聖夜にに寂しく、更新します…
『行ってらっしゃーい!気をつけてねー!』
「うん、じゃあ…行ってきます!」
避難所の入り口まで見送りに来たシロクマと別れ、こまる達はシロクマに教えられた道に従って『塔和タワー』を目指して下水道を進んでいった。
「しっかし、マジでこれ使えんのかねえ…?俺ァ機械はからっきしだからよ、こーいう時にあの『妖精さん』が居てくれりゃあ良かったんだが…」
「馬鹿ね…ジャミングがかかってんのにどうやって『アレ』と連絡を取れって言うのよ?」
「あ…それもそうか」
「…『妖精さん』?」
「気にしなくていいわよ…どうせ知ったところでどうにもならないんだし」
「あ、うん…」
ホル・ホースが小脇にかかえた『無線機』について話しながら下水道を進むと、やがて突き当りに梯子を見つけた。
「あ、あそこから外に出られそうだよ!」
「ひ…久しぶりの地上ね…。太陽がアタシを呼んでるわ…!」
「普段日陰にばっか居るくせによ…」
ホル・ホースが先頭になり、3人は梯子を上って地上へと出る。しかし…
「や、やっと外に……ふぇッ!?」
「おいおい…また縁起でもねえトコに繋がってやがったなオイ」
下水道から出た先は、なんと『墓地』であった。朝方なので不気味な雰囲気こそないものの、それでも陰鬱な場所であることには変わりなかった。
「こ、ここ『墓地』だよ!?腐川さん!」
「…見りゃ分かるわよ。何今更ビービ―喚いてんのよ?今じゃ街そのものが墓場みたいなもんじゃない」
「だ、駄目だよ!私…昔から『霊感』が強くて…、こういうところにいると偶に『幻聴』っていうか…『何か』いるような気がするんだって!」
「ハッ…アホらし。何が『霊感』よ…と、言いたいけど…実際に『幽霊』に会ったことがある以上、頭ごなしに否定はしないけどね」
「…そういや『霊感が強い』って奴の中には偶に『スタンドを認知できる』奴が居る事が有るらしいな。嬢ちゃんもそうだったのか?」
「…う~ん。前々からお兄ちゃんの傍に『何かいる』ような気はしてたんだけど、怖かったしあんまり考えないようにしてたから…」
「…そんなこと今はどうでもいいでしょ」
「おお、それもそうだな。んじゃ、行くとすっか。…向こうに見えてるあのデカい建物…多分あれだろ?『塔和タワー』ってのはよ」
ホル・ホースが指差した先には、そう遠くない所にそびえ立つ古風な見た目ながらも『螺旋』のように捻じれている珍妙な造りのタワーが存在していた。
「あ…本当だ!きっとそうだよ!ねえ、腐川さん、ホル・ホースさん、早く行こう!」
「わ、分かったわよ…なによ、ガキみたいにはしゃいじゃってさ」
「まあ、仕方ねえじゃあねえか。やっとこさ見えた『希望』なんだ。むしろ前向きになった分良いことじゃあねえか?」
「…それが『裏目』に出た時が怖いのよ」
ぶつくさと文句を垂れる腐川とそれを宥めるホル・ホースを引き摺るように、こまる達は塔和タワーへと向かっていった。
塔和タワー付近の街並みは、今までの街並みとはうって変わって目がチカチカするほどに『カラフル』な建物ばかりであった。街の中心を流れる河も相まって、あちこちに死体や血糊さえなければどこかの映画やアニメに出てきそうなファンシーな街を、こまるたちは襲いくるモノクマを撃退しながら進んでいく。
「…ったく、ホントに気色の悪い街並みね。絶対に設計に『女子』が絡んでるわよ、それも自分の名前を『なんとか流』とか言ってファッション用語に入れるようなギャルみたいなのに決まってるわ…」
「そこまで言わなくても…」
「気にすんな嬢ちゃん、『持たざる者の嫉妬』って奴よ」
「そうなんですか…?」
「ち、違うわよッ!!」
どうにも気に入らないのか増々小言が多くなった腐川を宥めながら、3人は塔和タワーの前までやって来た。
