ストーリーに組み込みたいけどキャラが分からねえから書けません…。スーダンまでに間に合うかな…
「おい~っす!太一、生きてっかー?」
こまる達が会議室へと向かっている頃、ホル・ホースは自分が運び込んだ不二咲の見舞いの為に葉隠たちのいる病室へとやってきた。
「こらこらホルっち、縁起でもないこというんじゃあないよ」
「ハハ…おかげさまで、なんとかまだ生きてるよ…」
「おう、顔色は悪くねえ見てえだな。何よりだぜ」
「少々手荒でしたが、応急手当てが早かったおかげでしたな」
怪我をした首に包帯を巻き、喉をやられたせいか若干喋りづらそうではあるものの笑顔で応える不二咲にホル・ホースは胸をなでおろす。
「全く…やっと安全な場所に来れてホッとしたと思ったら、真っ青な顔色のこの人が来たもんだから心臓止まりかけたわよ」
「まあなんにせよ、生きてて何よりだぜ!」
「うむ、生憎塔和タワー方面までは見に行けなかったからな。苗木さんたちがたまたまそちらに向かっていてくれたのは幸いだったよ」
「ケッ…あの気味の悪い『死体』さえなけりゃもう少しやれたんだけどよ」
石丸達が外で保護した新たな『要救助民』の一人、山田一二三の姉である『山田富士子』も、当初は避難所の鬱屈した雰囲気に戸惑っていたものの、葉隠たちの様な前向きな姿勢を保とうとしている面々のおかげで、どうにか落ち着きを取り戻していた。
「…けど、やっぱりこれって『妙』だよね?」
「ん?何がだ?」
「ここに居る人たちって、さやかと一緒に『希望ヶ峰学園』に入学した人たちの『関係者』ばかりでしょ?他の人たちには希望ヶ峰学園の生徒の知り合いなんていないのに、どうして『さやかたちの代の生徒の身内だけ』こんなにいるんだろう…って」
「…確かに、それは気になっていた。ホル・ホースさん、あなたは我々の事を『要救助民』と言っていたが、何か知っているのかね?」
「…まあな。とは言っても俺もそこまで詳しく知ってる訳じゃねえんだが…ざっくり言っちまうと、この世界を崩壊させた『張本人』…『人類史上最大最悪の絶望的事件』を引き起こした黒幕が、大将たち『希望ヶ峰学園78期生』の中にいたから…ってとこかね」
「…ハァ!?」
「白夜様のご学友の中に…その様な方が!?」
「ああ…。そいつのせいで、大将たちは命こそ助かったが代わりに記憶を奪われた状態で互いを殺し合わせる最悪の『ゲーム』に無理やり参加させられることになった。お前さんたちは、そのゲームでコロシアイを誘発させるための『動機兼人質』だったらしいぜ」
「アタシ達が…さやかたちの『枷』になったってこと…!?そんな…」
「…ということは、千尋たちが死んだ理由というのは…」
「…ま、そういうことだ」
「じゃあ、頭領も…」
「一二三も…そのコロシアイで誰かに殺されたってことなの?」
「…ああ。けど…無理な話かもしれねえが、できればそいつらの事を悪く思わねえでやって欲しいんだ。そもそも、その黒幕の奴がコロシアイなんぞさせなければこんなことにはならなかったんだからよ」
「……」
「…まあ、なんだ。息子が無事だったアタシが言えた義理じゃないけど、今はそのことで仲たがいをしてる場合じゃないからね。けじめをつけたいなら、全部終わって、腐川っちたちから詳しいことを聞いて…それからでもいいんじゃないかな」
「…そうだな。今は一刻も早く、街に取り残されている人たちを救助することが先決だ…!」
「うっし!俺もやるぜ!」
「…ありがとよ」
「それよりよおっさん、さっき言ってた『要救助民』ってのはあとどれくらいいるんだ?この街の奴はともかく、そいつらは少なくともいるのはハッキリしてるんだからそいつらから探すのが手っ取り早いんじゃねえか?」
「そうだな、えーと…今ここに居るのがこまるの嬢ちゃん含めて『9人』だから…あと『5人』。『桑田怜恩』と『セレス…もとい安広多恵子』と『腐川の嬢ちゃん』と『大神さくら』と『霧切の姐さん』の身内だな」
「どういう身内かまでは分かってないの?」
「大体は聞いてるんだが…なにしろ情報源が怪しいってもんじゃ…」
「ギャアアアアアアアッ!!!」
『ッ!!』
病室の外から轟く耳を劈くような悲鳴。それを聞いた瞬間ホル・ホースたちの全身が総毛立つ。
「な、なんだ…!?」
「な、何!?今の悲鳴!?」
「おい…ヤベェ予感しかしねえぞ…ッ!」
「…お前ら、ここを動くなッ!オレが様子を見てくる!」
「お、俺も行く!」
「お前もここに居ろッ!!」
「…ッ!でも…!」
「いいからここに居ろッ!」
ついて来ようとする朝日奈を押しとどめ、ホル・ホースは『エンペラー』を構えて病室を飛び出した…
『ドォーン!』
「うおッ!?」
ドギュオンッ!
