字数が少し少なめなのは多分ノリで一気に書いたせいです。
失踪しない様努力したい人生だった。
「……?」
男が目を覚ますと、辺り一面を黄色の花が染めていた。
「うッ!」
眠りから覚めたばかりの様な混濁し「……?」
男が目を覚ますと、辺り一面を黄色の花が染めていた。
「うッ!」
眠りから覚めたばかりの様な混濁した意識に急速に記憶がなだれ込む。
「あなたの細胞をリプログラミングしました。適合者じゃなくなったあなたはもう変身できない。」
「それじゃゲームは終われないんだよ。」
「敗者には敗者に相応しい、『エンディング』ってもんがあんだろ?」
「嫌だァァァ!!!死にたくない!!!!!」
「そんじゃ、『仮面ライダークロニクル』は貰ってくぜ。」
「私の夢はァ!!!!不滅だァァァ!!!!」
「あの時私は確かに消滅したはず…」
だが、そんな事は今の彼のにとっては些細なは事だった。
ここに確かに、体と思考、そして神の才能を持った存在がいるのだ。
どの様な形であれ自身は死んでおらず、この世界に対する神の才能の損失は無かったことになった。この覆りようの無い事実こそが、今の彼の全てだった。
「ハハ……ハハハハハ……ヴァーハハハハハハ!!!!!やはり私はァ……不滅だァァァァ!!!」
ひとしきり叫び終わった後、「檀黎斗」は唸る様に呟いた。
「どこだァ……ここはァ……?」
復活した事はさておき、兎にも角にもここでただぼんやりとしているだけでは何も進まない。
黎斗は黄色のベッドから離れ、辺りを少し探索してみる事にした。
数分後―
見つかったモノは奥に続く道が一本、加えてどういうわけか自分の傍らに転がっていたゲーマドライバーとキメワザスロットホルダーの一式とプロトマイティアクションXガシャット、そして。
「『Determination』?」
『Determination』というタイトルらしき文字と真っ赤なハートを抱えた中性的な子供がラベル部分に描かれたその黒いガシャットは、黎斗には一切の覚えがないものだった。
「……不正なガシャットか。」
苦々しい記憶と共に黎斗の中にふつふつと怒り
が込み上げてくる。
『マイティブラザーズXX』、『ジュージューバーガー』、『マキシマムマイティX』。
いずれもゲームマスターである自らの許可なく勝手に作られたガシャットであり、その存在を黎斗が快く思ったことは一度たりとも無かった。剰え『マキシマムマイティX』に目覚める直前に大敗を喫していた事が、この怒りの感情に拍車をかける。
―ガシャットは私が生み出した、私にしか作れないものだ。
何度も、何度も心の中で唱え続けてきた黎斗の言葉が心でこだまする。
一刻も早くこの不正なガシャットを作った者を見つけ出さなければ。
黎斗が決意したその時。
« ガシャット!»
