狩りの夜、狩人は何を想う   作:naapatbx

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 いつの間にか、この小説が評価していただけていました。しかも星10。誰か鎮静剤を分けてください、嬉しすぎて発狂しそうです (゚q。) ああああああああ ブシャー


第4話 2人の助言者

「失せろ、失せろおっ!」

 

 獣になりかけている市民が斧を振り上げ、こちらに迫ってくる。しかし、その行動自体は緩慢ででたらめだ。ぎりぎりまで攻撃を引きつけ、斧の振り下ろしをステップで斜め前へと回避しつつ後ろへと回り込み、鞭を杖に変形させながら相手の背を突く。

 勢いをそのまま杖に乗せた突きに市民は耐え切れず、杖はそのまま腹を貫く。

 

「お前の・・・せいだ・・・」

 

 そこまで言いきり、市民が事切れる。死んだことを確認したところで、腹から杖を引き抜いて血肉を振り落とす。血の意思が体の中に流れ込んでくる感覚の中で、とあることを考える。

 

 

「同じようなことばかり・・・もしかしなくても、正気も無くなっているのか」

 

 先ほどの獣になりかけていた市民は、同じようなことばかりわめき散らしていたからだ。そして、戦い方もどこか人間的ではないようなものだった。武器を振るうにしても、少なくとも狩人初心者の自分よりもお粗末で、行動の1つ1つが先読みしやすかったのだ。

 

 

「・・・これからの方針としては、獣と獣になりかけの市民・・・『獣市民』とでも呼ぶか。それらの狩りかな」

 

 元は人であったであろう獣市民を狩るのはどうなのだろうかと一瞬悩んだが、あの姿を見て、まだあれが人間だと言える者のほうが少ないだろう。実際、自分も言えない。あれはどうみても獣が二足歩行しているだけだ。

 

 それに、あれからさらに獣度が増して強くなることもあるかもしれない。そう考えると、危険となりうる芽を早めに潰すという意味では正しい判断だとは思う。・・・多分。

 

 

「後で怒られたりしないかな・・・って何これ、レバー?」

 

 そこまで考えていると、凄く気になるものを発見する。引いてくださいと言わんばかりに、市街の風景に似つかない大型のレバーが置いてある。すごく罠っぽい。

 

「・・・これ、罠っぽいけど引いちゃえ!」

 

 流石にこのような場所で大爆発するようなトラップはないだろう。それだけ考えると速攻でレバーを引きに行く。少し錆びているようで硬かったが、引けないレベルではなかった。体重を掛けて踏ん張ると、レバーを引ききることができた。

 

 すると、頭上から梯子が下りてきた。恐らく、梯子を下ろすための仕掛けだったのだろう。勝手に下ろして大丈夫なのかという不安もあったが、その時はその時。のらりくらりでもまあ大丈夫だろう。

 

「・・・今更だけど、もともとこういう人種でしたっていうのは無しの方向で考えるか」

 

 そのようなことを考えていたらキリがなさそうなので、とりあえず声を掛けて、殺意を向けられたら狩る。という考えで行くことにした。悲しいことに、彼は考えることが苦手だった・・・。

 

 

 頭上から下りてきた梯子を上りながら、これからの予定を考える。輸血液や血の意思の技法などの使い方はまだいまいち掴めていないし、一旦夢に戻って復習し直すか、それとも行けるところまで進んで、新しい情報が入ってから夢に「キオオオオオォォォォォォォォォォォォォ・・・」・・・

 

「い、今のは俺の普段使われていない上腕二頭筋が悲鳴を上げただけだから・・・決して、あんな大きな鳴き声を出せるほどの大きな獣がいるなんてことはないから絶対にないから」

 

 上腕二頭筋は遠くの大橋から甲高い(かんだかい)悲鳴(鳴き声)をあげたりはしない。ちなみに狩人の体は震えていた。きっと、上腕二頭筋が悲鳴を上げたからだろう、本人が言うのだから間違いない。

 

 

 悲鳴をあげた上腕二頭筋に気を配りながら梯子を上りきったところで、丁度よく灯り(ともり)を見つけられた。見た目としては、少しの装飾が施された鉄の棒を地面に突き刺して、その棒の先端に鐘とランタンをぶら下げているような見た目をしている。思っていたよりもすごく簡素だ。

