ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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未来編5話視聴。

ジ、ジジイ…ッ!なんてこった…天願さん真面目にいい人だったんじゃあねえか。確かにカムクラプロジェクトを黙認していたのはアレだけど、それでもきっちり先を見据えていた人なのに…ああ無情。
そして…74期組ほんまつっかえ…つっかえんわぁ…。(未来機関)やめたらぁ?気に入らない奴全部敵ならゲリラ活動してればえーやん…。何も部下含めた世界中の人間の衆目の前で意地張って犠牲を増やさんでもえーやんけ…。つか…この展開だとマジで雪染さんがただ殺されただけなのかも怪しくなってくる…。
…また展開被るかもしれん。今自分が考えてる交錯編のシナリオと…

そして人知れず死んでる忌村さんホント不憫。流流歌もだけど二人に一言。…「対話」しようよ…!一方的に言うだけの流流歌も、ただ受けのままの忌村さんもどっちもどっちじゃん。それじゃ誤解解けなくて当然じゃん…。んで十六夜、お前一番おいしい…もとい、おいちいポジションにいるんだから仕事しろよ…。おいちい言ってりゃそれでいいんじゃあねえんだよ…!


ところで話題は変わりますが最近このサイトではダンロンの「逆行モノ」が人気みたいですね。自分も楽しませてもらってます。
…この流れに乗ってこの作品でも…アカン!ここの主役二人が逆行したらヌルゲーどころやあらへん!
やっぱりこのまま完結目指して頑張ります


賢者の来襲

 チーン…!

 エレベータを降りたこまる達の前に会ったのは、これまでに見たことが無い程に分厚く頑強な鉄の扉であった。

 

「いよいよだ…!この先に俺達の『切り札』がある…!」

「頑丈そうな扉ですね…」

「い、嫌なことを思い出しそうだわ…。希望ヶ峰学園に居た時もあんな感じの扉のせいで出られなかったんだから…」

「しかし…ここに来るまでの研究施設ですらかなりの技術力の代物であったのに、ここにきてこれほどの厳重さとは…お前の言う『切り札』とやらは相当なもののようじゃな」

「まあな。これは俺達…『塔和グループ』の、そしてレジスタンスにとっても『最後の希望』だからな。…さて、まずは『鍵』を開けなくちゃな。ここのロックを外せるのは『塔和の一族』の『静脈認証』だけだからな。俺がいることに感謝しろよ」

「…自分で連れて来といてよく言うわ…」

 灰慈が扉の横にあるコンパネに自分の手のひらをかざすと、機械によるスキャンが始まり、ややあって扉のロックが解除される。

 

ピーッ!ガション…

「これでよし。…さあ、早いとこ迎えに行こうぜ!」

「う、うん…!」

 灰慈に押し出されるようにこまるは扉を押し開ける。

 

ゴゴゴゴ…

 重々しい音と共に開け放たれた扉の先に存在していたのは…

 

 

「…ええッ!?」

「な…何よコレッ!?」

「…アウー!」

「こ、これは…!」

「なんじゃこりゃ~ッ!?」

 

「フッ、驚け驚け。これが塔和グループの技術力が生み出した、塔和シティを守るための『最終防衛兵器』…」

 

 

 

 

「その名を、『ビックバンモノクマ』だッ!」

 

 ド派手な衣装に王冠をちょこんと被った、推定『50m』は下らないであろう超巨大な『モノクマ』であった。

 

