「爆発に巻き込まれたミモザとサカキ、咄嗟にだしたダグトリオは二人を救えたのか?」
少し急いで書いたので文章が狂ってしまっているかもしれないです。
ミモザ(オリキャラ)の過去編は終了です。
自分が普段からあまりしゃべらないせいかだんだんなにを書けばいいのかわからなくなってきています…
まえがきでも楽しんでもらえるように頑張ります。
音が止み、フレア団の二人がサカキとミモザがいた場所にかけつける。瓦礫の山がミモザとサカキを完全に潰していた。
「…ヤバイんじゃね?」
「だだだだだって!こうするしかなかったじゃん!?」
フレア団の二人が予想以上の威力を見せた爆弾のもたらした結果に慌てていると、二人のちょうど後ろの地面が盛り上がった。次の瞬間、地面が大きく裂け、白銀の装甲をまとったポケモン、ボスゴドラがフレア団の二人を地面に思い切り押さえつける。
「ぎゃあ!」
「ぎゅむむ…」
サカキがボスゴドラの背後から姿を現す。ミモザは顔だけだして様子を少し伺う。
「このサカキがここまでこけにされるとはな」
虫のようにうごめく二人を見下ろすサカキ。その目には感情がなかった。それが二人を余計に怖がらせる。サカキは無表情にボスゴドラに命令する。
「潰せ」
「ひいぃぃぃぃ!」
ゴキリという音が路地裏に響きフレア団二人は目を回し口から泡をふいて気絶した。ミモザが恐る恐るサカキに尋ねる。
「殺すの?」
「まさか、この程度のやつらにそこまでしない。ただやはりり無傷で、というわけにもいかないからな、骨の一本くらいは折れても問題ないだろう」
淡々と言葉を並べるサカキをミモザは唖然とした。
「さて」
サカキはミモザとなるべく目線が同じになるようにしゃがんだ。ミモザはピクッと体を震わせながらも目の前の人物に興味を持ったらしく見つめ返す。少しの間お互いにみつめあったあと、サカキこ方から喋り出した。
「さっき、なぜ俺の意図がわかった?」
「…」
「俺はダグトリオに穴を掘らせ、そこに入り込んで瓦礫から守るつもりだった。しかしそれを確実に実行させるためには的確な場所の指示が必要だ」
先ほど瓦礫か完全に崩れる寸前、サカキはダグトリオを出した。サカキが言った通り穴を掘り瓦礫を回避するためだ。しかし、都市の地下には水道管等が張り巡らされているので闇雲に掘っても意味がない。サカキが一瞬命令に詰まった時、ミモザが「ここを掘るの!」とダグトリオに指示を出したのだ。ダグトリオがそこを掘るとちょうど真下には下水道があった。いったんそこに隠れフレア団の背後に回ったというわけだ。
「お前がこの街に詳しいとしてもあの状況でダグトリオにあそこまで的確な指示を出すにはダグトリオの意図を確実に理解していなければ無理だ」
ミモザはまだ幼い。あの状況でダグトリオの出現が「攻撃の意図はない」とわかっても「出現の目的」まで瞬時に理解できるのは不可能だろう。
ミモザはなにか考えるようなしぐさのあとポツリポツリと答え始める。
「ダグトリオを出した時点で“穴を掘る”のが目的なのはわかったの。ダグトリオの掘削能力は知ってるの、でもこのミアレシティの地下には色んなものがあるの、だから能力かいくら高くても場所がよくなければ意味がないの。ミモザはこの辺りの事は知ってたのだからどこを掘ればいいかはわかったの」
「…!」
サカキは驚愕した。見た感じまだ五、六歳の少女にしては持っている知識量がかなり膨大だ。しかも、その場の状況を瞬時に理解し、冷静に判断・対処できている。しかし、ミモザの話はここで終わりではなかった。
「あと信じてもらえないかもだけど、ミモザね
「なに…?」
思わぬ言葉に反射的に声を漏らすサカキ、ミモザの話は続く。
「もう少し詳しく言うとバトル中にポケモンの思考を理解した上で、そのあとそのポケモンがどんなことをするのか“予知”できるの」
(ポケモンの行動を予知、だと…?)
