ダンガンロンパ~黄金の言霊~   作:マイン

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自重ってなんだぁ…?(ブロッコリー感)

連日更新、今日が最後です。元々10日ごとの更新でしたし…というより、ここまで載せちゃったのでキリのいいとことで終わりたかったので。流石にこれ以上は無理なので次の未来編の放送までお待ちください


絶望編9話視聴…しちゃったよ…

雪染先生…なにポックられとんねん…!洗脳ビデオ強制視聴+外から直接脳への刺激…ネウロの電子ドラッグにネフェルピトーの脳クチュクチュと言うジャンプでも屈指のグロ系ネタをダブルでぶち込んでくるとは…やはり江ノ島はえげつない…。素面で執行できる残姉も酷いけど。
…ところで、そのシーンでモナ・リザを見た吉良の気持ちを理解できた人、怒らないから名乗り出なさい。シアーハートアタックが飛んでいくから

七海が勇気と蛮勇をはき違えてる感が…。確かに見捨てるのはアレだけど、ロクな手段もないまま挑むのは自殺行為だよ…。そして狛枝も分かってて同調したなアレ。…僕が思っている以上に絶望的な結末がありそうで怖い…

そしてカムクラが既に絶望に飽きかけてきている件。この後江ノ島は記憶消してゼロ編に入るんだろうけど、その間カムクラは何を思ってたんだろうね。…案外もう切り捨てる算段に入ったのかもしれませんね

…そしてオチが既に見えている逆蔵と可哀そうな御手洗君。逆蔵は…まあいいとして、てっきり罪木みたいになるかと思ってた御手洗君でしたが、臆病さが功を奏して絶望からは逃げ切れましたね。…ただこのままだと、狛枝とはまた別方向で厄介な「希望厨」になりかねないかも…苗木に嫉妬していたっぽいのもそういうことなんだろうね…


絶対絶望少女

 …その頃、街中を跳びまわる青年はやっと塔和ヒルズを視界に捉えていた。

 

「…見えた!アレが塔和ヒルズか…。あのデカブツも今はおとなしいみたいだな、今のうちに…」

 

パキッ…!

「!?」

 突如、青年が着ていた服についている『テントウムシのアクセサリー』の一つにひびが入った。

 

「…なんだ?急にこんな…」

 『幸運の象徴』であるテントウムシの破損。青年がそのことに気づいた瞬間

 

『…嘘だぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ…!』

「ッ!?今の、こまるの声…?一体何が…ッ」

 ありったけの悲しみが籠ったこまるの叫びに青年が反応する間もなく、青年の人外の視力がヒルズのモニターに映し出された『絶望に満ちた』こまるの顔を捉えていた。

 

「…ッ!?こまる、あの顔は……クソッ!頼む…間に合ってくれッ!!」

 その表情が意味するものを知る青年は、更なる焦燥に駆られ一心不乱にヒルズへと向かっていった。

 

 

 

 

 一方、こまるの叫びはモノクマの群れを片付けた戦刃たちにも聞こえていた。

 

「ッ!今の…こまるちゃんの声…!?」

「…ただごとではない声だったな」

「まさか…間に合わなかったんじゃ…」

「ヘイッ!ガキッ、弱気な事言ってんじゃあねえ!」

「だがヤバそうなのには変わらねえ…姐さん!」

「うん、行こう…!もう時間が無い!」

 

 

 

 

 

 

「あ、ああああ…ッ!」

 叫び終えたこまるは、床に突っ伏し嗚咽を上げて泣き喚いていた。

 

「あ、アンタ…ッ!よりにもよって、こいつらの両親を…ッ!」

「…ご、合成だべ!あんなもんあるわけが…」

「合成なんかじゃないよ。正真正銘本物の映像だよ。…撮ったのは『昨日』だけどね」

「…嘘だろ…。こんなの…こんなのってアリかよぉッ!オレが…苗木っちに返せる恩なんて…これぐらいしか無かったのによぉ…」

「…こ、こまるッ!気をしっかり持ちなさい!こんなの『絶望』の常とう手段よッ!アタシらだって、希望ヶ峰学園でこういうのを見せられたけど結局…」

「…いや、そいつは本物かもしれねえぞ」

 こまるを励まそうとする腐川であったが、灰慈がそれを否定する。

 

