約束通り今日更新できました
今年も応援よろしくお願いします
ゴゥゥゥゥゥ…
出会った病院以来に二人きりになったこまると腐川を乗せたエレベーターは最上階を目指して上昇していく。
「色々あったけど…なんとかここまで来れたね。あとは、タワーのてっぺんから未来機関にこの『無線機』で連絡をとれば…助けが来てくれるんだよね!」
「そうかもね…」
「腐川さん言ってたけど、未来機関には『お義姉ちゃんたち』がいるんでしょ?だったら、お義姉ちゃんたちも来てくれるのかな?」
「そうだといいわね…」
「…腐川さん?元気ないよ?」
「そ、そんなこと…ないわよ」
「そう…?」
先にも増して消沈した雰囲気の腐川に、こまるが不思議そうに首を傾げた
その時。
ガガガ…ガコォンッ!
「うわっ!?」
「ひいっ!?」
突如としてエレベーターが揺れたかと思うと、轟音を立てて急停止する。
「な、なに…?もう着いたの?」
「んな訳ないでしょ…今のどう考えたって異常じゃない!」
「もしかして事故!?ど、どうしよう…?」
「ここに居たってしょうがないわね…幸い扉が開きかけてるし、キツいけど無理やりこじ開けるわよ!」
「う、うん!」
揺れの衝撃で半開きになった扉に駆け寄ると、二人は左右の扉を掴んで力ずくでこじ開けにかかる。
「いくわよ…せーの!」
「ふんにゅうぅぅ!」
「んぎぃぃぃ!」
ガガ…ガ…ガコォン!
幸いなことに扉に歪みが無かったおかげか、女子二人の力でもどうにか扉を開くことに成功した。
「や、やった!」
「…おかしいわね」
「ど、どうしたの?」
「事故にしては妙よ…急に止まったってのに、なんでご丁寧に開いた先にきちんと『部屋』があんのよ?」
腐川の言うとおり、扉が開いた先には薄暗いが確かに『空間』が存在していた。
「壁だったり、中途半端なところで止まったならまだしも、なんでこんなキッチリ止まってんのよ…?おかしいじゃない」
「そ、そうかな…?きっと運よく綺麗に止まったんだよ!」
「そうだといいけどね…一応警戒だけはしときなさい」
「う、うん…」
腐川に言われ、若干の警戒をしながらこまるがエレベーターから降りたその瞬間
カッ!
「うひっ!?」
「な、なにッ!?」
突然薄暗かった部屋に光が満ち溢れ、こまるたちの視界を一瞬奪う。
「こ、この展開は…まさか…!」
嫌な予感を感じながら、腐川が恐る恐る目を開いた先には
『ワァァァァァァァ!!』
こまる達を出迎えるモノクマキッズたちの歓声。自分たちをぐるりと取り囲む『強化プラスチック』の壁。大門の時と同じような『コロシアム』がそこには存在していた。
「こ、これって…!?」
「やっぱり待ち伏せされてたのね…!となると、今度の奴は…」
「…そうさ。お姉ちゃんたちの相手はこの僕だよ!」
ステージ上にのっそりと姿を現したのは、タワーの入り口で会った『煙蛇太郎』であった。
「ねえお姉ちゃんたち?なんでこんなところにまで来ちゃったのさ?高い所に行ったって無駄だって言ったのに、なんで上ろうとしたの?もしかしてお姉ちゃんたち、自分の考えが全部正しいと思ってるかわいそうな人なの?…まあ、きっと来ると思ってたから僕チンもここで待ってたんだけどね」
「ふ、ふざけんじゃあないわよッ!アンタらにだけは言われたかぁないわよッ!」
「わあ!もしかして怒ってる?じゃあさ…これで僕チンのことも『嫌い』になってくれたかなぁ?」
「何度も言ってるじゃない…アタシはアンタの事なんか『大っ嫌い』よッ!」
