ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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今日明日休みで暇なんで中途半端な時間だけど投稿します
…ぶっちゃけあんまり書き溜め溜めすぎると創作意欲が無くなるので適度に落とした方が描けるので…

未来編7話視聴。
濃厚な絶女回でしたね。本当にモナカただの「観客」だったんですね。ある意味狛枝の変態が功を奏したというか…。最後にはカーズ様になっちゃいましたけど月一ぐらいで帰ってきそうなノリでしたね

死人こそ出なかったものの盛大なフラグを残した回でしたね。死ぬのは朝日奈と霧切のどちらかなのか、あるいはやってくる十神を出待ちしてるのか、大穴で葉隠が死ぬのか…それとも、苗木自身が死んでしまうのか。
最後の宗方とか完全に通り魔でしたし次回あたり2,3人死んでもおかしくないですね。…ところで今回でガハラさん完全に沈黙することになりましたけどアレ死んだ人数にカウントされるのでしょうか?もし次のアバンで誰も死なずに人数がそのままなら…もしかしたら十神もカウントされているのかもしれないですね。

なんかグダグダだって言われてますけど僕はどっちも楽しんでます!…やっぱ原作ありきのアニメだよねこれ


亡霊と援軍

「ぜひー…ぜひー…。え、エレベーターも、エスカレーターも…止まってるとか、ふざけんじゃあないわよ…!なにが天下の塔和グループよ…!このアナログ企業…ッ!」

「し、しょうがないよ…。こんな状況なんだし…」

 オフィス部へとやってきたこまる達であったが、エレベーターやエスカレーターと言った移動手段が軒並み使用不能になっていたため、仕方なく階段を上って上を目指していた。

 

「…あ!エレベーターだよ腐川さん!ほら、もうちょっとだけ頑張って!」

「こ、今度は動くんでしょうね…?」

 長い階段を上りきると、一際立派なエレベーターが正面に存在した。…が、開閉スイッチらしきものは無く、待っていてもうんともすんとも言わない状態であった。

 

「もしかして…これって塔和タワーの時みたいに『カードキー』みたいなのが居るのかな?」

「これなら不二咲の親父も連れて来るべきだったわね。あの『へっぽこもぐら』なら持ってるかもしれないけど、アイツは今あのデカブツに乗って王様気分でしょうしね…」

 

「…その『へっぽこもぐら』ってのは俺の事か?」

「…え?」

 声に振り返ると、外にいる筈の灰慈が階段を上ってこちらにやって来ていた。

 

「は、灰慈さん!?」

「あ、アンタ…なんでここに?」

「お前らと目的は『一緒』だろうぜ。…ここのどっかにあるんだろ?モノクマの『制御装置』って奴がよ」

「じゃあ、アンタも…?」

「街中のモノクマが群がってきやがってな…。流石にビックバンモノクマでもあしらいきれなくなったから、先にそいつをなんとかしちまおうと思ってな」

「街中のって…じゃあ、外の人たちは…!?」

「…今はビックバンモノクマをバリケード代わりにして大方の数は防いでいる。だが、それでも完全な足止めは無理だろうからな。オトナ連中やお前らの仲間がなんとか頑張ってくれているうちに止めねえと…!」

「…ねえ、それって『シロクマ』からの提案?」

「?ああ、そうだが…」

「…アイツ、もしかして…」

「じ、じゃあ灰慈さん!ここのエレベーターを動かす『鍵』を持ってませんか?それがないとこの先に進めなくて…」

「…悪いがこいつはそんなもんじゃ開かねえよ。このエレベーターは『網膜認証』でしか動かねーからな」

「モーマク…動物?」

「…網膜は『目』のことよ。けどそれなら尚更アンタなら大丈夫なんじゃないの?あのビックバンモノクマの時はイケたんだし、今回も…」

「…駄目だ。ここのエレベーターを動かせるのは『塔和グループ会長の網膜』…つまり、俺の親父だけなんだよ」

「お父さんって…確か、『行方不明』に…」

「…悪いが、そいつは俺の『現実逃避』みてーな言い訳だ。本当は…親父はとっくに『殺されちまっている』筈だ…」

「ッ!?」

「殺されて…!?」

「ああ、なにしろ…俺の『目の前』でやられたんだからな。忘れようがねーよ…。あの時、いきなり襲い掛かって来たモノクマに、親父はなす術もなく袋叩きにされた…俺は必死で逃げたからどうなったかは知らねーが…部屋を出るときに、親父の悲鳴が途中で途切れて、『グチャ…』って、なにかを『千切る』音が聞こえたから、多分…」

