盗賊団のにゃんこ娘   作:名無しの旅人

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短いけどちょっとだけ続いたんじゃ。


上げて落とされる

「ったく、予定外にも程があるぜ。」

 

「も、申し訳ございません……。」

 

私、只今抱っこされてます。盗賊の首領に。

事の経緯はこうだ。

 

 

口頭での契約ではあるが、隷属が決まってさぁ移動となった時である。私の腹の虫が盛大に鳴きやがりました。それはもう周りにいた盗賊団全員(8人)に聴こえるほどに。

そういえば今日丸々一日何も食べてないんだよね……。朝一で拉致られてあれよあれよと現在に至る訳だし。

 

で。流石に恥ずかしいので急いで取り繕おうとしたんだけど、身体に力が入らず倒れてしまったのだ。

咄嗟に新たなご主人様(盗賊首領)が抱きとめてくれて怪我はしなかったけど、自分の足で歩くのはどうにも出来そうになかった。

 

そんなこんなで抱っこされました。最初は背負おうとしてたけど、私の一部分を見て抱き抱えることにしたらしい。意外と初心かこの人。あ、姫抱っこじゃないよ?

 

「まぁいい。話は出来るな?」

 

「は、はい…!」

 

「よし、ならウチでの今後のお前の事について先に話しとく。二度は言わねぇ、一度で覚えろ。()は愚図に容赦はしない主義なんでな。」

 

なんですとっ!空腹で思考能力が鈍ってる所に何と非道なっ!頼むから数が少なくなりますように…!

 

 

※※※

 

 

あはは。この世に頼みを聞いてくれる存在なんて無かったんです。多分今の私は顔色が真っ青を通り越してるだろう。なんなのさあの注意事項。

覚えなくていいこと(どうでもいいこと)9割、重要な事1割位の配分なのに、話す順番が酷すぎて覚えなきゃいけない事の半分も記憶出来なかった。

 

と、とりあえず覚えてる事をおさらいしよう。

 

一つ、団の意向に逆らわない。

一つ、家事担当団員のバックアップ。

一つ、寝顔を見せない。

一つ、団員のことはコードネームで呼ぶ。

一つ、許可範囲以外に立ち入らない。

一つ、首領の命令は絶対。

一つ、食事の号令以外、首領の前での発言禁止。

 

んん、意外と覚えてる!良くやった私の脳細胞!

まぁ確か後3つ位あった気がするけど、もうどうにもできない。そこは諦めよう。しかし、だ…!

 

家事の手伝いだと…っ!残念美人のこの私にっ!

 

「あぁそうだ、最後に。」

 

絶望に打ちひしがれていた私だけど、急にご主人様が立ち止まって地面に降ろされた。

 

「ようこそ、我が盗賊団『スカウンドレル』(ならず者)へ。」

 

おっと。まさか歓迎されるとは思ってなかった。予想外の展開に鳩が豆鉄砲喰らったみたいな顔をしていると、頭を優しく撫でられた。

……奴隷、なんだよね、私?

もしかして、根は良い人…なのかな?

何だか心がホッコリしてきて、頭を撫でてた手を掴んで握手した。そして精一杯の笑顔を浮かべて。

 

「よろしく、お願い致します!」

 

 

 

 

 

あ、あれ?なんでご主人様以外の皆は顔に手を当ててるの?なんか、憐れなものを見る目なんだけど……。

ご主人様はといえば――

 

「っ!?」

 

めっちゃスマイル…!これ以上ないくらい、私の猫人としての本能が危険を訴えてくる…!

 

「発言は禁止、だったよな?」

 

握手していた手をそのまま引っ張られ、再び抱き抱えられてしまった。

 

「言いつけを守れない駄目な奴隷には、キツい仕置きが必要だな。」

 

言葉の内容とは裏腹に、口調はウキウキしていた。ご主人様の顔を見てみると、その顔はイタズラが成功した子どもみたいだった。

ま、まさかこの人……!初めからこれを狙って!

ということはあのごちゃ混ぜ注意事項も!?

 

優しい良い人なんかじゃ無かった!この人、とんでもないドSだぁっ!

 

 

 

あ、ご飯はきちんと貰えましたよ。(遠い目)




仕置き内容?
耳でもモフられたんじゃないかな(適当)
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