ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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絶望編3話視聴。

逆蔵先輩大戦犯説。不器用ってレベルじゃないでしょあの手の出しっぷりは…。こんなんじゃ俺…交錯編と追憶編で逆蔵さんをフォローできなくなっちまうよ…。
まあ、心底悪い人じゃないんでしょうけど、アレは大和田の比じゃないぐらいのドチンピラですね。同じ傍若無人系ボクサーの鷹村さんが霞むレベルだよ、兄貴分ってわけでもないし…

そしてトワイライトシンドローム事件。あまりにも…あっけなさすぎる…。こんなにサラッと終わっちまうだなんて…しかも何も解決していない。ただ被害者も犯人も死んだだけ、学園は知らん顔。これはひどい(迫真)

長々と感想失礼しました。

…我が作品の日向君には是が非でもハッピーエンドにさせてやるぞ…!


二人の「探偵」

「ヒャッハーッ!!」

「ぎゃあああああッ!!?」

 世紀末のような雄叫びを上げるこまると悲鳴を上げる腐川、そしてその後ろの灰慈を乗せた『バイク』が下水道を突っ走っていた。

 

「ったく…乗る前はあんだけ不安そうな顔してたくせに、バイク見た途端顔を輝かせやがって…」

「て…ていうかッ!なんでおまるが運転してんのよーッ!アンタか雪丸の奴がやりゃあいいでしょうがー!」

「この腕じゃどうしようもねえだろ?それに、確かにあの族っぽい奴でも良かったんだが、流石に4人は定員オーバーだ」

「任せて腐川さん!私、お兄ちゃんの屋敷に遊びに行ったときにミスタさんに教えて貰ってバイクの運転したことあるから!」

「あ…あのワキガッ!変な自信つけさせてんじゃあないわよぉーッ!」

「とにかく…今はモノクマの攻勢も治まっているがいつまで持つか分からねー。安全に、全速力で頼むぜ」

「りょーかーい!」

「こ、この…ッ!ノー免兄妹がァァァァァッ…!」

 腐川の絶叫のドップラー効果を残しながら、こまるの操るバイクは灰慈の言う『切り札』の在り処へと向かっていった。

 

 

「…うーし、着いたぞ。ここだ」

 灰慈がバイクを止めさせたのは、下水道の奥にある中央に不自然な『芝生』がある開けた空間であった。

 

「ここって…なんにもないですけど…」

「ま、まさかアンタ…人気のない所にアタシ達を連れ込んで、18歳以下お断り的なことを…」

「アホぬかせ。それに、やるんならオレは苗木こまるだけでいい。俺は『ロリコン』なんだ」

「…あっそ」

「それで…ここは一体…?」

 とその時

 

ガコンッ!

「わッ!?」

「ひいッ!?」

 大きな音と振動と共にこまる達の立つ芝生の場所『だけ』が下に『降下』し始める。

 

「これって…『エレベーター』?」

「ここは元々職員用の『非常入口』なんだ。目には見えねえがセンサーが仕掛けてあって、特別な『パス』を持つ職員と塔和の一族以外は使うことが出来ねえ。…非常時ともなればそれこそ俺みたいなやつぐらいしか動かせねえよ。…何しろこの下は、塔和の『秘密工場』だからな」

「秘密工場…!?それって、ホル・ホースさんが言ってた…!」

「白夜様の予想が的中だったみたいね…」

「…あれ?」

 と、ふとこまるがあるものを見つける。

 

「…灰慈さん、もしかして私たちの前に誰かにここに行かせました?」

「あん?…いや、ここに来たのは俺達だけの筈だが」

「じゃあ、アレは…?」

「アレ?」

 こまるが指差した先を見ると、芝生の端の方にほんの少しではあるが不自然な『窪み』のようなものがある。

 

「…なんだありゃ?」

「見たところ…『靴跡』みたいな感じね。誰かがここに来たんじゃあないの?私たちよりも前に…」

「いや、そんなはずは…けど、どの道関係ねえさ。パスを持つ職員の殆どは塔和ヒルズの中に残ったままだ。万が一ここに来た奴が居たとしても、パスがねえとエレベーターは動かねえよ」

「そう…ですよね」

 

 

 

 

…ガコォン!