サカキはミモザの目を見る。ミモザもサカキの目を見つめ返す。その目は嘘をついている感じではなかった。サカキはミモザに興味を持った。
遠くでサイレンの音が聞こえる。さっきの爆発音にさすがに誰かが通報したのだろう。サカキはミモザに向かって手を差し出した。
「俺と共に来ないか?」
「えっ?」
ミモザはその手の意味がわからず困惑する。
「お前の能力に興味が湧いた。どうだ?」
ミモザは考えた。このままここにいても恐らく施設に入れられるだけ、それならいいがもっと悪いことになるかもしれない。
(それに…)
この数日の中でミモザを“見て”くれたのはサカキだけだった。他は誰も“見て”くれなかった。ミモザの答えはすぐに決まった。
「行くの」
「よし」
サカキは満足そうに笑うとフレア団員の妙に赤いスーツの内ポケットから起爆装置を取り出すとフレア団員の手に持たせた。
「これでこいつらがやったとわかるだろう」
サカキがミモザをお姫様だっこで持ち上げる。
「きゃっ!?」
急に持ち上げられミモザは軽く悲鳴をあげた。
「では行くぞ」
ミモザはサカキと共にその場を後にした。
ー現在ー
ミモザの話が終わり、ケン、リョウ、ハリーの三人はさっきと違う理由で泣いていた。
「サカキ様かっけぇ…!」
涙を流しながら天を仰ぐケン。
「#@&$$#&~ー!」
言葉にならないリョウ。
「~~~~!」
なにやら悶えるハリー。
三人それぞれ違う感動の仕方をする。そんな三人を見ながら、ミモザは話を終わらせる。
「これがミモザがさっき気を失った理由とR団に入った経緯なの」
『そうだったんだな』
涙を拭いて答えたケンは少し鼻声。
「ミモザぁ!」
突然リョウが大声を出したのでリョウ以外の三人と洞穴の出口で同じく泣いていたおじいさんドラゴンポケモンも飛び上がった。
「どうしたリョウ!?」
「どうしたもこうしたもねぇよ!」
リョウはユラリと立ち上がり、ゆっくりミモザの前に行く。ミモザはリョウがなにをしようとしているのかわからず、キョトンとしている。リョウは一度深呼吸し気持ちを整える。
「森でも言ったが俺たちは仲間だぁ!」
「えっ?うん?」
リョウのテンションに困惑するミモザ。しかし、それにケンが便乗する。
「そうだぞぉ!なんなら『兄貴』と呼んでもいいぞぉ!」
「いや、それはちょっと…なの」
ミモザが少し引き始めた時、誰かがミモザの肩を叩く。振り向くとハリーが頷いた。見た感じ他の二人より冷静…
「『にいちゃん』でもいいぞ☆」
ではなかった。三人はミモザの話を聞いて完全に涙腺が崩壊していた。
しばらくすると三人は落ち着いた。落ち着くまでにギルガルドやニャオニクスの助けを借りたので少しボロボロ。
「落ち着いたの?」
「「「はい…」」」
「では、ドサイドン攻略にいくの」
「でも、ミモザ。お前眠くないのか?」
「ミアレシティにいた頃は眠れない夜なんてしょっちゅうだったの」
ここまで言ってミモザは「しまった」と口をおさえる。ミモザの思った通り三人の顔が歪んでいる。
「は、はやく行くの!時間がないのよ!」
「おう!」
ケンとリョウがケンタロスとキリンリキを出すと、洞穴のおじいさんドラゴンポケモンに別れを告げその場を後にした。
場所は変わってサカキがいるR団の戦闘ヘリの中のサカキのプライベートルーム。そこでサカキは先程いきなり通信してきた相手、マチスと話していた。
『で?ボス!その養子にしたって奴をそのあとどうしたんです?』
マチスはサカキにミモザのことを一部始終聞いていた。というか四人を監視しているスピアーのカメラからの音声を聞いていた。
「R団本部に連れ帰り教育を施した。…といってもR団に忠誠を尽くすように仕向ける教育ではないがな。あくまで生きていくのに必要な知識や技術を教え込んだ。もともと知識はかなり持っていたからな、教えたのは技術のほうだった」
『ボスがそんなことをするなんてなぁ』
「おれも一児の父だからな。少し同情があったのかもしれん」
サカキは自嘲気味に笑った。シント遺跡でサカキに宣戦布告した実の息子。次に出会うときはお互いに敵同士、しかしサカキは純粋に息子の成長が楽しみだった。
『でもよぉボス!そのミモザって奴の頭の良さを聞いてるとよぉ、R団についてもすぐにわかっちまうんじゃないですかい?』
「お前の思っている通りだマチス。俺の元に来て数日後にはR団についてほとんど知ったようだ」
『てことは…じゃあ、R団かがどういう組織かわかった上でボスに従ってたってことですかい?』
「ああ、R団が悪の組織とわかった上で俺についてきた」
『まぁ、聞いた状況なら選択肢はねぇですよ』
マチスの言葉にサカキはニヤリと笑った。
「違うぞマチス、ミモザは自らの意思で我軍に入ったんだ」
『?どういうことです?』
「ミモザが八歳になったときにもう一度選択肢を与えた。このまま俺の元で生活するか、俺の元を離れて俺が用意した里親の元に行くか…とな」
サカキは足を組み替え座っているいすの背もたれにもたれかかった。
「即答だったよ、『ミモザの居場所はサカキ様がいる所だけなの』とな」
『よほどなつかれてるんですね』
「…というよりも、ミアレシティでミモザが見てきた
サカキは窓越しにすっかり夜がふけた空を見た。
(さて、今回の特訓でなにか得るものはあるのか?)
