まず、謝罪というかいいわけをさせてください。
以前、一話の長さを2000から3000文字で書くと言っていましたが、話数を重ねる度に増えてしまいました。今回の話は約5000文字で長くなっています。読みづらかったらごめんなさい、、、
ただ、5000文字のほうが最終の話数が少なくできると思うので、今後は5000文字をひとつの基準として書こうと思いますので、どうかよろしくお願いします。
さて、長くなりましたが今回の話も色々調べて書いたので楽しんでいただけたら本望です!
スピアーの大群から必死で逃げるケン、リョウ、ハリー、ミモザの四人。ケンタロスにケンとハリー、キリンリキに眠っているミモザを抱えたリョウが乗っている。
スピアーと距離を取りたいのだが、木が邪魔で二匹とも本来のスピードがだせない。
「オクタン、“オクタンほう”!」
「スリーパー“ねんりき”!」
「にゃあぁぁぁ!」
ケンのオクタンとリョウのスリーパー、そしてミモザを守るために自分の意思でボールから出てきたニャオニクスがスピアーに技を放つ。しかし、数が多すぎて一匹ずつ落としていてもきりがなかった。
「わー!やばい、やばい、やばいぃぃ!」
「ちきしょう、キリがねぇ!」
「オクタン、“えんまく”!」
オクタンの口から黒い墨が吹き出されスピアーをおおう。
「よし、これでなんとか…」
安心する間もなくスピアーの“ミサイルばり”が飛んできた。
「ぎゃあああああ!」
「あいつら、見えなくなったら滅茶苦茶打ってきやがる!」
さらに“えんまく”を突っ切って次々とスピアーがでてくる。
「“えんまく”じゃ時間稼ぎどころか足止めすらできない!」
「一気に大量に落とせたらいいんだがな…うわぁ、すっごい目でこっちを睨んでやがる」
リョウの発した何気ない一言にハリーはピンときた。
「一度に大量に…そうだ!」
ハリーがスピアーのほうに体を動かす。
「リョウ!スリーパーを借りるぞ!」
「えっ?お、おう!スリーパー!ハリーの指示にしたがえ!」
スリーパーは頷いてハリーの指示にいつでも従える体制をとった。それを確認し、今度はニャオニクスに呼び掛ける。
「ニャオニクス。ミモザの命令しか聞きたくないかもしれないが今はおれの言うことを少しだけ聞いてくれ、頼む」
ニャオニクスは一瞬思案するような仕草を見せたが、すぐに頷いた。
「よし、じゃあ、スリーパーはあの辺り、ニャオニクスはあの辺を狙って…」
スリーパーとニャオニクスか指示された方向を向いた。
ハリーが命令をだす。
「“さいみんじゅつ”!」
“さいみんじゅつ”は本来相手の視線を自分のほうに誘導し術をかける。その視線誘導が難しいのだが、今は嫌でも視線を集めている。スピアーたちは“さいみんじゅつ”にもろにかかり近くの仲間とぶつかったりして次々に落ちていった。
「今だ!ケン!」
「オクタン、“えんまく”!」
オクタンが再び“えんまく”を放つ。先程とは違い混乱しているスピアーたちはパニックに陥った。今度は“ミサイルばり”を打つ余裕はないようだ。
「怒り狂って俺たちを睨みつけているのならそれを利用すればいいんだ」
「今のうちに一気に駆け抜けるぞ!」
ケンタロスとキリンリキがスピードをあげる。スピアーたちはケンたちを追うどころではない。四人は森の出口に向かって一直線に走っていった。
所変わって、サカキが乗ってきたR団の戦闘ヘリがある場所。ヘリの中でサカキが沈む夕日を見ながらワインを飲んでいた。そこへダグトリオが入ったボールを持ったスピアーが飛んできた。
「ご苦労」
サカキがボールを受けとるとスピアーば再びケンたちのもとに飛んでいった。
「ダグトリオ、よくやった。今は休め」
サカキはボールを部下に預け、回復するように指示した。そして再びワイングラスに手をかける…すると、急に通信が入った。
『サカキ様!』
モニターに本部にいるR団のオペレーターの女性の顔が映る。
「どうした?」
サカキはモニターに向かって話かけた。相手の様子から察するになにやら慌てているようだった。オペレーターは深呼吸し、要件を簡単にまとめ報告した。
「外部からサカキ様に通信が入っています」
「外部から?わざわざ報告するということはR団の関係者ではないということか?」
「はい、先程からずっと『ボスに繋げ!そうすりゃオレが誰だかわかるからよ!』との一点張りで…」
かなり困っている様子だった。一方サカキはなにか思い当たったようで、ワインを飲み干すと、そのオペレーターに通信を繋ぐように指示した。そして、通信が繋がってそうそうモニターに写し出された人物がサカキを見るなり豪快に笑いながら一緒にいたライチュウと一緒に画面に張り付いた。
『ボス!やぁっと見つけたぜ!』
