まだ馴染めない感じはありますが、のぶ代さんとは違った中毒感がありそうな感じ…
7月が非常に楽しみですねえ…
モノクマ軍団の襲撃から数時間後、避難所はこれまでにないほどの静けさに包まれていた。『避難所内』での犠牲者が出てしまったこともあるが、子供たちにここの場所がバレてしまったのではないかという不安に駆られた大人たちは、しかしここから出るという選択肢をとることができず、結果としてただ息を潜めて隠れるように怯えるしかできなかった。
「…参ったなあ。これからどうすりゃいいんだ…」
そんな中、朝日奈達は一時こまる達と行動を共にしていたこともあり、全員を一か所に集められ勝手に行動できないようにされていた。
「まったく嫌になっちまうね。ただでさえ息苦しいのにこんなところに閉じ込められたままってのはさ」
「仕方あるまい…。我々が堂々と動き回れば、その分ここの皆さんを不安にさせてしまいかねないからな。それに、避難所内での行動を許されている分まだマシというものだろう」
「…オッサンやメガネのネーチャンはともかく、あの苗木ってのは大丈夫なのか…?」
「あの子…良くも悪くも『普通』って感じだったからねえ。多分、怖がってるんじゃないかしら…」
「なんとか…してあげたいけど…」
「我々が下手に動けば、増々彼女たちの立場を悪くするだけでしょう。…ここは、冬子様の言葉に従うしかないでしょう」
「…姉ちゃん」
その頃、腐川たちはそれぞれ別々の建物に隔離され、特にこまると腐川は一切の他人との接触が無いよう『鉄格子のかかった個室』に監禁されていた。
「…ハァ。面倒なことになっちゃったわね…」
個室に置かれたベッドに座りながら、腐川は深くため息をつく。
「さて、どうしたもんだか…。ここから『出ること自体』は簡単だけど、問題はおまるの方なのよね。アイツ…捕まった時に『ハッキング銃』を没収されてたみたいだから、今は完全に『丸腰』なのよね。ここから出たとして、足手まといのアイツを引っ張って白夜様を救出に向かったとしても…正直厳しいわね」
(…おい根暗)
「…なによ、あんまり話しかけて来るんじゃあないわよ」
(テメー、なんでデコマルと『一緒にいる』ことにそこまで拘ってやがる?足手まといでしかねーんなら、デコマルここに置いて白夜様助けに行けばいいだけの話じゃねーか。あの『似非まーくん』如きアタシが瞬殺してやっからよ)
「…そういう訳にはいかないのよ。詳しくは言えないけど…アンタなら大体『察せる』でしょ?アンタも、『アタシ』なんだから…」
(…あっそ、んじゃ勝手にしてろよ。都合良い時にアタシを使うのはいーけど、精々乗っ取られねーように注意するこったな)
「アンタに言われるまでもないわよ…」
「…はぁ」
一方こまるも、ベッドの上で体育座りをしてため息をついていた。
「…どうして、こうなっちゃったんだろう…って、考えるまでもないか。全部、私が悪いんだ…。灰慈さんの言ったとおり、私が余計なことをしたから、皆を傷つけることになった…。ここに戻ろうとなんて思わなければ、誰も傷つかずに済んだかもしれないのに…ッ!」
膝に顔を埋めるこまるの頬に、涙が伝う。こまるは服の下から、これだけはと隠していた赤ん坊の入った『瘤』を取り出し、語りかける。
「ごめんね、怖い思いをさせちゃって…。守ってあげるつもりだったのに、ごめんね…!」
涙が滴る瘤の中で、赤ん坊は聞えているのかいないのか、不規則に寝返りをうつのみであった。
「腐川さんの言うとおりだった…。私は、『助けてもらう』ことばっかり考えて、自分のやることの意味を考えてなかった…!『自分でなんとかする』ことを最初から諦めて、周りの事も考えないで…腐川さんのことも信じきれなかったから、こんなことに…!私に…もっと、『勇気』があれば…!」
後悔の念に駆られるこまるの独白は、誰の耳にも入ることなくただ空気に消えていくのみであった。
「うう…う…」
「…そろそろりー♪そろり♪ロリ~♪」
「…え?」
扉の向こうから聞こえてくる不相応な…というより、聞こえる筈のない『子供の声』。その『声』の正体は、実にあっさり扉を開けて姿を見せた。
「開け~ゴマ~ッ!」
ガシャン!
