ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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未来編6話視聴。

おいちいさん…なに死んでんねん…。しかもよりにもよって忌村さんのすぐ傍、似たような死因…そしてただ一人無事な流流歌。怪しさMAXどころじゃあねえっすよぉ~!多分おいちいさんは襲撃者の仕業じゃあないだろうけど、「模倣犯」になれそうなのが一人しかいないって…ねえ?

そして78期組にもなんだか暗雲が…。苗木の悪夢内で妙な形で死んでいた霧切さん、モナカにすら突っ込まれるほど空回りしそうな苗木君の危うさ、そして言動が怪しいともっぱら噂の朝日奈…どう収拾つけるんだろうか?そんな中で安定の葉隠とどう見ても節穴な十神さん。ついでに塔和シティで友情満喫中の二人は安牌ですね。

ガハラさん最近殺されてたんだね…。しかも死因が首グリン…。宗方も覚悟完了しちゃったみたいだし、これから実に荒れそうだね。…なんか逆蔵だけ置いてけぼりな気もしないでもないけど

…最後に一言。日向よ、お前は「どっち」なんだ…?


二人の僧侶との決着、…そして

「死ねぇぇッ!魔王の妹ぉぉぉぉッ!!」

 

ドギュンドギュン!

 ハンニバルXのライフルが火を噴くのをゴングに、『2対2』の戦いは幕を開けた。

 

「くッ…!」

「しゃらくせぇッ!」

 物陰に隠れて銃弾を凌ぐこまると対照的に、ジェノサイダーは『メタリカ』の『光学迷彩』を発動し姿を消す。

 

「ム…!『メタリカ』の能力か」

「そういうこった…!もうテメエにはアタシは『見つけられねえ』。余計な真似される前にその喉掻っ捌いて…ッ!?」

 と、そこまで言いかけジェノサイダーはつんのめる様に言葉を止める。

 

「ふ、腐川さん?どうしたの?」

「この『反応』は…ッ!?テメエッ!」

「浅はかだなジェノサイダー翔。そのスタンド能力を君に与えたのは『私』だぞ。ならば…既にその『対策』を用意しているのは当然のことだ」

「対策…!?」

「…奴の血液の鉄分を操作しようとしたら、『妙な壁』みてーなモンに阻まれやがる。野郎…服の下に『強力な磁石』かなんかを仕込んでやがるな!?」

「…正解だ。貴様の『メタリカ』は『磁力』を持って鉄分を操る。ならば…その磁力に『反発』するものを用意しておけば直接体内の鉄分を操作されることは免れる。煙蛇太郎の時に想定しておくべきだったな…」

「チィッ!!だったらよぉ…『直接』そのブ男ヅラ引っぺがしてやんよぉーッ!!」

 進行ルートを読まれぬよう障害物の間を音もなく飛び交って、ジェノサイダーはプッチに肉薄する。

 

「そうだ、お前はそうするしかあるまい。だが…私に『近づく』ということがどういうことか『理解』しているのか?」

 

 

ズズズッ…

「…!?ふ、腐川さんッ!見えてる、見えてるよ!」

「あん?…見えてるって何がだよ」

「『身体』だよ!『光学迷彩』が解けかかってる!」

「何ィ!?」

 こまるに言われふと自分の体を見ると、確かに光学迷彩によって周囲と一体化している筈の自分の体がうっすら見えていた。

 

「こいつは…ッ!?ま、さか…」

「そのまさかだ。お前のスタンドは元々私が与えたものだと言っただろう。…つまり、お前が『射程距離』にさえ入ってくれば再び『メタリカ』を『DISC化』して取り出すことなど造作もない。…ほら、もう飛び出かかっているぞ?」

「ッ!?」

 思わず額に手をやると、プッチの言うとおり自分の体から『DISC』が半ば出かかっており、ジェノサイダーは即座にそれを体に押し込む。

 

「クソが…ッ!」

「腐川さん…」

「…ところで苗木こまる、よそ見などしていていいのか?」

「え?」

 

ピピッ…ドォン!

「え…」

「危ないッ!」

 

ガバッ!

ギャン!