タワーは、ざっと百数十メートルはあろう程に高く、近くで見ると古風な見た目でありながらも近代アートを思わせるかのようなその造りがより顕著に見て取れた。また、どうやら塔和シティにおける『観光地』の一つだったらしく、こまる達のいる駐車場には多くの『マイクロバス』が打ち棄てられており、所々に乗り捨てられたのであろう『自動車』も点在していた。
「はえぇ~…、すっごいおっきい…」
「おっと、それ以上はいけない」
「え?なんで?」
「嬢ちゃんがその言葉を言うと色々問題があるんだよ…『倫理的』にな」
「ひ、卑猥よヒワイッ!!」
「ええ…?」
「ま、まあとにかく……『ここまで』は問題なかったな」
「…ええ、そうね。『ここまで』はね」
「…?二人とも、それってどういう…」
そこまで言いかけて、こまるの口が動きを止める。その視線を辿れば、観光地でありがちなご当地キャラクターらしき『塔の身体をした天使』の顔の部分だけがくりぬかれたハリボテが立っており…
その顔の部分から『煙蛇太郎』がこちらを見ていた。
「うわあッ!!?」
「ん?どうしたのよこま…うひぃぃぃッ!!?あ、アンタはッ!?」
「あーあ…、見つかっちゃった。このパネル、自信があったんだけどなあ…」
「…テメエ、昨日の…確か、煙蛇太郎だったか?」
「へぇ、おじさん僕チンの名前なんかよく憶えてたね。最近は言子ちゃんにも忘れかけられてたから嬉しいなあ…!」
「あ、アンタ…何しに来たのよッ!?」
「何って…お姉ちゃんたちがここを目指してたからずっとここで待ってただけだよ?うう…微かな『希望』を目指してやって来たお姉ちゃんたちを待ち伏せするなんて、僕はなんて卑怯なんだろう…」
「ええッ!?」
「チッ…やっぱ先回りされてたか」
「…にしても、お姉ちゃんたちも『無駄』なことをするよね。『高い所』に行けば僕達から逃げられると思ったの?…甘いよ。そんなの言子ちゃんが大好きなお菓子より甘い考えだよ…。『オトナ』の癖に、そんなことも分からなかったの?」
「や、やかましいのよッ!」
「…こちとら、お前らみたいな『コドモ』とは潜った『場数』が違うんだよ。いつまでも俺たちがただ『狩られるだけ』だと思ってんじゃあねえぞ…!」
「…ほらね。本当の事を言われると『オトナ』は決まって大声で僕達を脅かすんだ。言い返しても勝てないから、いつも『オトナを嘗めるな!』とか言って怒るんだ。…でも、僕はそれでもいいけどねぇ!『怒る』ってことは、つまり僕チンの事が『嫌い』ってことなんだからね!」
「こ、コイツ…!」
「ふ、腐川さん落ち着いて!挑発に乗っちゃ駄目だよ!」
馬鹿にするような言動の蛇太郎に、腐川などは今にも喰ってかかりそうになるがこまるがそれを抑える。
「ねえ、嫌いになった?僕チンの事が嫌いになった?嫌いになってくれたら…皆を僕の『ジオラマ』に加えてあげるよ!『超小学生級の図工の時間』の腕によりをかけて、『魔王の妹』に相応しい力作にしてあげるよ!…やっちゃえ、皆―!」
『ヒャッホー!』
蛇太郎の呼びかけに呼応して、周囲に打ち棄てられていたバスの中から大量のモノクマが飛び出してきた。
「ひぃッ!?こ、こんなに沢山…!?」
「クソッタレ…!なんちゅう数だ…」
「皆―、バラバラにしちゃ駄目だよ?僕チン『裁縫』は苦手だから、元通りの形にする自信が無いんだよ~…」
「こ、コイツ…覚えときなさぁいッ!!……首洗って待ってろクソガキィィィッ!!」
闘いの輪から離れモノクマを応援する蛇太郎に啖呵を飛ばしながら、こまる達は背中合わせになってモノクマを撃退する。
「このッ…『フキトベ』!」
『ウヒャァ~!』
「『エンペラー』!」
「雨さん雨さん降~れ降れ…今日の天気は晴れ時々『鋏のゲリラ豪雨』にご注意ください♡…『メタリカ』ァァァッ!!」
ズギャギャギャギャ!