「い、言わないでいいわよ…!」

「じ、じゃあ!外の不二咲さんにハッキングでなんとかしてもらえれば…」

「そりゃ期待したって無駄だぜ。塔和グループの施設はそういう手口を警戒して、一般社員の部署以外の施設への入り口は全部『手動』でしかロック、ロック解除ができねえ。外部からの干渉は実質不可能だよ…」

「そ、そんな…」

「…だが誰だ?誰がここのロックを掛けやがった?まさか…『アイツ』か?俺へのあてつけってか?アイツ…ッ!」

「ちょっと…ぶつくさ一人で言ってんじゃあないわよ。他に上へ行く道はないの?」

「…生憎ここだけだ。だからこそこんなに厳重なんだろうが」

「じゃあ、もうこの先へは…」

「そうと決まった訳じゃあねえ。…要は、親父の『目』さえあればいい。幸い、親父がやられた『会長室』もこの階だしな…」

「それって…!?」

「死体の『首』を持って来いっての…!?」

「嫌なら別に『目ん玉』だけでもいいぜ?」

「そっちの方が嫌ですよ!」

「だろうな。…アイツ、これも織り込み済みってか?どんだけ俺をコケにすりゃ気が済むんだ…!?」

 そう呟きながら灰慈はエレベーターに背を向け去っていく。

 

「え…?い、行かないんですか?」

「…『アイツ』の思い通りに動くぐらいなら、俺は真面目にモノクマを潰して回るさ。…いっそ、ビックバンモノクマでヒルズごとぶっ潰しちまえば楽だろうな…!」

「じ、冗談じゃあないわよッ!んなことしたら私たちも白夜様も巻き添えじゃないッ!」

「…分かってるよ、冗談さ…」

 力なくそう言うと、灰慈は肩を落として去っていった。

 

「…で、どうすんのおまる?」

「どうするって…嫌だけど、本当に嫌だけど…やるしか、ないよね?」

「…そうよね。アタシも付き合ってあげるから頑張りなさい」

「うう…お兄ちゃぁん…」

 嘆きを漏らしながらも、こまるたちは仕方なく社長室へと向かっていった。

 

 

 

 

「…うう、憂鬱だよぉ…。絶対に恨まれるよ…祟りに遭うよぉ…」

「そんなことあるワケ…って、そうも言えないわね。実際『幽霊』にあったことがある身としては…」

「…え!?腐川さん、幽霊見たことあるの!?」

「…一度だけね。けど、別に『悪霊』とかじゃないわよ。…むしろその『逆』、おせっかいこじらせてあの世から戻ってくるような、悪人の癖にバカみたいに真面目な幽霊だったわよ…」

「へ、へえ…」

 

 そんなことを話しながら歩いていると、ふと道端に子供たちが座り込んでじっとしているのが目に入った。

 

『……』

「あの子たち…急におとなしくなっちゃったね。やっぱり怖いのかな…?」

「『洗脳』されてるんだからマジに怖がってんのか怪しいところだけどね。…いえ、むしろもう『解けかかってる』のかもね」

「え?」

「『恐怖』ってのは、そんだけ強い影響があんのよ。『絶望』した連中だって、アタシ達がスタンド能力使って制圧した時には、ほんの一瞬だけど『素の感情』が出たこともあるし…。ましてやガキなんだから本気で怖がれば洗脳されてることだって忘れるんじゃあないの?」

「そういうものかな…あ、アレかな腐川さん?」

 そうこうしている間に、こまるたちは目的の『会長室』へとやって来た。

 