「本当に?本当に?…嬉しいなあ!実はちょっと不安だったんだよ。『あのオトナ』を殺せばきっと嫌いになってくれると思ってたのに、あのオジサンとおさげのお姉ちゃんが助けちゃったから、もしかしたら僕チンのこと嫌いになれないと思ってたんだよ。でも、そんなことなくって本当に良かったぁ…」
「…なんで」
「ん?」
「なんで…そんなことができるのッ!?不二咲さんはもう少しで死んじゃうところだったんだよッ!不二咲さんだけじゃない…キミが『ジオラマ』にした大人たちだって、モノクマが殺した皆だって…本当に死んでるんだよッ!キミたちがやってるのは、『正義』なんかじゃない、ただの『人殺し』なんだよッ!!」
「…こまる」
「…『人』じゃないよ」
「え…?」
「お姉ちゃん、まだ分かってなかったの?僕たちが殺してるのは『人間』じゃないんだよ。僕たちが殺してるのは、醜くて、汚くて、意地汚い『魔物』だって、最初から言ってるじゃあないか」
「そ、そんなのッ…!あなた達の勝手な『妄想』じゃない!大人が全部『魔物』だなんて、そんな…」
「『妄想』…?」
こまるの喚くような反論に、蛇太郎は一切動じることなく応える。
「ふうん…お姉ちゃんは僕チンたちが『妄想』で『魔物』を殺してると思ってるんだ?でも、それは違うよ。僕チン達には、大事な『目標』があってやってるんだよ。『魔物』が一人もいない、『コドモ』だけの『楽園』を創るっていう大事な目標がさあ…!だから、そのために邪魔な『魔物』を皆殺しにするのは、なぁ~んにも間違ってなんかないんだよぉ~!」
『BUUUUUUUUUッ!!』
「ええッ!?な、なんで皆僕チンにブーイングをするのさ!?僕チンはみんなの為にと思ってるのに…」
「…ッ!あなた達と話せばわかるだなんて思ってた、私が馬鹿だったよ…!」
「おお?イイよ…その『眼』!僕チンの事が憎くて憎くてしょうがないって言うその眼だよ!思い出すなあ…僕チンの『親だった魔物』も、そんな眼で僕チンの事をずぅ~~…ッッと見ていたんだよ!僕チンの顔が『醜い』からって、目が腐るからってこの『覆面』を被せてくれたんだよなぁ~…」
「…こいつ、ホル。ホースが言ったとおりただ現実逃避してる訳じゃあなさそうね。自分が『否定』されることでしか、自分の『存在』を認識できなかった…『できなくなった』ってところかしらね」
「…どうでもいいよ、そんなの…!もう、考えるのは止めた…!」
「こ、こまる?」
「キミにどんな大事な理由が有ったしても、私はキミを絶対に許さない…ッ!キミたちのせいで傷ついたこの街の皆の為に、私がキミをやっつけてやるッ!!」
『WAAAAAAAAAッ!!』
「えええッ!?ちょ、ちょっと!どうしてオトナの味方をするのさ!?皆の味方は僕チンじゃないか!」
『BUUUUUUUッ!!』
「ああ…僕チンはコドモの皆からも嫌われてるんだね…。けどいいさ…、『嫌われてる』ってことは、もう『好かれる努力』をしなくてもいいってことだからね…!僕チンはお姉ちゃんを倒して、そんで『魔王』もやっつけて、僕チンの事が大嫌いなモナカちゃんに『楽園』をプレゼントするんだ!僕チンのことを『嫌い』になれないオトナなんて、うんちと一緒にトイレで流されちゃえばいいんだぁ~!その為にも、おいでッ!『僧侶ロボ』ッ!!」
パンッ!
蛇太郎が両手を合わせると、またどこからともなく『コントローラー』が飛来し、それをキャッチして首にかけるとスイッチを押してレバーを力強く操作する。
ゴゴゴゴゴゴ…
「……!」
「な、なにか来るッ…!?」
ガシャァァンッ!!