「きゃあッ!?」

「大丈夫かこまる君…?」

「あ、ありがとうおじいちゃん…」

「儂の事は気にするな。それより…友達が心配なのは分かるが、今君には先にやらねばならんことがあるだろう。酷なようだが、まずはこの状況を切り抜けてからじゃ」

「…うん」

「殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺すコロス…ッ!」

 壊れたようにこまるに殺意を向ける新月とハンニバルXに、こまるは腐川に背を向け意を決してハッキング銃を構える。

 

「…新月君。あの時、君が私を逃がそうとしてくれたこと。君が何を考えていたのかにしろ、そのことには感謝してる。だから…今度は私が君を『解放』してあげる!」

「死ね死ね死ねシネッ!魔王の妹ォーッ!」

 

ドォン!

 

「『ズドン』と『フキトベ』ッ!」

 

ガウンッ!

 

ドバァンッ!

 ハンニバルXの弾丸とこまるの『スタンド弾』がぶつかり合い、こまるのスタンド弾が新月の銃弾を吹き飛ばした。

 

「ぐッ…!?こ、殺す…」

「『メラメラ』『モエロ』ッ!!」

「ッ!?」

 

ドドドドドドッ!!

 間髪入れず放たれた『モエロ』のスタンド弾が、マシンガンの如くハンニバルXの弱点のある『左目』を『顔面』ごと燃やし尽くす。

 

「こ、この…ッ!あ、『熱い』…ッ」

「『下手な鉄砲数うちゃ当たる』ってね!反撃なんかさせないよッ!」

 ただの『コトダマ』ではなく、『イン・ア・サイレント・ウェイ』により本物の炎のような『熱』を含んでいるので、その熱が新月の集中力を奪い、こまるはそれを逃がさない。

 

 

 

一方、プッチとジェノサイダーの戦いも激化していた。

 

「オラァッ!くたばれファッキンクリスチャンがぁぁッ!!」

「くっ…!『ホワイトスネイク』!」

『ウォシャァァァァッ!!』

 ジェノサイダーが周囲の壁から無尽蔵に出現させた鋏を雨あられの如くプッチに降り注がせる。プッチも『ホワイトスネイク』でガードするが、『ホワイトスネイク』のスピードはさほど速くは無いため防ぎきれず、神父服や肌に次々と傷を刻まれていった。

 

「この女…ッ!『メタリカ』を与えたのは『失敗』だったかッ!?スタンドとの相性で言えば、こいつと『メタリカ』の相性は本来の持ち主である『リゾット・ネエロ』を凌ぐッ!」

「あたぼーよッ!テメーに『磔』は勿体ねえ、おじやちゃんの仇も含めて、テメーを『砂粒レベル』にバラバラにしてやんよッ!」

「この…ッ!調子に乗るなよ、呪われた『殺人鬼』がッ!!」

『オアァァァッ!』

 

ボゴォンッ!

 『ホワイトスネイク』の一撃によって近くの『コンテナ』が殴り飛ばされ、それがジェノサイダーへと吹っ飛んでいく。

 

「ほー、『パワー』だけは大したモンじゃん。けど、こんなもん避けれねーとでも…」

 と、ジェノサイダーが半身になってそれを躱した時…すでにプッチの姿は無かった。

 

「なッ…!?」

「…そうすると思っていたぞ。ジェノサイダー翔」

「ッ!?」

 ハッとなってコンテナの方を見ると、既に背後には『コンテナにくっついてきた』プッチが立っていた。

 

「お前はあの『生き残り』の中では戦闘経験が群を抜いている…。だから攻撃を躱すのも『最小限』の動きですると思っていた!だからこうして『近づけた』ッ!」

「クソがッ…!『メタリ…』」

「させんッ!」

 ジェノサイダーが鋏を取り出すよりも早く、プッチは『爪』に忍ばせていた極小の『ロザリオ』をジェノサイダーに投擲する。目標は、彼女の『メガネ』。

 

パキンッ!