「…は、入ればいいんだよね?」

「なんでアタシに確認取るのよ…。どうせ入らなきゃダメなんだから、覚悟決めなさい」

「うう…失礼します…」

 

ガチャ…

 ゆっくりと扉を開けた先には…

 

 

 

 

 広々とした社長室を染め上げる赤黒い血、そしてデスクの足元からはみ出た、おそらく『会長』と思われる人物の足…

 

「ひいいいッ!?よ、予想以上にえぐいなんて聞いてないわよクソッタレェッ!」

「誰に怒ってるの腐川さん!?」

「…ご、ごめん。ちょっと混乱したわ。…で、多分『アレ』よね…?」

「う、うん…」

 恐る恐るこまるはデスクの方へと歩み寄っていく。

 

「…ひ…!?」

「ど、どうしたのッ!?」

「ふ、腐川さん…ッ!あの、一応あったんだけど…その、転がってるのが、たまたまだけどこっちを見てて…」

「も、もういいわッ!解説しないで…」

「ねえ…やっぱり、やるしかないんだよね?」

「じ、自分で言ったんでしょ?…待っててあげるから、頑張りなさい…!」

「うう…ごめんなさい…」

「…あの、直接持つと余計に気が滅入るだろうから、スタンドに持たせたらどうかしら?」

「あ…そうだね、そうするよ…気休めだけど」

 

 

 

ガサガサ…

 こまるは首を丁重に布で包むと、近くにあった紙袋に納め、それを『イン・ア・サイレント・ウェイ』に持たせる。

 

「…おまたせ」

「うん…ごめんね、任せちゃって…」

「ううん…。私が決めたことだから…行こう」

「うん…」

 行きよりもさらに低いテンションで、二人は足取り重く元来た道を引き返す。

 

 

「……」

「……」

 道中、一言も言葉を交わすことなく二人はエレベーターの前へと戻って来た。

 

「…じゃあ、出すね…」

「わ、分かってるわよ…」

 

ススス…

「なんで離れるのさ!?一緒に居てよ!」

「あ、アタシがグロダメなの知ってるでしょ?アンタゲーム好きなんでしょ?最近のゲームはカゲキっていうし、きっと大丈夫よ!」

「ゲームとリアルは違うよ!…うう、もうヤダァ…お兄ちゃん、お義姉ちゃん…助けてよぉ…」

「…意地でも両親の名前出さない辺り『孝行娘』ではあるのかしら…?」

 

 

 

 

 

ガサガサ…

「…うぅうううぅうううううッ…!」

ピーッ…

ピコン

 

 

 

「…終わった、よ…」

 『網膜認証』を済ませたこまるの表情はもはや憔悴しきっていた。

 

「お疲れ様…。じ、じゃあ…その首ちゃっちゃとうっちゃっときなさい」

「だ、駄目だよ!祟られるよ!」

「細かいこと気にしてんじゃあないわよ!『死人に口なし』よ、そんなホイホイあの世から戻ってくる奴がいるもんですか!」

「さっき幽霊に会ったって言ってたじゃん!でも、ホントにそんなことしたら…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『…じ……ゃん』

「…え?」

「な、何よ…?」

「い、今何か…腐川さんも聴こえたでしょ?」

「聞こえたって…」

 

 

 

『…じょ…ちゃん』

「な、なによコレッ!?」

「ほ、ほら聴こえたでしょ!?」

 虚空から聴こえてくる『謎の声』に二人は困惑する。

 

「な、なんでアタシまで…別に霊感なんか…ッ!?まさか、『スタンド使い』になったせい…?」

「い、一体誰の……ッ!?」

 と、ふと真横を向いたこまるが凍りついたように固まり、持っていた首を落としてしまう。

 

 

 

「…ど、どしたのおまる…ッ!!?」

 怪訝に思った腐川がその視線を辿ると…

 

 

 

 

 

 

 虚空にぼんやりと浮かぶ、『人間の顔』をした『火の玉』が浮いていた。

 

 

 

 