「お邪魔じゃま~♡私、『希望の戦士』の『戦士』担当の空木言子でーす!…あ、『戦士』って言っても、巷で人気の『くっ殺』系の女戦士キャラとは違いますからね~。どちらかというと、『言葉』という名の剣で相手を滅多切りにするのが大好きな『ドS』系戦士ですのでそこのところヨロシク~!」
「…あ、アナタは飛行船の…!」
とっさに赤ん坊を服の下に隠しながら、こまるは言子の存在に驚く。
「はーい、『魔王の妹』…じゃなくて、苗木こまるさん…でしたっけ?こんな陰気くさいところに閉じこもるのが好きなんて性格捻くれてますね~」
「す、好きでいる訳じゃ…っていうか、どうやってここに!?」
「ん~?そんなのモナカちゃんの『魔法』のおかげに決まってるじゃないですか」
「魔法…?」
「そうですのよ。…先ほどモノクマちゃんがここに大挙して押し寄せたのも、新月君が下調べをしてモナカちゃんの『魔法』で正確な場所を特定できたからですわ」
「そんな…ありえないよ、『魔法』だなんて…」
「ウルトラスーパーベリーキュートなモナカちゃんに『不可能』はありませんですのよ?…それでモナカちゃんに教えて貰った場所に来てみれば、なんですかここは…まるで鬼ごっこで鬼に見つかる5秒前の奴みたいな魔物ばっかりじゃないですか。ホントなら全員『駆除』してあげようと思っていましたけど、今回はお姉さんに『用』があるのでそれはまた今度にしますわ♡」
「私に…?ま、まさか…私を殺しに!?」
「ブー!残念でした、もちろんそれは『決定事項』なんですけど今は置いておいて!…お姉さん、『脱走』するなら今のうちですよ?」
「…え?」
手に持った『棒状の器具』でこまるに道を示す様に開いた扉の向こうを指差す言子に、こまるはポカンとしてしまう。
「ど、どうして…?」
「勘違いなさらないでください。あなたが『デモンズハンティング』のターゲットであることに変わりはありませんわ。ここを出た暁には、必ず始末して差し上げます。…ですが、それは同時に『他の誰か』に殺されたのでは意味が無いということでもありますわ。つまり、アナタにこんなところで野垂れ死なれたのでは興ざめもいいところという訳ですのよ?ドゥーユーアンダスタンド?」
「……」
「…どうやらイマイチ分かってないみたいですね。頭の弱い子って見てて不憫ですねー。まあ、分かりやすく言えば『ベジータ系ツンデレ』って奴ですわ♡…か、勘違いしないでよねッ!お姉さんを殺すのは私なんですから、こんなところで死ぬなんて許しませんのよッ!…ってことですのよ。御分かり?」
「…あ、うん…」
「キャー!その訳が分からなくなってアタマがどうにかなりそうな表情、すっごくキャワイイですわー!前々から思ってましたけど、お姉さんって苛められて映えるタイプのキャワイさを持ってますよねー!…まあ、モナカちゃんと比べたら『月とすっぽん』どころか『剥いてある栗と剥いてない栗』ぐらいの差が有りますけどね。もしくは『きのことたけのこ』」
「あ、ありが…とう?と、とにかく…行ってもいいん、だよね?」
「はい、どこへなりともおサラバしちゃってください。…あ、ちなみに連れの眼鏡のお姉さんとカウボーイのオジサンは『いらない』ので置いてってくださいね」
「え!?」
「私としてはあんな『キャワイさ』の欠片も無い魔物なんかどーでもいいんですけどねー、新月君が『ルールを守れ』ってうるさいんですよね。どうせコドモだけの『王国』ができればルールなんて必要ないって言ったのに、『自分で決めたことも守れないようならオトナ以下だ。僕たちはあんな奴らとは違うってことを見せつけてやるんだ』…って。そーんな言い方されたらズルいと思いません?」
「で、でも…二人を、皆を置いて行くなんて…」
「まーまー、言いたいことは分かりますけどとりあえずここから出たらどうですか?どの道アナタがここに居る限り私たちはずっとここを狙い続けますよ。…魔物どもが一匹残らず『生ごみ』になるまでね…!」
「…ッ!」
言子の能面じみた『無表情』から感じる『凄み』に、こまるは思わずたじろいでしまう。
(…ここに私がいれば、これからもずっとここが狙われる…?もし、それが本当なら…あんな『光景』がずっと続くってこと…!?あんな、あんな…ッ!)