天窓を突き破ってやって来たのは、『神父』を髣髴とさせる造形をした両肩に巨大な『砲塔』を備えたロボットであった。
「『僧侶ロボ ドクトルボンゲロ』…僕チンの切り札だよ。お姉ちゃんたちが素敵なオブジェになる前に、もう一度だけ『たっぷり』言わせてもらうよ…!いくら汚くても、いくら醜くても、どれだけ嫌われても…僕らがやっていることが間違ってるだなんて、それは絶対にあり得ないんだよッ!それだけは覆らない『事実』なんだ、だって…
『盾子お姉ちゃん』がそう言ってたんだもんッ!!」
「ッ!!?盾子…お姉ちゃんですって…!?」
「汚くて醜い僕を唯一愛してくれた『盾子お姉ちゃん』…、僕らにピッカピカの『希望』を与えてくれた『盾子お姉ちゃん』…。そんなお姉ちゃんを僕たちから奪ったあげく、お姉ちゃんだけを悪者にしたオトナのほうが…よっぽど醜くて汚い『汚物』じゃあないかぁぁぁぁぁぁッ!!!!!」
心の奥底をぶちまける様にそう叫ぶと、蛇太郎は僧侶ロボを臨戦態勢に構えさせる。
「…こまる。ちょっと事情が変わったわ…、今回だけは『本気』で戦ってあげる。なんとしてもあのガキから『訊かなきゃならないこと』ができちゃったからね…!」
「…うん。私も、もう容赦しない…!」
『盾子』の名を聞くや否や目の色を変えた腐川とこまるは、蛇太郎に対しこれまでにないほどの敵意を向け、ドクトルボンゲロを正眼に捉える。
「これでもくらえぇーッ!!『プリプリプリーストミサイル』、発射ぁーッ!!」
ドクトルボンゲロの『袖』から放たれたミサイルがこまる達目掛けて迫る。
「フン…そんな物騒なモン担いどいて………予想できねえわきゃねーだろうがァァァ!!『メタリカ』ッ!!」
即座にジェノサイダーにバトンタッチした腐川はミサイルに対して『メタリカ』を発動し、ミサイル内部にある起爆装置の『信管』付近をめちゃくちゃにする。
ドガァァンッ!!
当然『精密機械』であるミサイルが耐えきれるはずもなく、ミサイルはこまる達のはるか手前で爆発する。
「貧弱貧弱ゥッ!『プラスチックの檻』でアタシの動きを制限するのは良く考えましたねェ~♡でも…足りねえんだよッ!ダボッ!アタシを止めてえならロボットごと全部プラスチックにしてくるんだなぁ!!」
「むむむ…なら、これならどう?『アートボム』射出!!」
メタリカの射程に入らないよう動き回りながら、ドクトルボンゲロは砲塔から次々と何かを上に放つ。
「ま、またミサイル…!?」
「ハッ!んなもんどんだけ撃とうが片っ端から……あ?」
ドスドスドスッ!!
重々しい音と共にこまる達の周りに落下したのは、モノクマ柄の絵が描かれた巨大な『爆弾』であった。
「空中で爆発させなくて良かったねお姉ちゃん…!もし一つでも爆発させたら、いくらお姉ちゃんでもこれだけの爆弾の『誘爆』に巻き込まれたら助からなかったでしょ?それに、もしそんなことをしたらこのタワーだってただじゃあすまないかもよ…?」
「そ、そんなことしたら…あなた達だって!」
「僕らは大丈夫だよ。だって…『正しいこと』をしている僕らが負けるはずがないもの!」
「…どーでもいいけど、さっきの『アートボム』ってのはなんだよ?芸術の糞もねーじゃねえか」
「え?だってよく言うでしょ?『芸術は爆発』だって」
「んな訳あるかァァッ!アタシにとって真の芸術は『血塗られたイイ男』だけなんだよッ!テメーの爆弾なんざどけなくても、直接ぶった切ってやりゃ済むだけじゃねえかッ!!」
ジェノサイダーは爆弾の合間を縫うように駆け抜けると、あっという間にドクトルボンゲロに肉薄する。
「喰らいやがッ…」
メタリカを使うまでもないと判断したのか手にした鋏でマークガイバーの顔面に切りかかる。が…
「…引っかかったね!」
ガバッ
突如ドクトルボンゲロが『左手』を開いたかと思うと
ググググッ…ぴゅーん!