「ビックバン…モノクマ!?」

「これは…、こんなものが現実に存在するとは…」

「こ、こんなのゴ○ラとかウ○トラマンレベルじゃん!?」

「おう、こいつは万が一そんな奴が現れた時に備えてっていう『建前』で作ったからな」

「そ、そんなことはどうでもいいのよッ!アンタ…こんなものがあるってことは、やっぱりこの工場は『モノクマ製造工場』だったのねッ!!?」

「モノクマ…製造工場…!?」

「答えなさいよッ!なんで塔和の設備でモノクマが作られてんのよ!アンタらはあの『江ノ島盾子』とどういう関係なのよッ!?」

「江ノ島…盾子?誰だそりゃ?」

「恍けんじゃないわよッ!江ノ島はアンタらの作ったモノクマでアタシらを散々な目に遭わせてくれたのよ!だったらその大元のアンタらと繋がってるに決まってるでしょ!」

「し、知らねえよ…!俺はモノクマがこの街以外にいるだなんて知らなかったぞ!」

「…なら、質問を変えるわ。アンタらは…あの『モナカ』ってガキとどういう関係なのよ!?」

「ッ!?」

「モナカって…」

「確か、あの『希望の戦士』という子供たちのリーダーらしき少女だったか…?」

「その子がどうかしたの?」

「…アタシらが江ノ島の奴に希望ヶ峰学園に閉じ込められている時、朝日奈と苗木の奴が学校の中で『モノクマを操縦するための部屋』を見つけたのよ。んで、そこにあった操縦席の下にこんなことが書かれていたらしいわ…『愛をこめて モナカより』ですって…」

「ええッ!?」

「そしてこの間、あの新月とかいうガキから『モノクマはモナカが連れてきた』っていう話を聞いてようやく合点がいったわ…!あのモナカとかいうガキは、間違いなく『モノクマの製造』に関わっているってね…!そんでこのモノクマ工場…、こんなものを見せられて疑わない方がどうかしてるわッ!もう言い逃れは出来ないわよ、ハッキリ答えなさいッ!!」

 腐川の問い詰めに、灰慈は追い詰められたかのように視線を右往左往しながら絞り出すように答える。

 

「…俺は、モノクマの製造に関してはなんにも知らねえんだ…。元々ここのモノクマは『お手伝いロボ』として売り出される予定だったのもので、俺はその計画だけ聞いていただけでどういう代物かは知らなかったんだ。…奴らにこの腕をぶっ壊されるまではな…」

「話を逸らすんじゃあないわよッ!アンタはアイツの何を知ってるの!?」

「…モノクマのデザインを考えたのは、その計画の『開発責任者』だ。ここの設備の管理も、元々はそいつに全て一任されていた。もしガキ共がモノクマを乗っ取る機会があるとするなら、そいつが関わっているとしか思えねえ…!」

「…ということは、まさかその『開発責任者』が…!?」

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴッ!!

「きゃあッ!?」

「こ、今度はなにッ!?」

 突如として轟音と共に地鳴りがこまる達を襲う。そしてその犯人は、すぐにこまる達の前に現れた。

 

 

バキャァァァンッ!

 天井を破壊してこまる達の前に降りたったのは、スナイパーライフルを携えたロボットの『ハンニバルX』と、それを操る『憔悴しきった』新月渚であった。

 

「ま、またロボット!?」

「き、君は…新月君!?」

「アンタ何しに…?」

「まさか…ここの場所を『アイツ』に聞いたのか?自分に『操縦権』が無いなら壊しちまえってよ…!?…糞ッ!させるかよ…ッ、これは俺達の『最後の希望』なんだッ!」

 思い思いの言葉を新月に向けるこまる達であったが、当の新月はまるで気にした様子もなくただなにかをひたすらに呟いていた。

 

「…僕はモナカちゃんの為の狗だ。…僕はモナカちゃんの為ならなんだってする。…僕はモナカちゃんの為に魔王の妹を殺す…」

「…なんか、様子が変じゃない?」

「…僕はモナカちゃんの為の狗だ。…僕はモナカちゃんの為ならなんだってする。…僕はモナカちゃんの為に魔王の妹を殺す…」

「…あのガキ、何をぶつくさと言ってんだ…?」

「なんか…『同じ言葉』を繰り返してるみたい…」

「…『裏切り者扱い』されてイカれちゃったんじゃあないでしょうね…?」

「…いや、あれはそういう風ではない」

「おじいちゃん?」

「儂も職業柄、トチ狂った人間は嫌になるほど見てきた。中にはあの小僧のように心が壊れてしまったような者もいる。…だが、あの小僧はそれとは少し違う。なんと言ったら良いか分からんが…まるで『記憶がそれだけしかない』ようじゃ。同じ言葉を何度も繰り返す電車のアナウンスのようにな」