病室を飛び出すと同時に飛び掛かって来た『何か』に、ホル・ホースは反射的に『エンペラー』を撃ち放ってしまった。
ドサッ…
「…ッ!!?」
「お、おい…オッサン!お前何やってんだよッ!」
「し、しまった…!つい反射で撃っちまった…。お、おい…だいじょう…ぶ…」
早まった行為に後悔しながら、目の前に落下した『ソレ』に目をやった瞬間…ホル・ホースの表情が一層凍りつく。
「……」
「ちょ…ちょっと?アンタどうしたの?」
「ま、まさか…死んじゃった?」
「……ああ、そうだな。死んでるぜ。死んでて欲しいと心から思うがな…!」
「な…!?ほ、ホル・ホース君!君は何を言って……ッ!?」
あんまり発言に憤りかけた石丸であったが、ホル・ホースが撃った『モノ』が見えるように体をずらすと、彼を含めた全員が固まる。
「う、嘘…でしょ…ッ!?」
「なんで…なんでこんな…ッ!?」
「ああ、全くだぜ…!なんで、こんな…こんなことになっちまってやがんだよッ!!」
ホル・ホースの足元に転がっていたのは、偶然『左目』を撃ち抜いたことにより機能を停止させている『モノクマ』。そしてホル・ホースと全員の視界に広がっていたのは…
『イヤーッホウ!』
ザクッ…!
「ギャアアアッ!」
『ホレホレー!』
「し、死にたく…イヤァァァッ!!」
ズチャアァ…!
大量の『モノクマ軍団』によって蹂躙される、避難所の地獄絵図であった。
「…う、そ…」
会議室を飛び出したこまると腐川もまた、同じ光景を目の当たりにしていた。
『うわああ~ッ!?た、大変だァッ!!』
「な…なにコレ…?どうなってるの…?」
「言わなくたって分かるでしょ…ッ!ここの場所がアイツらにバレたのよ!」
目の前で次々と量産される惨殺死体に、半ば放心寸前のこまるとヒステリー寸前の腐川。とそこにモノクマに応戦するホル・ホースが駆けつける。
ドォンドォン!
「チィ、キリがねえぜ…おおっ!嬢ちゃんたち、無事だったか!」
「ホル・ホース!ちょっと…これどうなってんのよッ!?」
「俺だって知りてえよ!いきなりシャッターが蹴破られて、こいつらが雪崩れ込んできたらしいぜ…ッとぉ!」
ドォン!
『むぎゃ~…』
「クソッタレめ…ともかく、今はこいつらを何とかするほうが先だ!嬢ちゃんたちも加勢してくれッ!」
「…しょうがないわね。行くわよ、おまるッ!」
「う、うん…」
言われるがままハッキング銃を構えるこまるを腐川が引き摺るように、二人も乱戦へと身を投じて行った。
「『ストレイ・キャット』ォ!」
ガウンッ!
『やだなぁ~…』
一方病室の前では、朝日奈が何故か『裸足』で病室の扉を背にモノクマ達を迎撃していた。
「もういっちょ!喰らえ俺の『必殺』…!」
朝日奈は眼前のモノクマ達に対し『クラウチングスタート』の体勢を取る。すると、先ほど掌から飛ばしていた『空気の弾丸』が、今度は『掌』だけでなく『足の裏』にまるで『スターター』のように発生する。そして…
「『ロケットダッシュアターック』ッ!!」
ボォンッ!
足元で圧縮した『空気弾』が弾けると、同時にスタートを切った朝日奈は普段の『数倍』のスピードで前方に『発射』される。まさに『風』のようになった朝日奈が掌の『空気弾』を突き出しながらモノクマの集団の中に突っ込むと、朝日奈はモノクマ達の間の僅かな隙間をすり抜けるように駆け抜ける。それと同時にすれ違ったモノクマを高圧で潰れて『ナイフ』のようになった空気弾で切り裂き、『頭半分』を断ち切ってしまった。天性の『動体視力』と『運動神経』を持つ朝日奈だからこそできる『荒業』である。
『ギギ…ギ…』
ドォォンッ!