『やだなぁ~…』
ドォンッ!!
「糞ッ…、キリがねえな。個別にやってたんじゃあ埒が明かねえぞ。それに…」
『S・O・S!S・O・S!』
「あ、あのモノクマ仲間呼ぶ奴じゃね?おまけに『ボンバーマン』もいるし。つーかマジダリー…、モノクマばっかじゃテンション下がるっつーの…」
こまる達も奮戦するものの、時折混ざって出てくる『サイレンモノクマ』が敵を集め、遠巻きから『ボンバーモノクマ』が爆弾を投げ入れてくるため何度も孤立を余儀なくされていた。
「なんとか…こいつらを『まとめて』ぶっ潰さねえと…!」
「そんなこと、言われても…ッ!」
コロン…
「…え?」
ドガァン!
「きゃあああッ!?」
「ッ!嬢ちゃん!?」
「デコマルッ!」
不意に足元に転がって来た爆弾の爆風により、こまるは近くに乗り捨てられていた『自動車』に叩きつけられる。
「い、痛い…」
『うへへへ…』
「ひッ…!」
痛みにもがくこまるに、モノクマが鋭い爪をちらつかせながら迫る。こまるもなんとか逃げようとするが、久しぶりに感じた本物の『痛み』に体がうまく動かない。
「た、助けて…!」
「嬢ちゃん…!おいジェノサイダー!なんとか助けに行けねえのかッ!?」
「あ~ん…?…チッ、世話が焼け…あん?」
と、渋々助けに向かおうとしたジェノサイダーがふとこまるに視線を向けたまま停止し、やがてニヤリと笑う。
「…心配ねーよオッサン。デコマルぐらいほっといてもモーマンタイだっつーの」
「お、おいッ!?」
「ふ、腐川さん…助けて…」
「…おいデコマル。人に頼む前に、テメエの『後ろ』のモンをよく見ろっつーの」
「後ろ…?」
そう言われ振り返ったこまるの背後に有ったのは、現在自分の体がジンジンと痛む原因でにもなった『自動車』…正確には、『塔和社製の電気自動車』。
「…!そうか、…ホル・ホースさん!そこを離れて!」
「え!?お、おう…」
戸惑いながらもホル・ホースが今いる位置から飛び退いたのとほぼ同時に、
『喰らえ―!』
間近に迫っていたモノクマがこまるに爪を振り下ろす。
「…ッ!!ええいッ!」
必死に力を振り絞ってその一撃を躱すと、こまるはすぐさま振り返ってハッキング銃の銃口を『車』に向ける。
「『ウゴケ』ッ!!」
ハッキング銃より放たれた『ウゴケ』のプログラム弾は、『電気自動車』に当たるとそのプログラムを強制起動させ、車は独りでに前方へと走り出す。…無論、車の真ん前にいたモノクマがタダで済むはずが無い。
『うぎゃぁ~!』
「うおっち!?」
車はホル・ホースがさっきまで立っていた所を突っ切りながら、進行ルート上のモノクマを全て轢き飛ばしながら突っ走り、最終的にバスの一台の横っ腹に突っ込んで停止する。
「な、成程…そういやこいつはハッキング銃で動かせたんだったな」
「や、やった…腐川さん、やったよ!」
「…ケッ、自慢してる暇が有ったらとっととこいつら全部ひき逃げしちまえっつーの!もたもたしてっとまたネクラに戻っちまうぞ!」
「あ…わ、分かった!」
「お、おいおいおい!俺が高い所避難するまで待ってくれ~!」
こまるは四方八方の車に『ウゴケ』のコトダマを打ち込み暴走させ、地上を徘徊するモノクマを轢き飛ばしていく。バスの上などの高所に逃れたホル・ホースやジェノサイダーは難を逃れたが、所詮プログラムで動いているだけのモノクマにそんな知恵はなく次々と跳ね飛ばされ爆発する。後続のモノクマも、直上で待ち構えていたホル・ホースの銃弾やジェノサイダーの鋏の餌食となり、やがてすべてのモノクマが駆逐され駐車場には再び静寂が戻った。
「つ、疲れたぁ…」
「あの野郎…とんでもない数用意しやがって。どっから連れてきたんだよ…」
