狩りの夜、狩人は何を想う   作:naapatbx

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 リマスター版に備えて、感覚を取り戻すためにSL1カンストのデータをつくったり、低レベルで侵入してぬくもりをぶつけたり、3デブを回したりしていたら遅れてしまいました。

 久しぶりにロードランやロスリックの地に赴くのもなかなかどうして面白い


第5話 学習と目標

 ゲールマンさんの話をまとめると、とりあえず獣を狩っていればいい。ここは狩人の工房でもある。ここにあるものは何でも自由に使っていい。とのことだった。・・・人形も使っていいと言われたが、性処理にでも使うのか。それとも、まさか人形遊びをするわけではないだろうし。

 

 

 ちなみに現在は、その人形の横に座って手帳を読み直している。人形について、何か書かれているかもしれないかと思ったのだが、それといったことは特になさそうであった。

 

「しかし、こうして見るとなかなか美形だな・・・すっげぇ肌白いし球体関節だけど」

 

 最初はうち捨てられていたかのように思えたのだが、改めて見直すと埃を被っている様な事は無く、細部まで綺麗に手入れがされていたようだ。どうして外に放り出されているのかはよく分からないが。

 

 そのようなことを考えていると、使者たちが出てくる。今回は、メモの切れ端のようなものを持ってきたようだ。

 

「何それ、俺に?」

 

 そう訊ねると、使者たちは頷く。それを確認し、使者たちからメモの切れ端を受け取る。メモには、こう書かれていた。

 

 

     『忌々しい悪夢に囚われ、だが逃れたければ

          獣の病蔓延の原因を潰せ。さもなくば、夜はずっと明けない』

 

 

「・・・えっとつまり、今までのことをまとめるとこういうことか?」

 

 『狩りを全うする』ことや『悪夢から逃れる』ために『獣を狩り続け』、『青ざめた血』を手に入れることが出来れば『獣の病蔓延の原因をぶっ潰せる』かもしれない。そうしなければ、『夜は明けない』。

 

「なるほど、分からん」

 

 ちんぷんかんぷんだった。しかもどこか、何かが間違っている気もする。考えるのはどうしても苦手だ・・・。メモの切れ端に書かれていた一文を手帳に書き込む。そして、再び手帳の読み直しの作業に戻った。

 

 

「お、あったあった。『輸血液とリゲインについて』。」

 

『輸血液とリゲインについて

 ・狩人とはいえ、『血』と『生きようとする意思』がなければ死んでしまうぞ!

 ・輸血液は医療教会がヤーナム市民相手にゴミのようにばら撒いているから、そこらじゅうで拾えるぞ!

 ・輸血液を取り込むことで、血と生きようとする意思を得られるぞ!取り込み方は、体内に入ればどんな方法でもいいぞ!

 ・リゲインとは、相手の攻撃で失ってしまった血と生きようとする意思を、相手の血を浴びることで補うことを言うんだ!

 ・リゲインも万能じゃない。じわじわと意思を削られるようなことがあれば、意思は完全には回復しきれないぞ!

 ・輸血液とリゲインを上手く使いこなして、れっつ獣狩り♪』

 

 

「・・・なんか、この手帳ってすごいコミカルな感じにまとめられているよな」

 

 ちなみに、端のほうに顔文字や挿絵なども描かれている。字体が性別を判断しづらい雰囲気なのもあって、個人的に軽くホラーだった。それでも、分かりやすくまとめられているとは思うが・・・

 

 

 そのようなことを考えながら、病院で拾った輸血液と思わしきものを血の意思の技法で取り出す。今はイメージしやすいためポケットからしか取り出せないが、いつかはどこからでも取り出せるようになれるだろうか。

 

「輸血液は・・・瓶に入れられてるし、飲めばいいのか?それとも、普通に注射とかで直接入れるのか・・・」

 

 輸血液の入った瓶は手のひらの中に納まるほどの小さなもので、コルクの栓をされている。見る限りでは飲む以外に輸血する方法がなさそうなのだが、流石にその方法はどうかとも思う。