 

 ちなみに利用するには、このランタンに火を点ければらしい。火と言っても、物理的に着火するのではなく、上の鐘を鳴らせばいいのだとか。どういう原理なのだろうか・・・

 

 鐘を鳴らしてランタンに火を点ける。鐘の音は澄んで、それでいて普通の鐘のような高い音ではない、小気味いい音だった。言葉では言い表せないが、とにかくいい音だ。そして、灯りの点火を合図に地面から使者たちが生えてくる。・・・なんか4体に増えてる気がする。

 

 

 そこで帰ろうとしたところで、すぐ目の前の家から誰かが咳き込むような音が聞こえた。話しかけたらすぐに殺意を向けられた前例があったが、それでも一応話しかけてみることにした。

 

「すいません、こんばんは」

 

「え・・・あぁ、獣狩りの方ですね」

 

 よかった、今度は友好的な感じの住民だ。声の感じからして、30台前後の男性のようだ。声が掠れているように聞こえるのは、きっと長い間咳き込んでいるからだろう。

 

「それに・・・どうやら、外からの方のようだ。・・・私はギルバート。あなたと同じ、よそ者です」

 

 外から?つまり、自分は異国の人間なのだろうか。そこら辺は記憶が無いのだから分からないけれど。と、そこまできて、1つ問題を思い出す。自分の名前を名乗れないのだ。しかし、あまり考えていると怪しまれてしまう。

 

「私は・・・皆から狩人と呼ばれている者です。まあ、お好きなようにお呼びください」

 

 うん、嘘はついていないな。職業名で自己紹介する人だって1人や2人はいてもいいだろう・・・多分。

 

 

「そうですか・・・狩人さん、色々とご苦労でしょう。この街の住人は、皆・・・陰気ですから」

 

 陰気が一周回って殺意に変わっていたような気がしたが、きっと気のせいではないのだろう。先ほど出合った獣市民に、まだ理性があったのであればの話だが。

 

「私は床に伏せり、もう立つこともままなりませんが・・・それでもお役にたてることがあれば、言ってください」

 

 そこまで言うと、ギルバートさんは咳き込んでしまう。というか、ギルバートさん滅茶苦茶いい人すぎる気が・・・

 

 

「実は、この街にとあるものを探しにきまして・・・」

 

 とにかく今は情報が欲しかった。この街に住んでいるような人ならば、名前くらいは聞いたことがあるのではないかと思ったのだ。

 

「・・・この街は呪われています。あなた、事情もおありでしょうが、できるだけはやく離れた方がいい。この街で何を得ようとも、私には、それが人に良いものとは思えません・・・」

 

 言われてみれば、確かにそうかもしれない。そもそも、『狩り』を全うするために『血』を探して手に入れろってどういうことだよ。あと、あの走り書きを書いたの誰だよ、直接教えてくれよ。

 

 

 ・・・などと考えていても話が進まないので、とりあえず『青ざめた血』について尋ねることにした。

 

「『青ざめた血』ですか?うーん・・・すみませんが、聞いたことはありません」

 

 さすがにギルバートさんも知らないようだ。まあ、家の中に篭っている病人が知っているようなことであれば、誰に聞いても知っていると答えが返ってくるだろう。

 

「けれど、それが特別な血であれば、訪ねるべきは医療教会でしょう。医療教会は、血の医療と、その特別な血の知識を独占していますからね」

 

 なんだか、すごく有益な情報を聞けた気がする。つまり、医療教会もしくはその近辺に行けば、特別な血についての情報がさらに集められるようだ。その中に『青ざめた血』についての直接的な情報は無いかもしれないが、それでも行く価値はありそうである。何より、血の知識を独占している辺りが怪しすぎる。好奇心が疼く。

 

 

「あー・・・ところで、その医療教会とやらには、どうやって行けばいいのでしょうか」

 

 医療教会に向かうことは決定したが、ルートが分からない。流石にそれだとまずいので、道も一緒に尋ねることに。

 