こまるの脳裏に先ほどの死屍累々とした光景と大人たちの冷たい視線がフラッシュバックする。その記憶から逃れるように、こまるはゆっくりと出口へと歩き出し、逃げ出そうとして…
「えいやーッ!という掛け声と共にッ!」
ガスッ!
「ぇあッ…!?」
言子の手にした器具から放たれた『入れ歯』のような物体がこまるの項に噛みつき、こまるは驚きと痛みで混乱しながら倒れ伏す。
「…これは、『入れ歯発射ガン』って言うんです。見てください、どこをどう見ても『完璧』なフォルムでしょう?蛇太郎くんも偶にはいい仕事をしてくれましたよ。…もういませんけどね。ちなみに…私の『父親』も『歯医者』だったんですよ。本当は『内科医』になりたかったらしくてコンプレックスむき出しで『外科医プレイ』にばっかり興じて歯科助手さんとも『浮気』ばっかりしてたんですよ。…そのせいでお客さんがだーれもいなくなって、それを言い訳に本業そっちのけで私にばっかり稼がせて…本当に、何度殺しても…ぶっ殺しても、ぶっ殺しても、ぶっ殺してもッ!…まったく全然これっぽっちも殺したりない、最高で最低なパパでしたよ…!」
(な、なに…これ…!?力が、入らな…)
「うふふ、動けないでしょう?この入れ歯には強力な『麻酔』が仕込まれていますから、どんなに頑張っても無駄ですよ?…キャー!虚ろなレ○プ目になったお姉さんもサイキョーにキャワイイですわー!本当に…『愚か』って言葉がお似合いな表情ですね」
「…あ…あ…」
「お姉さんって、本当にどうしようもなく『中途半端』ですわね。『疑う』ことだけは『オトナ並』の癖に、いざ信じると『コドモ並』に簡単に騙される…。それでも『魔王の妹』なんですか?これじゃ『スライム』以下ですわ。…あ、エッチなゲームに出てくるスライムは別ですよ!」
「……」
「誰を『マネ』しているのかは知りませんけど、それが許されるのは『自力で解決できる力』を持った人だけなんですよ。…それができなかった魔物どもを、私は飽きるほど見てきました。ですから、お姉さんにはせめてそんな醜いモノに成り下がる前に…私がいっそ『振り切って』差し上げます。覚悟してください…!」
「…たす、け…て…腐川…さん…」
「…ハッ!?」
ブツブツと愚痴っていた腐川が突如顔を上げる。
「い、今なんか…おまるに呼ばれた様な…!?」
(…おい、妄想で電波るのは白夜様だけにしとけよ。アタシはレズなんか御免だぜ)
「んなわきゃないでしょッ!!…よく分からないけど、こまるになんかあった様な…そんな気がするのよ」
(…ハッ!そんなに気になるんなら確かめに行けばいーじゃねえか。…おら、さっさと代われよ)
「…調子に乗って返さないとか言うんじゃあないわよ」
(そいつは『テメー次第』だ。テメーがアタシの邪魔になることを1ミリでも考えてるんだったら…アタシは躊躇いなくテメーを『磨り潰す』からな)
「…勝手にすればいいじゃない。その代わり、分かってんでしょうね?」
(あたりめーだろ。…後は任せな、『アタシ』)
「フン。…任せたわよ、『アタシ』」
「……イィィヤッホォォォウゥッッ!!」
バゴォンッ!
