「ったく…なんだってこのタワーはこんな面倒な造りになってんのよ…。ここの設計をした奴のセンスが知れないわ…働いてる連中の事も考えなさいよ…。おまけに、なんでアタシがその面倒なものに上るハメに…」
「うるせーぞお前ぇ、ちったあ黙って歩かんかい…」
「でも、本当に複雑だね…。ちょっと道を間違えたら迷っちゃいそうだよ…」
「おまけにあのガキ共に何度か閉じ込められるし…、本当に踏んだり蹴ったりよ…」
タワーを上り始めたこまる達であったが、塔和タワーは思った以上に複雑な造りになっており、まるで『ダンジョン』を思わせるようであった。その上、たまたま入った部屋で子供たちによって閉じ込められ、正しい『鍵』を見つける『ゲーム』のようなものに付き合わされたため、こまる達の疲労は予想以上であった。
「で、でももうすぐ3階だよ!…ほら、階段が見えてきた!」
「3階って…何階あると思ってんのよ…。ああ、気が遠くなるわ…」
「言うな…俺だってキチィんだからよ」
やっとの思いで3階への階段へと辿りつき、しかしなおも続く道のりに若干項垂れながらもこまるは階段に足をかけようとし…
「…待った、嬢ちゃん」
「え…?」
突然血相を変えたホル・ホースに籠った声で呼び止められる。
「どうしたんです…」
「シッ!静かに…。…階段の上に、『誰か』いやがる…!」
「ええっ…!?」
そう言われて耳を澄ますと、確かに階段を上った先から何かを『叩くような音』と『呟き声』が聴こえてくる。
「だ、誰…!?まさか、あの蛇太郎って子…!?」
「いや…、どうもコイツは『大人』の声だ。ここの関係者か…?ともかく、俺が先に行く。お前らはここで待ってろ…」
「は、はい…。気をつけて…」
「…無理すんじゃないわよ」
ホル・ホースは右手に『エンペラー』を構えると、息を殺してゆっくりと階段を上り始める。
カタカタカタカタ…
「う~ん…。やっぱりここもジャミングの影響が出ているな…。せめてここのシステムにアクセスできればなんとか情報を引き出せるのに…」
階段の段上、3階へと続く踊り場に居たのはノートパソコンに向かって夢中でキーを叩く男性であった。独り言からして、どうやらどこかに『ハッキング』をかけようとしているようで、あまりに一生懸命なので周りの音もあまり耳に入っていないようであった。
ゴリッ…
「…へ?…ッ!?」
「動くな」
そんな彼の頭に、ホル・ホースの『エンペラー』の銃口が付きつけられる。
「な、なん…」
「動くなよ、おとなしくしてりゃ怪我することはねえ。黙って俺の質問に答えな」
「わ、分かった…」
顔を動かせない為によく見えないが、アタマの感触からそれが『銃口』であることを悟った男性は怯えながらもホル・ホースの命令に応える。
「お前さんはここの職員か?ここで何をしていた?」
「ち、違う…。僕は、この街の人間じゃない。ここに居たのは、ここから塔和シティのネットワークにアクセスできないかと思って…」
「何の為に?…まさかとは思うがあのガキ共の手先じゃねえだろうな?」
「と、とんでもない!むしろ僕は、あの子供たちに狙われているんだ!だからなんとかして情報を得ようとして…」
「狙われてる?…まさかお前さん」
ホル・ホースが彼の腕にちらりと視線を向けると、そこにはこまると同じ『モノクマリング』が填められていた。
「…そういうことかい」
事情を察したホル・ホースは『エンペラー』を引っ込める。
「え?」
「悪かったな、お前さんの事情は分かった。どうやら、俺達と目的は大体一緒みたいだな」
「え?…もしかして、貴方も?」
「いや、俺じゃないんだが…、ちょっと待っててくれ。…おーい、嬢ちゃんたち!大丈夫だ、こいつは敵じゃねえよ!」
ホル・ホースが階下に向かって叫ぶと、下からこまると腐川が駆け足で上ってくる。
