ヤオザミ成長記   作:ヤトラ

5 / 86
に、日間ランキング2位・・・ですと!?
僅か数日でここまで伸びるなんて驚きです!皆さんありがとうございます!
感想でもありましたが、にじファンから見て来た方も多い様子で嬉しいです。
もっと早く公開しておけばよかったと思います。待たせてしまってすみません。
ここはお詫びとして、あの企画を発動させるべきか・・・とりあえずコツコツ更新していきます。

10/31:文章修正(段落付けなど)
2014/6/26:誤字修正。ご指摘ありがとうございます!


第4話「盾蟹VS潜口竜」

―見た事の無い獲物だ。

 

 砂の中から半分だけ顔を出したそれ(・・)が、遠くに見える生物を見て感じた事だ。

 だが大きさから見て自分の口に入りきれるサイズだろうから、自分にとっては獲物でしかない。

 それだけ解った所で、それ(・・)は行動に移すべく、砂の中に身を潜める。

 呼吸器官を使って鯨の潮吹きのように砂の中で息をし、獲物の足音を頼りに砂の中を潜行する。

 

 そして地中に潜んだ存在が、地中から飛び掛かり姿を現した。

 

 巨大な口が最大の特徴であるこのモンスターの名は、ハプルボッカ。『潜口竜』という異名を持つ、地中からの奇襲を得意とした、砂漠での活動に秀でた海竜種だ。

 そんなハプルボッカが口に銜えこんだのは、この地では新参者であるブシザミ。

 

 が、当然のことだが、カブレライト鉱石をも含む鋼鉄の体は、ハプルボッカにとっては硬すぎたし重すぎた。

 噛み砕くことができなければ飲み込むことはできない。いくら大きくても丸呑みは不可能だ。

 予想外な獲物とはいえ、銜えた以上は離さないとばかりにハプルボッカは顎に力を込める。しかし……。

 

―!?

 

 不意を突かれたかの様にハプルボッカは叫び、もがくように頭を振るい出す。

 そのまま地中から上半身を這い出ても頭を振るい続け、やがて口からブシザミが放り投げ出された。

 投げられたブシザミはといえば勢いと重みによって砂に沈むが、何事もなかったかのように這い出る。

 そんなブシザミを睨むハプルボッカの口から鮮やかな体液が出ており、どうやら口内でブシザミが何かを挟んで傷をつけたようだ。

 大きな口を開いて威嚇の咆哮をあげ、自分で仕掛けておきながら怒り状態になるハプルボッカ。

 対するブシザミはといえば、気に入ったヤドを取ろうとして邪魔されて腹が立ったのだろう。その分厚く大きな鋼鉄の鋏を、これでもかと大きく広げて威嚇の姿勢を示す。

 

―なにしやがんじゃワレェ!

 

―それはこっちの台詞だっつーの!

 

 なお、上記のやり取りはイメージです。

 

 互いに闘争意欲を露にすれば、闘いの火蓋が切られた。

 先攻はブシザミ。四つの脚をアンカー代わりにして打ちこみ、鋏を盾にして身構える。

 それを見たハプルボッカは何か仕掛けてくると思ったのか、地中へと潜行する。

 ハプルボッカが完全に地中へ消えた頃、ブシザミからハプルボッカの居た地点へと紫の線が引かれた。

 

 これはダイミョウザザミが得意とする水ブレスに毒テングダケの成分を注入した、いわば毒水ブレス。

 岩ぐらいなら簡単に傷をつけることができ、外傷を与える上に毒まで与えられる強力なものだ。

 だがハプルボッカが地中に潜る方が早かったようで、毒水ブレスは砂地に割れ目を作るだけに終わった。

 

 地中へ逃げられた以上、ブシザミはハプルボッカがどこから出るか予想がつかず、周囲を忙しなく見渡す。

 しかし見えない以上は仕方ない。とりあえず鋏を盾にして構えることで守りに入る。

 前方は完璧だが、相変わらず不釣合いなほどに小さい飛竜の頭蓋骨のせいで、背面にはやはり不安が残っていた。

 

 それをハプルボッカは逃さない。案の定、ブシザミの後方から一気に跳びかかり、ヤドに食らいついたではないか。

 もちろんブシザミは抵抗しようとするが、がっちり噛まれている以上、得意のバックジャンプ攻撃もできず、身体を揺らすしかない。

 しかしハプルボッカは離さず、このままヤドを引き抜いてやろうと噛み付いたまま暴れ出す。

 

―このままでは埒があかない……こうなったら。

 

 ブシザミは揺れ動かすのをやめると、ぐっと身体に力を込める。

 

 ぶわっ!