「しかもいつの間にか消えてるし…とんだ厄病神よあの覆面…」
忽然と姿を消していた蛇太郎に毒を吐きながら、こまる達は再びタワーの前へと戻る。
「…で、どうするよ?こんなところで待ち伏せされていた以上、タワーの中に何もないなんて保証はないぜ?仮に罠が無いとしても、この惨状からして相当な数のモノクマが入り込んでいるだろう。…それでも行くのか?」
「…行くよ。確かに待ち伏せされてはいたけど、でも私たちの『目的』がバレてたわけじゃなかったっぽいし…それに、シロクマと『約束』したから、私は行くよ」
「…そうかい。んじゃ、付き合わせてもらうぜ」
「あ、ありがとう!」
「…やっぱり行くのね」
決意を新たに、こまる達は塔和タワーの中へと入っていった。
外観とは裏腹に、塔和タワーの内部は近未来的な内装となっていた。こまるたちが入って来た一階の大広間中央の大型モニターや死体が折り重なっている案内所からするに、どうやらここは塔和シティの観光地であると同時に観光案内所としても機能していたことが窺えた。
「わあ…すっごい建物だね。外からの見た目からは想像つかなかったよ」
「…しっかし、胸焼けするぐらい『塔和』一色だな。どんだけ自己権威アピールが好きなんだっつーの…」
「そ、そんなに見て歩きたいならずっとここに居たら…?」
「そうはいかないよ!早く未来機関と連絡を取らないと、えーと……あ、あれもしかしてエレベーターじゃない?」
こまるが指差した先、広間中央のモニターの下には、確かにエレベーターらしき扉があった。
「あれで一気に、最上階までいけないかな?」
「おお、そりゃあいい!邪魔が入る前にさっさと行こうぜ!」
「…そううまくいくかしらね…」
意気揚々とエレベーターに走り寄り、扉の脇にある『操作盤』のスイッチを押す。が…
「…あれ?動かないよ?」
「あり?間違ったか?」
「…これ、どうやら専用の『カードキー』が要るみたいね。ここの職員が居ないと操作できない仕組みになってるんじゃあない?」
「そんなあ…」
「これじゃ最上階まで行くのは無理ね…。残念だけど、他の方法を当たるしか…」
「おいおい、何言ってんだよ腐川の嬢ちゃんよ」
「へ?」
「まだ俺らには『最後の手段』が残ってんじゃあねえか」
「な、何よ…?」
首を傾げる腐川に、ホル・ホースはニッと笑うと中年男性とは思えぬほど引き締まった自分の『脚』を自慢げに叩く。
「…コイツよ♪」
「…ま、まさか」
「エレベーターが使えなけりゃ方法は一つ…地道に『階段』上るしかないだろ?」
「そ、そうだよ!東京タワーだって階段で登れたし、このタワーだって…」
「む、無茶言わないでよッ!こんな高いタワーを自力で登るなんて…無理よ、絶ェ~~……ッ対に無理よッ!!」
「…どうしたの腐川さん?いつもは『無理』だとか『無駄』なんて聞き飽きたって言ってるのに…今は腐川さんが言ってばかりだよ?」
「ぐぐ…」
「…おい、お前さんマジで何を『隠している』?姐さんたちに連絡取れりゃあ俺達としては万々歳じゃあねえか。なのに、なんでそんなに未来機関と連絡を取るのに否定的なんだ?」
「べ、別にそんなつもりじゃ…ないわよ。…分かったわよ、付き合えばいいんでしょ。ああ…これで明日は筋肉痛確定よ…」
「…な~んか納得いかねえなあ」
「ま、まあいいじゃん!それより早く行こう!階段は……あった!あそこに………え?」
ゴロゴロゴロ…!
と、こまるが指差した先に有る階段の上から、凄まじい勢いで『何か』が転がり落ちてくる。
「な、なにアレッ!?」
「あ、アタシが知るわけないでしょッ!?」
「言ってる場合かッ!…来るぞ!」
ゴロゴロゴロゴロ…ッ!!キキィーッ!