「記憶…まさか…!?…いや、あり得ないわ。あの『技術』を使えるのはもう江ノ島だけの筈…。他の誰かが使えるなんて考えられない…。となると…」

「…まさか新月君は、『スタンド攻撃』を受けているの…!?『同じことしか憶えられない』スタンド能力とか…!?」

 

 

 

 

 

「…その解答は少し違うが、ほぼ正解に近い」

『ッ!!?』

 突然ロボの足元から聞こえてきた『男の声』に、こまる達は思わず身構える。…しかし、腐川だけは、『この声の主を知っている』腐川だけは、こまる達とは違う驚きで身動きができずにいた。

 

「流石は苗木誠の妹とだけは誉めておこう。…この短期間に、これほどまでにスタンド使いとしての『成長』を果たしているとはな…」

「誰だ…!?奴の仲間か?」

「でも、この声…『大人の声』みたいだけど…?ねえ腐川さんもそう思わな…腐川さん?」

「こ、のッ…声は…ッ!?」

 腐川の困惑に応えるかの如く、その声の主はロボットの後ろから姿を見せる。

 

 

 浅黒い肌に映える白髪を短く刈り込み、その肌よりもなお黒い『神父服』に身を包んだその男。先日までギプスをしていたその腕は既に完治したのか身軽になっている。そしてその眼は、まるで長年求めていたものを愛おしむかのごとくこまる…正確にはこまるの肩に乗る『緑色の赤ん坊』へと注がれている。やがてその視線を一旦切ると、今度はまるで試すかのような視線をこまる達へと向け、厳かに語りかける。

 

「感謝しよう、苗木こまる。よくぞここまでやってきた…。よくぞこの私の元に、『彼』を連れてきてくれた…!」

「『彼』…?何を言って…」

 

 

 

 

「…エンリコ・プッチィィィィッ!!」

「!?」

 悲鳴とも雄叫びとも取れる腐川の叫びが、こまるの疑念を吹き飛ばした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ん~ふふ~ふふ~♪今頃新月君、苗木こまるさんを苛めている頃かな?」

「かもな~?…しっかしモナカちゃんもエゲツねえことするよなあ。既に『壊れかけのレィディオ(ラジオ)』みたいな状態だった新月ボーイを、『大きなのっぽの古時計』みたいにしちまうんだからなぁ?」

「やだなぁクロクマ。あれは私なりの『親切』のつもりなんだけど?」

「親切?」

「新月君はさー、なんでも『考え過ぎ』なんだと思うんだよねー。なんでも難しく考え過ぎちゃうからさ、自分が一番考えていると勘違いして期待されてると思いこんじゃうんだよ。…だから、『本当に大事な事』だけしか考えられなくなれば、もうそんなことで苦しまなくて済むでしょ?」

「…ギャッハッハッハ!成程、そいつは名案だな!確かにそれならもう新月ボーイが悩むことなんて無くなるからな!こいつは一本取られたぜハッハッハッハ!」

「んふふ♡そうでしょ?…それに、『神父様から貰った』私の『スタンド能力』を試すいい『実験』にもなったしね…」

 

 

ズオッ…!

 モナカの言葉に呼応するように現れたのは、人型の体のあちこちにまるで『パッチワーク』でもされたかのような模様があり、大脳がそのままむき出しになったかのような頭部を持ったスタンドであった。

「おうおう、お出でなすったか!」

「相変わらず気持ち悪い見た目なのが玉にキズだけどねー」

「『ジェイル・ハウス・ロック』…『発動後3つまでしか物事を記憶できなくなるスタンド』…だったか?そいつの能力に囚われちまえば、どんな天才だろうと『それ以降』の3つ以上の事象を記憶できなくなる…。つまり、そいつは『4つ目以降』の物を同時に見れなくもなるし『数字の4の先』すらも数えられなくなる…!その発動条件は、モナカちゃんに対してほんのわずかでも『敵意』を持つこと!…くぅぅ~ッ!なんともクレイジーでサイコホップな能力じゃあねーか!『3の付く数字でアホになる芸』をする奴にかけたら感謝感激されること間違いなしだぜ!一生自慢の芸を続けられるんだからな!ギャッハハハハハ!」