「ハァ…ハァ…クッソ、敵が多すぎるぜ…!」
しかしながらこの技は当然朝日奈の体にも負担が大きく、徐々にモノクマの数の押されていく。
「このままじゃ…」
「『コワレロ』ッ!」
「『メタリカ』!必殺、『シザーシャワー』ァァッ!」
「!?」
ドキュンドキュン!
ガガガガガッ!
そこに、こまるとジェノサイダーが応援に駆け付ける。
「姉ちゃん!帰って来てたのか!」
「う、うん…。悠太君、さっきなんか凄いことしてたけど、大丈夫?」
「へへ…これぐらいへっちゃらさ!」
「おいガキ、死体が足りねーみてーだが残りの連中どこ行った?」
「え?ああ…、無事な人たちは今そこの病室に集めて内側からバリケード作って匿ってる。ホル・ホースのおっさんがアイツらの気を惹いてる間に石丸のおっさんと雪丸が生きてる奴らを探し回ってるけど、このままじゃジリ貧だぜ…!」
「ハァ~ン、成程ね。なるほどなるほど…つーことは、ここのモノクマ全部ぶっ壊しゃあ万事オッケーってこったな!メンドクセーけどやってやんかー!」
「うん…今は、とにかくモノクマを止めないと…!」
「…よぉーっしッ!かかってこいやぁーッ!!」
ドギュン!
『また来週~…』
ドガァァン!
「…ハァ…ハァ…」
「こ、これで…全部、よね…?…ッハァ~…」
それから数十分後、こまるが最後のモノクマを破壊したことによりようやく戦闘は終了した。それを確認するや否や、腐川にホル・ホース、朝日奈はその場に崩れ落ちるようにへたり込む。
「つ、疲れたぁ~…」
「ただのモノクマだけならともかく…、あの『爆弾背負った奴』や『サイレン被った奴』も居たからな…。嬢ちゃんのハッキング銃がなけりゃ正直ヤバかったぜ…」
『ありがとう皆、ここの人たちを守ってくれて!』
「…あんたもモノクマならあわあわしてないで手伝いなさいよ…」
「…苗木さん、ホル・ホース君!」
「え?…あ、石丸さん、雪丸君…!」
「…どうやら無事みてーだな」
「へとへとだけどな…」
「いや、生きていてくれて何よりだ。…そう、生きていてくれて、な…」
「…で、『何人死んだ』の?」
「何人…あ…」
そこでこまるは周囲を見渡し、愕然とする。
こまる達によって破壊されたモノクマの残骸と共に地面に打ち棄てられていたのは、それらと同じぐらい無残な姿になってしまった大人たちの『死体』。切り裂かれ、へし折られ、『恐怖』と『絶望』の表情を浮かべたままで冷たくなったそれは、圧倒的に多い筈のモノクマの残骸の中にあっても一際目立ち、こまるの眼から離れることは無かった。
「…『24人』死んだ。アロシャニスの爺さんが確認したから間違いねえ…」
「…ッ!!そんな…クソッ!」
「…朝日奈君、君は良くやった。キミや苗木さんたちがいなかったら、もっと多くの人たちが犠牲になったかもしれない。…私も含めてな。気にするなとは言えないが…君たちが責任を負う事じゃない」
「そうさ…坊主、オメエはよくやった。だから泣くな、男が簡単に涙を見せちゃいけねえぜ?な…」
「…うん」
『そうだね…。死んじゃった人がいるのは悲しいけど、逆に言えば皆がいたおかげでこれ以上死人が出ずに済んだんだからね』
「…でも、どうしてモノクマ達にここの場所が分かったんだろう…?」
「…決まってんだろ…ッ!お前らが連れてきたんだよッ…!!」
「…え?あ…」
震える声でやってきた灰慈の顔には、これ以上ないほどの『憤怒』の色が感じ取れた。そんな彼に追随するように避難していた病室から出てきた生存者たちからも、同様の感情がひしひしと感じ取れた。
「お前らのせいだぞ…。ここの場所だけは、絶対にガキ共に知られるわけにはいかなかった…ッ!だから、ここを出ようとする奴らを必死に押しとどめて、情報の漏えいを防ごうとしていたんだ…!そんな俺達の『努力』を、お前らは踏みにじった…ッ!お前たちがここにあのバケモンどもを呼び込んだんだッ!!」
「わ、私たちが…!?」
「シロクマから聞いたぞ…。お前ら『塔和タワー』で未来機関と連絡を取ったんだってな。そん時にガキ共に目をつけられて、ここに戻ってくるまでつけられていたんだ…!お前らのマヌケさが、ここの連中を殺したんだッ!!」