「な、何よ急に…」

「こいつの本性はとっくに知ってんだろ…?お前の両親…『行方不明』だったよな?なら…この状況で見せられた意味ぐらい、お前だって分かるだろ…?」

「…ズルいよ…ッ!さっきまでと、言ってること違うじゃんか…」

 言子が震え越えで灰慈を非難するが、灰慈は知ったことかとばかりにこまるに激を飛ばす。

 

「…お前はそれでいいのかよッ!?自分の親を…こんな目に遭わされといて、黙って泣き寝入りするってのかッ!それで…死んだ親御さんが喜ぶとでも思ってんのか!?だから…お前はそいつを壊すんだッ!『復讐』の為だけじゃねえ…この街で死んでいった者達への『手向け』としてだッ!!」

「……ッ!」

 ゆっくりと顔を上げたこまるは、モナカに憎しみの籠った視線を向ける。

 

「うぷぷ…。モナカが憎い?大事な人をあんな目に遭わせた私が、『コドモ』が憎い…?」

「…『イン・ア…サイレント・ウェイ』ッ!!」

 ハッキング銃をモナカへと向け、こまるは『イン・ア・サイレント・ウェイ』を呼び出す。

 

「こ、こまる…ッ!?」

「…『死ね』ッ…!」

「え…?」

 こまるが口にしたのは、こまるが考えられる限り『イン・ア・サイレント・ウェイ』の能力で撃てる最強の『コトダマ』。…しかし恐ろしくて使おうだなどと思いもしなかった禁断の『コトダマ』であった。

 

「『コワレテ死ね』ッ!『モエテ死ね』ッ!『フキトンデ死ね』ッ!『シビレテ死ね』ッ!死ね死ね死ね死ねシネッ…!お前なんか、お前なんかぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

「こ、こまるッ!やめなさい!」

 腐川の制止など聞かず、こまるは怒りのまま引き金を引こうとし…

 

 

 

「…モナカを殺すのはいいけど、そんなことをしても何も変わらないよ」

 淡々と言われたモナカの言葉に、思わずその指を止めてしまう。

 

「そんな…勝手な事…ッ!」

「うん、モナカは勝手だよ。勝手にあなたの両親を殺した。…だからあなたにはモナカを勝手に殺す『権利』がある。…けどさ、それは所詮モナカの『勝手に対する復讐』でしかないんだよ。モナカが死んでも、状況は何も変わらない。結局あなたには『人を殺した』っていう事実しか残らない。…だからさ、どうせ同じならもっと大きな『復讐』をしようよ…!モナカだけじゃなくてさ、コドモも、オトナも、この街も…この世界も!あなたから大切な人を奪った『この世界そのもの』に、『勝手に』復讐しちゃったらいいじゃんか…!」

「……」

「こ、こまるッ!聞く耳を持っちゃ駄目よ!」

「……」

「…こまる?」

 

 

 

 

 

 

「…いいよ」

「え?」

「そんなにやって欲しいなら…望みどおりにしてあげるよッ!」

「ッ!?」

 こまるはいきり立つと手にしたコントローラーを高く掲げる。

 

「ま、待つべこまるっち!冷静になるべ!」

「そうよ!そいつの口車に乗っちゃ駄目だってば!」

「お姉さん、考え直してください!」

「そうだ…やっちまえ!苗木こまる!」

 

「こ、こまる…!バカなことはやめ…」

「煩いッ!」

 葉隠の、花音の、言子の、灰慈の、そして腐川の声をこまるは叫び飛ばす。

 

「もう、どうだっていい…!コドモも、オトナも、この街も…この世界も、どうなろうが知るかッ!なにもかも…どうだっていいんだよッ!」

「……」

 

 

 

 

 

『そうだー!やれーッ!』

『ぶっ殺せー!』

 

「ね、姉ちゃんやめろーッ!」

「テメェッ!自棄になるんじゃあねえ!」

「苗木さん!待つんだッ!」

「こまるっち!やめて…やめとくれ…!」

「こまるちゃん!」

「ぜ、絶対後悔するわよッ!」

「苗木さん!やめるんだ!」

「苗木殿…!それだけはやってはいけないッ!」

「こまる様!考え直してくださいッ!」

「こまる君…頼む、やめてくれ…ッ!」

「こまるちゃん!そんなの…そんなの駄目だよッ!」

 悠太、雪丸、隆秋、浩子、羽山、富士子、太一、ケンイチロウ、アロシャニス、不比等、五月雨。こまるが助けてきた要救助民の制止も、彼女には届かない。

 

「…チクショウ。ここまで…なのかよ」

 ホル・ホースが、諦めかけ視線を落とした、その時

 

 

 

…ギュオンッ!!