「…ッき、きゃぁああああああッ!!?」

「ひぃいいいいいいッ!!?で、でたわぁぁぁぁッ!?」

「ななな、生首のゆうれ…」

 と、そこまで言いかけて、突如こまるはガクンと項垂れる。

 

「な、何よ…どうしたのおまる…」

 

「『…お嬢ちゃん、人の首を落とすなんてひどいじゃあないか』」

「んな…ッ!?」

 次の瞬間顔を上げたかと思うと、白目をむいたこまるの声にダブって『男の声』が聴こえてきた。

 

「お…おまるが『憑りつかれた』ぁ~ッ!?ぶ…ブチャラティーッ!アバッキオ、ナランチャァーッ!アンタらのボスの妹のピンチよぉーッ!もう一回戻ってきて引き剥がしなさーいッ!!」

「ごごご、ごめんなさーいッ!!わざとじゃないんです…呪わないでぇーッ!!」

「…あれ?アンタ意識あんの?」

「え?…あ、うん…」

「『呪う…?この私がそんな下賤な真似をする筈がないじゃあないか?』」

「ま、また…!アンタ誰よッ!?誰の許可とっておまるに憑りついてんのよッ!」

「『…私は、『塔和十九一』。かつて塔和グループの会長だった男だ』」

「塔和の会長…!?」

「ということは…貴方は、灰慈さんのお父さんなんですか…?」

「『灰慈のことを知っているのか。…なら、とりあえずあの馬鹿息子は生きているようだな。ならば、妹の『最中』のことも知っているのか?』……妹ッ!?」

「やっぱり…そういうことだったのね…!道理であのモグラ男が隠し通そうとする筈だわ…!」

「でも…実の兄妹って割には…その…」

「『…なかなか鋭いねお嬢ちゃん。…だが今はそんなことはどうでもいい…!頼む、最中の暴走を止めてくれ!このままでは、塔和の栄光の歴史が終わってしまう!』」

「…おたくの栄光なんかどうでもいいけどね、なんだってあのガキがモノクマを操ってんのか、そこんところだけでもハッキリ説明しなさい!」

「『…最中は、元々私と私の『愛人』の間に生まれた子だ。だが、奴の母親は子育てを放棄し、私にアイツを押し付けて消えおった。私はアイツを拾ってやった恩人だぞ。その癖に…!』」

「…で、でも。おじさんの子供には違いないんでしょ?なら、おじさんが育てるのは普通なんじゃ…」

「『フン、母親に育てる気が無かったのなら産ませるつもりも無かったわ』」

「そ、そんなの…!」

「『しかも、本来なら『施設』に預けるところを、わざわざ手元に置いてやったというのに…!あんなガキなど産まれてこなければ良かったのだ!』」

「…ッ!」

「『…そもそも『あの女』さえ居なければ…、最中が、この私を…実の父親を殺すなど!奴さえ居なければ、塔和の威光は永遠の筈だったのだ!『塔和グループの裏切り』を決定した時に最中の異常なまでの『反抗』にさえ気づいていれば…!』」

「…!?ちょ、ちょっと待ちなさい!あの女ってまさか…!」

「『…ふん、奴の名など思い出したくもないが。奴は…』」

「…もういい」

「『…ん?』」

「もう、貴方の言葉なんか…聞きたくもないッ!『イン・ア・サイレント・ウェイ』!」

 

ドヒュンッ!

 こまるの声に呼応して現れた『イン・ア・サイレント・ウェイ』がこまるの頭を掴むと、こまるから『何か』を引きずり出そうとする。

 

『ぐああああッ!?き、貴様何を…』

「お、おまる!?」

「自分の子供を…愛することもできないような人が、正しいなんてある筈がないんだから!だから…もう出て行って!」

『ぎゃあああッ!ぐ…も、最中を…止めて…くれ…。この無念…晴さで…おくべきか…』

 

シュゥゥゥ…

「…貴方に言われなくても、そのつもりだよ」

 自分の体から『何か』が抜けていく感覚を感じながら、こまるは虚空にそう呟いた。

 