「良かったぁ…。腐川さん、いい人みたいだって!」
「いい人とは一言も言ってないでしょ……って、ああ…また面倒そうなことになりそうね…」
「君たちは…?」
「あ、初めまして!苗木こまるです!」
「こっちの嬢ちゃんは、お前さんと『同じ』だよ」
「同じ?…じゃあ、君もこれを?」
「え?…あ、それ…!」
男が示した『モノクマリング』を見ると、こまるも自分の『モノクマリング』を差し出す。
「そうか、君もあの子供たちの『ゲーム』の標的にされているのか…」
「はい…」
「まあそう気を落とすなって、まだお前さんたちは生きてるんだからよ。それと、こっちの奴は…」
「…腐川冬子よ。…ねえアンタ、聞いてもいいかしら?」
「え?何だい?」
「アンタ…『不二咲千尋』の『父親』でしょ?」
「ッ!!?」
その名を聞いた瞬間、男は目を見開いて驚く。
「やっぱりね…、雰囲気があの『性別不明オタク』と一緒だもの…」
「え?腐川さん、知り合い?」
「不二咲っていやあ…」
「き、君!千尋を知っているのか!?教えてくれ、どこにいるんだッ!?」
「またこのパターン…まあ分かってたけどね。もうはぐらかすのも面倒だからハッキリ言ってあげるわ。…アイツは、『死んだ』わ」
「……え?」
「だから…アイツ、不二咲千尋はもう死んだのよ。『半年前』にね…」
「そ、んな…千尋が…死んだ?」
半年も前に息子が死んでいた事実に、男はふらふらと後ろの壁まで下がりそのまま座り込む。
「ちょ、腐川さん!またそんな言い方…!」
「お黙り!前にも言ったでしょ、…これがアタシのやり方よ。『現実』に直面して立ち直れない奴を引っ張っていくほど、アタシは甘くないのよ」
「で、でも…」
「…おい腐川の嬢ちゃん。さっき不二咲って言ったが、もしかしてこいつの息子が…?」
「ええ、『その』不二咲よ」
「成程な…」
「ホル・ホースさんまで…」
腐川とホル・ホースの冷たい態度にこまるが困惑していると、目の前で座り込んで俯いていた男が声を上げる。
「…薄々、気がついてはいたんだ。こんな荒廃した世界の中で、あの子が長生きできるとは思えないってことはね…」
「……」
「でも、まさかもう半年も前に死んでいたなんて…僕があの連中に捕まってしまったばかりに、僕は…あの子の死に目にすら立ち会ってやれなかった…僕は、『父親失格』だ…ッ!」
「…しょうがないわよ、あの時のアタシらの『状況』から考えれば、それが普通なんだから…」
「…ッ!キミは、千尋の死んだ理由を知ってるのか!?」
「まあね…。アイツが死んだ理由は、強いて言うなら『すれ違い』ってとこかしらね」
「すれ違い…?」
「良く分からないけど、アイツは特に悪いわけじゃないらしいわよ。ただ…『運』が悪かった。そうとしか言えないわね」
「…そう、か。言い辛いことを聞いてしまって、すまなかったね…」
「別に…どうでもいいわよ」
メガネを持ち上げ涙をぬぐうと、男は少し持ち直した表情で立ち上がる。
「ありがとう。おかげで少し気持ちの整理がついたよ。まだ、完全に割り切れてはいないけどね…」
「…無理すんなよ」
「あの…本当に大丈夫ですか?ええと…」
「…ああ、申し訳ない。僕は『不二咲太一』。不二咲千尋の父親だ」
「あ、どうも…苗木こまるです」
「ホル・ホースだ」
「…腐川冬子よ」
「…息子の死を伝えてくれたこと、本当に感謝するよ。君たちが来なければ、僕はそれすら知ることなく死んでいたかもしれないからね」
「…別に感謝されるようなことはしてないわ」
「…安心しな。アンタの息子は死んだが、息子さんが遺した物は俺たちの『希望』として力になっているぜ」
「え?」