直径はおよそ2m程の『球体』のそれは、階段を降り切るとこまる達の前で急停止する。すると球体の一部からニュッと『手足』らしきものが生え出し、まるで『某ピンクボール』のような『1頭身』の巨大ながらもちんちくりんというアンバランスなボディへと姿を変える。…しかし、珍奇な見た目をしていても、その球体の『顔』がその正体を如実に示している。
「こ、コイツは…!」
「もしかして…これもモノクマッ!?」
「こ、こんなバリエーション…聞いてないわよッ!」
『見つけたぞ~!』
こまる達を視界に捉えたそいつ…『ボールモノクマ』は再び手足を引っ込めると高速回転してこまる達目掛けて転がり始めた。
「う、わわぁッ!!こっち来たぁッ!?」
「か、躱せッ!」
「横っ飛びよぉ!!」
寸でのところで真横に跳んで回避する。空ぶったボールモノクマはそのままゴロゴロと転がっていき、あわや壁にぶつかるかと思った直前で急停止し、再び手足を生やして向き直ろうとする。
「チッ、あのままブチかましてくれりゃくたばるかと思ったんだが、連中もそこまで馬鹿じゃあないか」
「ど、どうしよう…あんなのぶつかったらひとたまりもないよぉ…」
「んなもんどのモノクマでも一緒でしょうが……けど、あれじゃあ近づくのも難しいわね。『ハッキング銃』の『コトダマ』はある程度近づかないと効果が無いし…動きはトロいみたいだけど、近距離から転がってこられたら今度は避け切れないわよ…」
「…お!そうだ嬢ちゃん、アイツも『踊らせ』ちまえばいいんじゃあねえか?そしたらいくら奴でも無防備になるだろ」
「そ、そうだった!よおし…」
こまるはボールモノクマが完全に向き直る前にハッキング銃の『射程距離』まで近づくと、ボールモノクマに向けてコトダマを放とうとする。
が…
ガション!
『アチョー!』
「きゃあッ!?」
突如ボールモノクマの口が開いたかと思うと、口の中から大量の『ゴミ』を吐き出し、こまるに吹っかけた。
「何ィッ!?」
「ちょ…そんなの反則よッ!」
「み、見えない…臭い~!腐川さん、助けてぇ~!」
『ぐへへへへへ…』
頭にカップ麺の容器を被って前が見えていないこまるに狙いを定め、ボールモノクマはのっそりと近づく。
「コナクソッ…!『エンペラー』!」
「ったく…世話焼かせるんじゃあないわよ!!」
ホル・ホースが『エンペラー』で注意をひきつけてる間に、腐川は急いでこまるに近寄るとゴミを払いのける。
「あ、ありがとう腐川さん…」
「うう、ばっちぃ…エンガチョ。礼なんていいから、さっさとアレ助けてあげなさい」
「た、助けてくれ~!」
腐川の視線の先には、ばっちりヘイトを稼いだおかげでボールモノクマに追い回されているホル・ホースがいた。
「ま、待っててホル・ホースさん!…このッ、『オドレ』ッ!!」
『おおッ!?…ホレホレ、モノクマ~♪』
今度は不意打ちを食らわないよう背後から近づきコトダマを打ち込むと、ボールモノクマは手足を引っ込めてくるくるとその場で回る様に踊り出す。
「だ、大丈夫ですか?」
「ゼェッ…ゼェッ…、た、助かったぜ。…この野郎、今から階段上ろうって時にいらん体力使わせやがって、覚悟しやがれッ!『エンペラー』、全弾発射ぁッ!!」
「『コワレロ』ッ!!」
『あちゃ~…』
ボォンッ!!
体が大きい分狙いやすくなった弱点の『左目』に集中砲火を浴び、ボールモノクマは踊りながらあえなく爆散した。
「ふぃ~…、ったく…これからって時に疲れさせやがって…」
「…どうすんの?あんなのが出てきた以上、一筋縄じゃいかないわよきっと…」
「で、でも行くよ!どんなに大変でも、未来機関と連絡をとらなくちゃ!」
「ま、仕方ねえわな…うっし!んじゃ行きますか!」
「うん!」
「…ホント、こうと決めたら頑固なところだけはそっくりなんだから…」
気持ちを新たに、意気揚々と階段を上り出す二人に追随しながら、腐川は深くため息をつくのであった。
飲食業にクリスマスは無い(諦め)
年明け前にあと一回だけ更新するかもしれません。
…なので正月は更新が少々遅れますのでご了承ください