「お、おまる…アンタ、大丈夫なの?」

「…うん。ごめん腐川さん、大事なところ聞けなかったかも…」

「…まあいいわ。大体見当はついたし。…それより、アンタ、無茶するわね。スタンドで幽霊を『引き剥がす』なんて…前代未聞よ」

「だって…我慢できなかったんだもん」

「…何がよ?」

「…こんなこと言うの、変かもしれないんだけど。…あのモナカって子は、きっと『お兄ちゃん』なんだよ」

「…はぁ?」

「なんていうか…お兄ちゃんの『もしも』の姿って言うか…」

「…アイツが苗木の『あり得たかもしれない未来』だって言うの?」

「うん…。あの子も、お兄ちゃんも、本当なら『産まれてこなかった』かもしれなかったから。ほんの偶然で産まれてきて、お兄ちゃんにはお父さんやお母さんが居てくれたけど…あの子にはきっと『誰も味方がいなかった』んだと思う。だからってあの子のやったことが許されるわけはないんだけど、…なにもかもをあの子のせいにしてるあのおじさんの話を聞いてると、お兄ちゃんまで貶されてるみたいな気になって…」

「…まったく、ブラコンもここに極まれりね」

「だ、だって…!」

「…ま、アタシもその辺は同感よ。苗木は、白夜様が『必要』と認めた存在なんだから。どこの馬の骨だか知らない奴に、否定されたくなんかないわ」

「…うん!じゃあ、エレベーターで上に……で、でも一応呪われたくないから首だけ寄せて行った方がいいよね?」

「…好きにしなさいよ」

 放り出された十九一の首を壁際に寄せ、二人はエレベーターに乗って上層へと向かっていった。

 

 

 

 

 

チーン…

「…着いたね…って、うわッ!?」

「な、何よコレ…?」

 エレベーターを降りた二人の眼に飛び込んで来たのは、無残にはじけ飛んだ『モノクマの首』と、その近くに散乱する無数の『入れ歯』であった。

 

「誰かが…モノクマと戦ったのかな?それに、この『入れ歯』ってもしかして…」

「な、なんか知ってんの?」

「あ、そうか。こっちの腐川さんは見てないんだっけ。これは…」

 

 

『キャー!誰か助けてー!』

「!この声は…」

「この頭の悪そうな金切り声…無視しましょ」

「そういう訳にはいかないよ!行こう!」

「…だと思ったわ」

 聞き覚えのある悲鳴に声の方向に向かうと、奥の部屋には声の主…空木言子がやはりいた。

 

「あ!お姉さま方!助けてくださーい!このままでは、エッチなモノクマに『CERO:D』から『CERO:Z』に引き上げられてしまいます~!」

『シャギャアアアアッ!』

 言子は天井の照明にしがみついたまま宙ぶらりんになっており、その下では沢山の『ビーストモノクマ』が落ちてくるのを今か今かと待ち受けていた。

 

「ふん、いいザマね。ほっときましょ」

「だから駄目だって!早く助けよう!」

「…助けたってロクな事なんかないわよ」

「それでもだよ!ほっとけないもん!」

「…ったく、このお人よしが」

 愚痴る腐川を引っ張って、こまるはビーストモノクマへと向かっていった。

 

 

 

 

 

「…『モエロ』ッ!」

「オラァッ!」

 

ドドドドドッ!

ザシュッ!

『シャギャアアア…』

 

ドォン!

 数分後、こまると腐川は危なげなくビーストモノクマを倒しきった。

 

「…ふぅ、助かりましたわお姉さま方。流石に武器も無くなってはどうしようも無かったので」

「ねえ…なんで君がモノクマに襲われてたの?」

「恥ずかしながら…私も『裏切られて』しまいまして。新月君のことは知ってますよね?」

「…うん」

「その時のモナカちゃんの話を私もこっそり聞いてまして、『口封じ』の為にこうして襲われていたのです」

「…ふん、どうせロクでもない話だったんでしょ?」

「…ええ、全くです。モナカちゃんは…アイツは、私たちの『楽園』なんかどうでも良かったんです。アイツは、ただ自分の言うことを聞く『駒』が欲しかっただけだったんです。その為に、ジュンコお姉ちゃんから託された『希望』を利用として…アイツだけは絶対に許せないんですよ…ッ!」