「着いたぞ、ここだ…」

「うわ…!」

 やがてエレベーターが止まると、そこはまるで漫画やアニメで描かれるような近未来的なベルトコンベアーだらけの『製造工場』であった。

 

「すっごぉい…!ホントにSFみたい…」

「あ、頭がガンガン言いそうね…。アタシ近代機械に触れるとジンマシンが…」

「あんまりボヤボヤするなよ。俺達の『切り札』はこの先…なんだが、アレを見ろ」

 灰慈が指差した先には、工場の中央で目まぐるしく回転する『赤いライト』であった。

 

「あれは緊急時になると作動するサーチライトでな、ライトに当たると誰であろうと『警報装置』が作動する。…で、ここからが本題なんだが」

「本題?」

「俺がここに来ることを躊躇った理由で、お前らをここに連れてきた理由でもある。…信じられねえかもしれねえが、この工場は侵入者を排除するために『モノクマ』に警備をさせているんだ」

「も、モノクマッ!?」

「見た目こそ違うが、性能で言えば外の奴とほとんど遜色はねえ。…ただ、警報装置を作動させているヤツを倒せば機能停止するから倒すのはまだ楽な筈だ…」

「ちょ…ちょっと待ちなさいよッ!なんだってモノクマがここに居んのよッ!?…やっぱりアンタら、この騒動に一枚噛んでたんじゃあないのッ!?」

「…それに関しちゃあ、今は答えられねえ。ただ、この先にガキ共に対抗できる『切り札』があるのは確かだし、俺がこの現状を何とかしたいって気持ちにも嘘はねえ…!それだけは信じてくれ…」

「……」

「…ケッ、都合の悪いことは全部後回しってワケ?典型的なお坊ちゃんね…で、どうするおまる?」

「…とにかく、行ってみようよ。灰慈さんだって、私たちを信用してくれたからここに連れてきてくれたんだし、その『切り札』を確かめてからでも遅くは無いと思う…」

「…ハァ、しょうがないわね。…ちょっとでも怪しい動きをしたら頸動脈掻っ捌いてやるからね…!」

「ああ、俺が裏切る様な事が有れば煮るなり焼くなり好きにすればいい。…だが、その前に俺をこの先まで連れて行ってくれ」

「…うん、分かったよ」

「よし!『切り札』はここの『地下5階』だ。サーチライトに気をつけて奥のエレベーターに向かうぞ」

「足手まといの癖に仕切ってんじゃあないわよ…」

 

 

 

 こまる達はサーチライトに当たらないよう、ライトの光が途切れる壁際に沿って移動する。道すがらに流れていくベルトコンベアーの上では、どこか既視感を感じる『白や黒の丸みがかった部品』がどんどん流れていく。

 