 

「手帳には、『体内に入ればどんな方法でもいい』って書いてあるけど・・・どうすればいいんだよ」

 

 詳しい使い方は分からないままだったが、とりあえずは飲んで使うことにした。実戦で使ってみて、使いにくかったり効果が微妙だった場合は、そのときに考えればいいだろうとの判断だ。悲しいことに、考えることは苦手だった・・・

 

 

 続いてリゲインについてだったが、『血』は分かるのだが『生きようとする意思』を補うというのはどういうことだろうか。まさか、血の意思を落とすのと同様に、精神力のようなものも失ったりするのだろうか。ともかく、この辺りも実戦で試してみるしかない。・・・不安だ。

 

 今更だが、獣狩りの斧がリゲイン量が多いのに対して、仕込み杖はリゲイン量が少ないらしい。確かに、攻撃を当てた際の相手の出血量は比べ物にならないだろうが、そもそもそんなに血を浴びるようなことはしたくない。内蔵攻撃もしたくない。できれば輸血液も飲みたくはない・・・

 

 

「はぁ・・・やるしかないか」

 

 まずは輸血液の飲用、続いてリゲイン、最後には内蔵攻撃まで慣れていくしかないのだろうと諦める。しかし、そこでとあることに気がつく。

 

「なんだか、俺の適応力が高すぎるような・・・」

 

 記憶を無くしたことに慌てもしたが、比較的すぐに受け入れられた。

 

 喰い殺された時には流石に嘔吐したが、発狂したりするようなことはなかった。

 

 武器の扱いにも、血の意思の技法にも、素人ながらもできるようになるまでに時間はかからなかった。

 

 4足の獣や獣市民を殺したときも、罪悪感などの感情はほとんど生まれなかった。

 

 今の輸血液やリゲインについても、慣れてしまおうと思っている。

 

 そう、様々なことに()()()事が早すぎるのだ。流石に異常だということは自分でも理解できた。

 

 

「なんだろう、以前も似たようなことをしていたとかなのか?いや、それにしてもこれは流石に・・・」

 

 記憶が無くなったとはいえ、体が覚えていると言うこともあり得るだろう。しかし、それでも死んだことや血の意思の技法については説明がつかない。

 

「まぁいいや。ひとまず、ヤーナム市街に戻ろうっと」

 

 そう言い、手帳に『自分の過去の記憶も取り戻したい』と、一筆(いっぴつ)してから立ち上がる。考えるよりも行動したほうがよさそうだと判断したためだ。・・・なんか、こんなのばっかりな気がする。

 

 

 

 意識が覚醒すると、そこはヤーナム市街のギルバート宅前の灯り。ちゃんと転送されたことを確認するために辺りを見渡す。後ろには上ってきた梯子、正面にはギルバート宅。向かって左側には裏から施錠された鉄格子の扉。右側には先へと進めそうな道がある。

 

 転送が成功したことを確認し、杖と銃を握りなおす。獣狩りの夜は、まだ始まったばかりだ・・・

 

 

 

 

 

「ああああああああ助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「失せろ、失せろ!」

 

「お前の脳みそを○○○○してやる!」

 

「この呪われた獣めぇ!」

 

 どうも、狩人です。現在、獣市民・・・もとい、()()()()に追いかけられています。何故こうなったのかと言うと、ギルバート宅から少し進んだ場所にいた市民と思わしき人に話しかけたところ、「獣がいたぞ!」みたいな感じで叫ばれて、仲間を呼ばれました。何故だ。

 

 

「あっあっあっ、あんなところにキャンプファイアーをしている猟友会の皆様が・・・」

 

 走ったり転げまわったりしながら獣の群衆から逃げているうちに、正面の大広間にて大型の獣を焼いていると思われる人達がいることに気がつく。

 

「獣だ!」

 

「呪われた獣だ!」

 

「ああああああああああ!!」

 