「…え?」

 突如後方から『紅い閃光』が迸ったかと思うと、それはヒルズの壁に沿って凄まじいスピードで、時折屈折するかのように加速と減速を繰り返しながら屋上へと昇っていった。

 

「な、何…今の…?」

「赤い…流れ星?」

「…まさか、まさか…ッ!」

 

 

 

 

「…結局、この結末は『決定』していたんだよ。あなたが抱いた『希望』は所詮絶望の『踏み台』でしかなかった。あなたは最初から…そう、『絶対絶望』することが決まっていたんだよ」

 コントローラーを高く掲げたこまるに、モナカが満足そうにそう言う。

 

「こ、こまる…」

「…腐川さん、ごめん…。私には、やっぱり無理だったよ。…お兄ちゃんみたいには、なれなかったよ…」

「…ッ!!」

 

「…ッ!あああああああああああああああッ!!!」

 自分のなにもかもを同時に叩き壊すとでも言わんばかりに、こまるは雄叫びを上げてコントローラーを振り上げた。

 

 

「…結局、『希望の妹』も所詮は『普通』でしかなかった…という訳か」

 落胆したようにそう漏らす狛枝に、モナカは勝利を確信し呟いた。

 

 

「…『勝った』…!ザマアみろ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…駄目よ、こまるぅッ!!」

 

ガバッ!

『ッ!!?』

 しかし、それが振り下ろされる直前、こまるに飛びついた腐川がその手からコントローラーをひったくった。

 

「な…なにやってんだテメーッ!?」

「…ホントになにやってんのさ?あなたが出張るなんて予想外もいい所なんだけど」

「う、煩いわよッ!これは…アタシが守る!こまるに、そんなくだらないことなんてやらせないんだからッ!」

「……」

 激昂する灰慈と問うモナカに、腐川は毅然として言い放った。

 

「…ふうん。でもいいのかな?ね、召使いさん?」

「そうだね。…いいの腐川さん?早くそれを返さないと、君の大事な十神君が跡形もなく…」

「…させるかってよぉーッ!」

「ッ!」

 脅しにかかろうとした狛枝に葉隠が飛び掛かり、『キラークイーン』の手に付いた起爆スイッチに『ドラゴンズ・D』が噛みつき覆い隠す。

 

『…ッタク、オレハ『中立』ダッテ言ッテンノ二ヨォ~!手伝ワネエト『自殺』スルとかオメーのキャラジャアネーダロ~ガヨォ~!?』

「ウルセェッ!俺だってやりたかねーけど、やるしかねーだろ!」

「…ッ葉隠君、君が…こんなことをするなんてね…ッ!」

「へへ…なんでか知らねえけど『左腕』が無えんなら、この状況で反撃は無理だろッ!」

「…それはどうかな?」

「へ?」

 

『しばッ!』

 

ガンッ!

『ゲッ…!?』

「うげッ!?」

 『キラークイーン』の頭突きが『ドラゴンズ・D』を打ちのめし、フィードバックで葉隠にもダメージが入る。

 

「どうだい?結構効くでしょ?…これ以上痛い目に遭いたくなかったら、さっさとどいて…」

「…御断り…だべ…ッ!」

「何…?」

 鼻から血を流しながらも、葉隠は狛枝を抑え込む力を緩めない。

 

「俺だって…『成長』するんだべッ!俺の『意地』…嘗めんじゃあねえべッ!」

『…チッ、付キ合ッテヤンヨチクショー!』

「…キミ達は…」

 