「…ねえ、腐川さん。この工場にある部品ってさ、どこかで見たこと無いかな…?」

「あるに決まってんでしょ…!アタシにとってはもう見飽きたわよ…。マジで何なのよこの工場は…?」

「…そういやお前、さっき『やっぱり』って言ってやがったな。まさかとは思うが、未来機関は塔和が『あの事件』の首謀者だと思って来たんじゃねえだろうな?」

「…生憎、未来機関はそんなこと考えてもいやしないわよ。アタシらがこの街に来たのは、単におまるたちを救出する為よ」

「それでミイラ取りがミイラってか…ハハッ、ザマアねえな」

「煩いのよッ!…けど残念ね、白夜様はこの場所の存在を既に嗅ぎつけていたわ。アンタらがどんだけ必死に隠し通したって、白夜様には全て御見通しだったって訳よ…!」

「…あ、そういえばそんなこと言ってたね」

「…誰だ、そのビャクヤ様ってのはよ?」

「えっと、十神白夜さんって言って、未来機関の支部長さんで…」

「…待て、『十神』…だと?まさかそいつは、あの『十神財閥』の御曹司の十神白夜じゃあねえだろうな?」

「そのまさかよ…!ちなみに、あの基地に居たアロシャニスさんは白夜様のお傍仕えをされていた方よ…」

「おいおいマジか…!?目下のライバル企業だった十神財閥の関係者がウチに居たってよ……で、お前さんは十神財閥のなんなんだ?」

「ぐふふ…。アタシは、白夜様の…こ、こ、こ…『婚約者』よッ!」

「ハァ!?」

「ええッ!?十神さんと腐川さんってそうだったの?」

「なんでアンタまで驚いてんのよ!アタシのことなんだと思ってたのよ…」

「いやあ…もしかしたら『おっかけ』っていうか…『ストーカー』かなって」

「なにヘラヘラしながら失礼なこと言ってんのよッ!それは学園に居た頃に卒業したわッ!」

「…やってはいたんだ」

「おいおい、こっちの方が俺ぁビックリだぜ。まさかあのお坊ちゃんが『B專』だったとはな…」

「そんな訳ないでしょうがッ!白夜様と私は、それこそ本にするなら『広辞苑』なんてメじゃないぐらいの濃厚な大恋愛の末に結ばれたのよ!大体、おまるなんかが好みのアンタに趣味の事で言われたくないわよッ!」

「地味に酷いよ腐川さん…」

「ちょっと待て、そいつぁ誤解だぜ。俺は別に苗木こまるがイイ訳じゃねえ。おまえより若いからそうなだけで、若けりゃ若いほど俺は大歓迎だぜ。『JC』なんか最高だな」

「…し、真症よッ!真症のロリコン…いや『ペドフェリア』だわ!おまる離れなさい、ペドが伝染るわ!」

「伝染るものなの!?」

「おいッ!そっちに行ったら壁が…」

 

 

ビーッ!ビーッ!ビーッ!

「「…あ」」

「言わんこっちゃねえ…ッ!」

 引っ張った拍子にライトに触れてしまい、けたたましい警報音が鳴りだす。

 

「え?え?え!?ど、どうなるんですか?」

「お、おまるアレッ!」

 腐川の視線の先、サーチライトの照射装置の上部が開き、そこから『サイレンモノクマ』が姿を現す。

 

「あ、あのモノクマは…仲間を呼ぶやつ!」

「ってことは、アレがさっき言ってた警報装置の『大元』ってことね。けどアレが出てきたってことは…」

「油断すんな…来るぞ!」

 

ウーウーウー!

『集まれー!』

ガションガションガション!

『ヤッホー!』

『ホレホレ!』

『オマエ、おしおきだよ?』

 サイレンモノクマの号令と共にあちこちの射出口から続々とモノクマが飛び出てくる。

 

「ほ、ホントにモノクマ…!しかもこんなにいっぱい…!」

「感心してる場合じゃないでしょ…!アタシが雑魚を抑えるから、アンタはアレをとっとと撃ち抜きなさい!」

「う、うん!」

「お…おい、お前ら頼んだぞ!」

「ったく煩いわね…ヘタレは黙って見てろボケがぁッ!」

 

 

 

 

 

 

ドドーン…

「…ん?」

「どうした?」

「いや…師匠、なんか『爆発音』みたいなのが聴こえたんですけど…」

「…ふむ、確かに俄かに騒がしくなったようだな」

「誰か生存者がいるんでしょうか?」

「あるいは…我々と『同じ』かもしれん。少し様子を見に行くとしよう、なにか手がかりを持っているかもしれんからな」

「はい!」

 

 

 

 

「『コワレロ』ッ!」

ドギュン!

『あちゃー…』

ドォン!

 こまるがサイレンモノクマを破壊したことで、警報音が収まりようやく静かになる。

 

「ふう…終わった」

「アタマさえ倒せば終わる分まだ外の奴よかマシね…」

「流石だな…。けどモタモタしてる暇はねえぞ。また新しいモノクマが補充されれば警報装置は動き出す。今のうちにエレベーターまで突っ切るぞ」

「は、はい…!」

 灰慈に促され、こまる達は大急ぎでエレベーターの方に駆けだす。

 

 

タッタッタッタ…

「…や、やった…!これで次の階層に…」

 

ザッ…

 

 

 

バッタリ!

