そして今回は、海に暮らす変異種モンスターが勢ぞろいです。
海っていいですよねぇ。神秘の世界。陸地よりも海の世界が割と好きなんですよ。
モンハン3Gの水中戦にハマってしまいのもその為です。まぁ今はモンハン4ですが(笑)
そういえば今後の投稿に関してとりあえず考えてみた案。
●モンハンデルシオンと変異種編をまとめて別投稿させ、そこで応募なりしてみる
ご意見ご質問などありましたらお願いします。
11/2:文章修正(段落付け・文章一部改定など
―海は広い。
一説では世界の七割は海で出来ているというのだから、その広さは半端無いと理解できるだろう。
また、人類は主に陸地で活動している種族。船で海を渡るとはいえ、大海原のど真ん中に長居するようなことはない。
その為、海竜種や魚竜種といったモンスターは陸地の近くに生息しているものを中心に調査している。
―つまり、海には、ハンター達が見たことの無いような生き物が沢山いるということである。
楽土を旅立ってからしばらくした頃、オニムシャザザミは海底を歩き続けていた。
海の底といっても、海面からの光は届いているし、適度に生き物達の姿が見えている。
とはいえ、ここは大海原のど真ん中。歩けど歩けど砂漠のような光景がどこまでも広がっている。
それでもオニムシャザザミは、元々海に住む甲殻種だったことを生かし、大海原を渡り歩くのだった。
そんなオニムシャザザミの元へ、あるモンスターの影が近づいてきた。
―クアルセプス。
晶竜と呼ばれる海竜種に属するモンスターで、鉱石を食べて水晶を纏い、蓄電能力を持つようになる。
そんな彼らは、幼生時は海中に暮らし、成体になると陸地に上がり地上で暮らすという変わった生態を持つ。
このクアルセプスも、水晶を纏っていないことや大きさからして、水中から陸地へ上がる頃のようだ。
そんなクアルセプスの幼生体を追いかけていたモンスターは、本来なら陸地に住むはずの種族だった。
ガノトトス――に似た姿をしている魚竜種が4~5匹の群れを構成してやってきている。
それは―――青いドスガレオスとガレオスであった。
砂漠に住まうはずの彼らが、海中を悠々と泳いでクアルセプスを追いかけている。
普段なら有り得ないと思うだろうが、思い出して欲しい。彼らはかつて水中に生息していたが、長い年月と大きな環境変化を得て、砂へ適応した種族。
進化の分岐点が生まれ、砂に適応したもの、そのまま水中に生息し続けたものと分かれても可笑しくは無い。
その証拠に、このガレオス達の足は陸地のよりも足が小さく、鱗が砂色に染まる前の美しい青で彩られていた。
―ガレオスの原種……通称「
そんな鮫竜達は、数にものを言わせ、自分達よりも一回り小さいクアルセプスを獲物として狙っていた。
つまりはこの幼いクアルセプスは、海のハンターとも呼ばれるガレオス達から逃げ惑っていたのだ。
そして隠れる場所は無いかと逃げながら探していたら、オニムシャザザミを見つけ、そこへ逃げ込もうとしたと。
もちろんオニムシャザザミはそんなことは気にしていないし、気づいてもいない。
それをいい事にクアルセプスが急いで向かい、僅かに口が空いたアカムトルムのヤドに入り込む。
少々狭いが、これでガレオス達が入り込めなくなった上に手出しできなくなった為、良しとしよう。
だがガレオス達も、せっかくの獲物を見逃すほど甘い連中ではない。
オニムシャザザミの周りを囲み、どうにかしてクアルセプスをヤドから引きずり出そうと様子を見ている。
この時になって初めてガレオス達の存在に気づいたが、それでも無視して先を進むことにする。
オニムシャザザミの強さや意志など関係ない。ガレオス達にとって重要なのは、ヤドからクアルセプスの幼生体を引き出すことだ。
とりあえずガレオス達はオニムシャザザミのヤドに近づき、出て来いと言わんばかりに突いてみる。
しかしアカムトルムの頭蓋骨は重く大きいので、ガレオス達が体当たりを仕掛けようとも外れたり壊れたりすることはない。
中に居るクアルセプスの体に衝撃は走るが、それでも安全であることには違い無い。
そしてその衝撃はもちろんオニムシャザザミにも伝わり、さすがにうっとおしいと感じてきている。
いい加減に追い払ってやろうかと思っていた……次の瞬間。
―赤い彗星がガレオスを掻っ攫った。