「そ、そんな…ッ!?」
反論しようとしたこまるを周りの大人達の『敵意』の籠った視線が黙らせる。今まで子供たちからの純粋な『殺意』は散々受けてきたが、『敵意』というものに耐性が無いこまるはその無言のプレッシャーに押し黙るほかなくなる。不安げに視線を泳がせていると、ふと近くで倒れ伏す死体と目が合ってしまう。焦点を失い、物言わぬはずの死体の筈が、こまるは何故かその死体からこの場の大人達と同様の『怒り』が向けられているように思えた。
『この人殺し』…と。
『ちょ、ちょっと待ってよ!こまるちゃん達は僕たちを助けてくれたんだよ!』
「そうだ!君の言いたいことも分からないでもないが、だからといって我々を守る為に戦ってくれた彼女たちに対して失礼ではないか!」
「そもそも、こいつらがモノクマ共を連れてこなきゃこんなことにはならなかったんだろうが…!『自業自得』だ、俺らまで巻き込んだ最悪のなッ…!!」
「そ、そんなの『推論』でしかないじゃないの!アタシらがこいつらを呼び込んだっていう証拠でもあんの!?」
「テメエの言い分ぐらいこっちは当然理解してんだよ。だからオレや腐川の嬢ちゃんはここに戻って来るまで、神経張りつめてガキ共の監視がねーか見張ってたんだ。…大体な、そっちこそガキ共がここの場所を『絶対に知らない』っていう証拠でもあんのかよ?」
「黙れッ!!」
「!」
シロクマや石丸達はなんとかこまるを擁護しようとし、腐川やホル・ホースは戻って来るまでの道のりでつけられていないことを断言するが、頭に血が上った灰慈や大人たちの怒りは収まる様子が無い。
「テメエらが偉そうなこと言ってんじゃあねーよ…!立場分かってんのか?俺達はとばっちりを喰らった『被害者』、テメエらは『加害者』なんだよッ!お前らがどう自己擁護しようが、この『事実』が覆ることはねーんだよ!」
「そうだそうだ!」
「この疫病神―!」
「…それに、『推論』でいいならもっと言ってやろうか?そこのおっさんはともかく、お前ら二人はガキ共の『スパイ』なんじゃねえのか!?」
「え!?」
「す、スパイ!?アタシが?!」
自分をスパイ呼ばわりされたことに、こまるは呆然とし腐川は癇癪を起こす。
「ふっざッけんじゃあないわよッ!!なんだってアタシらがあのクソガキ共の肩を持たなきゃなんいのよッ!」
「そ、そうだよ!私たちはスパイなんかじゃないよ!」
「…お前ら、こんな『寓話』を聞いた事が有るか?」
「え?」
「むかしあるところでよ…『鳥の一族』と『獣の一族』が喧嘩していたそうだぜ。で、そんな二つの種族間で『どっちつかず』だった奴が居た。…『鳥』と『ネズミ』のふたつの顔を使い分けていた『蝙蝠』さ。終いには、どっちの仲間にも成りきれず鳥にも獣にも見放されちまうんだが…」
「な…何が言いたいのよ?」
「…お前らは、どっちなんだろうな?どっちつかずの『蝙蝠』さんよぉ…!」
「なッ!?」
「お前らぐらいの年頃のガキはみんなそうだぜ…。他人の前じゃ粋がって『大人』ぶって、都合が悪くなると『子供』ぶる…。そうやってガキ共のご機嫌取りしてたんじゃあねーのか?あァ!?」
「そ、そんなこと…!」
「…ハッ、随分言ってくれるじゃない。だったらこっちだって言わせてもらうわ。…アンタら散々『被害者』ぶってるけど、アンタ達の中に『裏切り者』がいるとは考えなかったの?」
「なッ…!?」
「う、裏切り者だと!?」
「そんなのいる訳ないじゃない…!私たちは、アイツらに殺されそうになったのよ!?」
「どうだか…。殺されそうになったところに、生かしてやる代わりに大人たちに紛れてこっちの情報をガキ共に流す…良く有りそうな手だとは思わないワケ?」
「…バレそうになってこっちの『内部分裂』を図ろうってか?フザけやがって…!おい、こいつらを取り抑えろ!!」
灰慈の指示を受け、大人の男たちがこまると腐川を取り抑えようとする。
「おとなしくしろぉッ!」
「い、嫌…ッ!助けてシロクマッ!」
『こ、こまるちゃん!は、灰慈君やり過ぎだよ!』
「シロクマ…、いくらお前の頼みでもこればっかりは出来ねえ相談だッ…!」
『そ、そんな…』
「野郎ッ…!」