「……」

「……」

 

 

「「…わああああああああッ!!??」」

 こまるがエレベーター前にある壁に隠れようとした瞬間、壁の裏に隠れていた『女性』と鉢合わせしてしまい、二人は一瞬ぽかんとした後思わず叫んでしまう。

 

「ど、どうしたのおまるッ!?」

「どうした、何があった!?」

「びび、びっくりしたぁ…」

「えッ?…に、人間…!?」

「そうだよ、決まってんじゃん…」

 唖然とするこまるに対し、動きやすそうな服装にメガネをかけたその女性は早々に落ち着きを取り戻しこまる達を見やる。

 

「あ、アンタ…コイツ、アンタの知り合い?」

「し、知らねえよ…!こんな奴塔和の職員には居なかった筈だぞ」

「そりゃそうだよ。私知らない間にこの街に居たんだから」

「え?…じゃあ、もしかしてあなたも…」

 

「…どうした?誰か居たのか『結』君…」

「…え?」

 向こうから『結』と言うらしいこの女性に声をかけながらやって来る『老人』に、こまるは見覚えがあった。

 

「あ…師匠!やっぱり生存者がいましたよ」

「うむ、やはりそうだった……キミ、は…」

「おいおい、今度は爺さんか?一体アンタら何モンだ…!?」

「アホっぽい女に性格悪そうな爺さん…、嫌な予感しか……おまる?どしたのアンタ?」

「あ…あ…」

 警戒する灰慈と腐川、怪訝そうに見る『結』に構うことなく、こまるは驚きの表情を見せる老人にゆっくりと歩み寄り、そして叫ぶ。

 

「…『不比等おじいちゃん』!」

「こまる…こまる君か君は!?」

「不比等…おじいちゃん!?」

「…えッ!?師匠の知り合い?」

 二人の発言に驚く周囲を気にも留めず、こまるは不比等の元に飛び込んだ。

 

「おじいちゃん…おじいちゃん!」

「…よく、無事でいてくれた。この老いぼれも生きていた甲斐があったというものだ…」

「うん…!おじいちゃんも、生きてて良かった…!」

「うむ…ん?こまる君、なんじゃその赤ん坊は?」

「あ…えっと、この子は成り行き上私が面倒見ることになって…」

「…ふむ、そういうことか。いや安心したぞ、まさか響子よりも先にこまる君の『ひ孫』を見ることになるかと思ったぞ」

「そ、そんな訳ないって!?」

「アー?」

「…こりゃどういう状況だ?」

「さあ…?」

「ちょ、ちょっとおまる!ちゃんと説明しなさい、その爺さんは誰なの!?」

「あ…うん、そうだね。おじいちゃんは…と言っても、私のじゃなくて、『響子お義姉ちゃん』のおじいちゃんなんだ」

「なんですって!?…ってことは、アンタが霧切の『要救助民』…?」

「…お初にお目にかかる、『霧切不比等』だ。どうやら孫が世話になったようだな、礼を言わせてもらう…」

「私は『五月雨結』。響子ちゃんの…『姉的存在』かな?」

「…もしかして、『結お姉さま』ってあなたの事ですか?」

「えっ?なんでその呼び方を…そう言えば、さっき響子ちゃんのことを『お姉ちゃん』って…」

「あ、私…苗木誠の妹の苗木こまるです!」

「苗木君の妹さん!?…なーるほど、そういうことだったのね!」

「…おい…ッ!なに勝手に納得したみてーなこと言ってんだ!大体テメエら、どうやってここに入り込んだ!?ここは関係者以外入れねえ筈だぞ!」

「そうカッカするな若造。…我々はその関係者に『頼まれた』のだよ。『探偵』たるもの、『依頼』を受けた以上たとえどんなことであろうとも解決するのが本懐だからな」

「依頼だと…?」

「昨日なんだけど、この街の下水道の近くで死にかけている『白衣』を着たおじさんと会ってね。…結局その人は助からなかったんだけど、死に際に私たちに『この施設を止めてくれ』って頼まれたんだ。その時に、この施設の入り口の場所とエレベーターを動かすための『パス』を渡されたってワケ」