「葉隠…!似合わないことしちゃってさ…」

「おいおいおい…ふざけんなよッ!そいつは、それを壊そうとしたんじゃあねーかッ!お前は、そいつの『邪魔』をしてんだぞッ!」

「…そ、そんなのッ!アンタ達がそうさせただけじゃあないのッ!こまるの『意志』を無視して、弱ったこまるに自分の『勝手』を押し付けただけじゃないのッ!そんなのがこまるの意志なんて…アタシは認めないッ!」

「ちょっと~!こまるさんは自分で『選択』したんだよ?友達なら、それぐらいちゃんとわかってあげようよ~?」

「なにが『選択』よ…!アンタらのルールに従ってやる理屈なんてこっちには無いのよッ!やりたきゃ一人でやってなさい…、アタシは『どっちか』なんて認めない…!こまるも、白夜様も、世界も…全部守るッ!」

「…クソアマァ~…ッ!粋がってんじゃあねーぞッ!」

 

ガスッ!

「ぎッ…!」

 怒りに燃える灰慈はコントローラーを抱えた腐川を蹴り飛ばす。

 

「いいからそいつをこっちに寄越せッ!それは…俺がぶっ壊してやるッ!」

「い…やだ…ッ!これは、『こまる』なのよッ!これは、こまるが捨てかけた『こまるの心』なのよッ!これが壊れたら、もうこまるは戻れなくなる…アタシは、絶対に『友達』をそんな風になんかしないッ!死んだって…これは離すもんですかッ!!」

「なにをワケ分かんねえことを…言ってんだテメーッ!!」

 

ガバッ!

「うおッ!?」

「それ以上は…させません!レディーを蹴るなんて、殿方として最悪ですッ!!」

「離せテメエら…ッ!あれを壊さねえと、ガキ共の暴走は止まらねえんだよッ!」

「暴走してんのは…どっからどうみてもアンタの方でしょッ!そうじゃなくたって…女の子を蹴る様な奴許せるかっての!」

 灰慈に取り縋って止めようとする言子と花音であったが

 

「…黙れぇぇぇッ!!」

 

ドガッ!

「うぎゃあ!」

「あうっ…!」

 流石に男の力には勝てず、言子は片手で投げ飛ばされ、体力と力には自信があった花音も踵で背中を蹴られ引きずり落とされる。

 

「こ、この…『メタリカ』ッ!」

 

ザスザスザスッ!

 こちらに歩み寄る灰慈に腐川の『メタリカ』が炸裂し、右足の内側から大量の『釘』を突き出させる。が…

 

「ッ!…き、く…かよ、こんなもんんッ!!」

「そ、そんな…ッ」

 復讐に駆られ痛みすら忘れた灰慈は歩みを止めず、まさか突っ切って来るとは思わなかった腐川が驚愕からかジェノサイダーへと交代するよりも早く

 

「どけよブスメガネッ!」

 

パキャンッ!

「ぎゃあッ!」

 顔面をメガネごと踏みつけられた腐川は痛みの余り思わずコントローラーを持つ手を緩めてしまう。

 

バシッ!

「し、しまっ…返しなさいッ!」

「ふざけんな…!やっと、やっとこれで終わるんだぞ。それをこれ以上…邪魔されてたまるかよッ!」

 メガネの破片が目に刺さったせいで視界を失った腐川では、もはや灰慈を止めることはできなかった。

 

「…ま、しょうがないか。面倒だけど後で合成して苗木こまるさんが壊したってことにしとけばいいかー…」

 少し残念そうにそう言うモナカの前で灰慈はこまるよりもなお高くコントローラーを掲げる。

 

 

「…ッ殺された皆の仇だ…!死ねよぉぉぉぉーッ!!」

「だ、駄目よぉーッ!!」

 

 

 

「……けて」

「ん?」

 ふとモナカがこまるに視線を向けると、放心状態のこまるがぼそぼそと呟いていた。

 

「…けて。…すけて、『助けて』よ…」

 

「…助けなんか来ないよ。来るはずがないんだよ。…私がどれだけ願ってもこなかったのに、あなたなんかに『助け』なんか…来るはずが無いんだよ…!」

 

 

 

「助けて…助けて、助けてよ…ッ!助けて…ッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…お兄ちゃあぁぁぁぁんんんんんんんんッ!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ッツァアアアアアアアアアアッ!!!」

 

 

「…え?」

 

 

 

 

ガッシャァァァァァァンッ!!!