「ふふふ♪…さあ苗木こまるさん、大人たちを助けたいんだったら、そのワンコちゃんぐらいやっつけてみなよ…!」

「うぷぷ、うぷぷぷ…うぷぷぷぷぷぷぷ!」

 

 

 

 

 

 

 

「アンタ…ッ!?なんでここに…!?」

「新月渚、お前はまだ動くな。それは彼女の望むことではない」

「…(コクッ)」

「…意外だったな腐川冬子。お前が激情を露わにするタイプの人間だったとはな」

 プッチの出現により、その場の空気が一変する。激情のままに叫んだ腐川の発する殺気が、周りの空気を張りつめさせる。

 

「エンリコ・プッチ…!?あの人が…」

「何故ここに、と言ったな。その答えは簡単だ、…私は『彼』を迎えに来ただけだ。それ以上の他意は何もない」

「『彼』…迎えに来た…?どういう意味よッ!」

「お、おいッ!?何勝手に話進めてんだ、こっちにも説明しろ…」

「うるっさいのよッ!アンタは黙ってなさい!邪魔するとぶっ殺すわよッ!」

「んな…ッ!?」

「ちょちょちょ…これどうなってんの?腐川ちゃんどうしちゃったの?」

「わ、私にもよく分からなくて…。ただ、腐川さんが言うにはあのプッチって人が全ての『元凶』だって…」

「元凶…じゃと?」

 混乱する皆を余所に、腐川とプッチの会話は続く。

 

「それをお前に説明する必要はない。お前に教えてやれることがあるとするなら、『運命』は既に動き出している、ということだけだ。動き出した運命は誰にも止めることは出来ない。ジョースター家の一族と言えど、『過程』は変えられようともこの『結末』に至るという運命までは変えることは出来なかった。…唯一その可能性があるとするなら、それはただ一人。あの女を、そして『結果のみをこの世に残す』力を持った『キング・クリムゾン』を倒した苗木誠ただ一人だけだ」

「…フン。だったら、アンタがここでくたばるのも『運命』ってことでいいのよね?誰にも変えることなんてできないし、そもそもアタシがそんなことさせやしないわ…!」

「…腐川冬子。私には貴様の相手をしている暇など無い。今私が用があるとするなら、それは苗木こまるの方だ」

「へ?」

 プッチはそう言うとこまるへと視線を移し言い放つ。

 

「『忠告』しよう、苗木こまる。今お前の肩に乗っている『彼』を私に引き渡せ。そうすれば、もうこの街において私が貴様らに関わることはない、と約束しよう」

「え…?『彼』って、この子の事…!?」

「ウアー?」

「…正直なところ、何故お前を『彼』が選んだのか私には分からなかった。が、『予想』はできる。お前はおそらく彼が自分の事を『親』だと思っていると勘違いしているだろうが、それは少し違う。彼はお前に惹かれたのではない、お前の中にある『苗木誠との繋がり』に惹かれたのだ」

「お兄ちゃんの…?」

「ま、待ちなさいよ!こいつはジョースター家の人間じゃ…」

「確かに苗木こまるはジョースター家とは無関係だ。だが、それでも『苗木誠の妹』だという事実に変わりは無い。今の彼は見た目通り何も分からぬ赤子だ。故に苗木こまるの中にある『苗木誠へと連なる因子』に自分の『ルーツ』を見出だそうとした、だから苗木こまるを守ろうとしたのだ。…あくまで、『自分の為に』な」

「…この子は、一体なんなんですか…?貴方はこの子を使って、何をしようとしているんですか!?」

「…お前にそれを教える必要はない」

 

 

「…もしかして、貴方の目的は…『天国』って言うのと関係があるんですか?」

「ッ!!?」

 その言葉を聞いた瞬間、プッチの表情に初めて動揺の色が走る。

 