「…まだ生き残ってる職員が外に居たのか。だが、丸一日居た割にはなんだってまだこんなところに居やがんだ?パスがあるんならそこのエレベーターで下に降りれる筈だぞ」

「あー…それが、探索中に私がドジってさっきの警報装置を作動させちゃって…。逃げ切れはしたんだけどその拍子にパスを落としちゃったみたいで…」

「…アンタやっぱアホね」

「そ、そんなことないよッ!響子ちゃんからは『頼りになるお姉さん』って思われてる『ハズ』なんだから!」

「確信はないんだ…」

「つーか同じことやったお前には言われたくはねえな」

「…まあともかく、我々はそういう訳でここで立ち往生させられていたのだよ。…それで、君たちはなぜここに?」

「えっと…私たちは、ここに子供たちの暴走を止める『切り札』があるからって…」

「切り札?」

「おいッ!なに勝手に教えてやがんだッ!」

「だ、大丈夫ですよ。おじいちゃんは信用できますから…」

「…ふむ。そういう訳なら、我々にも協力させてもらえないだろうか?」

「何…?」

「そもそも我々がその『依頼』を受けたのは、あの子供たちが操るモノクマの数を少しでも減らせればと考えた上でのこと。その『大元』を止められるのであれば、我々が協力する理由としては十分だ」

「…お前らを連れて行くことになんのメリットがある?足手まといは御免だぞ」

「一番の足手まといが何言ってんだか…」

「まあそう言うな。こう見えて儂はその道では名の知れた『探偵一族』の元当主だ。そこの結君も…まあ立派とは言えんが一応そこそこの探偵でもある。足手まといになるつもりはないぞ」

「酷いですよ師匠!」

「…灰慈さん、私からもお願いできないかな?おじいちゃんはこう見えて凄い人なんだって聞いてるし、きっと私たちの助けになってくれると思うんだ」

「…チッ、仕方ねえな。邪魔になるようなら置いて行くからな」

「それで構わんよ。もっとも、そんな気は毛頭ないがのう…」

「…口の減らない爺さんね。孫とそっくりだわ…」

「アハハ…」

 

 

 

 

 不比等と五月雨を加えた一同はエレベーターに乗ってさらに深層を目指す。途中、何度かパスワードや謎解きが必要な場所もあったが、うろ覚えの灰慈の記憶と不比等と五月雨の頭脳により難なく突破することができ、とうとう目的の1つ前の『地下4階』へと続くエレベーターに乗ることができた。

 

ゴゥゥゥ…

「なんとか…ここまでこれたね」

「そうじゃな。…まあ、道中少々見過ごせん『物騒な研究設備』もちらほらあったが、…それは今は置いておくことにしよう」

「…言っとくが、俺に聞かれても何も知らねえんだからな。この場所は基本親父と『責任者』の奴に管理を任せてたから、俺はただ知ってるだけなんだからな…」

「くどいナァ。言い訳臭い男は嫌われるよ?」

「はん、どうでもいいわよこんなの。…それとアンタ、この後の事だけど、アンタの言う『切り札』とやらが手に入ったらアタシは『別行動』させてもらうからね」

「え!?」

「きゅ、急になんだよ…。まあ、『アレ』さえ手に入ればお前らにやってもらうことは特にはねーんから別にいいが…」

「…そう、ならいいわ」

「べ、別行動って…なにをするの腐川さん?」

「アンタは別に付き合わなくてもいいわよ、おまる。…これはアンタには『関係ない』ことだからね」

「関係ないって…そんなこと無いよ!私にできることならなんでも…」

「駄目よッ!」

「!?」

「これは…これだけは、アタシが『やらなくちゃならない』ことなのよ」

「…何をするつもりなの?」

「知らなくてもいいわ。…その頃には全部終わってる…終わらせてみせるから…!」

「……」

「…お若いの、あまり根を詰め過ぎるなよ。なにをするつもりかは知らんが、気負い過ぎてもロクな事にはならんぞ。…あの『バカ息子』も優秀じゃったがそういう悪い癖があったからのう…」

「…ふん、別に気にしなくてもいいわよ。アタシはあの『学園長』みたいに糞真面目じゃあないからね」

「そうか、それならいいんじゃ」

「…皮肉のつもりで言ったんだけど…」

「師匠の息子さんディスりはいつもの事だから…」

「…おじさんと何かあったの?」

「フッ、今更じゃよ。…そう、『もう今更』じゃ…」

 

 

ガコォン…

 そんな話をしていると、エレベーターはようやく『地下4階』へと到着した。

 