「がッ…!?」

「メガネにしていたのが不幸だったな。直接目に当たらずとも、『レンズ』に当たれば貴様は反応せざるを得まいッ!」

 思わずつんのめったジェノサイダーを、『ホワイトスネイク』が掴んで床に叩きつける。

 

「ぐえッ!」

「もうお前から『DISC』を抜こうなどとは思わん!それが無くとも、お前には『殺人鬼』としての技術がある!お前には余計な時間は与えん!」

 無防備になったジェノサイダーの首筋目掛け、『ホワイトスネイク』が手刀を振り上げる。

「『磔』になるのは貴様だッ!『ドミネ・クォ・ヴァディス?(どこへ行かれるのですか?)』、お前は『磔刑』だーッ!!」

 ジェノサイダーが反応するよりも早く、『ホワイトスネイク』の手刀が振り下ろされる…

 

…が。

 

「『メラメラ』『モエロ』ッ!」

「ッ!?」

 真横から飛んできた『スタンド弾』に、プッチは思わず両手でそれを防ぐ。

 

「腐川さんッ!」

「…『メタリカ』ッ!」

 

ザスザスザスッ!

「ぐッ!?」

 その隙を見逃さず、ジェノサイダーはプッチの足元から『剣山』を出現させ足を貫く。

 

「ぬぐッ…!?」

 流石に動揺したのかよろめきながら距離をとったプッチの前に、起き上がったジェノサイダーとハッキング銃を構えたこまるが並び立つ。

 

「苗木こまる、貴様…ッ!」

「大丈夫腐川さん?」

「あー…、今回ばっかは助かったわデコマル。ところで…あのガキはどうした?まだ倒してねえんだろ?」

「あ…それが、アレ…」

「あん?」

 

「ぼ、僕はモナカちゃんの狗で…、モナカちゃんの為ならなんでもして……『熱い』?アレ…!?ぼ、僕は『何をしに来た』んだッ!?」

「…何やってんだアイツ?」

「それが…多分私の『モエロ』の弾で『熱い』って思っちゃったから、『私を殺す』ってことを『忘れちゃった』のかも…」

「…ハッ!そいつはラッキーだったな。まー君のご加護って奴か?」

「えへへ…。でも、これで腐川さんを手伝えるよ!」

「そいつは上々…!なら、とっとと決めっぞ…!」

「うん!」

 身構える二人を余所に、プッチは混乱している新月へと目を向ける。

 

「…ふん、存外詰めが甘いなあの小娘も。やはり『ホワイトスネイク』で無駄な記憶も排除しておくべきだったか。…まあいい」

「僕は、僕はモナカちゃんの為に何を…!?」

「新月渚!」

「ッ!?だ、誰だ…お前ッ!?」

「私が誰かなどと言うことはどうでもいい。私はキミが慕う彼女からの『伝言』を伝えるのみだ。…新月渚。余計な思考は捨てろ。背徳は神の望むところではない。君はただ、『彼女の障害を全て排除する』…それだけを考えればいい。君には既にその答えが分かっている筈だ」

「モナカちゃんの…障害…!僕等の『楽園』の邪魔なのは…やっぱりお前だッ!お前さえ、お前さえ居なければ…殺すッ!殺す殺すコロスッ!お前なんか、消えてなくなっちゃえばいいんだーッ!!!」

 

ヒュンヒュンヒュン…

ドガンドガンドガァァンッ!!

「きゃあああッ!!?」

「チッ…!追い詰められたら『爆弾』かよ!?これだからキレる10代はよぉぉぉッ!!」

 新月の操るハンニバルXが四方八方にばら撒く手榴弾により、こまる達だけでなくプッチまでもが巻き込まれる。

 

ドガァン!