「なっ!?」
ジェノサイダーの持っていた鋏が左手に『引き寄せられていった』。
「アタシの鋏が…まさかその手ッ…!」
「そうさ!僕の僧侶ロボの左手には強力な『磁石』が内蔵されているのさ!モナカちゃんが僕の為にくれたプレゼントが、僕を助けてくれたんだ!」
「チッ…!」
さしものジェノサイダーも無手では分が悪いと判断したのかロボに捕まる前にその場を跳び去る。
「腐川さん…!」
「嘗めやがってあのガキ…!アタシの『メタリカ』は『磁石』と相性が悪い…。アレをどうにかしないとあのデカブツに直接メタリカをぶち込むこともできやしねえ…どうしたもんかねえ…?」
「私もアイツの『弱点』を探してるんだけど、なかなか見つからなくって…」
「…弱点?んなもんあんのか?」
「え?腐川さん、前のロボットの時見てなかったの?」
「アタシと根暗は『記憶』を共有してねーんだっつーのッ!!変わる直前のこととか根暗の会話の内容ぐらいなら分かっけど、アイツが見たものまでは知らねーんだっつーのッ!!」
「ご、ごめん…」
「よそ見してたら死んじゃうよぉーッ!!」
どうしたものかと悩むこまる達に、蛇太郎は容赦なくミサイルを撃ち込んでくる。
「チッ…躱せおまるッ!」
「わ、わあッ!?」
誘爆の危険を恐れてか今度はミサイルから避けようとする。
…ぎゅん!
しかし、ミサイルは突如向きを変えると再びこまる達に襲い掛かる。
「ええッ!?お、追って来たよ!」
「チッ…『追尾式』か!仕方ねえ…おまる、そいつでぶっ壊せッ!」
「わ、分かった!『コワレロ』ッ!」
寸でのところでこまるが『コトダマ』を撃ち込んでミサイルを破壊する。幸い近くに爆弾は落ちていなかったため、誘爆はしなかった。
「あ、危なかった…けど、このままじゃジリ貧だよぉ…」
「さっきの強気はどこ行ったんだっつーの…で、『弱点』ってのはなんだよ?」
「あ、うん。この間のロボの時は、お腹に『モノクマの顔』があって、その奥に『赤いランプ』があって、それが弱点だったんだけど…」
「モノクマの顔ぉ?…それならさっき見たぞ」
「えっ!?ど、どこに!?」
「あのヤローの顔面に一発かましてやろうと近づいた時に、あの『背中』のところによ」
「背中…?」
ジェノサイダーが指差したのは、ドクトルボンゲロの背中の砲塔とはまた別に背負われている『バックパック』であった。
「あ、あれ!?ど、どうしよう…あんなの当てられないよ…」
「面倒臭ぇなあ……ん?」
と、ジェノサイダーがけだるそうに足元に転がる『爆弾』に目を落とし、次いでこまるの『ハッキング銃』に目をやると、にやりと笑う。
「…おい、おまる。ちょっと『ゲーム』しよーぜ?」
「げ、ゲーム?こんな時に?」
「こんな時だからだっつーのッ!いいか、ゴニョゴニョ…」
「…わ、分かった!やってみる!」
「何をやっても無駄だよぉ~!もう一発―!」
なにやら話している二人に蛇太郎は再びミサイルを放つ。
「邪魔だっつーのッ!」
それに対し、ジェノサイダーはミサイルの弾頭目掛けて鋏を投擲する。
ガッ!
ドガァァン!
放たれた直後であったためやや上空で爆発したミサイルは蛇太郎側に爆風を飛ばし視界を奪う。
「目くらましのつもり?でも残念でしたぁ~!僧侶ロボには高性能の『温度探知機』があるから、お姉ちゃんたちの動きは手に取る様に…」
「…おいガキ」
「え?」
煙の向こうより聞こえたジェノサイダーの声に怪訝そうな表情になった、その時
「…『フキトベ』ッ!」
ブオッ!
爆風をつき向けてドクトルボンゲロに突っ込んできたのは、先ほどまで転がっていた『アートボム』であった。
「ええッ!?」
「『ボーリング』しようぜ!お前『ピン』な!」
「当たれぇッ!!」
ボガァァンッ!!
アートボムはドクトルボンゲロの胸部に直撃すると爆発を起こし、ドクトルボンゲロは壊れこそしなかったものの機能がマヒしたのか俯せに倒れ、背中の『モノクマの顔』が丸見えになってしまった。
「そ、そんな!?」
「今だ!『コワレロ』ッ!」
目標を捉えたこまるはそこ目掛けて『コトダマ』を次々と撃ち込む。
バギャン!
やがてモノクマの顔が破壊され、その奥にある『赤いランプ』が露わになる。
「よーし、あとはあそこを…」
「だ、駄目だよそんなことぉ!動け、動いてよ僧侶ロボォ~!」
ギギギ…ピコーン!