けたたましい奇声と共に扉を蹴破って、ジェノサイダー翔はあっさりと脱獄して見せた。
「うーし、まずはデコマル拾ってからついでにおっさんも連れて行っかー!こんな『萌え』の欠片も無いごみ溜めとはおサラバよッ!」
隔離されていたことが幸いしてか脱獄に気づかれないままジェノサイダーはこまるの閉じ込められている部屋の前にやってくる。
「おーいデコマルー、白夜様んトコ行っくぞー……って、いねーしッ!どこ行った!?」
しかし、覗き込んだ部屋の中はもぬけの殻であった。
「あれ?間違えた?んー、けどおっかしーなー?ちゃんと『臭い』は残ってっからここにいたのは間違いねーんだよなー?さーてどこ行った…あ?」
コツコツコツ…
「……」
首をひねるジェノサイダーの前に、どこからともなく3人の『モノクマキッズ』が現れる。彼らはそれぞれ手に『ハッキング銃』、『タブレット』、そして『メモリーチップ』を持っていた。
「…んだテメエら?」
「……」
訝しげなジェノサイダーにモノクマキッズたちは手に持った物を差し出す。
「ほーほー…、こいつとこいつをデコマルに渡せってか?んでこいつは……は~ん成程な~。この『赤い点』がデコマルの現在地って訳?」
タブレットの画面には、塔和シティの略図が映し出されており、その中を1つの『赤い点』が動いていた。
「大方デコマルの『腕輪』の発信機っぽい感じー?つーことは、ここの連中がどんだけ隠れてもお前らにはとっくに御見通しだったって訳か!ギャハハハ!ウケる~!…で、今度はアタシがそれを使ってデコマルを追いかけろってワケ?」
「(コクコク)」
「…ふーん、けどちょーっとおかしくなーい?」
一様に頷くモノクマキッズに、ジェノサイダーは笑顔のまま詰め寄る。
「なんで『敵』のアタシにこんなもんをプレゼントしてくれるワケ?…さては、あの根暗…『似非まー君』に一杯喰わされやがったな?そんでお前らは他の奴らと違ってアイツの手下ってワケね。…ま、今はどーでもいいけど、ねッ!」
ひったくるようにジェノサイダーは差し出された物を受け取る。
「あのイン○野郎がなにしよーが、『アタシ達』の目的に変わりはねーからな!…けど一言言っとけよ、アタシを『パシリ』にしたツケは安くねーってな!ギャヘへへへへ!」
高笑いをしながら走り去るジェノサイダーを、モノクマキッズたちはただ黙って見送っていった。
「…おーっと、忘れるとこだった」
一目散に避難所から出ようとしたジェノサイダーであったが、ふとあることを思い出し踵を返して『居住区』の方へと走り出す。
「Alalalalalalalalalalalaィッ!!」
「…ん?な、なんだアイツは!?」
「邪魔邪魔ァッ!」
ゲスッ!
「ギャッ!」
居住区には先のことも有ってか何人かの見回りが居たが、ジェノサイダーは気にも留めずに彼らを足蹴にして目的の場所…『会議室』へとやってくる。
ガラッ
「なん…お、お前はッ!?」
「おお!?腐川…じゃなくてジェノサイダーか!」
「おっすおっさん、とっととデコマル迎えに行くぞー!」
乱暴に扉を開けると、一緒にいた灰慈や大人たちには見向きもせず監視されていたホル・ホースに呼びかける。
「迎えにって…お前ら一緒に居たんじゃねえのか?」
「あー、説明すっとメンドイんだけどよ…簡単に言えば、デコマル拉致られちったぜ♡」
「なんだとッ!?」
「何ィ!?どういうこった!?」
「だから説明は面倒だって言ってんだろ?グダグダ言ってねえでついてこいやッ!」
「…しょうがねえな。悪いな灰慈、俺は行くぜ」
「…待てよ。みすみす行かせると思ってんのか?」
灰慈が立ち上がると共にその場の大人たちがジェノサイダーを取り囲もうとする、…が
ズドドドッ!