「むう…ッ!」

「ど、どうしよう腐川さん!?」

「…しょうがねえ。今はあのガキを先に仕留めるぞ!時間もあんまり無えし、ラッキーなことに野郎も爆風でまともに動けやしねえ!とっとと終わらせてプッチをぶっ殺すんだよ!」

「わ、分かった…!」

 動けずにいるプッチから切り替え、二人は暴れまわる新月へと向かっていった。

 

「このッ…!僕は、僕はモナカちゃんの為にお前を殺さないといけないんだッ!だから…早く死ねよぉッ!!」

「そう簡単には死ねないよ!私は、皆の『希望』を守るんだ!」

「こっちはさっさとアイツをぶっ殺さねえといけねえんだよッ!テメーは邪魔だ、すっこんでろぉぉぉッ!!」

「『シビレロ』!」

「こんなもの…ッ!」

「おーっとそっちは『通行止め』だッ!」

「な…ッ!?」

 こまるのコトダマを躱そうとするが、進行方向に回り込んでいたジェサイダーに妨害され、避け切れず攻撃を喰らってしまう。

 

「こ、この…ッ!」

「デコマル!集中攻撃だ!さっさと決めろッ!」

「うん!『メラメラ』『モエロ』ッ!!」

 

ドドドドドドッ!!

バキンッ!

 『シビレロ』のコトダマで動きを止めたところに、『モエロ』の集中砲火を受け、ついにハンニバルXの左目のモノクマのパーツが壊され、弱点の『赤いランプ』が露出する。

 

「今だ!」

「うん!」

「う、嘘だ…!お前なんかに…お前らなんかにィィィッ!!」

「『ドカン』と『コワレロ』ォッ!!」

 

 

ドギュゥンッ!

 『メタリカ』で動きを鈍らされたところに、こまるの放ったスタンド弾が直撃し

 

 

ドゴォォンッ!!

 ハンニバルXの頭部が木っ端みじんに吹き飛んだ。

 

 

「や、やった!」

「よし!」

「ま、まだだ…まだ頭を潰されただけだッ!すぐにシステムを復旧して…」

 

 

ビシッ…

「…あん?」

「今…何か嫌な音がしたような…?」

 

 

 

ゴゴゴゴゴッ!

 何かがひび割れるような音の直後、格納後の壁が音を立てて揺れ始める。

 

「な、何…!?どうなってんの!」

「まさか…あのメガネがあちこちから鋏を創るもんだから、格納庫が脆くなって衝撃に耐えきれなくなったのか…!?」

「アレ?これアタシのせい?」

「お前ら、そっから離れろ!その辺りが崩れるぞ!」

「わわわわッ!?」

「デコマル!逃げるぞ!」

「あ…でも…!」

 

ガチャガチャガチャガチャ!

「動け…動けよこのポンコツ!早く動いてアイツを……あれ?僕は…なんであいつを倒さないといけないんだっけ…?」

 ロボを動かそうと必死な新月は周りの状況に気が付いていない。そこに…

 

ガラガラガラッ…!

ゴゥンッ!

「…ッ!新月君、危ないッ!」

「え…?」

 崩壊した天井より落ちてきた瓦礫を受け、ハンニバルXはゆっくりと…『新月の居る方向』へと倒れかかり…

 

「あ…」

 

 

 

ゴシャァンッ!!

 新月を巻き込み、そのまま瓦礫の下敷きとなったのであった。

 

「そんな…ッ!?」

「チッ…あのガキが…って、そういやプッチの野郎はどうした!?」

「え?…あ、あそこッ!」

 こまるが指差した先には、崩れゆく己の頭上の事など気にもせず悠然と歩くプッチの姿。その視線の先には…いつの間にそこに居たのか、あの『緑色の赤ん坊』の姿もある。

 

「えッ!?あの子…何時の間に!?」

「わ、私目を離してないよ!ほんの一瞬のうちに…」

「…スタンドで自分を動かしやがったのか…!?」

 近づきたくとも瓦礫が邪魔で向かえないこまる達を嘲笑うかのように、プッチは赤ん坊へと近づくと膝を突く。

 

「…やっとだ、やっと逢えたな…『我が友』よ…!」

「…アー?」

「私の事が分からないか…。だが、君は『既に知っている』筈だ!私と出会うことが『運命』だったことを!」

「……」

 プッチの情熱的ともとれる言葉にも赤ん坊は反応しない。それどころか、プッチを無視してこまるの元へ向かおうとすらしている。

 

「…ヘッ!あの野郎見限られやがった!いい気味だぜ!」

「……」

「さ、こっちに…」

「…『らせん階段』!」

 

