東方伝龍録〜Legend Dragon Recording〜   作:Kurokodai

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第三話 空想の御子神

怪物との戦いが終わった後、博麗神社に戻った霊夢は部屋の一つに敷布団を敷くと、連れてきた少年の姿をした神を横にした。

神は、未だに眠っており、何時起きるかは未だに分からなかった。

 

霊夢「この幻想郷では見たことのない人物ね」

魔理沙「と言う事は、こいつは外の世界から幻想入りしたって事になるのか」

霊夢「そう言う事になるわね」

 

幻想入りとは、本来常識と非常識を分断させ、現実から隔離している博麗大結界を、何らかしらの理由で外の世界から入って来た事を意味している。

此処の所、幻想郷では幻想入りする者は多かったが、そのほとんどが人間であった為、基本霊夢かとある妖怪(・・)によって外の世界に帰らせているか、妖怪によって食われてしまっている。

しかし、今目の前にいる者は、少年の見た目をしているが、この幻想郷にいる神と同じく神であった。

霊夢はそこに驚いていた。

今の外の世界では、妖怪や神は人々から忘れ去られた存在であり、もし幻想郷に来ずに信仰も恐れも無い外の世界に留まっていたら、妖怪や神は消滅してしまうのであった。

その為、今の妖怪や神は、外の世界にいる事は、殆ど無くなってしまった。

しかし、この幻想郷……いや、今まで異変の時に訪れた場所では、目の前の神を見たことがない。

一体何故、この神は今も存在続けられているのだろうか?

 

魔理沙「しかし、本当にこいつは神なのか?見た感じでは男巫みたいなんだが」

霊夢「間違いないわ。」

魔理沙「その根拠は?」

霊夢「勘よ」

魔理沙「やっぱり…」

 

?「うっ…」

 

すると、先ほどまで眠っていた筈の神が、意識を取り戻しだした。

 

?「んんっ……ここ…は……?」

 

神は体を寝かしたまま、左右見た。

 

?「ここ、僕が営んでいる神社ではないなぁ……」

魔理沙「やっと目が覚めたか」

霊夢「ようやくね」

?「!?」

 

神は声の発生源である下に顔を向けた。

そこで、紅白で脇が露出した巫女服を着た霊夢と白黒の服に三角帽を被った魔理沙がいた。

 

?「貴女方は一体…?」

霊夢「それはこっちのセリフよ。貴女此処らでは見ない顔をしているけど、もしかして外の世界から来たのかしら?」

 

すると、その神はきょとんとした顔で、霊夢たちを見た。

すぐに神は発言をした。

 

?「えっ?外の世界?いや、僕は普通にここ、空想界(・・・)の御子神をやっている『神幻(しんげん)零之亮(れいのすけ)』という者ですけれども……」

 

すると、霊夢は再び発言した。

 

霊夢「えっ?くうそうかい?何処よそこ?」

零之亮「いや、ここ空想界ですよね?」

魔理沙「何言ってるんだ?ここは『幻想郷』と呼ばれている場所だぜ?」

 

すると、神……零之亮は驚愕してしまった。

 

零之亮「!?ここって空想界ではないのですか!?」

霊夢「いいえ違うわ。ここは、外の世界から隔離され、妖怪たちにとっての最後の楽園と呼ばれている『幻想郷』よ」

 

零之亮「げっ、幻想郷……ですか?」

 

その後、霊夢たちは零之亮に幻想郷について説明した。

その説明を受けた零之亮は納得した。

 

零之亮「成る程……外界から忘れ去られた存在や物が最後に流れ着く場所ですか……」

霊夢「ま、そんな所よ」

 

すると、今度は魔理沙が問い始めた。

 

魔理沙「なぁ零之亮、お前が言っていた『空想界』ってどんな所なんだ?」

 

次に零之亮が空想界について説明しだした。

零之亮が住まう此処とは違う理想の国を……。

 

霊夢「へぇ、とある湖を入り口に作り出した零之亮達の理想郷ねぇ……」

魔理沙「それに、『魔法』と『科学』が両立している世界かぁ……普通なら有り得ない話だなぁ」

 

説明を終えると、二人は空想界に対して興味を持つようになった。

それもそうである。

この幻想郷は、「魔法」等の神秘的な力が溢れている世界であり、「科学」という物が存在しない。※河童の技術は存在する

しかし、零之亮はどうすれば元の国に帰るのか悩んでいた。

 

霊夢「そういえば、貴方はこれからどうするの?」

 

霊夢がその発言をしたため、零之亮はきちんと答えた。

 

零之亮「できれば、自分の世界に帰りたいのですが……どうすればいいのか分かりません」

 

すると、魔理沙はその答えになることを言い出した。

 

魔理沙「それなら、あのスキマ妖怪を見つけ出せばいいんじゃねぇか?あいつならスキマで零之亮の世界に返せそうだし」

霊夢「あら、その手があったね。それじゃ早速……」

 

しかし、その答えは零之亮の言葉で否定してしまった。

 

零之亮「それは無理だと思います。」

霊夢「あら、どうしてよ?」

零之亮「僕たちが住むその国は外界ともこの国とも少し違った世界で、その世界に行く方法は、たった一つ……僕の友が持つ力ではないと、僕の国には戻れないんです」

 

というわけで、今零之亮が自分の国に帰る手段は無いのであった。

 

魔理沙「うーん、それなら暫くはどうするんだよ?」

零之亮「そこが問題ですね……」

 

帰るまでの生活はどうすればいいのか悩む二人。

すると、いきなり霊夢が

 

霊夢「それなら、暫くはここに泊まってれば?」

魔理沙「おぉっ!その手があったn……へぁっ!?」

零之亮「えっ?」

魔理沙「おいおい!霊夢どうしたんだよ!?お前は人を絶対泊めない程、落ち潰れている筈だろう!」

霊夢「いいじゃないのよ。後どさくさに紛れて悪口言うんじゃないわよ」

 

貧乏でケチな霊夢が、この博麗神社の滞在を認めたのだった。

普通では、食費やら面倒やらで居座るのを嫌う筈であったが……。

 

零之亮「ここにいらっしゃってもよろしいのですか?」

霊夢「いいわよ。その代わり、貴方にも博麗神社の家業を手伝ってもらうわよ。いくら神様だからって、私はそんなに甘くはないわよ」

零之亮「あっ、それでしたら全然大丈夫ですよ。自分稼業はとても得意なので」

 

こうして、零之亮は元の世界に戻るまで、この博麗神社での滞在となった。

 

霊夢「(グフフフフフッ……この子を使えば、この博麗神社に参拝客が増えるわ♪)」

 

と同時に、霊夢に野心が芽生えたのであった。

 

 

続く

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