「やはり、お前か」
画面に映し出された相手を見てサカキはあきれたように、なつかしむようにほおを緩ませた。
一方、ケンたち四人は無事森を抜けた。
「スピアーば追ってきてないか!?」
ハリーが確かめるともう追ってきていないようだった。
「はぁー、よかったぁ」
安心してキリンリキの首にもたれかかるリョウ。ケンとハリーも安堵の息をもらす。
「リョウ、ミモザは?」
「まだ、眠ってる」
ミモザはリョウの腕の中でぐっすり眠っていた。ニャオニクスがミモザを心配して近づき頭を撫でる。
「なんだか、お母さんみたいだな」
「確かに、トレーナーとポケモンっていうより『家族』って感じに見える」
ケンたちにそう言われてニャオニクスはニコッと笑った。その反応にケンたちは驚いた。
「なんだか大人っぽいニャオニクスだな」
「実家の母ちゃんを思い出した…」
「おれも…ん?」
ハリーがなにかに気づいた。それに気付きケンがハリーに声をかける。
「ハリー、どうした?」
「いや…なにか光ったような気がして」
今四人は広い草原地帯を走っている。当然見える範囲に光を発するようなものはない。
「気のせいじゃないか?」
「うーん、そうかも」
とその時、遠くのほうでなにかが光のが見えた。
「やっぱり光った!」
ハリーがなにかが光ったほうを指差した瞬間、四人から百メートルほど離れた場所に“かみなり”が落ちた。
「わあぁ!?今度はなんだぁ??!」
また光る。そして今度は四人のすぐ近くに落ちる。
「ぎゃああ!」
「一体なにが!?」
ケンがカバンから道具を取りだし頭に装着した。
それはR団で開発された道具で、過去にヤマブキシティのシルフカンパニーを占領した時に持ち出した《シルフスコープの設計図》がもとになっている。本来のシルフスコープは暗視ゴーグルと幽霊の正体をみやぶる機能だけだったが、それに加え望遠と解析も行えるようになっている。
ケンは望遠機能で光ったほうを見た。なにかを確認したケンの顔がみるみる青ざめる。
「どうした?ケン?」
「なにが見えたんだ?」
「やばい!早く逃げるぞ!」
ケンがケンタロスとキリンリキに光ったほうとは逆の方向に走るように指示した。二匹もなにかを感じていたようですぐに従った。走り始めるとまた、近くに“かみなり”が落ちた。ハリーが目をかばいなからケンに声をかける。
「なんだ?どうしたんだ?」
「来てるんだよ…」
「なにが?」
ケンのフワッとした答えに少し苛立ちながらリョウが切り返す。ケンは少し怯えたようになりなからさっき見た光景について話した。
「ニドキングか追ってきてる!」
同時に近くに“かみなり”が落ちる。さっきよりも近くに落ちた。
「ぐぎゃああぁぁ!」
同時にニドキングの咆哮が闇の中に響き渡る。
「ど、どどどどうする!?」
「と、とりあえず攻撃を!」
「ニドキングはどくタイプ!なら俺だな!」
リョウがキリンリキをニドキングの方に向かせる。リョウも《シルフスコープ改》を装着し、ニドキングの位置を確認したが、するまでもなくすでに視認できる位置まで来ていた。
「キ、キリンリキ!“サイケこうせん”!」
キリンリキの角から虹色に輝く光線が放たれニドキングにもろにヒットした。しかし、全く効いていないようだった。
「があああぁぁぁ!」
それどころか怒りに火をつけたようて、ニドキングがさらにスピードをあげた。
「エスパーの攻撃が効かない!?」
「まだ距離がある!早く逃げよう!ケンタロスとキリンリキのスピードには追いつけないはずだ!」
「わかった!!」
四人は逃げることに専念することにし、ケンタロスとキリンリキに指示をした。二匹もそれが最善と思っていたらしく、一気に最高速で走り出した。
「よし、これで…」
ケンが振り返るとニドキングが目前に迫っていた。
「ええええええ!?」
「な、速すぎんだろ!」
確かにおかしかった。ニドキングのスピードはそこまで早くない。さっきは近づいていたとはいってもまだ百メートルはあった。すぐに逃げるように対応したケンタロスとキリンリキ、しかも二匹とも草原は得意な地形。追いつけるわけがなかった。なのに追い付かれた。
ニドキングは自分に攻撃を加えたキリンリキを狙った。
「やば…!」
間に合わない。キリンリキが主人を守ろうとした。その時、
「ぎるぎる、“キングシールド”」
『シールドフォルム』のギルガルドが割って入ってニドキングの攻撃を防ぐ。すかさず次の指示。
「ぎるぎる、“せいなるつるぎ”」
ギルガルドが『ブレードフォルム』になって、剣の体でニドキングに切りつける。攻撃はもろにヒットしたが、ニドキングの鋼鉄のような皮膚には傷一つつかない。
ニドキングは即座に『シールドフォルム』に戻り主人の側に戻る。その主人の姿を見たリョウが驚きの表情を見せた。