 

 なんと、ブジザミの体と飛竜の頭蓋骨から紫色の濃霧が溢れ出たではないか。

 これもブシザミが編み出した技の一つで、毒テングダケの成分を含んだ水を霧状にして口とヤドから発射することができるのだ。

 全方位から放たれた濃霧が毒だと解ったハプルボッカは、こりゃたまらんとばかりにヤドから口を離し、地中へ逃げ込む。

 これで振り出しに戻ったが、同じ失敗を繰り返しはしない。ブシザミは四つの脚に力をこめ、一気に伸ばして体を空へ飛ばす!

 

 ダイミョウザザミではお馴染みのジャンププレス攻撃。

 鋼鉄の体でよく跳べるなぁとお思いだろうが、これもブシザミの食生活が関連している。

 ブシザミは雑食系で、木の実を食べることもある。その中には力を高める効果のある「怪力の実」も混ざっている。

 それを微量でも毎日食べることで、ブシザミは自身の重量を支えられるだけの脚力を手に入れることができたのだ。

 

 気力低下水に毒水、そして自身の身体を支える脚力。これらは全て食の力ともいえよう。

 ようするに、好き嫌いしていると大きく強くなれない、ということだ。

 

 話は逸れたが、ブシザミが高く跳んだ途端、ハプルボッカは顔を出した。

 ブシザミが跳び出した時の音に釣られたのか、ブシザミが居た地点に口を開いて出現したのだ。

 しかし肝心の獲物はおらず、その上からブシザミが勢いよく落ちてくる。

 

―ズドンッ

 

 激しい音を立てて、鋼鉄の塊がハプルボッカの頭に直撃する。

 さすがに毒霧を受けて弱まっていた身体では耐え切れず、ハプルボッカは絶命。力なく地に頭を伏せて息絶えた。

 

 そしてヤオザミはといえば、ごろりと倒れたハプルボッカの頭から転がり落ち、運悪く逆さまになってしまう。

 しばしの間、ヤオザミは重い身体を起こせずにもがくしかなかった。

 

 

 

 デルクス達がハプルボッカの亡骸に集まり食らいついていた頃。

 辺りが真っ暗になり、気温が一気に低下したことで、灼熱から一転して極寒の地に変わる時間帯となった。

 たまたまリノプロスが体当たりしてくれたおかげで起き上がったブシザミは、お目当ての物へと脚を運ぶ。

 

―どれだけこの時を待ったことか……。

 

 上記の台詞はイメージとはいえ、ボルボロスの頭蓋骨を見るヤオザミには感慨深い物を感じていた。

 鋏で小突いて大きさを確認すると、さっそくヤドを交換すべく、身を一瞬にして移す早業を披露。ついにブシザミは、ボルボロスのゴツい頭蓋骨を背負うことができたのである。

 少々大きめだが、これからも成長して大きくなるのだから、むしろ丁度いいぐらいだ。

 ブシザミは身体を揺らして己の新しいヤドが上手く嵌ったか確かめると、そのまま地中へと潜っていった。

 

 

 

 やっとのことで手に入れた新しいヤド。

 その時から、ブシザミの新たな砂原地域での暮らしが始まる。

 

 

 

 そしてブシザミが砂原に適応し始める頃、それら(・・・)はいずれやって来る。

 新たな縄張りを求めて襲来する角竜と、新天地を巡り狩りへと挑もうとするハンター達が。

 

 

 

―完―

 




金のごまだれ~♪

―ボルボロスの頭蓋骨を手に入れた!―

この元ネタ解る人いるかなぁ……(苦笑)

次回からついにメインであるダイミョウザザミ期へ突入!
そしていよいよ、大陸を渡って来たハンター達がユクモ地方へ上陸!

フィールドワーク探索がメインなので、ガチ装備ではありませんが。
ガチ装備ハンターの登場はもう少し先になります。申し訳ありません。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。