しかし、次からこそは頑張って書きますのでどうかご容赦ください。
それてさ第三話、たのしんでいただけたら嬉しいです。
「ハリー!任せたぞ!」
ミモザが落ちたのを見て三人はすぐに行動を開始した。リョウはすぐに飛び降り、ケンはルージュラをハリーはイトマルをだした。
「イトマル!“くものす”の“いとをはく”!」
「ルージュラ!“ねんりき”でニャオニクスをサポートしろ!」
イトマルは“くものす”の粘性をもった“いとをはいた”。ルージュラは“ねんりき”でニャオニクスのてだすけをした。
一方、ミモザは冷静だった。落ちていく中で腰のボールに手をかけた。
(にゃおにゃおのおかげで落ちるまでかなり時間ができたの。サカキ様からもらったフワンテで…)
ミモザがボールを開けようと開閉スイッチに手をかけた時、ミモザの目に思わぬ光景が飛び込んできた。
「うおおおおおおおおおおお!」
「えっ?」
リョウがミモザに向かって飛び降りてきていた。その光景にボールにかけた手が止まる。その間にもリョウはミモザに近づきついにミモザを片手に抱えた。同時にもう片方の手にイトマルの糸が絡み付きリョウの落下を止める。…が、かなりの衝撃がリョウを襲った。
「あいたぁ!」
リョウはそのダメージになんとか耐え、そのままゆっくり下におろされ、二人とも無事だった。ミモザをおろすとリョウは叫び出したいのを我慢してミモザの状態を確かめた。
「けがないか?」
「だ、大丈夫…なの…」
「ならいい」
リョウはそれだけいうと腕をさすりながらそっぽを向いた。ミモザはまだボールに手をかけながら今起きたことをまだ納得できていなかった。
「なんでミモザを助けたの?」
「は?」
「ミモザはおじさんたちにいろいろひどいことを言ったの、なのになんで?怒ってないの?」
「お前のことは確かにむかつくよ、あとおじさんじゃない」
リョウはミモザを軽く睨み付けた。
「でもお前は仲間だからな」
「仲間?なんで仲間なの?サカキ様に命令されたから?」
「それは関係ない」
「!」
リョウのその言葉にミモザは驚いた。
「きっかけはどうあれ、俺たちはもう仲間だ!少なくとも俺はそう思ってる!そして仲間を助けるのは当たり前のことだ、たとえ俺たちが悪の組織でもな!」
リョウが熱い言葉をミモザにぶつけているうちに、ケンとハリーがイトマルとルージュラの力を借りて降りてきた。ギルガルドとニャオニクスもいる。でもミモザはリョウから目を離せずにいた。
「俺たちはあきらめが悪いんだ!だからお前が俺たちを仲間と認めるまで何度でもアタックするからな!」
と、リョウはミモザを指差した。ミモザはまだ納得できていなかったが、心の中で3人に対するなにかが変化しているのを感じた。
そんな自分に戸惑っているとギルガルドとニャオニクスがミモザに駆け寄っていった。
「ぎるぎる!にゃおにゃお!」
ミモザもやっと二匹に気づいて二匹に抱きついた。その姿を見てケン、リョウ、ハリーの三人は顔を見合わせてやれやれと肩をすくめた。
「むっ!」
急にミモザの顔が険しくなり、リョウの方を見た。
「えっ?なんだよ?」
リョウの顔が強ばった。ケンとハリーもただならぬ気配を感じとり構えるが、それより早くミモザはギルガルドに指示を出す。
「ぎるぎる!」
ギルガルドはリョウの方へ突っ込んでくる。
「ちょっ、えぇ!?」
リョウは思わず両手で顔を庇い、ケンとハリーは反応できず、棒立ちになっている。その間にギルガルドは攻撃の射程範囲に入った。そして…
「“キングシールド”!」
ミモザの技の指示と同時にギルガルドの特性『バトルスイッチ』が発動し、『シールドフォルム』にチェンジする。そしてリョウを中心に四人を守るようにシールドを展開した。
攻撃されると思っていたケン、リョウ、ハリーはポカンとミモザをただ見つめた。最初に口を開いたのはリョウだった。
「おい、いきなりなにを…」
リョウが文句を言おうとした時
土ゴオォォォン!