「そうですね・・・ここ、ヤーナムの市街から谷を挟んだ東側に、聖堂街と呼ばれる医療協会の街があります。そして、聖堂街の最深部には古い大聖堂があり・・・そこに、医療教会の血の源があるという・・・噂です」

 

 そこまで言うと、ギルバートさんは再び咳き込んでしまう。ふと思ったのだが、血の源があるというのは、どういうことだろうか。血の医療を始めるきっかけでもあるのか、それとも特別な血そのものに関するものがあったりするのだろうか。

 

 ・・・今更だが、この街の名前は『ヤーナム』というらしい。本当に今更だが。

 

 

 そのようなことを考えているうちにギルバートさんの咳が落ち着いてきたようで、再び話を始める。

 

「ヤーナムの街は、よそ者に何も明かしません。常であれば、あなたが近付くことも叶わないでしょうが・・・獣狩りの夜です。むしろ、好機なのかもしれませんよ・・・」

 

 また新しい単語が聞こえた気がした。『獣狩りの夜』というのもなんぞや。まさか、先ほど倒したような4足の獣や獣市民を狩るような異常事態が毎晩のように行われているわけではあるまい。しかし、恒例行事のようなものであることには間違いなさそうだ。

 

 

「ありがとうございました、とりあえず私は聖堂街とやらを目指すことにします。お体のほう、お大事になさってください」

 

「ええ、探し物が見つかるよう祈っております・・・ごほっ、ごほっ、ごほっ」

 

 

 ギルバートさんに挨拶を済ませた後、一旦狩人の夢に戻ることに。情報の整理と、上腕二頭筋を休ませなければいけない。そう、上腕二頭筋を・・・そう考えながら灯りに手を伸ばし、意識を狩人の夢へと集中させる。

 

 

 

 ・・・本当に狩人の夢に戻ることができてしまった。すごいな、灯り。そんなことを考えていると、とあることに気がつく。

 

「扉が・・・開いている?」

 

 以前訪れたときには硬く閉ざされていた扉が開いていたのだ。家の主が帰ってきたのだろうか。ともかく、何か情報が聞けないものかと期待しながら大きな家へと向かう。

 

 

 階段を上り、家の中へと入る。家の中、右の壁際には何かの作業台と巨大な箱、そして本棚とそれに入りきらなかった本が山積みになっており、左の壁際には机に再び本棚と山積みの本。さらには扉が備え付けてあり、そちらからも外に繋がっていた。そして奥には簡素な祭壇のようなものが見える。必要最低限の生活設備が1つも見当たらないが、大丈夫なのだろうか。

 

 などと考えていると、家主らしき人物を発見する。車椅子に座った男性のようで、手には杖を持っている。足が不自由なのかと思いよく見ると、右足が簡素な義足のようだ。山の部分が潰れたポーラーハットを被っており、さらに俯いているので顔がよく見えないが、手甲の皺と帽子からはみ出た白髪から、かなりのご老体のようだ。

 

 

「やあ、君が新しい狩人かね」

 

 余計なことを考えていたら、先に挨拶されてしまった。うぅむ、これは不覚。

 

「どうも・・・えっと、名前不詳の狩人です」

 

「面白い自己紹介だね、気に入ったよ。ようこそ、狩人の夢に。ただ一時(いっとき)とて、ここが君の『家』になる」

 

 自己紹介は失敗してしまったようだ。やはり、今からでも新しく名前を考えるべきか。

 

 

「私は・・・・・・ゲールマン。君たち狩人の、助言者だ」

 

 このご老体・・・ゲールマンの名前を聞いたとき、自分の体の中に違和感が生まれたことに気がついた。何故だかは知らない、どうしてだか分からない。だが確かに、はっきりと感じたのだ。

 

    記憶を失ったはずの自身の体の奥底で、血が騒ぎ、滾った感覚を





 NPCの会話とか、家の細部とかを書こうとして新キャラを作ってヤーナムの地に赴いたつもりだったのだけれど、いつの間にか冒涜アメンと遊んでいた・・・一体何故だろう

 投稿が遅れたのも語彙力が足りないのも、全部上位者って奴の仕業なんだ。
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