異世界から戻った俺は銀髪巫女になっていた   作:瀬戸こうへい

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アリスのお勉強

 勉強を進めていく中で分かったのはアリシアの規格外の優秀さだった。

 全く知識の無い状態から、しばらく俺と優奈の会話を聞いて、幾つか質問をするだけで、文字式を含む計算問題とか、方程式を理解できるようになるなんて、いったいどんな頭の構造をしているのか。

 

「アリシア、あなたすごいわね……」

 

『そんなことないです、ユウナの教え方が上手なだけですよ』

 

「謙遜も過ぎると嫌味になるよ……一年でいろいろと忘れてしまってる。私、大丈夫なのかな……」

 

 俺の方は散々たる状態だった。一年全く勉強せず体を鍛えてた間に、方程式は異世界の彼方に吹き飛んでしまっていた。

 

「……今からアリスに教えなおすよりも、アリシアに最初から教えた方が早いかもしれないね」

 

 俺も薄々そんな気もしてたよ!?

 ……でも、

 

「それは、不正になっちゃうじゃないか……」

 

 アリシアに助けられて試験を受けるのはルール違反だろう。

 

『試練はちゃんと受けないと本人のためにならないのですよ?』

 

「……まあ、そうね。これから高校の範囲も勉強するのに中学の範囲が頭に入ってないと話にならないもの」

 

「……今日の勉強はこれくらいにしておきましょうか。明日から本格的にやっていくからね」

 

「……ありがとう……優奈……」

 

 なんだかんだで俺のために手間を尽くしてくれる優奈には感謝している。

 

「それじゃあ、次は身だしなみね! お湯入れといたから一緒にお風呂入るわよ。いろいろ教えてあげるから」

 

 ……は?

 

「……いや、いや、それはありえないでしょ。私と優奈が一緒にお風呂だなんて、いくらなんでも……」

 

「あのねぇ、アリス。あなたはもう女の子なんだから、女の裸にいちいち動揺するのはおかしいの。だから、まずはお姉ちゃんの私で慣れなさい」

 

「……いや……でもさ……」

 

「それに、どうせ男の頃のように大雑把に体洗ってるんでしょ? 昨日だってアリスってばカラスの行水だったじゃない」

 

「そ、それは……」

 

『幾人さん、ユウナの言う通りだと思いますよ……あきらめましょう?』

 

 ……やばい。このふたり確実に組んでやがる。昨晩何を打ち合わせやがりましたかね。

 俺はつい先日までやりたい盛りの男子高校生だったんだぞ。いくら妹だからといって女子高生の裸を意識するななんて難易度ベリーハードすぎんぞ!? そんなにすぐに割り切るだなんて無理だから!

 

 抵抗虚しく、俺は着替えを持って洗面所にいた。

 普通より広めに作られた洗面所だが、二人で着替える場所としてはやや狭い。俺は優奈を気にしながらゆっくりと服を脱いでいくが、優奈は堂々とした脱ぎっぷりで、早々に下着姿になった。

 優奈の下着は薄桃色でツヤツヤした素材の上下揃いで、刺繍の施された大人っぽいものだ。今日俺が買った綿の女児下着とは明らかに一線を画していた。

 優奈はそのまま流れるようにブラを外し、片膝を曲げてショーツを脱ぎ去った。

 そのまま脱いだ物を洗濯機に投げ入れて、洗面所の鏡に向き合うと、鏡越しに様子を盗み見ていた俺と視線が合う。

 

「どーよ、この私のプロポーションは! ……成長したでしょ?」

 

 優奈は俺の視線に気づいても恥じらうことなく、逆に見せびらかすように手を腰に当てて胸を張る。

 

『ユウナきれいです……』

 

 俺は黙って頷いてアリシアに同意する。

 正直なところ目が釘付けになっていた。

 堂々と晒された優奈の肢体は健康的な色気に満ちていて、俺の部屋の本棚の奥に隠された雑誌のヌードグラビアなんかよりもよっぽど綺麗だった。

 張られた胸の膨らみはなだらかに美しいカーブを描いており、その尖端にはツンと膨らんだぽっちりが存在を主張している。そこから腰にかけてのラインも芸術的な曲線で構成されている。股間にかけて生え揃った茂みは整えられていて、すっかり大人の女性といった印象だ。

 さらに、昨日修復した髪はカラスの濡羽色で、清楚系美少女っぷりを際立たせている。

 これが妹じゃなければ、俺のような童貞には刺激が強すぎて卒倒してたかもしれない。

 

「アリスも早く脱いでよね?」

 

 ぼうっと見ていた俺に優奈が急かす。

 

「いや、見られてると脱ぎにくいというか……優奈は先に入らないの?」

 

「だって、アリスの脱ぐところ見たいし……」

 

「……!? なっ、なっ……!?」

 

「アリスも私の脱ぐところじーっと見てたじゃない。お互い様でしょ?」

 

 そう言われるとぐぅの音も出ない。あれだけ見ておいて自分だけ見るなと言うのは通じないだろう。

 

 優奈の視線を感じながら一枚一枚脱いでいく。

 ニーソとスカートは既に脱いでいたので、ブラウスの右前のボタンを苦戦しながら外して、脱ぐ。

 それから、肩からキャミソールの紐を抜いて落とした。

 ハーフトップとショーツ姿になった俺は自分の姿を鏡に映してみた。

 かわいいと思えた上下揃いの下着も、先程の優奈と比べたらいかにもお子様といった風体だ。

 バンザイをしてハーフトップを脱ぐと優奈とは比較すべくもない慎ましやかな膨らみが顕になる。

 なるべく優奈の視線を意識しないように最後の下着を脱ぎ取った。

 再び鏡に向かい合う。

 なだらかな胸、緩急の少ない腰のライン、そして毛の一本もうかがうことのできない股間。とても、優奈より年上の体だとは思えない。同い年という設定上の年齢にすら見えるのかすら疑わしい。

 

 ……そんな自分の姿に思わず溜息が出てしまうのだった。

 

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