「…成程ね。けどね、江ノ島を知ってるアタシからすれば、マヌケなのは『アンタ達』の方よ。江ノ島やモナカみたいな奴の言う事を真に受けるから馬鹿を見ることになるのよ」

「なんですって…?」

「ちょっと腐川さん!そんな言い方…」

「…アタシは間違ったことは言ってないわよ。何しろ…アタシの『実体験』なんだからね」

「……」

「…ま、実際こうして裏切れられた以上どう言い返しても負け惜しみですね。ともかく、お姉さま方には一応助けられたわけですし…特別に『いい事』を教えてあげます」

「いいこと?」

「あの嘘つきウンコモナカは、この建物の屋上に停まってる『エクスカリバー号』にいますわ」

「エクスカリバー号?」

「この間お姉さんが華麗に没シュートされたあの『飛行船』ですよ。どういう訳か今ここに停まってるんですよね。これはチャンスですよ!」

「じゃあ、そこにモノクマを操ってる装置もあるんだね」

「ええ、おそらく。…あれさえなければウンコモナカなんてただの『リカちゃん人形』ですわ。精々惨たらしくぶっ殺しちゃってください…!あ、モノクマを操る装置はせひ私に預けてくださいね♡丁重に片付けておきますので」

「こ、殺さないよ!」

「顔見なくても分かる様な嘘を吐くんじゃあないわよ!…それより、白夜様は!?未来機関の人質はどこにいるのッ!?」

「人質…ああ、『魔王のお友達』のあの乳首の綺麗そうなお兄さんですか。彼ならこの建物の『最上階』に閉じ込められてますけど、多分その鍵もモナカちゃんが持ってますよ」

「…なら、あのクソガキをぶっ潰せば万事解決ってワケね…!」

「ええ、そういうことです。…ではお姉さま方、私はお先に失礼します。…ああ、モノクマの装置のこと、くれぐれもお願いしますね。安心してください、…もう、私には『オトナへの恨み』とかありませんから…。『魔物』だとか、全然思ってませんから…」

「……」

「ではでは、ご健闘をお祈りしま~す!」

 そう言い残し、言子はその場を去っていった。

 

「…あの子、どこに行くんだろう?」

「声だけで分かる様な嘘なんか吐いちゃってさ…。言葉端から『憎しみ』が漏れ出してんのが丸わかりよ」

「…けど、これで目的地も分かったね。急ごう…!犠牲者が増える前に、この戦いを止めないと…!」

「…おまる、アンタ…目が怖いわよ」

「え…?」

「アタシらにはあの連中を助ける『義務』なんかないのよ。それはあくまで『ついで』なんだから…今は、自分が無事でいることだけを考えなさい。それ以外の事は二の次よ、…いいわね?」

「……」

「……いいわね?」

「わ、分かったよ…」

「…ふん」

 こまるに深く釘を刺し、二人は屋上を目指して再び進みだした。

 

 

 

 

 

「…あーあ、これからどうしましょうか?下手に外に出てもオトナの群れで一杯ですし、かといってモノクマキッズも言う事聞いてくれませんし…自分の部屋にでも引き篭もってましょうか…ん?」

 

 

「…ちょ、ちょっと待つべ!ホントに行くんけ?危険だっての!」

「うっさいわね!さっき自分で行くって言ったんでしょ?だったらいつまでもうだうだ言ってんなっての!」

「…にゃーお」

「ああもう…分かったべよ!こうなりゃやってやるっての!俺のスタンドの本気を見せてやるべ!」

 

 

「…なんでしょうアレ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 一方その頃、ヒルズの外では…

 

『『『『それーッ!』』』』

「な、なんて数だ…クソッ!」

「流石にバリケードだけでは持ちこたえられんか…!?」

 街中から押し寄せてきたモノクマをレジスタンスたちが必死に押しとどめていた。

 