「ひッ!?」
「…嘗めてんじゃあねーぞボンクラ。テメエら程度に止められると思ってんのか?」
ジェノサイダーの投擲した鋏が足元に突き刺さり、その動きをけん制する。
「き、貴様…!」
「やるんだったら別にいいぜ?…この『ジェノサイダー翔』様の邪魔をするってんならよ!」
「ジェノサイダー…翔…?」
「…1年ぐらい前に、巷で話題になった『連続殺人犯』のことは知ってるか?」
「え…?それって、『男』ばかりが狙われたって言う……ま、まさか…!?」
「こいつがその連続殺人犯の『ジェノサイダー翔』なんだよ」
「な、なんだとッ!?」
ホル・ホースから告げられた事実に大人たちは恐怖で後ずさる。その様子を見たジェノサイダーは途端にやる気をなくしたようにため息をつく。
「…ケッ、どいつもこいつも『しなびたキュウリ』みたいなツラしやがって。あーあ、殺る気デネ、行くぞおっさん」
「お、おう…!」
ホル・ホースを連れ立って出て行こうとするジェノサイダーは、ふと入り口で立ち止まって振り返らずに言う。
「…何もしねえんなら、なにもできねえんなら、黙ってそこで寝てろ。『前に進もうとする奴』の足を引っ張ってでも『安心』が欲しいんなら、テメーらだけでやってろ。アタシはそんな吹けば倒れそうな『こけおどし』のねぐらなんざ要らねーんだよ。テメーの『生き様』ぐらい…テメーで貫いてみろや」
「…あばよ」
諭すようにそう言い残し、二人は避難所を走り去っていった。
「………ん…?」
目を覚ましたこまるは身じろぎをしようとしたが、何故か体を殆ど動かすことができなかった。
「…え?な、なにコレ…!?どうなってるの!?」
ハッとなって自分の置かれた状況を確認すると、自分が見知らぬ部屋で『磔』にされていることに気が付いた。
「はろはろー…じゃなくて、ぐっどもーにんぐ♡お目覚めですかお姉さん?」
「あ、あなた…!君がこんなことをしたの?は、放してよッ!」
「ノンノン、話聞いてなかったんですか~?これからお姉さんには、醜い魔物にならない為の『訓練』を受けて貰うんですから」
「く、訓練…?」
「まあエッチな言い方をすれば…『調教』ってやつです」
「ちょ、調教!?…ひゃッ!」
突如胸に感じたこそばゆい感覚に思わず悲鳴を上げるこまる。ふと胸元を見ると、自分が磔にされている『リボンでデコられた鉄板』から伸びた『マジックハンド』が自分の胸を鷲掴みにしていた。
「ちょ…!?こ、これなんなのッ!?」
「だから~、『調教』ですよ。お姉さんが醜い魔物になる前に、『オトナ』みたいな下劣でキモい考えができないように…エッチなことしか考えられない『雌犬』ちゃんに躾けてあげるんですの♡」
「そ、そんなの…ひゃぁん!?」
一本だけでなく次々と出てくるマジックハンドが、こまるの胸だけでなく臀部やその他親にも触らせたことが無い恥ずかしい部分を刺激し始める。
「な、何…?こんな、触られただけで…!?んあぁッ!」
「うふふ、初めての感覚でしょう?…さっきお姉さんに撃ちこんだ麻酔には、ほんのちょっとだけ『エッチな気分になる作用』がありましてね、ちょっとした刺激でもお姉さんには痺れるような快感があるはずですよ~。…まあ、こんなにハッキリ出るとは思いませんでしたけど、お姉さん元からエッチな身体してましたし、『素質』があったんじゃあないですか?」
「そ、そんなこと…ひぁッ!?」
「…ちなみに、私には今のお姉さんがどんな気持ちなのか手に取るように分かるんですよ。お姉さんに使ったお薬は…元々『私』が使わされていたものですからね」
「んん…ッ!?」
「いやー、あの時のことは今でもハッキリ憶えていますよ…。『超小学生級の学芸会の時間』なんて触れ込みで『子役タレント』として芸能界デビューした時までは良かったですよ。…けど、あの頃は『舞園さやか』を始めとした人気アイドルの影響で子役志望も溢れかえっていましてね、ちょっとばかり実力があるだけじゃすぐに飽きられてしまうんですよ。それで、家の親が何をしたか分かります…?……私と母親で、偉い人たちに『挨拶』に行ったんですよ。『朝まで』、ね…」
「い、嫌ァ…ッ!」
「…ああ、別に『力尽く』で酷いことされたわけじゃないんですよ。皆とっても『優しく』してくれましたよ。…そう、こっちが大人しくしているのをいいことに、優しく…笑顔で…わ、たし…を…ッ!!あの、ビチグソサル野郎どもがッ!!」
「…あ、ひんッ…!あ…」