「『アルターエゴ』…息子さんの発明なんだろ?俺たちが今まで生き残れたのも、お前さんの息子のプログラムのおかげだ。アンタの息子の死は、決して無駄死になんかじゃあねえぜ」
「…そうか、千尋の死は…無駄死にじゃあないのか…!…それが分かっただけで十分です、あの子もきっと喜んでいます」
「…良かったですね」
「それはそうと…君たちは何故ここにいるんだ?ここはもうあのクマロボットたちに占拠されて危険だよ?」
「えっと…未来機関に連絡を取る為に、ジャミングから避けようと思って…」
「アンタ…その説明で伝わると思って…」
「成程…確かに、ここの塔のてっぺんからならジャミング電波の妨害を受けずに済むかもしれないな」
「伝わったの!?」
「でもそれなら、確かエレベーターが在った筈だろう?わざわざ階段で上らなくとも…」
「それが…エレベーターが開かないんです。『カードキー』っていうのが要るみたいで…心当たりとかありませんか?」
「…ごめんね。僕にもわからないな。…でも、そういうことならなんとかなるかもしれない」
「「えっ!?」」
「そういや、お前さんさっきそいつを弄っていたな。もしかしてお前さんもプログラマーって奴なのか?」
「いやあ…、恥ずかしながら僕の腕は千尋には遠く及ばないんです。けど、以前セキュリティー関係の仕事をしたことがあったので、もしかしたら…ですけど」
「す…凄いですよ!ねえねえ腐川さん、なんとかなるかもしれないよ!」
「そ、そうね…」
「…?階段上らなくても済むのに嬉しくないの?」
「そそ、そんなことないわよ…」
「んじゃまあ、とりあえずさっきの所まで戻るか。…そういや、なんとかできるっつーんなら、なんでお前さんここに来たときに試さなかったんだ?」
「アハハ…実は、ここに入った瞬間大玉みたいなロボットに追いかけられてね…命からがらここまで逃げてきたんだよ」
「そいつぁ…ご愁傷様だな」
一行は不二咲を加えて元来た道を戻り、再び1階ロビーのエレベーター前まで戻って来た。
「辺りにモノクマはいないよね…?」
「…大丈夫だ、やるなら今の内だぜ」
「うん。じゃあ…やってみるよ」
不二咲は持っていた端末を操作盤へとつなぐと、流れ込んでくるデータを凄まじいスピードで処理していく。
「…どう、ですか?」
「うん…なんとかなりそうだ。もう少し待ってね…」
「そいつは何よりだ」
「……」
「…腐川さん、そんなに怖がらなくてもモノクマは居ないよ」
「そ、そうとは限らないじゃない…」
「よおし、これで…イケる!」
ピーッ
ゴウン…ゴウン…
不二咲の端末から甲高い音が鳴ると、エレベーターのランプが点灯し、上にあった荷台が下に降り始めた。
「や、やったあ!」
「良かった…なんとかなったよ」
「Good Jobだぜ、アンタ」
「ああ、有難う…本当にありがとう。君たちのおかげで、まだ僕にもできることがあるって思えたよ」
ゴウンゴウン…
「そんな…不二咲さんが凄いだけですよ」
「いや、…でも君たちが来なければ、僕はきっと諦めていただろう。だからこそ感謝したいんだ」
ゴウンゴウン…
「僕は今まで、『男』としても『父親』としても満足なことはできなかった。…千尋が居ない今もう『父親』としての責任を果たすことは出来なくなってしまったけど、それでも…こうして誰かの力になれたことは僕にとってすごく嬉しいことなんだ」
「不二咲さん…」
ゴウンゴウン…
「だからきっとあの子も…」
チーン…ガガ…
「天国で喜んで…」
『グルオオオオオオッ!!』
「ッ!?うわぁーッ!!?」
「ッ!?」
「な、なにッ!?」
「な、何だコイツッ!」
エレベーターの扉が開くと同時に中から飛び出してきたモノクマが、反応すらできずにいた不二咲の喉笛に噛みついた。
「がッ…あ、アアッ…!?」
「コイツッ!離れやがれッ!」
ドンドンッ!
