを戻し、オクタンに入れ換える。その間にもニドキングは距離をつめてくる。
「オクタン、“えんまく”!」
オクタンが“えんまく”を放つ。ケンタロスから飛び下りハリーはスコルピをケンに託し、キリンリキとリョウをケンタロスに乗せ、ミモザは自分が抱えあげた。そのまま近くにあった岩影に隠れる。
「うっ…」
うめきなから体を起こす二人。ゲンガーは影のなかにいたのでなんともなかったが、キリンリキは完全にダウンしていた。“げんきのかけら”で体力は回復したが、疲労まではとれなかった。
「もう限界か、休んでてくれキリンリキ」
リョウはキリンリキをボールに戻し腰につける。ハリーは二人に水を飲ませ少し休ませた。
「少し休んでろ、俺はケンの援護にいく」
ハリーは二人をその場に残し岩影から出ていった。残された二人は携帯食を食べながら先程のことを振り替える。
「おい、ミモザ。さっきなんで《だっしゅつボタン》が発動しなかったんだ?」
「ミモザが甘かったの…あのニドキングの特性は『ちからずく』なの」
「『ちからずく』?」
「ニドキングの隠れ特性なの。追加効果…例えば攻撃のあとに相手の能力を下げたり状態異常にしたりするような技を使った場合、その追加効果を無効にして技の威力をあげるの。これは一部のアイテムにも作用するの。ニドキングがこの特性を持っているのはかなり珍しいことだから思い付かなかったの」
「まじかよ…、だから《だっしゅつボタン》が発動しなかったのか」
「そうなの、ペ、ペロリー…」
ペロリームをボールからだし“アロマセラピー”で体の痛みを和らげる。
「痛みは和らいだけど…」
リョウが体を重そうに持ち上げる。
「やっぱり疲れがたまってるな」
ミモザもふらつきながらなんとか立ち上がるが、岩にもたれてしまう。
「体を騙すのもそろそろ限界なの」
「だが、倒すべき敵はあとニドキングだけだ。もうひとふんばりだ」
リョウがミモザを支える。ミモザも自分の頬をパチパチと両手ではたく。
「ミモザも頑張るの!…リョウ、次からはもっと慎重に行動するの」
「うっ…わかったよ」
ばつが悪そうに頭をかくリョウと共にミモザは岩影を出ていった。
時は少し戻りケン以外が岩影に向かったあと、ケンはハリーから預かったスコルピと自分の手持ちのケンタロス、マルマインでニドキングと対峙していた。
「マルマイン!“でんじふゆう”スコルピ、マルマインの上に!」
スコルピがマルマインの上に乗り、マルマインが浮かび上がる。当然ニドキングは突っ込んでくる。頭の角が激しく輝き始める。
「迎え撃て!ケンタロス!」
ケンタロスの角も光始めニドキングに向かっていく。ニドキングの角とニドキングの角がぶつかりあう。
「“メガホーン”!!」
角がぶつかりあい火花がとぶ。お互いにのけぞるが踏ん張りが強いぶんケンタロスのほうがすぐに攻撃体勢に入った。
「“ずつき”!」
ケンタロスが突っ込む、がニドキングはケンタロスの角をつかみ完全に動きを止める。ニドキングが口を開き赤い炎がチラッと見えた。
「マルマイン、“スピードスター”!」
ニドキングの側面に回ったマルマインから無数の星が放たれる。
ニドキングの目が残忍に輝きケンタロスの角を持つ手に力が入る。
「グオオオオオ!」
そして雄叫びとともにケンタロスを軽々と持ち上げた。
「なんだとぉ!?」
驚愕するケンをよそにニドキングはケンタロスを自分とマルマインの間に運ぶ。
「ぶもっ!?」
抵抗するがまるで抗えず“スピードスター”がケンタロスを襲う。
「ぶもおおぉぉ!」
痛みに叫ぶケンタロス。それをとても嬉しそうに眺めるニドキング。そのままケンタロスを“たたきつける”。そしてマルマインに狙いを定め“かえんほうしゃ”をふきつけた。マルマインは即座に反応し“こうそくいどう”で回避したが、スコルピが振り落とされてしまった。
「スコルピ!」
せまる“かえんほうしゃ”。スコルピは恐怖で動けなくなってしまっていた。
「アリアドス、“くものす”!」
アリアドスが放った糸がスコルピの前で六角形の網状になり“かえんほうしゃ”をうけ燃える。だがそのお陰で炎はスコルピまで届かなかった。
「ハリー!助かった!」
ニドキングがハリーのアリアドスを睨み付けているうちにケンタロスをボールに戻す。ひんしは免れていたが戦えるかはギリギリだった。
「いったん戻すか」
ケンタロスをボールに戻しマルマインを探す。マルマインはニドキングと一定の距離を保ちながらニドキングの周りをぐるぐる回っている。ニドキングはマルマインを気にしながらアリアドス、スコルピに“かえんほうしゃ”を繰り返していた。アリアドスがスコルピを守るように立ち回っているが、徐々に追い詰められている。
「“ソニックブーム”!」
衝撃波がニドキングを襲うが、ニドキングは意にも介さない。それどころかどんどんアリアドスたちを追い詰める。
「マルマイン!電気エネルギーで“みがわり”を作れ!」
指示通り“みがわり”を作るマルマイン。その間にニドキングがアリアドスを“きりさいた”。だがそのアリアドスは“かげぶんしん”で、本体を探して周りを見渡すニドキングの眼前に“みがわり”マルマインが現れる。
「今だぜ!“フラッシュ”!」
ニドキングの目の前で分身が強烈な光とともに炸裂した。
「ぎゃおおおおぉぉぉ…」
ニドキングが目を押さえて痛みに叫ぶ。
「今だ!マルマイン!!」
マルマインがニドキングに張り付く。ニドキングは痛みでそれに気づかない。マルマインの体が激しい光を放つ。
「(もう《げんきのかけら》はねえが…)“だいばくはつ”!!」
ずどおおおおおおおおぉん!!
ものすごい音とともにマルマインが“だいばくはつ”した。砂漠地帯で見せた爆発とは比べ物にならない威力だった。
「くうぅぅぅ…!」
「おおおおおぉぉ…」
爆風に必死に耐えるケンとハリー。アリアドスはスコルピを抱え地面に粘性の高い糸をはり耐える。
爆風が収まり煙が晴れると大きなクレーターができていた。その真ん中に黒こげで目を回すマルマインと立ったまま動かないニドキングがいた。
ポケスペでのサカキのニドキングは自分の中ではめちゃくちゃ強いイメージなので能力をかなり上方修正しております。一応技に関してはレベルまたは技マシンで覚えられるもののみを使っています。
次はなるべく早く投稿できるように頑張ります!