「天国だとぉ?」

「天国って…あの天国?死んだ人が行くって言う…?」

「それは…そこまでは分かんないんですけど…」

「ちょ、おまる!?アンタ何言ってんのよ?」

「えっと…。シロクマが爆発して気絶していた時なんだけど、私『変な夢』を見たんだ」

「変な夢?」

「うん。意味は全然分からなかったんだけど、『ザ・ワールド』とか『天国の時』って言葉が浮かんできて…その中で『生まれてきたもの』って言葉があって、それがもしかしたらこの子の事なんじゃ、って…。もしかしたらあの夢は、この子が見せてくれたものなのかも…」

「…『ザ・ワールド』ですって…!?」

「…?腐川さん、何か知ってるの?」

「…そう、そういう訳…。アンタ…『DIO』に何を唆されたのッ!?」

「……」

「DIO…?それって、お兄ちゃんの本当のお父さんの…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…2,3,5,7…」

「え?」

 腐川の問いなどまるで聞いていないかのように、プッチはただひたすらに何かの『数字』を呟いていた。

 

「あ、アンタッ!聞いてんの!?」

「11,13,17,19…」

「おいおい、アイツ急におかしくなりやがったぞ?」

「…いや、そうでもなさそうじゃ。彼が数えておるのは恐らく『素数』じゃろう。気がふれた人間にそんな器用なことはできんよ」

「素数?」

「23、29…落ち着け、落ち着いて『素数』を数えるんだ。素数は1と自分の数でしか割り切ることができない孤独な数字…私に勇気を与えてくれる…」

「…もしかして、『ルーティン』とか『スイッチング・ウィンバック』ってヤツ?動揺した時に集中したり自分を落ち着かせるための動作みたいなの…」

「…ってことは、どうやらあの反応は『当たり』ってことみたいね」

「…まさか彼が、お前にそこまでのことを教えていたとはな」

 若干の動揺は残っているものの、落ち着きを取り戻したプッチがこまるに語りかける。

 

「気まぐれか、それともお前の献身に対する恩賞か…。まあどちらでもかまわん。お前如きが『真実』の一端に触れようとも、どうすることもできはしない。荒れ狂う運河に石を一つ投げ入れたところで流れが止まることがないようにな。…もう一度言う。彼を渡せ。そうすればお前たちの邪魔をすることはない」

「…アー」

「……」

「…その必要はないわよ。おまるがこいつをアンタに渡さなくても、アンタがアタシらの邪魔をすることはあり得ないわ。…何故ならッ!ここでアタシがテメーをミンチにするからだよッ!!」

 腐川と入れ替わったジェノサイダーが鋏をプッチに突きつける。

 

「…やめろ腐川冬子、そしてジェノサイダー翔。お前たちでは私には勝てない。それとも、私にそのスタンド能力を返す気にでもなったのか?」

「だーれが返すかホモ神父!大体『メタリカ』はおじやちゃんのモンだろうが、人からパクっといて我が物顔してんじゃあねーぞボケッ!それによ…根暗もアタシも、元々テメエをぶっ殺す為に未来機関にいんだよ!」

「ほう…」

「え?腐川さん…それどういう意味なの?」

「…簡単なこった。まー君じゃあの野郎は『殺せねえ』。だからアタシが殺るんだよ」

「お兄ちゃんが…?でも、そんなことは…」

「分かんだよ。確かにまー君は最強だ。まともにやり合っても勝てる奴なんざこの世にはいねーだろうよ。おまけにアタシみてーな『悪人の心』まで理解できるときたもんだ。…けどな、そんなまー君でもコイツの『心』だけは絶対に読めねえ。何故ならこいつはまー君と同じ『自分の行動が正しいと信じている』、それでいて自分がやっていることが『悪』だってことに気づいていない『もっともどす黒い悪』だからだよッ!」