『!グルァッ!』
ホル・ホースの放った銃弾を寸でのところで躱すと、そのモノクマは『四肢をついて』こちらを睨む。その瞳はまるで狂気に狩られたようにつり上がり、手足の爪や牙や通常のモノクマよりもはるかに鋭く、その様相はまさに『ビーストモノクマ』と呼ぶにふさわしいものであった。
「が…あ、あ゛あッ…」
「ふ、不二咲さんッ!腐川さん、不二咲さんが…」
「今はそれどころじゃないでしょッ!アイツをどうにかしないと死体が3つ増えるだけよ!」
「マジモンの化け物だなこりゃ…、気ィ抜いたら速攻お陀仏だぜ…」
「…不二咲さん、待っててね。直ぐに助けてあげるから…!」
『フシャァァァァァッ!!!』
雄叫びと共にビーストモノクマはこまる達へと飛び掛かる。こまる達も必死に躱しながら反撃するが、4足歩行に特化している分スピードと瞬発力に秀でたビーストモノクマを撃ち抜くことは難しく、焦る気持ちも相まって決定打を撃ち込めずにいた。
「この…このぉッ!なんで、なんで当たらないのぉッ…!」
「糞ッ!ロボットなぶんスタミナ切れがねえから犬や馬とは訳が違うぜ…!おい腐川の嬢ちゃん、早いとこジェノサイダーになって加勢してくれや!」
「…慌てんじゃないわよ。もう少し…もう少しなのよッ…!」
「腐川さん…?何を…」
「…いい、こまる?アタシが合図したらアイツの『足元』に攻撃しなさい。ホル・ホース、アンタは反対側よ」
「お、おう…?」
「わ、分かった!」
接近しようとするビーストモノクマをけん制しながら、こまるとホル・ホースは腐川の合図を待つ。そしてビーストモノクマが銃撃の合間を縫ってこまるに飛び掛かろうとした、その瞬間。
「…今よッ!」
「『コワレロ』ッ!」
「『エンペラー』!」
ドドウッ!
同時に放たれた2つの銃撃はビーストモノクマの足元へと殺到するが、ロボットに『本能』があるのかは分からないが獣の様に一瞬早くそれを察知したビーストモノクマはつんのめりながらも前方に跳んで躱す。
「…躱されたッ!」
「チクショウ、失敗かッ…」
「…そんな訳、ないでしょ?」
「え?」
「そうよ、『そこ』しか逃げられないわよね?『前』にジャンプしようとした以上、『左右』からの攻撃に対して『後ろ』には避けられないから中途半端でも『前』に跳ぶしかないわよね?…けど、どの辺に着地するのかさえ分かっていれば…」
ガションッ!
『ウガッ!?』
「『罠』を張んのは簡単なのよッ!」
着地したビーストモノクマを待ち構えていたのは、地についたばかりの足にがっしりと喰らい付く『トラバサミ』であった。
「な、なにアレッ!?」
「あんなもん…何時の間に…」
「フン…アタシはアイツにならないと『メタリカ』が使えないなんて言った覚えは無いわよ?アイツが無尽蔵に凶器を創って細切れにするなら、アタシはあらゆる『トラップ』をしかけて触れずして勝つのよ…!これが『腐川冬子』の『メタリカ』の使い方よ。…何してんのよ、今がチャンスよ、早いとこやっちゃいなさいッ!!」
『ウガアアアッ!!』
トラバサミに囚われたビーストモノクマであったが、動けないと知るや自分の足ごとトラバサミを食いちぎろうとしており、抜け出すのも時間の問題となっていた。
「わわわ…ッ!こ、『コワレロ』ッ!」
「くたばりやがれぇッ!」
ドォンドォン!
慌てて二人は銃弾をビーストモノクマへと撃ちこみ、トラバサミに夢中になっていたビーストモノクマは撃たれている事に反応すらせずやがて爆発した。
『シギャアア…』
ドォン!