「…ッ!」

ピタッ…

「…え?」

 プッチが脈絡もなく言い放ったその言葉に、赤ん坊の動きが止まる。

 

「な、なんで…?」

「言った筈だ苗木こまる…!彼はお前に自分の『ルーツ』を求めただけだと。ならば肉体的には赤の他人である私よりも、半分とはいえ苗木誠の血縁であるお前の惹かれるのは仕方のないことだ。…だが、『これ』は違う!これは正真正銘、『彼』からのメッセージなのだ!ならば『彼』がそれに反応しない筈が無い、『彼』は本能的にこれを知っているはずなのだから!」

「……」

「今こそ言葉にしよう、君に捧げる『14の言葉』をッ!」

 唖然とするこまる達に構うことなく、プッチは赤ん坊に祈る様にその言葉を伝える。

 

「『カブト虫』!『廃墟の街』!『イチジクのタルト』!…『カブト虫』!『ドロローサへの道』…『カブト虫』!『特異点』!『ジョット』!『天使(エンジェル)』!『紫陽花』…!『カブト虫』!『特異点』!…『秘密の皇帝』…ッ!!」

 一見なんの繋がりもない意味不明な言葉の羅列。しかし…

 

「……!」

『アムゥゥゥ…!』

 赤ん坊はその言葉に確かに反応し、プッチの方へと近づいていく。

 

ガラガラガラッ…!

「興味を示してくれたか!?君の方から私に『歩み寄ってくれるのか』!?…これで全てが『幕を開ける』のかッ!」

「あ、危ない…ッ!」

「…ハッ、おまるやめなさい!もう駄目よッ!」

「で、でも…」

 ジェノサイダーから戻った腐川とそれに抑えられるこまる、そして遠巻きにそれを見ていた灰慈達には、見えていただろうか。迫りくる瓦礫の雨に構うことなく赤ん坊と触れ合ったプッチ…

 

 

グチャァァァァ…ッ!!

 その腕の肉が『削げ落ちる』ように剥がれ、赤ん坊から飛び出た『骨』とプッチの骨が『混ざり合う』、おぞましい光景が。

 

 

「これで君の『世界』へ共に旅立てるぞッ!!DIOッ!」

 

ガラガラガラガラッ!!

 そしてそんな歓喜の叫びを最後に、プッチは瓦礫の奥に姿を消したのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シー…ン…

「…お、治まった…のかな?」

「そのようだな。やれやれ、崩れたのが闘っていた場所だけで良かったわい」

 崩壊が落ち着き、辺りが静けさを取り戻した頃に、こまるたちは辺りの様子を確認する。

 

「…新月君は、あのプッチって人は…?」

「…二人とも、瓦礫の下敷き…の筈よ。…あのガキはともかく、プッチはあれで死んでくれてればいいんだけどね」

「…新月君」

「…ハッ、『期待』に応えようとして…『機体』に潰されちまったってか?笑えるな…」

「そんな言い方…!」

「…お前がアイツと何があったのかは知らねえが、こっちは奴には恨みしかねえんだ…!あのガキも黒人も共倒れになったってんなら、俺もお前らも万々歳だろ。『そういうこと』でいいんだよ」

「……」

「おまる…」

「…ま、なんじゃ。生きていれば納得のできんことぐらい幾らでもある。大事なのは、それをいつまでも引き摺ることではなく、決して忘れず『繰り返さない』ことじゃ。…こまる君、今は『前』を見て進むことが大切じゃぞ」

「…うん、おじいちゃん」

 

「…それよりだ!邪魔者はもういねえんだ、やっと…やっとこれで俺達の『切り札』が手に入った!細かいことなんざ気にしねえで今はそれを喜ぼうじゃあねえかッ!」

 喜色を湛えた笑顔で灰慈は崩れた部分から離れていたおかげで無事だった『ビックバンモノクマ』に駆け寄る。

 