しかし、あと一歩というところでドクトルボンゲロの機能が回復し、起き上がると再び空中に浮遊し始める。
「ああッ…!もうちょっとだったのに…!」
「やったぁ!僕の気持ちに応えてくれたんだね!嫌われ者の僕チンでも、『作り物』だけは『創造主』の僕チンの事を嫌ったりはしないんだ!もう『アートボム』なんかばら撒くもんか!あとはミサイルで絶対に…」
ドズッ…!
「…え?」
「言ったろ…今回だけは『本気』でやるってよ」
完全に起き上がったドクトルボンゲロの弱点に、こまるが攻撃している間に『天井』へ駆け上がったジェノサイダーが鋏と共に『突き刺さる』。
「こいつの『磁石』のおかげでいつもよか『加速』して突っ込めたぜ。…『超高校級の殺人鬼』、ナメてんじゃあねーよ」
ギギギギ…ガガ…ガ…
弱点を串刺しにされ、ドクトルボンゲロは今度こそ狂ったかのように地面に墜落する。
「止めだおまるッ!」
「う、うん!『ドカン』と、『コワレロ』ッ!」
『イン・ア・サイレント・ウェイ』と同時に放つこまる必殺の一撃が直撃し、バックパックが爆発すると、そこに格納されていたらしい爆弾が誘爆を起こし、ドクトルボンゲロは爆炎の中に消えていった。
「ああッ~…!そんな、僕チンの僧侶ロボが…」
「よっと!……なんとか、勝ったみたいね」
「やったね、腐川さん!」
「ま、まだだ!僕にはまだモノクマが…ハッ!?」
背後より感じる強烈な『殺気』に恐る恐る振り返ると、そこには大門の時と同じように目を紅く光らせた『モノクマキッズ』達が迫っていた。
ズオッ!
「な、なにをするの…!?や、やめてよぉ~!」
蛇太郎もまた、大門と同じように子供たちの中に引きずり込まれると、その覆面を四方八方から引っ張られる。
「だ、駄目だよ皆ッ!僕の覆面が破れちゃうよ!そんなことになったら、皆の眼が腐っちゃうよぉ~!」
しかし、そんな蛇太郎の願いも虚しく
ビリビリビリビリッ!
ついに覆面が引きちぎられ、その下の『素顔』が明らかになる。
「ああっ~…!もう終わりだぁ…、皆みんな、ゴミ箱のバナナの皮みたいに目がグチャグチャになっちゃうんだぁ~…」
『……』(ヒョイ)
「え?これ…鏡…?」
取り囲む子供たちの間から差し出された鏡には、蛇太郎の『素顔』が映し出されていた。
すっと通った鼻の筋。
男子には珍しくまつ毛の長い優しそうな目。
やや太いのがそれを強調させる眉。
そこに映っていたのは、とても『目が腐る』などとは言えない可愛らしい『美男子』であった。
「これが…僕?僕って、こんな顔してたんだっけ…?ああ…覆面が無いおかげかな…。空気が、とてもおいしいや…」
ガシッ!
「え?」
ギュン!
「そ、そんな…!い、痛いよ…やめてよ!僕の顔を見てもなんともないんでしょ…?だったら、もう僕を…嫌わないでくれよぉ~!」
ドガッ!メキッ!ゴシャァ…
素顔を知ったことで自分の事を再認識した蛇太郎にもお構いなしにモノクマキッズたちは暴行を加え、やがて蛇太郎を引き摺り回しながら立ち去って行き、後にはバラバラになった『覆面』だけが残されていった。
「…い、意外と…悪くない顔だったみたいね。ちょっと気の毒な気もするわね…」
「…『自業自得』、だよ」
「え?」
「行こう、もう…ここには用は無いよ」
吐き捨てる様にそう言うと、こまるは踵を返してエレベーターに戻っていく。
「…なんか、面倒なことになっちゃってない?そりゃ『憎んででも』言ったのはアタシだけど…って、っちょ…ちょっと待ちなさいよ!」
そんなこまるに不安な気持ちを抱きながら、腐川は後を追いかけエレベーターに乗り込んでいった。
今回ここまで
あと、お待たせしたお詫びとして番外編のゼロ編とジョジョゲー最新作の「アイズオブヘブン」編の導入部だけをちょこっとだけ投稿しています
まだプロトタイプですので、何か気に入らない点や意見がありましたらどしどしお書きください。それを元に、また書き直したり加筆したりしますので…