 獣の群衆が増えました。前から後ろから大量の群衆が押し寄せてくる、流石にこの状況はまずい。どこかに退避できないかと左右を確認すると、左側に大広間を抜けられそうな上り階段を見つける。そして、全速力で階段へと走る。

 

 階段を上りきったところで後ろを振り返る。獣の群衆はすぐ後ろ、階段手前にまで迫ってきている、急いで杖を鞭へと変形させ・・・

 

「って、あの数相手に戦って勝てるわけないだろ!」

 

 そう叫び、また振り返って全速力で逃げる。ちなみに群衆の数は、先ほどの大広間にいた数も合わさりざっと見て十数人はいる。あそこまで数が揃ってしまっては流石にどうしようもない。

 

 そんなことを考えると、背後から殺気を感じた。咄嗟に身をよじると、横っ腹を銃弾が掠める。

 

「危ねぇ!畜生、後で覚えとけよ!」

 

 そのようなことを叫び名がら階段を下り、噴水のある広間へと入る。そこには獣の群衆はおらず、さらに辺りを見渡しやすく逃げやすい。体勢を立て直すには丁度よい場所だった。

 

 噴水の近くまで行ったところで、数を相手にする場合は極力避け、どうしようもない場合はチャンスができるまで逃げ回ればいいのだ。と、手帳に書いてあったことを思い出す。流石にあの数はどうしようもないだろうが、確かに複数人を相手にするのはやめたほうがよさそうだ・・・

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ・・・って、あいつら追ってこねぇな」

 

 広間の中央辺りで群衆が来るのを待っていたのだが、誰1人としてこなかった。息を整えながらも周囲を警戒していたのだが、門の扉を叩いている頭のおかしい大男が少し離れた場所にいるだけで、他には特筆するようなことはなかった。

 

「相手にされていないのか、諦めてもらえたのか・・・まぁいいか。」

 

 そのようなことを呟き鞭を杖に変形させる。範囲で攻めるには鞭のほうがよいが、咄嗟の攻撃や1体1での戦いであれば杖のほうがよいと学習したのだ。ほんの少し前に。

 

 しかしそれが裏目に出たのか、変形させたときの音で扉を叩いていた大男が気づいてこちらを振り返ってしまった。

 

「・・・あら、ばれちゃいました?」

 

 大男の体長は2mほどだが横幅も広く、体格的にはゴリラのような大男が布と包帯を巻きつけただけにしか見えない。右手には人間の頭ほどの大きさの岩のようなものを持っており、獣っぽさは見えないが先ほどの行いを見る限りでは知性はほぼ無いに等しいだろう。

 

 

「えっと・・・こんばんは。いい夜でs「ウワァァァァァァァァ!」でっしょうねぇ!」

 

 挨拶を試みたところ、大男が大声を上げながらこちらに襲い掛かってきた。まともな人間はほとんどいないのだろうか。

 

 余計なことを考えていた間に大男が攻撃を仕掛けてくる。右手に持った岩で殴りかかってくるが、動きは単純で見極めやすい。ステップで懐へもぐりこみ、杖で横腹を殴る。しかし攻撃が浅かったのか感覚がないのか、あまり効いたような様子は見えない。

 

 

「でかくて硬いバカって感じか・・・簡単に体勢を崩せそうかな」

 

 ステップで相手の後ろ側へと回りこみながら対策を考える。動きが単純で力任せな動きしかできないのであれば、体勢を崩してからの攻撃が有効ではあるのだろう。そう考えると短銃を構え、相手の次の攻撃に備える。

 

「ウオォォォォォォォォォ!」

 

 再び大男が攻撃を仕掛けてくる。知性の欠片もないような、真正面からのショルダータックル。それに対しこちらは、バックステップをしながら水銀弾を大男の足へと撃つ。足に水銀弾が直撃した大男はバランスを崩し、そのままの勢いで派手に転倒し、うつ伏せのような状態になった。

 

「もらった!」

 