『Determination』のガシャットがひとりでにゲーマドライバーに刺さり、
« ガッシューン…»
抜けた。
「は?」
流石の黎斗にも理解が及ばず、思わず声が出てしまった。
ひとりでにガシャットが動き出し、変身すらさせずに勝手に刺さって抜ける。未だ嘗てこんな事は無かったのだから。
『Determination』、「決意」。
たった今、決意を抱いた事に呼応してこの不正なガシャットが動きを示したのであれば、
そんな物はこれまで作ったことが無い。
「…面白い、この私の神の才能を刺激するとはァ……最も、中身はクズの様なゲームだろうがな!」
神の好奇心が目指す先は唯一つ、この空間からさ奥へと続く一本道へ。
一本道を抜けると、再び比較的大きな空洞に出た。
と、徐に声が聞こえてくる。
「やぁ!僕はflowey。お花のfloweyさ!」
「誰だ…?何処から話している…?」
「だから僕はお花のfloweyさ!君の真下にいるよ!それはさておき、見た所君はこの地下世界の新入りかな?」
「地下世界…?何の話だい?」
にこやかな笑みを浮かべながら黎斗は目の前の小さな黄色い花に話しかける。
奇妙な事をしているという自覚はあったが、不思議と違和感は無かった。
「なるほど、君はここについて詳しくないし困っていると見える…。」
別に困ってはいないのだが、と思いつつも詳しくないのは事実である上、もし教えてくれるのであれば悪くはない話だ。
……だが、どこか嘘臭い。
他者を騙し続けたからこそ分かる、同類の匂い。親切心を装って近付き、自らの計画の駒にする。そんな嘗ての自分の姿が何処か重なって見えたような気がした。
であれば、取る行動はただ一つ。
この花が言う事、行う事は信用しないに限る。
「ここでは僕が先輩だから、教えてあげるよ!準備はいいね?」
「ああ。」
何が起こるかわからない以上、自らを守ってくれるのは仮面ライダーとしての能力のみ。いざと言う時の為、黎斗はゲーマドライバーとガシャットに手をかけた。
だが、返ってきたのは予想を上回る言葉だった。
「今から君にLoVeを分けてあげるから、ちゃんと全部受け取ってね!」
LoVe、ラヴ、愛。思考が止まる。
それを愛と呼ぶのであれば、生まれてからただ一人にだけ捧げた感情。
その彼女がもうこの世にいない今、自らの愛を自らの才能にのみ向ける黎斗に最早それを受け取る必要はなかった。
「どうしたのさ?急に固まって。」
「…フフフッ。」
口角がつり上がる。可笑しくて堪らない。
「な、何がおかしいのさ!」
「悪いがそれを受け取る気はナァイ……。」
「な、何言ってんの!?君は愛されたくないの?」
「私のクリエイティブな時間を邪魔されてしまうからなぁ……。私の神の才能を発揮させない事こそが罪だァ…!」
「……あっそ。じゃ、死ね。」
刹那、黎斗の周りを取り囲むように真っ白な種が現れる。大方、これをLoVeと偽ってダメージを与えるつもりだったのだろう。
「本性を現したようだなァ……なら私も容赦はしない……。グレード1、変身。」
« マイティアクションエーーックス!!»
« ガシャット!»
« レッツゲーム!ムッチャゲーム!メッチャゲーム!ワッチャネーム!?»
« アイムアカメンライダァ…!»
その声と共に現れたのは―
「あっははは!何それ!?そんなんで生き残れると思ってんの!?」
まるで「ずんぐりむっくり」という言葉を当てはめる為に生まれてきたような、何とも形容のし難い人型のナニカだった。
「どうやらこの世界でも変身はできるようだな…であればあのガシャットやアレも開発さえすれば…。」
floweyの言葉など全く耳に入らない黎斗の脳裏をパールホワイトのガシャットが過ぎる。
「だが先ずはこの花だァ…色々と聞きたいこともあるからなァ……。」
黎斗はマスクのなかで笑みを浮かべる。
幸いな事はその顔がマスクで隠されていたことだろう。
「いいか?この世界はやるか、やられるかなんだよ!」
その声と共に黎斗を囲っていた種の輪がどんどん迫ってくる。
「フッ…ゲンムの力、思い知れ!ハアッ!」
そう叫び、黎斗は自身を取り囲んでいたサークルを悠々と飛び越え、一気にfloweyとの間合いを詰める。
想定外の軌道を描いて自らに迫る巨大な人型の物体にfloweyは衝撃を受け、硬直。それが仇となった。
「ハッハァ!取ったァ!」
そう勝ち誇る黎斗、もといゲンムの手にはしっかりと黄色の花が掴まれていた。
「さて…何から聞こうか…?」
See you Next Game?
檀黎斗とUndertaleって親和性高くない…?いや高いわ!と思って一気に書きました。お楽しみ頂けたでしょうか?
塵になって消えちゃうモンスターはどこかバグスターの消滅と似たところを感じるし、セーブやコンテニューが根幹に関わってきたり、エグゼイドと絡められそうな展開が多かったのでこんなん書くしかないやろ!と筆を執った次第です。
地下世界での檀黎斗は何を成して、何を残すのか。
是非お楽しみくださいまし。
(ところでめちゃくちゃ檀黎斗って書くの難しいんですね…喋り方が特に…。)