「これで俺達に怖いもんはねえ…!もう逃げるのは終わりだッ!ここからが、俺達の『反撃』の始まるんだァッ!ハッハッハッハッハ!」

「…な、なんか…喜びが振り切り過ぎてハイになってない?あの人…」

「…不安じゃな」

「…ああいうの見ると、苗木が言ってることが身に染みて理解できるわね…」

「え…?」

「『希望と絶望は表裏一体』…それがアイツの『持論』なのよ。『誰かにとっての希望』は、常に『誰かにとっての絶望』でもある。江ノ島盾子と苗木がそうであったように、希望と絶望は常に『背中合わせ』なのよ。…要するに、アレが今は『希望』でも、なんかの拍子に『絶望』になってもおかしくないってことよ」

「…希望と、絶望…」

「…おいお前ら!こいつを立ち上げるのに少し時間がかかりそうだ!多分『明日の朝』ぐらいにはなんとかなると思うから、少し休んでな!夜明けとともに、こいつに乗って反撃開始だ!」

「あ…ハイ!」

「…ま、頭がアイツなら大したことはできないでしょ。こっちの『目的』は大体終わったんだし、少し様子を見るわよ」

「うん…」

 不気味にその時を待つビックバンモノクマを見上げながら、こまるたちは闘いの疲れを癒すため一時の休息をとるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 …翌朝、『塔和シティ上空3000メートル』…

 

 

「…なあ、マジで行くのか…?」

「お前もそろそろハラ括れよ!この期に及んでビビってんじゃあねーぞ!」

「び、ビビってなんかねえし!…けどなあ…」

「…徐倫は『度胸のある男』が好みらしいぜ」

「いつでも行けるぜ!早く行こうぜ!」

「…扱いが楽だね…」

「…それで幸せなら別にイイだろう…」

 塔和シティから発せられる『ジャミング』にも引っかからないその空域を飛行する『軍用機』の中では、そんな会話が繰り広げられていた。

 

「…よし、行こうか…!」

「『気流のコントロール』は任せるよ」

「ああ、任せてくれ…」

「ッシャアッ!じゃあいっちょブチかましに行こうぜ!」

「…『少佐』、ここまでの準備をして頂いたこと、感謝します」

「なあに、気にすることは無い。俺はキミ達に世話になった礼を返したに過ぎん。我々は受けた恩には必ず報いる…!故に…必ず生きて戻ってくるのだ…!」

「…はい!」

「よぉぉぉしッ!ではハッチを開けェェェいッ!!」

 少佐と呼ばれた軍服を着た男の指示により、飛行機の後部ハッチが開き、外の大空と繋がる。

 

「じゃあ皆、行くよ!」

『おう(うん)!』

「…Viel Gluck!(幸運を祈る!)」

「うん!」

 そして一人の青年を皮切りに、中に居た皆は大空へと向かって…『飛び降りた』。

 

 

ギュォォォォォッ!!

「うおおおおおおおおッ!!?」

「ヒュゥゥゥッ!こいつはやべぇぇぇぇッ!」

『口で話すな!舌噛むぞ!スタンドで会話しろ!』

『おっと危ねえ…』

『…気をつけて、雲に突っ込むよ!』

 

ゴヒュウウウウウッ!

『うわっぷ!?な…何も見えねえ…』

『…汚染の影響みたいだね。ゴーグルがあってもこれなんて…』

『こ、このまま落ちて大丈夫なのかよー!?』

『もう少し…もう少しで終わるから…!』

『…抜けるぞッ!』

 

ボヒュゥ…ッ!!

 暗雲を突っ切ると、一同の眼下には『塔和シティ』が見えていた。

 

『アレが塔和シティか…!いよいよって奴だな……ん?』

『どうした?』

『おい、アレって…!?』

『ああ、間違いねえ…忘れようがねえぜ!』

『できれば、もう見たくは無いものだったんだがな…』

 人外の視力を持つ近接タイプのスタンド、そして遠隔操作できるスタンドを持つ彼等には、下の塔和シティで起きていることがハッキリと視えていた。それは…

 

 

 

 

『…何故、またあの『デカブツ』がこの街にもいるんだ…!?』

 ビルほどもある巨大なモノクマ、『ビックバンモノクマ』が街を蹂躙する光景であった。

 




最後に出てきた彼らの経緯はまた今度。まあみんな誰なのかは分かるよね…
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