もちろん、海の中に彗星なんてありえない。高速で潜行し、今しがたガレオスを銜えたその正体は、赤いガノトトスであった。
これは完全に海中のみに適応した種族で、食性の違いにより鱗が赤く、ガレオス同様に原種よりも足が小さい。
もしこの大海原を遊泳するガノトトスに名をつけるとすれば「
そんな紅水竜が、オニムシャザザミに群がっていた
ガノトトスの3倍の潜行速度を持つ彼からすれば、ガレオス一匹を不意打ちで仕留めるぐらい朝飯前である。(今は昼頃だが)
首をしっかりと銜えて絞め殺した後、横取りされないように泳いだまま食すのが紅水竜の食べ方だ。
とりあえず一匹捕まえたら満足したようで、そのまま通常の3倍の速さでどこかへ行ってしまった。
つまり、相変わらずオニムシャザザミ(とヤドの中に居るクアルセプス)は鮫竜の群れに絡まれたままである。
とっとと出せー、と言わんばかりに体当たりをしたり、圧縮した水を吐き出すなどして攻撃を仕掛けるガレオス達。
リーダー格であるドスガレオスも、負けじとオニムシャザザミのヤドに向けて体当たりしてはいる。
しかしオニムシャザザミの重さと硬さは半端ではない。ヤドも壊れる様子は無く、ガレオス達の攻撃を物ともせず悠々と歩き続けていた。
……が、さすがに苛々してきたのか、ガチガチと鋏を打ち鳴らして怒りを露にしている。
―そして我慢の限界が解かれた。
オニムシャザザミから黄色い霧が広範囲に広がっていく。
それをモロに食らったガレオス達(とヤドの中にいるクアルセプス)が痺れて浮かんでいった。
オニムシャザザミが得意とする、広範囲の状態異常攻撃である。今回は麻痺毒。
さすがに麻痺毒を受ければ黙るというもの。静かになった頃を見計らって急いで其の場から走り出す。
―しかし、海の脅威はまだまだ続いていたのだ。
実はオニムシャザザミの歩いていた箇所は、砂漠のような砂地ではなく、ゴツゴツとした岩場だ。
しかもあちこちに希少な鉱石が地面から生えており、オニムシャザザミにとって丁度よい食事場所となる。
そんな大地が揺れ始めたのだ。それでもただの地震ではない。まるで大地が動いているような……。
―いや、実際に動き、浮かんできたのだ…………ジエン・モーランが。
そう、鉱脈が埋まっていた大地は、実はジエン・モーランの背中だったのだ。
それもただのジエン・モーランではない。これも原種とは違う進化を選んだ、峯山龍の変異種。
太古に起こった大津波によって沈んだ砂漠……そこに生息していた古龍種。
―「
海底では岩場として、海面では島に擬態して潜んでいるという海の古龍種。
ナバルデウス同様に異常な肺活量を持ち、殆どを海底ですごしているという。
そんなジエン・モーランだが、海面を泳ぐ小魚の群れを狙って浮上してきたようだ。
―背中にオニムシャザザミ(とヤドの中で痺れているクアルセプス)を乗せて。
水面に顔を出し、水ごと小魚達を飲み込みながら遊泳するジエン・モーラン。
その古龍種の背中で、鉱石を食らいながらのんびりと居座っているオニムシャザザミ。
なんともシュールで目立つ光景だが、あたりには人っ子一人いないのが事実。
しかもこのまま行けば旧大陸の海域にたどり着く。なんとも美味しい展開ではないか。
こうしてオニムシャザザミは、突如として現れた孤島龍の背に乗って旧大陸へ向かう。
背中のヤドに幼いクアルセプスが入っていることを知らずに。
クアルセプスにとっても旧大陸にいけるのなら好都合なのだが、果たしてどうなることやら。
二匹(一匹は成り行きで)の旅は続く。
―完―
●簡単な変異種紹介
○ガノトトス変異種 別名:紅水竜
海中での活動のみを重点にガノトトスから派生して進化した変異種。
通常の3倍の潜行速度と肺活量を持つが、足が退化しており、陸に揚がると弱い。
○ガレオス別種 別名:鮫竜
海中に生息する青いガレオス。これが砂漠に適応して進化したのが砂竜である。
ドスガレオスを中心に群れをつくって行動し、数に物を言わせて狩りをする。
○ジエン・モーラン変異種 別名:孤島龍
ジエン・モーランが海中に適応した姿。ナバルデウスと同じ祖先から進化したらしい。
海底では地面に潜り、海面では島に成りきって人の目から逃れてきた珍しい古龍種。
ガレオスについてはあくまで私の妄想なのでご注意ください(汗)
けど青いガレオスって見てみたいなぁと思います。なんで3で出なかったんだろうか(苦笑)