「やめなさいホル・ホースッ!」
「ッ!?腐川…」
威嚇の為に『エンペラー』を展開しようとしたホル・ホースを腐川が制する。
「騒ぎを起こしたら面倒になるわ、アンタはおとなしくしてなさい…!…そいつらのこと、頼んだわよ…!」
「…チッ」
「…アンタも疑いが無いわけじゃねえ。アイツらみたく監禁はしねえが…見張りはつけさせてもらうぜ」
「…好きにしな」
「お、おい!姉ちゃんに乱暴したら俺が許さねえぞッ!!」
「安心しろ…、俺は女を嬲る趣味はねえ。閉じ込めるだけだ、出す気はねえがな…。それより、お前は自分の心配をしたほうがいいんじゃあねえか?テメエも立派な『ガキ』なんだからよ…!」
「なんだと…!」
「落ち着け、朝日奈君…!」
「…アンタがこいつらをコテンパンにするのは簡単だろうけど、そんなことしたらこまるっち達だけじゃなくアンタの立場も無くなるよ。男なら、時には『力』を使うのを『我慢』するのも大事だよ」
「…分かったよ」
「ご安心ください、皆さんの安全は私が必ず保証します」
「…なんか、来て早々とんでもないことになっちゃった感じ…?」
「ど、どうなっちゃうの…?」
『こまるちゃん…ごめんね』
大人たちに連行されるこまると腐川を、ホル・ホースたちは口惜しげに見送ることしかできなかった。
誰が『裏切り者』なのかということに、考えることすらできぬままに。
…同時刻、『未来機関第14支部』にて…
「……」
「……」
「……」
14支部にある『会議室』では、霧切、舞園、朝日奈。そして話を聞いて駆け付けた仗助と康一、ジョセフが今後の対策に関して話し合っていた。
「それで…どうするつもりなんですか?『支部長代理』…」
「…現時点で、私たちにできることは『2つ』だけよ。腐川さんたちが自力で事態を変えてくれるのを待つか、監視の目を潜って塔和シティに『侵入』するか…それしかないわ」
「侵入…って言っても…」
「報告は聞いてんだろ?塔和シティが本格的にモノクマ共に『占領』されてから、塔和シティ一帯には強力な『ジャミング』が張られちまったってよ」
「シティから退避しようとしていたヘリも、ジャミングの影響で戻ってこれないみたいなんだ。『航空機類』での侵入は難しいよ…」
「『陸路』は完全に断たれてしもうた。『船』もジャミングの影響を受けるじゃろうしのう…、手漕ぎボートなぞでは到底間に合わん…」
「クッソ…、八方塞がりじゃあねえか!」
「こういうことの『専門家』のむくろちゃんは誠君と一緒ですし…どうしたらいいんでしょう?」
「このまま…黙って待ってるしかできないなんて…ッ!」
「…まだ手はある筈よ。考えましょう…私たちが『諦める』訳にはいかない…!どんな手を使ってでも、必ず助ける方法を見つけ出すのよ…!」
「…はい!」
「うん、そうだね…!」
コンコン
と、そこに会議室の扉がノックされる音が響く。
「どうしたの?」
「支部長代理、至急『管制室』に来てもらえますか」
「管制室…?」
連絡に来た機関員と共に管制室へとやってくると、そこは妙に慌ただしい雰囲気になっていた。
「どうしたの?」
「あ、支部長代理。…実はついさっき、『未確認』の航空機から着陸を求める通信が入ったのですが…」
「航空機…?」
管制官の報告に霧切たちは首を傾げる。この『14支部』は『ある事情』の為敷地内に『滑走路』が存在しているが、そこを利用する航空機は限られており、まして見ず知らずの航空機が来ることなど聞いていない。
「…その航空機の所属は分かるかしら?」
「今、確認をとっています。なにしろこんな状況ですので、通信もうまくつながらなくて…」
「…通信、応答しました!」
「…ッ!来たか、向こうの所属は!?」
管制官の質問を向こうに伝えた通信士が、向こうからの返答を声を大にして霧切たちに告げた。
「…!こ、航空機の所属は…『ドイツ国防軍』ですッ!!」
『ドイツ軍!?』
今回ここまで。話中で朝日奈が使った技に関しては完全にオリジナルです。多分おかしいと思うでしょうけど大目に見てください
番外編は現在舞園編を大幅テコ入れし直してますのでもう少々お待ちを…
スタンドバトルがない話を書くのがこんなに難しいとは…