東方伝龍録〜Legend Dragon Recording〜 作:Kurokodai
霊夢たちは今、目の前の巨大な化け物に対立していた。
化け物は霊夢達を見つけた瞬間、膨大な量の弾幕を放ち始めた。
しかも、その全てが致命傷を負う可能性が高い程の威力であった。
幻想郷では、弾幕ごっこと呼ばれる対戦がある。
弾幕ごっこは、『人間でも、妖怪や神等と同等の強さを発揮する』もの。
つまりは、弱い人間でも、妖怪等に対抗する為に生み出された血を流さない決闘である。
また、弾幕ごっこは揉め事を解決法として、行われている
その為、幻想郷の住人は弾幕ごっこを一種の娯楽として行なっている。
しかし、この化け物が出した弾幕は、そんな『お遊び』の為にやっているものではなかった。
間違いなく、相手を殺す為に出している。
つまりこれは、幻想郷のルールを反していた。
見た感じで、どこかの妖怪かと思っている魔理沙であったが、霊夢は違っていた。
見た目では、化け物であるのだが、この時霊夢は僅かであるが、化け物の中で神力を感じていた。
しかも、邪神の様な邪悪なものではなく、れっきとした神であると。
その為、霊夢はこう考えた。
何らかしらの理由で、神聖な神であるものが、荒神になってしまったのではないのかと。
魔理沙「おい霊夢!こいつどうするんだよ!」
霊夢「兎に角、倒すのよ!」
魔理沙「そうだろうと思ったぜ!」
霊夢は迫り来る死の弾幕を避け続けながら、魔理沙に叫んだ。
同じく魔理沙も、死の弾幕を避け続け、霊夢に向かって叫んだ。
魔理沙は、手に一枚の紙を持ち、上に掲げる。
魔理沙「 魔符「スターダストレヴァリエ」!」
すると魔理沙の周りから、色鮮やかな星型の弾幕が現れ、一度魔理沙の方に引き寄せられると、そのままばら撒き始めた。
ばら撒かれた弾幕はそのまま化け物に当たった。
しかし、化け物は被弾しても、ダメージを受けた様な感じはしなかった。
すると、今度は化け物が何かを発動し出した。
と突然、化け物の横から巨大な金と銀の塊が現れた。
すると、金からは礫の様な形状の玉が全体にばら撒かれ、銀からは真空刃の様な玉が霊夢たちに目掛けて放ってきた。
霊夢達は普通に避けたが、銀の真空刃型の弾幕は、そのまま追跡を始めた。
魔理沙「うわっ!何だこの弾幕は!?」
霊夢「追跡型弾幕とはね!!」
弾幕から逃げようとも、徐々に近づいてくる弾幕。
霊夢たちは、前から来る礫型の弾幕を避けながら、追跡して来る真空刃から逃げていた。
魔理沙「この野郎!くらえ!」
霊夢「はっ!!」
霊夢たちは追跡してくる弾幕に迎え撃つ様に真空刃に向けて、弾幕を放った。
命中はしたものの、威力は下がらなかった。
ついに真空刃は霊夢たちの真後ろに迫ってきた。
と思っていたが、命中寸前で真空刃と礫の弾幕が一斉に消えてしまった。
どうやら、耐久性だったようだ。
霊夢たちは、反撃開始をし始めた。
魔理沙「行くぜ!彗星『ブレイジングスター』!」
魔理沙は再び、技を宣言する。
すると、魔理沙が光に包まれて、そのまま化け物に向けて、突撃し出した。
突撃でのダメージとブレイジングスターと共に出た弾幕により、さらにダメージを与えた。
すると、化け物は苦しそうな表情になっていた。
霊夢はこのチャンスを逃さないと思い、最大の一撃をお見舞いしようとする。
すると怪物は、また別の弾幕を発動した。
怪物の後ろに、木・火・土・金・水の五つの元素と中心に霊夢の陰陽玉と同じ、太極図が現れた。
それぞれの元素が繋がると、それぞれの元素から元素の色をした綺麗な弾幕がばら撒かれた。
霊夢は怪物が出された弾幕を避けながら、ついに大技を発動する。
霊夢「荒ぶる神よ、静まりなさい!霊符『夢想封印』!」
霊夢の周りに、色とりどりの大きな光弾が現れ、次々と怪物へとはなっていった。
そこで魔理沙も、同じ様に大技を発動した。
魔理沙「化け物め!これで終わりだ!恋符『マスタースパーク』!」
魔理沙は自身の道具『ミニ八卦炉』から虹色に輝く極大のレーザーを放ってきた。
霊夢の夢想封印、魔理沙のマスタースパーク、二人の持つ大技が怪物にヒットした。
すると、怪物はついに地面に伏せてしまった。
化け物「グアアアァァァッ……」
怪物は、倒れながらも雄叫びをあげていたが、徐々に小さくなっていき、ついに生き絶えてしまった。
霊夢たちは勝ったのだ。
幻想郷を滅ぼすかもしれない怪物に勝ったのだ。
魔理沙「……やったのか?」
霊夢「恐らくそうでしょうね」
すると、怪物の体が少しずつ溶け始めてきた。
溶けた体は、水が蒸発するかの様に消えていった。
そして、怪物の体は溶けきってしまった。
その中から、ロングコートが付いた白の神主の服を身につけて、頭にはハチマキと右には髪を上げた様な飾りをつけており、右目は太極図のついた眼帯の様な布で隠された少年が眠っている様に横たわっていた。
見た目では、まだ11歳ぐらいだと思われているが、霊夢はこの少年が神だと確信していた。
魔理沙「なっ何だ、こいつは?」
霊夢「恐らく、こいつがさっきの化け物……いや、荒神の正体ね」
魔理沙「はっ!?こいつが神なのか!?」
霊夢「恐らく、元はちゃんとした神様で、何かしらの理由でさっきの荒神になってしまったんだと思うわ」
そして、霊夢は少年の姿をした神を王子様抱っこで持ち上げて、養生のために、神社へと向かっていった。
霊夢「ところで、何であんたまで来るのよ?」
魔理沙「いいだろう別に」
続く