「お前…大丈夫なのか…?」
その少女は眠たげな目を擦り、キリンリキの背中でバランスを保ちながらあきれた声で答えた。
「ミモザは大丈夫なの。というか大人三人がなにやってるの?」
ミモザがギルガルドを盾にしなからニャオニクスをだす。ニャオニクスは目覚めたミモザを見て喜んで抱きついた。ミモザも嬉しそうにニャオニクスを抱き締めた。
「心配させてごめんなさいなのにゃおにゃお」
「ごおおおぉぉぉ…」
ミモザと手持ちの感動の再会もニドキングの低い唸り声でかき消される。ミモザはすぐに指示をだす。
「にゃおにゃお、“サイケこうせん”」
ニャオニクスが攻撃の準備をする。
「おい、ミモザ!そいつにはエスパー技は弱点だがあまり効果は…」
「わかってるの」
ミモザの指が上を、ニドキングの頭部を指した。ニャオニクスはニドキングの頭部に“サイケこうせん”を打ち込んだ。
「があぁぁ!」
見事にヒットしたがダメージはあまりないようだった。
「ほらぁ!」
リョウが頭を抱える。
「これじゃさらに怒って…ん?」
「ぐるる…?」
ニドキングの様子がおかしかった。明らかに動きが鈍っている。それどころか視線があっちこっちに動いている。
それを確認したミモザはギルガルドとニャオニクスをボールに戻し他の三人に指示をだす。
「今なの!ケン、オクタンの“えんまく”を!」
「お、おう!オクタン、“えんまく”!」
ボールから出てきたオクタンが“えんまく”を吹き出す。“えんまく”がニドキングを覆う。次にミモザはペロリームとフワンテをだし、
「ペロリー、“あまいかおり”!フワンテ、“かぜおこし”!」
ペロリームの出したお菓子のような濃い“あまいかおり”がフワンテの“かぜおこし”であたりに広がっていく。しかし同時にオクタンの“えんまく”も払ってしまう。
「おいぃ!なにやってんだぁ!?」
「うるさいの!作戦通りなの!ハリー、今度はマタドガスで“えんまく”!」
「わ、わかった!マタドガス、“えんまく”!」
再び“えんまく”がニドキングを覆い隠す。
「今なの!全力で逃げて!」
ケンとリョウがそれぞれ指示をだしケンタロスとキリンリキが走り出した。今度はニドキングは追ってこない。十分に距離をとってからケンはミモザに今の作戦とその前の攻撃について問う。
「なぁ、なんでお前のニャオニクスの攻撃はダメージを与えられたんだ?」
ミモザはペロリームとフワンテをボールに戻しその問いに答える。
「ダメージをあたえたかったわけじゃないの。ダメージが与えられないならこんらんさせればよかったの」
「こんらん、そうか!」
“サイケこうせん”は相手をこんらんさせることがある。それを頭部に当てることでこんらんの確率を高めたのだ。
「じゃあ、“えんまく”を一回ふきとばしたのは?」
「ニドキングをさらにこんらんさせるためなの」
ミモザはなるべくわかりやすいように説明をした。
「オクタンの“えんまく”には嗅覚を鈍らせる成分が含まれているの。まず、それで嗅覚を鈍くさせて、次に“あまいかおり”をのせた“かぜおこし”で強い匂いをあたりに広げてミモザたちの匂いを完全に見失わせるの。最後にマタドガスの“えんまく”で今度は視覚を無効化したの。同じどくタイプでもマタドガスが体内でブレンドした毒ガスをもろにくらえば目くらいは一時的に見えなくなるの。しかもマタドガスのガスのひどい匂いがあまい匂いと混ざることでニドキングに色んな部分でダメージを与えられたはずなの」
「…」
三人はなんの言葉も出なかった。自分たちがあれほど苦労していたニドキングを倒しこそしなかったが逃げ切れる程の時間が稼げた。この女の子は底が知れないと三人は思った。
「とりあえずどこか落ち着く場所に行きたいの、ケンどこかあるの?」
「え?あぁ、ちょっと待てよ」
ケンがエレキッドをだし、威力を制限した“フラッシュ”の光で地図を見た。
「もう少し行ったら洞穴があるみたいだ。そこに行こうぜ」
「「「了解」」」
四人はケンの先導で目的の洞穴に向かった。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
前書きでも書いたように一話のボリュームが増えています。できる限り読みやすい努力をしていきますので今後もよろしくお願いします。
今回は次回予告的なものをしてみようと思います。
「洞穴についたケン、リョウ、ハリーそしてミモザの四人。焚き火の火を囲みながらミモザが自分の過去を語り出す…」
…難しいものです。次はオリジナルキャラのミモザの過去を書いてみたいと思っています。アップはいつになるかわかりませんが、出来るだけ早く投稿できるようにがんばります。