「ぐああッ!」

「ああッ!?…クッソォ!お前らーッ!!」

「朝日奈君!無理をするな!」

「そうよ、アンタ左目見えてないんだから…」

「だからって、このままじっとしてなんか…」

「…ッ!!朝日奈君、逃げろッ!」

「え…?」

 

『シャギャアアアアッ!』

 朝日奈の怪我をした左目の『死角』を突くように、ビーストモノクマが疾風のように襲い掛かって来た。

 

「あ…!」

「坊主ッ!」

「悠太っちッ!」

 必死の警告も虚しく、朝日奈がそれを捉えた時には既にビーストモノクマの爪は眼前に迫っていた。

 

(…畜、ショォオ…!ここで…終わりなのかよ…。姉ちゃん、ゴメン…約束、守れなかった…)

 

 

 

 

 

 

 

 

「…『ウェザー・リポート』…!」

 

ガォォン!

 

 

 

「………え?」

 耳を劈くような轟音が響くと同時に『突風』が吹きぬけたかと思うと、朝日奈へと迫っていたビーストモノクマがいきなり『吹っ飛んだ』。

 

「な…え…?」

「…大丈夫か?」

「え…」

 後ろからかけられた声に振り返ると、そこには奇妙な帽子を被った長身の男が朝日奈を見下ろしていた。

 

「…え、えっと…」

「…とりあえず、間に合ったようだな。ならいい…」

「あ、アンタは…?」

 

「…『ウェザー』?ウェザーじゃあねえかッ!」

「…え?」

 突如現れたその男に問いかけるよりも早く、ホル・ホースがその男の名を叫ぶ。

 

「…ホル・ホースか。お前も無事だったようだな」

「あ、ああ…なんとかな。それより、お前さんがなんでここに…」

 

『…シャガアアアッ!』

「わあッ!?」

「ム…思ったより頑丈だな」

「あ、アンタ!感心してる場合じゃ…」

「…問題ない」

「は?」

 

 

 

 

「『エアロスミス』ッ!」

「!」

 

 

ドバババババッ!

『…ギャオオオ…』

 

ドガァンッ!

 先ほど吹き飛んだビーストモノクマが起き上がったかと思うと、突如上空から飛来した『戦闘機の銃撃』が動き出す前に完全に止めを刺した。

 

「い、今のスタンドは…『エアロスミス』ッ!ってことは…」

「その通りだ。…俺が一人でここに来るはずが無いだろう」

「…ウェザー!」

「おお…ッ!」

 男…ウェザーの名を叫びながら向こうから走って来たのは、一様に『蠢く袋』を担いだ二人の女性と一人の少年であった。

 

「テメー、ウェザー!こんなもん俺に押し付けて一人で行きやがって…」

「…済まないな『アナスイ』、命令なのでな」

「まあまあ、人助けなら別にイイじゃあねえか」

「押し付けられる俺の身にもなれってんだよ『エルメェス』!」

「三人とも、落ち着いて…ともかく、無事で良かった…」

「あ、アンタ達は…?」

 突然の闖入者たちに呆然とする皆に、一同を代表して『そばかすの女性』が名乗る。あの頃より少し柔らかな面持ちになり、肩までかかるぐらいに伸ばした髪を『妹』とお揃いの『白と黒のクマのヘアゴム』で束ねた女性。

 

「…私たちは『パッショーネ』。皆さんを助けるため、そしてこの戦いを終わらせるために来た」

「パッショーネ…?」

「パッショーネって…まさか!?」

「…待ちくたびれたぜ、『むくろ姐さん』よぉッ!」

 嬉しそうにそう言うホル・ホースに、『戦刃むくろ』は申し訳なさそうな笑みを浮かべた。

 




むくろと6部組合流。
真打登場は…もうちょっと待ってね。

十九一の幽霊の下りですが、4部の時のようにスタンド使いなら幽霊が見えるんじゃね?ということで腐川にも見えるようにしました。…もともとブチャ達と会ってるから幽霊自体は信じると思いますけどね
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