「もっとも…どす黒い悪…!」

「…『悪』ではない。私のやることは『正義』であり『希望』なのだ。私にとって、しかし私とDIO以外には決して理解されない『希望』なのだよ。故に私は『絶望』を赦さない。『絶望』こそがお前たちの本来の『敵』なのだ。お前たちの行いは、単なる『同族嫌悪』に過ぎない。自分たちの思い通りにならないことへの苛立ちから来る八つ当たりに過ぎないのだよ」

「…な?これで分かったろ?こいつはまー君と同じ思考をしている…と『勘違い』している大馬鹿野郎なんだよ。だからこいつは平気で他人を踏み台にできる、犠牲にできる。…まー君はできるが『やろうとしない』。何故ならまー君は『困難でも犠牲の必要ない選択をする』人間だからだ」

「……」

「けどこいつは面倒なことに頭がキレやがる、多分まー君とタイマンしても出し抜く策の一つや二つ隠していても不思議じゃあねえ。…だからアタシがやるんだ。もしものときにまー君が二の足踏む前に、アタシが問答無用でぶっ殺す為にアタシはここに居る!お前は、アタシに殺されるためにここにいるッ!」

「…成程、それがお前の『覚悟』か。それがお前が苗木誠の『希望』に応えるために出した『答え』か」

「…口上は終わりだ!テメーに残った選択肢は一つ、『針山地獄行きの刑』だけだッ!」

「いいだろう…。私の前に立ちはだかると言うのなら、私がお前を神の名において『断罪』しよう。『正義』の行いを阻もうとした『悪』としてな…」

 

ブォン!

 自身のスタンド『ホワイトスネイク』を呼び出し、ジェノサイダーと対峙するプッチ。ジェノサイダーも体内の『メタリカ』を総動員し全神経をプッチに集中させる。

 

 

…カチャ

そんなジェノサイダーの隣に、ハッキング銃を構えたこまるが並び立つ。

 

 

「デコマル…!?」

「…苗木こまる、貴様も私の邪魔をするか」

「…五月雨さん、この子のこと見ててください。あんまり近づきすぎなければ大丈夫ですから」

「あ、うん…」

「…貴方がどれだけ悪い人なのか、腐川さんがどうしてこれだけ必死になるのか、私には全然分からない。…けど、これだけは分かる!貴方は腐川さんの、お兄ちゃんの『敵』だってことは!なら、私は躊躇ったりなんかしない!腐川さん、私も一緒に闘う!」

「…やめろデコマル、これはアタシの問題だ。テメーは関係…」

「関係ないことないよ。だって…『友達』でしょ?」

「…ケッ、勝手にしろ。精々あのヤローに隙を見せんじゃあねーぞ」

「うん…!」

「…覚悟も碌にない小娘が、安っぽい感情で私に楯突くんじゃあないッ!新月渚、お前がヤツを仕留めろ。彼女の期待を裏切るんじゃあないぞ」

「…僕はモナカちゃんの為の狗だ。…僕はモナカちゃんの為ならなんだってする。…僕は、モナカちゃんの為に魔王の妹を殺す…殺すゥゥゥゥッ!!」

「…お、お前ら…ッ!」

「し、師匠…どうしましょう?」

「…どうやらこれは『探偵』の範疇を越えているようじゃ。口惜しいが、儂らは足手纏いのようだ。…ならせめて、これ以上足を引っ張らぬよう下がっておくのが彼女たちの為じゃろう」

「ですよね!…ほらアンタも行くよ!ここに居ちゃ邪魔邪魔!」

「お、おい引っ張るな!…頼むぞお前ら!俺達の『希望』を守ってくれ!」

「おじいちゃん…五月雨さん、灰慈さん…」

「デコマル、ヤローの言う事なんざほっとけ。あのデカブツは二の次だ、まずはこいつらをぶっ倒すぞ!」

「…うん!」

 プッチと新月、腐川とこまる。互いにそれぞれの『希望』を持つ者同士の戦いが始まった。

 




新月と共にプッチ襲来です。果たして二人は勝てるのか?
そろそろこの作品もクライマックスですね。なんとか50話以内には収めたいけど…なんとかなるかな?
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