ケンたち四人は砂漠地帯に向かって走っていた。間違ってもニドキングに出会ってしまわないように慎重かつ迅速に行動していた。ケンタロスにケンとハリー、キリンリキにリョウとミモザか乗っている。
「ケンあとどのくらいなの?」
「あと十分くらいかな?なぁリョウ?」
「…」
「リョウ?」
リョウの返事がない。よく見ると花提灯を膨らませなから眠っている。
「ちょっとリョウ!危ないの!起きるの!」
ミモザがリョウを揺するが一向に目覚めない。
「いったん止まるか?」
ハリーがそう提案するが、ミモザは首を横にふる。
「時間がもったいないの…しかたない」
ミモザは自分の道具袋を探り真っ赤なきのみを取り出した。少しイガイガしているようだ。
「ミモザそれは?」
ハリーに聞かれミモザはニヤリとすごく悪い笑顔になった。
「《マトマのみ》なの」
ミモザが《マトマのみ》を携帯用のミキサーの中に突っ込んで《マトマのみ》のジュースを作った。そしてそれを薄めずにリョウの口に運ぼうとする。それを見たケンとハリーが慌ててそれを止めようとする。しかし、ミモザはリョウの口に《マトマのみ》ジュースを流し込んだ。
「…」
一瞬の静寂の後、
「ぎゃああぁぁぁぉあああおおおぉおおぉぉ!??!!」
リョウの叫び声が静寂を切り裂いた。《マトマのみ》はめちゃくちゃ辛いのだ。普通は少し薄めたりして料理に使ったりするものをそのままリョウの口の中に入れたのだ。
「辛い辛い辛い辛い!?」
辛さに悶えるリョウをケンとハリーは自分達も泣きそうになりながら、ミモザは無表情で見る。十分ほど悶えたあとやっとリョウは落ち着いた。
「かはー、かはー、ひゃばかった」
辛さで口が痺れろれつが回っていない。そんなリョウに半笑いのミモザが声をかける。
「目は覚めたの?」
「
リョウがミモザに文句を言おうとするとミモザがリョウの唇に指を押し当てる。
「~~~!??!?」
今度の悲鳴は声にならなかった。
リョウが落ち着いた頃、目的地の砂漠地帯が見えてきた。辺りは暗く、野生ポケモンの気配はほとんどない。
「《ぼうじんゴーグル》をつけておこう」
ハリーの提案で砂塵などを防ぐ《ぼうじんゴーグル》を四人とケンタロス、キリンリキに装着した。このゴーグルもR団のアレンジが加えてあり、暗視ゴーグルの機能もついている。ほどなくして目的地に着いた。ドサイドンの姿は確認できない。
「とりあえず進んでみよう」
ケンタロスを先頭に砂漠地帯に足を踏み入れた。
「うおっ!?」
ケンタロスとキリンリキの足並みが乱れる。砂に足をとられて動きづらそうだ。
「頑張ってくれケンタロス、キリンリキ」
四人は不安定な背中の上で何とかバランスを取りながら砂漠地帯を奥へ進んでいった。すぐ近くで砂の中から目だけを出し、四人を監視する何者かに気づかずに…
読んでいただきありがとうございました!
一応自分の中では折り返し地点に来ました。最後まで楽しんでいただけるように努力いたしますのでよろしくお願いします。
余談ですが、これを書いているときに「ウルトラムーン」てクレッフィを育成してました。