 転倒したことを確認したらステップで近付き、大男の喉下へ杖を突き刺す。多少の抵抗はあったが、大男はすぐに事切れ、自分の体の中に血の意思が流れ込んでくる。

 

 

「ふぅ。なんか、思ったよりも個々の戦闘力は高くないのかもな・・・」

 

 ふと、そんなことを考える。確かに獣の群衆は数こそ多いが、4足の今の大男を含め、まだ人の形を保っている獣であれば、行動を読みやすいでたらめな攻撃ばかり仕掛けてくるようなのだ。なので、最悪でも2人までなら同時に相手に出来そうな気がしてきた。

 

 

 そんなことを考えていると、血の意思ほどではないが、惹かれる()()があることに気がつく。それは、先ほどの大男が叩いていた扉の近くに落ちている人間の死体からきているようだ。

 

「この感じ、血の意思ではないよな・・・何だ?」

 

 すごく気になるので、()()を探すべく死体に近付く。死体は服装的に市民のもののようであったが、死んでからかなり時間がたっているようで、ところどころが腐敗しだしていた。

 

「死体独特の臭いが・・・この感じは、この鞄からか?」

 

 近付くと原因はすぐに分かった。死体が腰につけていた鞄に惹かれていたようだ。何か中に入っているのかもしれないので、鞄を外して噴水の辺りまで移動する。流石にあの臭いの中で物色なんてしたくなかった。

 

「死体の冒涜とか、そういうのにはならないだろうか・・・悪く思わないでくれよ」

 

 そんなことを呟きながら噴水に腰掛け、鞄の中身を確認していく。

 

 

「さて、鞄の中は・・・何これ、壷?」

 

 手のひらに収まるか収まらないかくらいの小さな壷が出てきた。中には水のようなものが入っているようで、しっかりと蓋がされていた。用途は分からないが、詳しい確認はまた後ほどにすることにした。

 

「続いて・・・火薬瓶?が3本ほど」

 

 こちらはある程度分かりやすかった。ガラス製のワインボトルのようなものに布で栓がしてあり、その布が少し長めに外に出ていた。恐らくは火炎瓶のようなものだろう、布に着火して投てきするタイプに違いない。

 

「他には・・・お、地図かな?これ」

 

 鞄の内ポケットから一枚の紙切れを発見する。紙切れを開くと、内容はこの街全体のある程度の地図のようだった。聖堂街へ行くには大橋を渡ればすぐのようで、その大橋もここからかなり近いようだ。

 

「後は・・・赤い結晶?」

 

 何やら赤い結晶のようなものがいくつか出てきた。見た目はスティック状で、長さと太さは手の小指ほどの大きさだ。何でできているかも分からないが、この鞄の中で一番強く惹かれるのはこの結晶のようなものだった。

 

「う~ん・・・とりあえず今は分からないし、一旦全部しまうか」

 

 詳しいことは狩人の夢に戻ってからでもよさそうだったので、血の意思の技法で鞄を収納する。流石にポケットには入らなかったので、胸に押し付けながら体の中に取り込むようなイメージをしながら収納した。一体どういう原理なのだろうか・・・

 

 

「さて、また先に進むか」

 

 その場で立ち上がり、気合いを入れなおす。色々あったように思えるが、まだヤーナム市街を抜けてすらいない。正面奥に大橋に繋がると思われる階段が見えるが、聖堂街へ辿り着くまで油断はできない。より一層警戒し、先へと進む。

 

 

 

 

 

「ああああああああ助けてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」

 

「失せろ、失せろ!」

 

「ばう、ばうばうばう!」

 

「グルルルァ!」

 

「この病気持ちのネズミめ!」

 

 どうも、狩人です。現在、獣市民・・・もとい、()()()()と犬に追いかけられています。何故だ・・・




 小説用に細かいところを書き換えたりしていますが、おおまかな流れは本編と同じです。

 今回拾った鞄については、夢に戻ったときに調べなおすのでその時に。
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