「や、やった…!…ふ、不二咲さん!」
ビーストモノクマの撃破を確認すると、こまる達は急いで倒れ伏したままの不二咲へと駆け寄る。
「う…ゲボッ…!よ、よかった…アイツは、やっつけたんだね…」
「不二咲さん…しっかりしてください!」
「ぼ、僕のことは気にしないで…きっと、こうなる『運命』だったんだよ…。でも、最後に…君たちの力になれて良かった…これで、千尋に胸を張って逢いに行ける…」
「そんな…」
「…喋んじゃないわよ。『治療』の邪魔よ」
「腐川さん…?治療って…私たちそんな道具なんて持ってないよ…?」
「んなもん要らないわよ。アタシらにはアタシらなりの『やり方』ってもんがあんのよ。…ホル・ホース。アンタまだ『アレ』持ってんでしょ?出しなさい」
「…いいのか?こいつに使っちまってよ?」
「ここで死なれんのも寝覚めが悪いわ…。それに、『この先』のことも考えるとこいつにここで余計な事考えられても困るのよ」
「へいへい…分かったよ」
「二人とも…何を…?」
何やら二人で話し合うと、ホル・ホースは不二咲の傍らにしゃがみ腰のポーチから何やら『蠢く黒い物体』が詰まった瓶を取り出した。
「えっ!?な、なんですかソレッ!?」
「こいつはな、『フー・ファイターズ』っていうスタンドの一部だよ。大将…嬢ちゃんの兄貴が俺達に置いて行ってくれたものさ。詳しい説明は…まあ見てりゃわかるさ」
そう言うとホル・ホースは瓶の中身を不二咲の傷口にぶちまけた。
「ッ!?ちょ…大丈夫なんですか!?」
「安心しなって。こいつは傷口に掛ければそいつの肉体と一体化して止血やらなんやらをやってくれんのさ。…まあちと不気味なのが玉に瑕だがよ」
「うう…なんだか、なにかが入り込んで来るみたいだ…」
「さて後は…仕上げは任せるぜ」
「分かってるわよ…」
あらかた出血が治まると、今度は腐川が歩み寄り不二咲の傷口に手を向ける。すると、不二咲の傷口付近から『ホチキスの針』が現れその傷口を無理やり縫合する。
「うぐっ…!」
「とりあえず縫合はこれでオッケーよ。傷痕は残るけど、破傷風になるよりはマシでしょ…」
「……」
「…何ポカンとしてんのよ」
「いや…なんだかすごい治療だなあって…」
「こんなもん…アタシらにとっちゃ日常茶飯事よ。東方の奴がいるからとりあえず生きていればなんとかなるから、こうやって無理やり傷埋めてなんとかしてんのよ」
「…で、どうするよコイツ?応急処置はしたがどの道動けそうにはねーぜ?」
「しょうがないわね…ホル・ホース。アンタこいつ背負って一旦あそこに戻んなさい」
「あそこって…秘密基地?」
「そこしかないでしょ…。あのモグラ男もけが人連れてる以上、邪険にはしないでしょ」
「しょうがねえか…んじゃ、ちょっくら行ってクラァ。こいつ康比呂のお袋さんに預けたらすぐ戻ってくっから、お前さんらも無理すんなよ!」
「す、すまない…僕の為に…」
「気にすんなって。…どっこいしょ、っと…んじゃ、また後でなー」
不二咲を背負うと、ホル・ホースは足早に秘密基地へと向かっていった。
「不二咲さん…大丈夫かな…?」
「アンタが心配したってどうなるわけでもないでしょ。…それより、行くの?行かないの?」
「い、行くよ!…折角不二咲さんが治してくれたんだし、早くエレベーターに乗ろう!」
「ま…そりゃそうよね…」
ホル・ホースを見送ると、こまると腐川はエレベーターに乗り込み、最上階へと上って行った。
今年最後の投稿になります
年末年始は何かと忙しいので次の更新は15日か20日あたりになります
では皆さん、良いお年を