「…ッハァ…ハァ…でもまあ、過ぎたことですしもうどうでもいいんですけどね。もうその『お猿さんたち』も、『親役』だった魔物も一人残らず『駆除』しましたし。私、過去を振り返らない女なので♡…って、もう聞こえちゃいませんね」
「ふぁ…あ…」
体中を弄られ媚薬による快感を受け続けたこまるの精神はもはや限界直前であり、徐々に抵抗する力も失われていく。
「うふふ、もう一息って感じですね。それでは止めに…総攻撃!それーッ!」
「あ、ああ…ッ!!」
言子の指示により全てのマジックハンドがこまるを快楽の底に叩き落とすべく襲い掛かった。こまるはそれに抵抗することなく、ただ茫然と受け入れるだけであった…
「あ、ああ…い、嫌じゃ…な…………あれ?」
しかし、襲いくるマジックハンドに思わず目を瞑ったこまるであったが、予想していた感覚は一切感じることは無かった。
「お、終わったの…?でも…」
「………」
「…?」
不思議に思い目を開けると、眼前には自分を見たままポカンとしている言子がいるのみであった。
「な、何…?」
「…お姉さん、あなた…何をしたんですか…!?」
「え?」
言子の質問に疑問を浮かべながらふと視線を落とすと
「…!?え…え!?」
視線の先では、先ほど自分の体を弄んでいたマジックハンドが、未だに動き続けてはいるものの何故か『耳かきサイズ』にまで『縮小』していた。
「ち、小さくなってる…!?な、なんで…どういうこと?」
「私が知るわけないでしょう!こんな機能なんてつけた覚えはありませんよ!…お姉さん、
貴方が『変な力』を持っていることは聞いてましたけど、一体なにをしたんですの…?」
「わ、私は何も…」
「…あぶぅ」
「…え?」
「…お姉さん、『幼児退行』なんて見苦しい言い訳は聞きたくありませんよ…!」
「わ、私じゃないよ!」
どこからともなく聞こえた『赤ん坊のような声』に戸惑う二人。そこに
「アブ…ぶ…」
「ほ、ほら!どこか別のところから…『赤ちゃん』みたいな声が……赤ちゃん?」
自分の言葉に思わずハッとなるこまる。
ゴトン…
そしてそれと同時に、こまるの服の下から『半球状の何か』が零れ落ちる。
「…?あれは…?」
「こ、これ…!あの赤ちゃんが入っていた…まさか…ッ!?」
地面に落ちたそれ、『赤ん坊が入っていた瘤の残骸』を確かめると、ふと背中に『何かがしがみつく』ような感覚を覚える。
「……!」
やがてそれはどんどん上ってきて、ついに肩まで登頂しその姿を現した。
「な…な…!?」
「こ、この子は…!?」
「……」
こまるの肩の上で辺りを睥睨するようにしているのは、まるで植物と人間を掛け合わせたような、そんな不気味な雰囲気をもった『緑色の赤ん坊』であった。
「もしかして…『産まれた』の?でも、どうして…」
「…どうやら、その赤ちゃんの仕業みたいですね。一応聞きますけど、お姉さんの子供ですか?」
「ち、違うよッ!」
「でしょうねえ、妊娠してたような感じでもなかったですし。…まあ、どうでもいいんですけどね。誰の子供であろうと、『オトナ』なんかに渡す訳にはいきませんから。…その子を渡してもらいますよ」
「そ、そんな…!」
「…何を拒否することがあるんですか?お姉さんの子供な訳じゃないんでしょう?」
「そう、だけど…」
「まあ、『拒否権』なんてないんですけどね。その子は、『楽園』で立派な『コドモ』になるんです。それが、その子の『幸せ』なんですよ」
そう言いながらこまるから赤ん坊を取り上げる為言子が一歩踏み出す…
『アブ…ブ…』
そしてその瞬間、『異変』が起こった。
「……え?」
「は…?」
互いに思わずマヌケな声が出てしまったが、二人が見たものは全く『正反対』のものであった。
言子には、こまるがいきなり『大きくなった』ように見え…
こまるには、言子が近づいた瞬間『小さくなった』ように見えたのであった。
「な…ど、どういうことですのッ!?」
「え…え!?な、何が起きて…」
『アブブゥゥ…』
「…あ…!」
混乱の最中、肩の上から聞こえた声に思わず視線を向けたこまるにだけは、その現象を引き起こした存在が見えていた。
『ウウウ…ウバァァァ!』
赤ん坊の隣で歓喜にも似た叫びを上げる、その『スタンド』の姿を。
「この子も…スタンド使い…!?」
ガゴォォォンッ!
『!?』
「ハァ~イ、デコマル元気~……何それ、新手のプレイ?」
「ふ、腐川さんッ!!」
荒々しく扉を蹴破ってジェノサイダーが突入してきたのは、その時であった。
今回ここまで
希望がちょろちょろあったのでまたEOH編かゼロ編を更新しようと思います
できたら載せますのでお楽しみに