『ッ!?』

 咆哮と共に窓ガラスをぶち破って、外から『何か』が飛び込んで来た。

 

 

「な…」

「…に…?」

 その場に居た皆がその姿を見るよりも早く、それは叫んだ。

 

 

 

「…『スタープラチナ・ザ・ワールド』ォッ!!」

 

 

 

ドギュゥゥゥン…ッ!

 

 

 

 

 

 

 

コツ…

 

 

コツ…

 

 

コツ…

 

 

 

 

 

「…『そして時は動き出す』」

 

 

 

…ギュゥゥゥゥンッ…!

 

 

 

 

「…え?」

 

パラパラパラ…

 こまるたちが気が付いた時には、そこには誰もおらず、ただ砕け散った窓ガラスだけが零れ落ちるだけであった。

 

「な、何…今の…?」

「…なッ!?」

「え…?」

 灰慈の声に思わずそちらを振り向くと

 

「な…『無い』ッ…!コントローラーが…無えッ!?」

 たった今叩きつけようとした筈のコントローラーが、灰慈の手から消えていた。

 

「…嘘。何が起きたの?」

「なんだ…何が起こった!?…おいテメエ!テメエが隠して…」

 腐川に奪われたのかと思った灰慈が顔を向けるが、当の腐川は『目を見開き』信じられないかのような表情で茫然としていた。

 

「…おい、お前がコントローラーを…」

「…い、今のって…」

「あん?」

 

「…間違いない、今確かに…『スタープラチナ・ザ・ワールド』って聞こえた!たった今、『時が止まった』わッ!」

「…はぁ?」

「でも、どうして…?空条承太郎はまだ目覚めてないのに…一体誰が時を…」

「…あ、あれ?お姉さん…何時の間に『怪我が治ってる』んですか?」

「へ?…ッ!そ、そういえば痛くないッ!メガネ…も、『新品』になってる!?」

「おい…!いつまで寝言言ってやがんだッ!あのコントローラーをどこへ…」

 

 

 

ポーン…カシャ…

 

「…流石は承太郎さんのスタンドだ。僕が使っても『3秒』も時を止められるとはね…」

「……え?」

 その声は、さっきまで誰も居なかった筈の方向から聴こえてきた。

 

「間に合ったのかどうかは分からないけど…とりあえず、『これ』は確保しておいて『正解』だったみたいだね」

「…ま、さか…!?」

 手にしたコントローラーを弄んでいるその人物の声に聞き覚えのある者は、思わず自分の耳を疑ってしまう。

 

「…正直、まだあんまり状況は理解できないし、少なくとも『最悪』以外の何物でもないだろうけど…まだ『絶望的』でないだけマシか」

「お、おおお…ッ!」

 ある者は歓喜を、ある者は困惑を、ある者は怒りと混乱を顔に浮かべ、その『青年』を見る。

 

「…遅れてきておいて偉そうなことは言える立場じゃあないけど、ただ一言、これだけは言わせて貰おうかな」

「お、前…は…ッ!?」

 

 先ほどまで真っ赤だった髪はいつの間にか美しい『黄金』に戻っており、背中まで伸ばした髪を『白と黒のクマの髪留め』で縛っている。あちこちにテントウムシのアクセサリーをつけた『黒のフード付きロングコート』を着ており、頭にはこまるとよく似た、特徴的な『アンテナヘッド』とでも表現すべき癖っ毛がある。

 身長はお世辞にも高いとは言えないが、その身から発する『圧倒的存在感』が身長差などまるで感じさせない。『あの頃』と似たような、しかしそれでいて増々逞しさを増した、その青年こそが…

 

 

 

 

 

「…また会えたな、塔和モナカッ!」

「…なんで、なんでお前がここにいるッ!?苗木誠ォォォォォッ!!!」

 『超高校級の希望』にして苗木こまるの兄、苗木誠であった。

 




苗木君推参ッ!

…絶女プレイ後、この展開を考えてから早2年近く…。ようやく、ようやく文章にすることができました。ああ、次はスーダンのあのオチだ…
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