「着いたぞ。…いよいよこの下が目的の場所だ」

「…けど、またあのサーチライトをやり過ごさないと駄目なんでしょ?ハァ…気が滅入るわ…」

「その心配は無用だ。…ここのサーチライトは今までとは『目的が違う』からな」

「目的が違う…?」

「見ればすぐに分かる。…ほれ、あーいう事だ」

「ああいうって…あ…ッ!?」

 灰慈が示した先を見ると、そこには目的の『地下5階へと続くエレベーター』を雁字搦めにするようにサーチライトが張り巡らされていた。

 

「これは…触れずに通るのは少し無理じゃのう」

「ていうか、こんなのどうしようもないでしょ!?」

「どうするんですか…?」

「心配すんな。ちょうどこの階にはサーチライトを制御するための『管制室』がある。そこでサーチライトを解除すればエレベーターに乗れる」

「…アンタそれできんの?何も知らないんでしょ?」

「一応管制室には『職員』が常時待機しているんだが…正直、ここの状況を見る限り期待しない方が良さそうだな…」

「まさか…」

「どの道行けば分かる。…こっちだ、行くぜ」

 こまる達を引き連れ、灰慈はなにやら回転する巨大な機械の脇にある『管制室』へと向かう。そしてそこのドアを押し開くと…

 

 

「…やっぱりな」

「え?……ッ!?し、死体ッ!?」

 ドアの向こうには、無残に切り裂かれた男の死体が横たわっていた。

 

「どうやらこの御仁がここの職員だったようじゃな。…最も、お前さんはとうに死んでいることを知っていたようだがな」

「…元々ここのモノクマには『認識システム』が内蔵されているから、職員や塔和の関係者を襲うはずがねえんだ。だが俺達は現に襲われた、…ならここの奴が襲われない理由なんてねえからな」

「…酷い、ね…」

「今更でしょそんなの…。それより、どうすんのよ?こいつじゃなきゃサーチライトは止められないんでしょ?」

「まあ待て、落ち着け。…ここの設備は『4ケタのパスワード認証』になっている。つまり、パスワードさえ分かれば俺でもサーチライトの解除ぐらいはできる筈だ。それを探すしかない…」

「でも、どうやって……あれ?お、おじいちゃん?」

 こまるが不比等が居なくなっているのに気付き辺りを見渡すと、いつの間にか不比等は管制システムらしきコンソールの近くに立って何かを見ていた。

 

「おい…!勝手に行動するな!下手に触って壊れちまったらどうすんだ!」

「おうおう、そう怒るな。…じゃが、代わりと言ってはなんだが儂はもうその『パスワード』とやらが分かったぞ」

「えッ!?」

「も、もう分かったんですか師匠!?」

「当然じゃ、この程度謎の内にも入らんわい」

「…ならさっさと教えろ!」

「そう気を急くな。そうじゃな…結君、それにこまる君。ちょいと君たちに『課題』を出してやろう」

「か、課題?」

「そうじゃ。…二人で協力しても構わんから、そのパスワードを自力で見つけて見せろ。制限時間は…『10分』と言ったところかの」

「じ、10分で!?」

「おいジジイッ!何勝手なこと言ってやがる!答えが分かったのならさっさと…」

「だから急ぐなと言ってるじゃろ。…どの道お前だけでは10分かかってもパスワードは分からんかっただろうし、10分経ったらちゃんと教えてやるのだから細かいことを言うな」

「なんだと…ッ!?」

「…やめときなさい、この『一族』はそういう人種なのよ。何を言っても無駄よ無駄無駄…」

「…チッ、勝手にしろ!」

「おう、そうさせてもらうわい。二人とも、準備はいいな?ヒントは全てこの『部屋の中』にある。隅々まで見渡し、1つの視点だけではなくあらゆる観点から思考するように。…では、始め!」

「は、始めって…どうしよう五月雨さん…?」

「…もうこうなっちゃったら仕方ないよ。師匠は頑固だから。…とにかく、二人で色々考えよう?」

「は、はい…」

 肩を竦める五月雨と共に、こまるはパスワードの手がかりを探し始める。

 

「…とりあえず、気になったのはまず師匠が見ていたこの『メモ』だよね」

「『パスワードは息子の誕生日』…でも、その人が死んじゃったのなら確かめようが…」

「そうとは限らないよ。息子さんの誕生日を大切な仕事のパスワードにしてるぐらいだ、…まあ社会人としてはちょっとどうかと思うけど、それだけ子煩悩な人ならきっと…ほら!」