大きな音と共になにかが“キングシールド”に当たり、弾けとんだ。
「な、なんだぁ!?」
リョウは軽くパニックになった。ハリーが状況を冷静に分析する。
「これは…“どろばくだん”!?」
すかさずケンがあたりを警戒する。しかし、敵意を持ったポケモンの姿はない。しかし、ミモザはいるのがわかっているようで、時々ニャオニクスに指示をだし攻撃している。三人はまだわたわたしていたので、ミモザが叱咤する。
「落ち着くの!ダグトリオは確実に近くにいるの、この場所じゃ不利なの!どこか広い場所があれば戦えるの…」
「はっ!それならさっき上で森を見たときいい感じの場所を見つけた!こっちだ!」
そういってケンは走り出した。リョウ、ハリーも続こうとし、リョウがミモザに気づき背中を向ける。
「ほら!」
「え?」
「お前一人じゃ走れないだろ!早く乗れ!」
「う、うん」
ミモザはギルガルドとニャオニクスをボールに戻し、戸惑いながらもおそるおそるリョウの背中に掴まった。それを確認するとリョウは再び走り出した。
「よっしゃ行くぞ!」
四人はダグトリオに警戒しつつケンの先導で森の中を進んでいった。
しばらく行くとケンのいった通り開けた場所に出た。広さはテニスコート三つ分ぐらいあり、結構広かった。リョウはミモザをおろし臨戦態勢に入った。
「これからどうする?」
「どうするって、ダグトリオを倒すに決まってるだろ?」
「それはわかってる!だからどうやって?」
「それは…どうしよ?」
ケン、リョウ、ハリーの三人がああだこうだ言ってる間にミモザはボールからフワンテをだし、その手に掴まった。
「ミモザが上から指示をだすの」
その提案に三人はあっけにとられた。
「お前が?できるのかよ?」
「明らかに経験がないだろお前」
三人に反対されたミモザは一瞬なにか迷った表情をしたあと、意を決したように話し出した。
「…ミモザはポケモンの行動が予知できるの」
「予知ぃ?」
三人はミモザをまじまじと見た。
「ナツメ様と同じような力があるってことか?」
「そんなバカな…」
「いやまて」
ケンとハリーが疑い笑う一方、リョウは真剣な顔でケンとハリーに言った。
「さっきダグトリオの“どろばくだん”をかなり早い段階で予測してたよな?」
それを聞いてケンとハリーも笑うのをやめた。
「確かにそうだな、そのあとも何回かニャオニクスの“サイケこうせん”を撃ってた」
「撃つ度に大きな音と泥みたいなのが飛散してた!」
「じゃあ、今言ったことは本当…?」
三人がなかなか決心しないようだったので、ミモザほとうとうしびれを切らした。
「早くするのぉ!ダグトリオがそこまで来てるのぉ!!」
「はいぃ!」
思わず三人揃ってミモザに敬礼する。ミモザはあきれて首を振りながらも気持ちを切り替える。
「ミモザはフワンテで上から状況を見てその都度三人に指示をだすの。このインカムをつけるの」
そういって三人にインカムを渡す。ミモザはすでにつけていた。
「いい?絶対ミモザの言うことを聞いてほしいの。絶対にダグトリオをたおすの」
「お、おう」
急に協力的かつやる気になった様子のミモザにケン、リョウ、ハリーはかなり戸惑った。そんな中、リョウがミモザに質問する。
「さっきは敵意すら向けてたのに急にどうしたんだ?」
リョウの質問にミモザは三人に背を向けて答える。
「まだおじさんたちの事を認めた訳じゃないの」
地を蹴りフワンテがゆっくり浮かび上がる。そして目だけリョウたちに向け言葉を続けた。
「でも、少しは信じてあげるの、だからせいぜいミモザの期待を裏切らないでほしいの!」
その言葉を最後にミモザは浮かびあがりある高さまで行くとピタッと止まり下を見下ろす感じになった。そして、ケンたちがつけたインカムにミモザの指示が入る。
「三人は三ヶ所に別れてほしいの」
その指示を聞いてケン、リョウ、ハリーは顔を見合わせた。
「どうする?」
とケン
「俺たちだけで動いてもかなり苦労しそうだし…」
とハリー
「~~~!とにかくミモザの感覚が鋭いのは確かだ、とりあえず従ってみよう!」
「わかった!」
まだ、モヤモヤを抱え込みながらもミモザの指示に従うことを決めたケン、リョウ、ハリーはミモザに指示されるままにそれぞれ身を隠しダグトリオに備えた。
読んでくださってありがとうございます。
毎話2500から3000文字くらいを目安にしているので、気づいたらバトルを書けませんでした。
次の話の投稿は今度こそバトルメインになるので、遅くなってしまうと思います。