異世界から戻った俺は銀髪巫女になっていた   作:瀬戸こうへい

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揺れる日常

4月10日(月) 0週5日

 

 今日から授業が始まった。

 授業中はアリシアと念話で語らうのに最適の時間だったことを思い出して寂しさを感じてしまう。

 日常もまた変わっていく。

 この寂しさにもいつか慣れてしまうのだろうか。

 

 新しいクラスメイトとも話をした。

 蒼汰と付き合ってるのか聞かれたので否定したけど、どうやら、この噂は学校中に広がっているらしい。

 俺たちは何かと目立つ上に一緒に遊ぶことも多いから、仕方ないのかもしれないけど、なんでみんな色恋沙汰にしたがるのだろう?

 俺たちはただの幼馴染なのに……

 あ、いや、肉体関係はあるけど。

 今の二人の関係は何と言うのが適切なのだろうか。

 

 セックスする友人《フレンド》、略すとセフレ?

 なんだかセックスが目的の関係みたいで嫌だ。

 

 ……うん、やっぱり親友かな。

 俺と蒼汰は親友だ。それが一番しっくり来る。

 

 この普通じゃない関係も子供ができるまでのこと。

 それが終われば今まで通りの関係に戻れるはずだ。

 

 放課後はウィソ部に行った。

 俺と蒼汰と涼花はウィソで対戦、翡翠と優奈は紅茶を飲みながら宿題や勉強をする、いつも通りの部室。

 そうやって一時間ほど過ごしてから解散した。

 

 その後、俺は一度家に帰り、デニムのスカートとパーカーに着替えてからマンションの部屋に向かう。

 私服に着替えて来たことで、蒼汰が酷くがっかりしていた。

 

 制服でしてみたかったんだと。

 気持ちはわからないでもないけど……

 

 今日はする前にひとつ蒼汰にお願い事があった。

 精液を採取して、妊娠させることができるかの検査をさせて欲しいというものだ。

 これは、父さんのアドバイスで、郵送して検査するセットも用意してくれていた。さっき家に帰ったのもこれを持ってくるためだった。

 本当は採取前に何日か禁欲期間を設けておいた方が良いらしく、私が生理の間に採っておけば良かったのだけど、気づかなかったものは仕方ない。

 精子を調べるということは、男としての機能を疑うという訳で、蒼汰に不快な思いをさせるかと心配だったけど、蒼汰はすんなりと了承してくれた。

 

 ――ただし、ひとつだけ条件を付けられて。

 

「出すのはアリスにお願いしてもいいか?」

 

 ぐぅ……やむなし。

 

 他人の――に触れるというのは、なんとも複雑な気分だ。自分のときは当たり前に触っていたけど、硬いのに柔らかくて、独特で不思議な触り心地だよね、これって。

 ……懐かしいような、もう一生無縁でいたかったような。

 

 それにしても蒼汰のは大きい。

 自分の手が小さいから大きく感じるだけだと、なんとか自分を誤魔化してみたりしたけれど無理だった。

 どうしても敗北感を覚えてしまうのは、僅かばかり残っている男のプライドが刺激されたからなのだろうか。

 

 そんな風に現実逃避していたら蒼汰に催促された。

 幸いどうすればいいかは解っていたので、行為自体はそれほど難しいことではなかった。状況を堪能しまくっている蒼汰に少しだけ腹が立ったくらいで。

 

 口でして欲しいとリクエストされたけど、そんなの無理に決まってるだろ!?

 何を考えてるんだ、蒼汰のやつ……

 

 少し時間が経過して、蒼汰からストップを掛けられた。だけど、状況を理解した私はむしろ勢いを強める。

 そして、無事紙コップに採取を完了した。

 蒼汰が少しうらめしそうにしていたけど、長く楽しみたいなんて要望に付き合う義理はない。

 気持ち良かったならいいじゃないか。

 私の手で与えられる快感に翻弄されて悶える蒼汰の姿を見て、少し優越感を覚えたのは事実だけれど。

 

 ――だけど、そのお返しは後でたっぷりされた。

 私の体で好き放題、じっくりたっぷり堪能されて。

 続けて二回も。

 

4月11日(火) 0週6日

 

 授業中、昨日蒼汰に出された精液が漏れてきた。

 こんなときのためにナプキンを着けているとはいえ、誰かに気づかれやしないかと周囲をきょろきょろと見回す。

 そんな様子はあまりに挙動不審だったようで、後で優奈に何をしているのと突っ込まれた。

 

 今日は部活が終わったら、そのままマンションに向かう。

 制服でという蒼汰のリクエストに応えたからではない。そもそも昨日着替えたのだって、家に帰る用事があったついでだし。

 

 でも、蒼汰はそうは思わなかったみたいで、部屋に入って直ぐに抱きつかれて、手がスカートの中に入って来た。

 

 ちょ!? 何考えているんだ、この馬鹿!?