 五月雨が見つけたのは、この職員の息子らしき人物が映った『写真』であった。

 

「多分この子が…あッ!?」

「写真に『血』が…!誕生日が書いてあるみたいだけど、これじゃ読めないよ…」

「かろうじて読めるのは『Happy Birthday!69 8』…あれ?なんか変なような…」

「…ねえ、これも何かの手がかりなんじゃないの?」

 腐川が死体の傍から拾ったのは、死体の持ち物らしい『手帳』であった。

 

「手帳…!腐川ちゃんグッジョブ!…ごめんなさい、中を見させてもらいます……あ、何か書いてあるね」

「えっと…『今年は第3土曜日が息子の誕生日だ。久しぶりの家族そろっての誕生日、何を買ってやろうか』…。本当に、息子さんが大事な人だったんだね」

「…そういや、こいつは社内でも有名な親馬鹿だったって聞いた事が有るな」

「でもこれじゃ、『何月』の『第3土曜日』か分からないわね…」

「どうしようか…?『第3土曜日』ってことは『15日以降』なのは間違いないから、各月の15日以降で片っ端から試して…」

「残りあと3分じゃぞー」

「…そんな時間はなさそうだね」

「う~ん…、もう他にヒントは……あれ?」

「どうしたの?」

「五月雨さん…あれってなんですか?」

 こまるが指差したのは、壁に貼られたなにやらさまざまな『記号』が書かれた『ポスター』であった。

 

「あれは…もしかして『星座表』かな?」

「星座表?あれが…?」

「腐川ちゃん星座占いとか見ないの?星座ってああいう記号で表したり…」

 

 

 

 

 

 

 

「…ああ~ッ!!」

「どわッ!?」

「さ、五月雨さん?」

「…分かった!答え分かったよ!こまるちゃんナイスアシスト!」

「え?え?わ、私ですか?」

「ど、どういうことよ?」

「うん、まずこの写真なんだけど…この『69』って数字だけ囲ってあるでしょ?ずっと変だなって思ってたんだけど、これは『数字じゃなかった』んだよ。これは『かに座の記号』だったんだよ!」

「かに座…!」

「…成程、横にしてみりゃそうだな」

「そしてかに座は『6月22日から7月22日』まで。そして写真の最後の数字は『8』…。この条件を全て満たす日付は1日しかない…」

「…『7月18日』!ならパスワードは…『0718』!」

 解けた勢いのままこまるがコンソールにパスワードを入力すると…

 

カタカタカタ…ピコーン!

『…パスワード認証。セキュリティを解除します…』

「「やったー!!」」

「…かかった時間は『8分52秒』。まあギリギリ『次第点』と言った所じゃの。次は一人で解けるように精進しろ結君」

「は、はい…」

「そして…よく解けたなこまる君。なかなか筋が良いぞ」

「えへへ…五月雨さんが居たおかげだよ!」

「…アンタおまるには随分甘いわね」

「まあのう。響子には『霧切』を継がせる為に厳しく育てたが、こまる君にはその必要はないからな。こうして安心して甘やかせるというものだ。それに、爺バカというのも悪くないしの…」

「…よし!これでサーチライトは解除されたぜ!」

「じゃあこれで先に進めるね!」

「…ま、なんだかんだあったがお前らを連れてきて良かったぜ。ついでに爺さんたちもな」

「そりゃどうも…」

「よく言うわ…。ついのこ間まで目の仇にしてたくせにさ…」

「まあそう言うなって。さあ!俺達の『切り札』を迎えに行こうぜ!」

 問題がすべて片付いて気が楽になったのか急におおらかになった灰慈に押し出されるようにこまる達はエレベーターに乗り『地下5階』へと向かう。

 

 

 

 その先にある『切り札』の正体、そして思いもよらぬ戦いのことを知る由もないまま。

 




ということで、爺さん霧切と結お姉さま登場です。
原作では爺さんだけが要救助民だったんですが、トーク担当に結お姉さまにも出ていただきました。

…でもダンガンロンパ霧切の流れからするにたぶん結お姉さま絶対死ぬよな…?しかも霧切にあの手の火傷を作った上で。…星海社さん、続きを早くオナシャス!なんとか生存ルートで話作ってみますんで!
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