 

 私は慌てて蒼汰を制止する。

 女の子の事情というものを少しは察して欲しい。

 ナプキンも外してないし、シャワーだって浴びたい。

 全力で拒絶して、やっとふりじゃないと気づいたらしく、蒼汰は体を離してくれた。そして、不機嫌な私に平謝りする。

 

 ……うん、謝罪するなら受けてあげます。

 

 それから、シャワーを浴びて一心地ついて。

 浴室から出た私は再び制服を着直した。

 

 結局、蒼汰の要望を拒絶できなかった。

 興奮すればするほど多く出るから協力して欲しいと言われると弱い。それが、体のいい口実だってことはわかっているんだけど……

 

 そのまま制服を着てしたけど、シワにならないように気を遣うし、汚れたらと思うと気が気ではなかった。

 普段学校で居るそのままの姿の私にいろいろした蒼汰は大層興奮したらしく。晩御飯に合わせて家に帰るまでの時間に三回連続でした。

 

 ……蒼汰の言う通りだったのが無性に悔しい。

 

 夜、家に帰って確かめたら、スカートの内側に染みができていた。外から見てもわからないだろうけど、臭ったりはしないだろうか……?

 あーもうっ! クリーニング代は払わせるからな。

 

4月12日(水) 1週0日

 

 今日のリクエストは体操着だった。

 学校指定の名前付きの白い上着に紺色のハーフパンツである。

 ……元々汚れてもいい服装だし、洗濯すればいいから気は楽かな、うん。

 

 一回戦を終えた後、蒼汰から言いにくそうに聞かれたのは翡翠とのことだった。

 

「日曜日に翡翠とその……ここでしたのか?」

 

「う、うん……その、翡翠とは恋人だし」

 

「マジか……」

 

 私から自分の妹との関係を聞いた蒼汰はショックを隠せないようで動揺していた。

 

「それで、どうだったんだ……?」

 

「あー、うん……すごかった」

 

 怖くなるくらいに。

 

「そうかぁ……ちなみに俺とするときよりも?」

 

「それは、その……」

 

 返答に困る。

 蒼汰との行為にも大分慣れて痛みこそ無くなってきたけれど、だからと言ってそれが気持ちよくなる訳でもない。

 

「翡翠との方が良いのか……?」

 

「……そんなの、比べられないよ」

 

 そもそも、翡翠と蒼汰とでは行為の性質が異なっていた。

 翡翠がしているのは私を気持ちよくさせるための行為で、蒼汰がしているのは蒼汰が気持ちよくなるための行為だった。

 

 蒼汰との行為は子供を宿すためのものだから、それで目的は果たせているし私的には問題ない。

 ……だからと言って、それをそのまま伝えるのは蒼汰に失礼だろう。

 

「女の体のことだから、同じ女である翡翠の方が慣れてるのは仕方ないと思うよ」

 

 でも、蒼汰は納得していないようだった。

 それからもなんだかぎくしゃくしてしまって、その後はもうセックスしなかった。

 ……一日一回していれば十分だろうけど。

 

 それにしても、私はどうするべきなのだろう。

 感じているふりをした方が良いのだろうか。

 

 だけど、蒼汰の女性に対する扱いが今のままというのも良くない気がする。将来蒼汰が付き合うようになった相手が、セックスが原因で別れてしまったとか聞いたら目覚めが悪い。

 

 だからと言って、女の扱いを体で教えるというのもなんだかなぁ……

 

 ほら、ここを優しく触って、とか言って導いて、自分を気持ちよくさせるように誘導する……のか?

 

 うーん、キツいなぁ……

 別に私は蒼汰に大切に扱われたい訳じゃないし。

 

 帰宅して優奈にこのことを相談してみたら、がっつり食いつかれて蒼汰とのことや翡翠とのことを根掘り葉掘り聞かれる羽目になった。

 

 興味本位とかじゃなくて真剣に聞いてくれていたのがわかるから、誤魔化すのもどうかと思って真剣に答えてしまった。

 

 結局直ぐに結論は出なかったけど、悩みを聞いて貰えただけでもすっきりしたから良かった。

 まぁ、最悪制服に頼ればなんとかなるだろう、多分。

 

4月13日(木) 1週1日

 

 放課後になっても、結局良い解決法は思いつかなかった。

 部活中、蒼汰とのやりとりもぎこちなくて。

 

 部活が終わり皆と別れてから、コンビニで時間を潰してマンションに向かうとエレベータの前でばったり蒼汰に遭遇してしまった。

 

「……よ、よう」

 

 周囲に人影はないし、わざわざ別れるのも不自然だ。

 エレベータの中の狭い空間の中での沈黙が気まずい。

 

 そして、二人で部屋に入ると中に思わぬ先客が居た。

 

「ゆ、優奈……? どうして……」

 

 それはさっき部室で別れたはずの優奈だった。

 

「二人のためにあたしが一肌脱いであげようと思ってね!」

 

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